「逆境ナイン」映画製作裏話

「逆境ナイン」映画チラシ★映画基礎データー★
「逆境ナイン」
2005年 日本映画
監督 羽住英一郎
原作 島本和彦
脚本 福田雄一
出演 玉山鉄二

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「廃部だ!!」校長室から轟きわたる声。
万年勝ち知らずの全力学園野球部キャプテンの不屈闘志(玉山鉄二)は、
その名のとおり不屈の闘士を持つ男。
一方的な廃部宣告を契きつけるのは、
〜全力でないものは死すべし〜をモットーとする校長(藤岡弘)。
何事も全力を好む校長にとって、生半可な活動しかできない野球部は不要と判断される。
しかし不屈は、無謀にも甲子園行きを約束する!

”逆境”とは、思うようにならない境遇や、不運な境遇のことをいう。“
「少林サッカー」張りのドタバタスポーツ・コメディ映画であります。
が、これは漫画家・島本和彦コミックス「逆境ナイン」を、
『海猿』の羽住英一郎監督が映画化したまぎれもなく
メイド・イン・ジャパンムービーです。

私は「炎の転校生」を断片的に読んだことくらいしかないので、“島本和彦を知っている”
とは言い難いのですが、それにしてもこのお馬鹿映画ぶりは天晴れでした。
島本和彦のコミックス「逆境ナイン」は、1988年に「少年キャプテン」で連載を開始し、
絶版の憂き目に遭いながらも今回なぜか映画化。
羽住英一郎は『踊る大捜査線THE MOVIE』『スペーストラベラーズ』等の監督補を経て、
『海猿』で映画監督デビューを果たした新人監督です。
330カット以上のVFXが使われているのが特徴といえば、特徴ですが、
「自業自得」という文字がモノリスよろしく宇宙空間に浮かんでいたりと、
とてつもなくくっだらない使われ方をしてます。
(そのご「自業自得」は大気圏に突入して、野球部の小屋の外に聳え立ちます。
そして消え去りもせず、映画の最後までその場に居座ります。
マネージャーの月田さん(堀北真希『HINOKIO』)が時々お掃除してます。)

この強気なキャプテンに、ナインは大騒ぎ。
しかし、不屈の屁理屈に丸め込まれ猛練習を始める。
春の甲子園優勝校「日の出商」との試合問近、
ナインが負傷やトラブルに巻き込まれるという緊急事態が!
さらに、頼みの綱である不屈の右腕がひょんなことで負傷。
しかし、天は不屈を見放さなかった!
当日、日の出商キャプテン・神崎は豪雨を理由に不戦勝を伝えにくる。
この勝利に狂喜乱舞する全カナイン。
ちょうしこいて学校新聞に「全力ナイン、日の出をくだす」などと記事をかかせる、
あまりの図々しさに神崎は大激怒。「予選で叩きのめしてやる」。

浮かれた不屈たちの前に、謎の男が登場する。
社会科歴史の新任教師・榊原剛(田中直樹)。
「野球は知らないが、人生を知っている」と説得力はあるが意味不明の書葉を突きつける。
ド素人の監督という逆境をどう乗り越えるか、校長が与えた更なる逆境だった。
地区予選まで残すところ一週間となり、監督から地区予選と中間試験赤点者の補習日が同日ということを聞かされる。
だが、それよりも不屈自身の成績がギリギリということが発覚!
まさに、自業自得――――!

主人公・不屈闘志役の玉山鉄二は、『天国の本屋〜恋火』にも出ていたようですが未見です。
確信犯的な悪のりっぷりが見事でした。
そういえば、プロ野球の始球式で投げた姿を見ましたが、
ちっともまともに届かないでやんの。笑
玉山鉄二、このあと話題作『NANA』にも出演しています。
田中直樹は『みんなのいえ』の主人公とは大違いでしたが、
こっちの方が良いです。
劇中、不屈が月田さんを「ジャスコに行こう」と誘ったり、
駄菓子屋でくじ引き飴をサッカー部の主将と争ったりとへんてこに古いギャグが
かまされるのですが、島本和彦ってそんな古い世代なんでしょうか??
それとも監督の趣味?

補習を免れて迎えた地区予選第一回戦―――――中々学園との対決の日。
月田マネージャーが注文した弁当を食べた中々学園ナインが激しい腹痛に襲われる。
後ろめたくて本気が出せなくなってしまった不屈に、監督が強烈な言葉を投げつける。
「それはそれ!!これはこれ――――――――!!」

その言葉に救われ、不屈は本気で戦うことができる。
一方、自分のミスに落ち込むピュアな月田さんに恋してしまう不屈。
第二回戦の手抜学園との試合当日、不屈は月田を追いかけ試合を放棄してしまう。
恋に浮かれる不屈に監督は、”恋”か”野球”かの究極の選択を突きつける!

いよいよ決勝戦が始まる、不屈の姿はない。
対戦相手の「日の出商」神崎たちは、先の屈辱を晴らすため猛攻撃を開始する。
すでに23対0絶体絶命のピンチ!諦めかけていたナインの前に、不屈闘志の姿が!!

背番号望1―――――期待を一身に受ける不屈の背中は、
恋よりも野球を選んだことを物語っていた!
しかし、不屈はマウンドに上がった途端、ボールに直撃され気を失ってしまう。
ようやく気がついた時、グラウンドでは凄まじい光景が広がっていた。
スコアボード―――――9回裏、112対O!!!
不屈以外で生き残っている全カナインは誰一人いない。
だが、人生最大級の逆境に、不屈の魂がメラメラと燃え上がる。
まさに逆境中の逆境!
ボロボロになればなるほど輝きを増していくその姿に、
球場の観客は一瞬たりとも目が離せない!
不屈は今、たった一人で奇跡をおこそうとしていた!

全力ナイン、日の出商ナイン、全力イレブンは
完全オーディションによって選ばれてます。
ほとんどが野球経験ゼロ。
何ヶ月もの、三重県ロケでは、
照りつける太陽のもと部活動さながらの完全合宿制で
早朝から深夜まで猛特訓が行なわれたそうです。
そんな過酷な状態の中、玉山は役柄同様ナインたちをリードし
一団を盛り上げたといいます。

でもやっぱり欠点はあって、
前半のちまちま丁寧な笑わせように比べて、後ろに行くほど
慌ただしく無理やりな笑いになって行きます。
疾走感を出そうとして話が雑になる一方です。
どんどん不屈の前に立ちふさがるハードルが高くなりますが、
一番高いハードルが色恋沙汰というのはどうもねえ。
それも不屈の一人相撲でしょ?
“お馬鹿”と“ただの馬鹿”は違うはずなんだけどな。
別に恋愛ネタがあってもいいんですけど、もっと前の方でやってほしかったです。
それと
クライマックスに男玉という魔球が出てきます。
野球マンガったら、魔球でしょう?ということですかね?
安直だし、男玉そのものに魅力がないですね。
これは原作に登場する魔球かもしれませんが、
ちゃちいですね。

岡村孝子の「夢をあきらめないで」がテーマソングとしてエンディングに登場します。
これ“逆境ナイン”リマスタリング・バージョンだそうです。
懐かしいものを聞かせていただきました。
やっぱしいい歌ですね。


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