「デブラ・ウィンガーを探して」映画製作裏話
★映画基礎データー★「デブラ・ウィンガーを探して」 2002年 アメリカ映画 監督 ロザンナ・アークェット 出演 デブラ・ウィンガー他 |
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「めぐりあう時間たち」「まぼろし」同様、劇場に来た観客の95%が女性客という作品です。
しかし「まぼろし」が中高年層にウケたのに対し、「デブラ・ウィンガーを探して」は10代から60代まで満遍なくお客を集めいてます。
ドラマではありません。現役のハリウッド女優34人のインタビュー&トーク集です。
上映はライブ会場のノリで、爆笑や喝采が交互に起こりました。
テーマは女たちの"自分探し"。
名声と富みを得、美貌にも恵まれた彼女等は世間的には成功者とみなされますが、
どっこい女の人生は甘くない!
仕事と生活の両立、精神の自立と向上、自己実現、恋愛、結婚、子育て、ダイエット、
年齢を重ねると言うこと、容姿の衰え、美容整形、男社会で仕事を続ける苦労心労、
キャリアの危機をどう乗りきるか、同性との葛藤、家族との折り合い、etc
世に出て仕事を持つ女性すべてに関わる問題から逃れることは出来ないし、
加えて、表現者である、ということから来る内面外面の葛藤、
家族の中に他に芸能人がいたら(それが自分より有名人だったら、優れたアクターだったら)、
"脱ぐ"ことに関する覚悟ともろもろの状況、
きれい事では済まない経済事情等が襲いかかり、彼女等の日々全力で戦っている姿をキャメラは追っています。
「めぐりあう時間たち」は男の作家が書いた小説を男の監督が演出した"創作物"ですが、
こっちは今現在ハリウッドの修羅場で戦う女たち自身が己の生き様を語っているのですから、迫力が違います。
『マドンナのスーザンを探して』『グレート・ブルー』の個性派女優ロザンナ・アークェットがみずから監督しプロデュースもし、インタビュアーを勤めて、必要ならデジタルカメラを手にして撮影までやっています。
インタビュアーの仕方によっては、表面をなぞっただけの綺麗ごとで終わってしまう実につまらないフィルムになるのですが、
ロザンナは自分自身の問題として製作に取り組み、ロケは2大陸10ヶ月に渡り、撮影されたフィルムはのべ150時間分にも及ぶ労作で、それを1時間半に編集しています。
作品の冒頭で名作「赤い靴」のラストシーンが登場します。
愛をとるか、バレーを取るかの選択を迫られた主人公は、
赤い靴を履いたまま、バルコニーから列車へ身を投げます。
「なぜヒロインはあそこで身を投げねばならなかったのか?
私には答えが見つからなかった」とロザンナ自身がしゃべっています。
その答えを求めて、彼女は女優達を訪ねて歩きます。
タイトルにもなっているデブラ・ウィンガーという女優は、
『愛と青春の旅だち』(82)、『愛と追憶の日々』(83)、『永遠の愛に生きて』(93)で
3度もアカデミー賞にノミネートされた演技派女優ですが、突然引退。
人気、実力とも揃い絶頂期にあった筈の彼女が何故、女優を降りてしまったのか?
それは私達みんなの問題ではないか?
ロザンナは自問し、34人の女優達に質問を投げかけています。
それぞれが何と答えているか、ここで書くのは野暮というものですが、
個々の女優達の印象がフィルムとずれていたりして面白かったです。
「氷の微笑」で美女ヒール(悪役)として売り出したシャロン・ストーンが意外や、
かわいい女(ひと)だったのは発見だし、
「まぼろし」をランチ・パーティで女優達が語り合っているところへ、
当のシャルロット・ランプリングが出てくるのは、ちとあざといけど、
同業者同士が何をどう感じているかは、やはり興味があるもんです。
ジェ−ン・フォンダが「経済的にも女優をやめることは出来なかった」
というのは、自立とか自己実現とか、そんな話以前の生活のための戦いがあるのだと、
厳しい現実を付きつけられる思いでした。
ラッセル・クロウとの仲でパパラッチに追いまわされていた最中のメグ・ライアンは
凹んでいるかと思えば、むしろ「どっからでもかかってらっしゃい」という感じで、
カメラにかぶりつきでしゃべってました。
普遍的な問題を語らっている一方手で、
この作品はロケのあった2001年当時の各女優達の状況がインタビューにも
反映されてます。
登場する女優達にも"勝ち組み""負け組み"の両方がいて、
両者の落差がフィルムにも出てしまっています。
「ワーキング・ガール」のメラニー・グリフィス、
『スプラッシュ』のダリル・ハンナなんて、
おもがわりしてしまって最初誰だかわかんなかったです。
しゃべっている内容に関係無いところでも、
ドキュメンタリーの残酷さが出てしまっているということですね。
実はこの作品はカンヌ映画祭で上映されたたけで、一般公開は日本が初めてだったそうです。
つまりアメリカでもスクリーンに掛かっていない状態で公開されました。
ミニシアター系での公開ですが、評判の良い作品でした。
ロザンナ・アークェットは来日舞台挨拶でめちゃめちゃ緊張しまくっていたそうですが、
面白いことこの上ない作品ですし絶対見て欲しいですね
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