「エリザベスタウン」DVD脚本レビュー
★映画基礎データー★「エリザベスタウン」 2005年 アメリカ映画 監督脚本 キャメロン・クロウ 出演 オーランド・ブルーム |
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生活を犠牲にしてまで8年もの間情熱を傾けてきた、
新しいシューズ開発のプロジェクトが失敗。
商品の返品が相次ぎ、デザイナーのドリュー(オーランド・ブルーム)は解雇される。
しかも6日後には、彼ひとりの責任として、
企業の損失がビジネス紙で公表されることに…。
ドリューはマンションの自室で自殺としようと準備するが、
そこに、父の死の知らせが届く。
失意の中、ドリューは葬儀のため父の故郷であるケンタッキー州の小さな街、
エリザベスタウンへと出発する。
親戚たちとの触れ合い、初めて知る亡き父の姿、新しいロマンス
――美しいその街で過ごすうち、ドリューの傷ついた心も次第に癒されていく。
そして迎える運命の『6日後』とは・・・?
映画『エリザベスタウン』は、
アメリカ南部・ケンタッキー州に実在する町エリザベスタウンを舞台に、
“ある一族の家長の大仰で滑稽な葬式から始まる、思いがけない恋の物語”と
紹介されています。
ふーん、やっぱこれはラブストーリーなのか。
失敗した若者の癒しと再起のドラマだと思って見たんですが、
墓穴を掘った靴の開発の説明がなく、その被害が国家予算規模になるという説明のみで、
具体的に何をどうドリューがしくじったのか不明のままなんですよ。
うーむ、これはネタばれか?
ちょっと改行すべきこととは別のように思うので、
あえてこのまま続けますが。
ですから、ラストシーンでもドリューは失業者のままです。
リベンジ出来ないまでも、名誉挽回の機会を捕まえるとかでないと、
単に主人公が現実逃避しただけのように見えてしまうのですね。
冒頭の仕事の失敗というのがインパクトありすぎて、
後の展開からすると、
単に仕事に疲れた青年が田舎に帰った、というだけのスタートで
十分のはずです。
なんだかいつの間にかビジネスドラマ風の展開を期待してしまって、
そうじゃないんだよ、と気が付くのがエンドタイトルが出た後で、
損をした気分です。
ちょっと思いつきですが、自分が脚本家なら、
仕事は想定以上の大成功だったんだけど、
良心に背いたとか精神的な代償が大きすぎて、
嫌気がさして自ら辞表を出して田舎に帰ったしまった。
といった風の展開の方が良いです。
立身出世と幸福は別ものとはっきりしているわけですから。
でもやっぱり6日後、というカウントダウンがドラマ的に必要だ、
と監督は判断したんでしょうね。
先に破滅の日があって、そこに向かって話全体が進んでいく。
脚本・監督のキャメロン・クロウは本作で
「よく知りもしなかった人にどうやって別れを告げればいいのか?」と問いかける。
自身の体験を元にした『あの頃ペニー・レインと』で
アカデミー脚本賞(2000年)を受賞したクロウですが、
今回は父の急死という体験から『エリザベスタウン』を書いたといいます。
物語の中心は、父が死んで初めて自分の家族のルーツ、
父親自身、そして自分のルーツに目覚めていく若者の姿です。
恥ずかしながら『あの頃ペニー・レインと』は未見ですが、
『エリザベスタウン』というこの映画には手作りの良さ、
メジャーの作品でありながら、
マイナーで古風な学生映画のにおいを残しているところが良いです。
これもひとつの才能なんだろうな。
トム・クルーズが制作に名を連ねていて、
スタッフに過去のトム・クルーズ出演作の関係者がやたら多いのが
特徴です。
主人公のドリュー・ベイラー役には、キャメロン・クロウ監督は最初から
オーランド・ブルームを選んでいました。
しかしオーランド・ブルームはスケジュールの関係で当初実現不能。
そこで、アシュトン・カッチャー(ジャスト・マリッジ (2003)』)に
主人公役が回ってきたが、
ヒロインのキルステン・ダンストとリハーサルでミスマッチだったので
降板されてしまったそうです。
監督は、やはりオーランド・ブルームを主役に迎えるために、
撮影開始を数ヶ月延期したそうです。
コスチュームものが多かったオーランド・ブルームですが、
本作品では現代青年をナイーブに演じて見せました。
ドリュー・ベイラー役には、
ショーン・ウィリアム・スコット(『バレットモンク (2003) 』)、
コリン・ハンクス『キング・コング (2005)』
クリス・エヴァンス『ファンタスティック・フォー [超能力ユニット](2005) 』
ジェームズ・フランコ『デュース・ワイルド (2002) 』らの名も
候補に挙がっていたようです。
ヒロインのクレア・コルバーン役には、
キャメロン・クロウ監督は最初からキルステン・ダンストを選んでいました。
キルステン・ダンスト自身もこの役につきたいと願ったのですが、
『ヴィレッジ (2004) 』出演を既に契約していました。
それで、ナタリー・ポートマン(『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐 (2005)』に
クレア役が考慮されました。
しかし、諦めきれないキルステン・ダンストは、自ら『ヴィレッジ (2004) 』を
降板して『エリザベスタウン』のオーディションをギリギリに受けて
勝ち取ったという経緯があります。
監督は理想のキャストを実現したかに見えますが、裏腹に
オーランド・ブルームの母親役に、
予定されていたジェーン・フォンダが、
映画撮影が延期になったために降りるという事態も起きています。
キャビン・アテンダントのクレアが乗客のドリューに近づき、
長電話で呼び出しに応じて、挙句恋人になっていく展開は、
脚本的にはあまり説得力が無いのですが、
キルステン・ダンストの演技力でいつの間にやら信じさせられてしまっています。
美人ではないですが、得がたい女優です。
ネタばれ改行です。
クライマックスで、ドリューがクレアからもらったアルバムを手にして
ドライブに出るのはもう少し前の方が良かったように思いますね。
いったんふたりを別れさせて、再会させるというのは悪い手ではないですが、
ロードムービーの部分が地味ですから、クライマックスに使うのはどうですかね。
その前の葬儀の演奏会の方が見た目が華やかで面白かったものですから。
それと入れ替えるわけにはいかなかったんでしょうか。
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