「GOEMON」
■作品基礎データ 「GOEMON」 2008年 日本映画 監督・プロデューサー・脚本・原案・撮影監督・編集:紀里谷和明 脚本:瀧田哲郎 衣裳デザイン:ヴォーン・アレキサンダー、ティナ・カリバス 出演:江口洋介 |
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1582年、
天下統一を目指した織田信長はその夢目前にして、
家臣、明智光秀の謀叛により本能寺で暗殺される。
しかし、信長の右腕であった豊臣秀吉が光秀を討伐。
その功績をもって信長の後を継ぎ、豊臣政権を樹立する。
世は火種を残しつつも、一時の平和を謳歌していた。
とはいえ格差は広がり、景気は悪く、民衆の生活は一向に楽にならない。
そこに彗星のごとく現われる一人の義賊。天下の大泥棒、
その名は石川五右衛門(江口洋介)。
超人的な身体能力を武器に、
金持ちから盗み、貧しきものに分け与える英雄に庶民は熱狂していた。
ある夜、五右衛門は紀伊国屋文左衛門邸の財宝の中に南蛮製の箱を見つけるが、
盗み出した後で中身が空であることを知り、屋根から放り捨ててしまう。
それを拾ったのは、貧しい境遇に身を置く小平太だった。
翌日、五右衛門は行動を共にしている猿飛佐助から、
石田三成が紀伊国屋邸に乗り込みながら箱を手に入れることが出来なかったため、
当代随一の使い手である霧隠才蔵を差し向け、躍起になっていることを聞く。
箱を再び手に入れようと貧民街へ向かった五右衛門は、
役人の又八が小平太の母を斬り殺す現場に居合わせる。
その瞬間、五右衛門の胸によみがえる、両親を斬り殺された悲しい過去。
鬼のような形相で又八の手を斬り落とした五右衛門は、
小平太に「強くなれ坊主。そうすれば、何も奪われやしない」と語るのだった。
そこへ、彼らを取り囲む才蔵と忍びたち。
五右衛門は箱を抱えて駆け出していく。
走る五右衛門と追う才蔵。
森を抜けて戦うふたりを見つめるのは、
かつて2人を信長の忍びとして厳しく育て上げた服部半蔵だった。
石田三成が霧隠才蔵を、徳川家康が服部半蔵を使い、血眼で手に入れようとしている箱。
その箱の中には織田信長暗殺の真の首謀者が豊臣秀吉であることを告げる
証拠が隠されていた。
衝撃の事実を知った五右衛門は単身で大坂城に乗り込み、
小太刀で秀吉を刺し殺して逃げ出すが、
その騒ぎの中で、思いがけなくも茶々と再会することになる。
そして殺したと思った秀吉は、ただの影武者だった。
五右衛門は忘れ去ろうとしていた過去の扉を開いてしまう。
両親を失った自分を救ってくれた信長に命を預け、
才蔵とともに過ごした忍びとしての鍛錬の日々。
信長亡きあと自由を求めて旅立った自分と、
侍になることを夢見て三成の手下になった才蔵との別れ。
そして大坂城で再会した茶々との幼い日々の思い出。
かつて信長のいた安土城で、五右衛門は少女だった茶々の護衛を任され、
互いにほのかな恋心を抱いていたのだった。
ついに自らの運命と向き合い、闘うために立ち上がった五右衛門。
侍を夢見ながら運命に翻弄されていく霧隠才蔵。
権力を手に五右衛門の愛する人々を奪っていく豊臣秀吉。
次の天下を狙い、秀吉暗殺を企てる石田三成。
戦乱の世を終わらせるために心を砕く茶々。
新しい時代を目指そうとする徳川家康と服部半蔵。
それぞれの思いを胸に、壮絶な戦いの火蓋は切って落とされようとしていた。
紀里谷和明監督の5年ぶりの新作『GOEMON』は、
すでに『CASSHERN』の製作時から構想されていた。
丹念なリサーチと新たなシステム構築の末、
ようやく2007年に、4ヵ月に渡る専用スタジオでの撮影がスタート。
紀里谷監督が考える壮大なスケールを具現化するために、
プリプロ、撮影、編集、ポスプロ、延べ制作日数に3年の時間が費やされた本作品は、
セット数100、CGカット数2000、エキストラ1000人、
総スタッフ数300人という超大作である。
役者に3ヵ月ものトレーニングを強いた、息をもつかせぬアクションシーンを
演じ切った
人間味あるヒーロー像を生み出した江口洋介をはじめ、
大沢たかお、広末涼子、ゴリ(ガレッジセール)、要潤、玉山鉄二、
チェ・ホンマン、中村橋之助、寺島進、平幹二朗、伊武雅刀、奥田瑛二らが
キャスティングされている。
「GOEMON」についてですが、
「期待してなかったのに、まあ見れた」のが序盤から中盤まで。
クライマックスにかけては…
序盤から中盤までが見られるというのは、
まだドラマがお馴染みの信長秀吉家康を軸にした国盗り物語に
石川五右衛門が絡むという話だから。
クライマックスにかけては、史実から大きく離れていきます。
やりたいことは分かりますし、
それなりに首尾一貫はしています。
ただ、監督の言いたいヒロイズムというのは、
それは我々観客が期待しているものとは
違う方向性のものだと思う。
時代劇を借りて
テロとか格差社会とか時代性を追いかけるドラマでありたいから、
主人公を無責任なままでは置いとけないと言う作品のテーマは、
どうも方向ちがいで…
以下ねたバレ改行です。
五右衛門が信長の鎧を着込んで関が原(?)へ切り込むのではなくて、
時の権力者達を嘲笑する、というスタンツで彼らをやっつけてほしかったです。
美術や衣装は好みではないけど、
それなりに金と時間をかけて作りこんでいるので
一定の評価は出来ます。
五右衛門が佐助とともにうろつく大阪城下の町の雑踏の描写等は
序盤のお祭りの風物等も含めて上手く出来てます。
「GOEMON」衣装デザイン ティナ・カリバスのインタビューを
再録します。
監督や出演者以外のインタビューは珍しいので
それ自体希少価値があります。
■ Tina Kalivas オーストラリア・アデレード生まれ。
年齢非公表。アレキサンダー・マックイーンのもとでアシスタントを務める一方、
映画「007/ダイ・アナザー・デイ」(2002年)で手がけたデザイン
が注目を集める。
登場人物のコスチュームを手がけたのがオーストラリアの女性デザイナーだったことも
意外かもしれない。
秀吉、石川五右衛門(ごえもん)の着物など40着の衣装に西洋のテイストを吹き込んだ
ティナ・カリバスに作品に込めた「戦略」を聞いた。
時代劇という畑違いに挑戦したのは、
本作で衣装デザインを担当したボーン・アレクサンダーの紹介がきっかけ。
アレクサンダーと紀里谷監督は、歌手、宇多田ヒカルのプロモーションビデオなどを
手がけた仲だ。
カリバスは「神秘的な東洋の世界をクリエートできる。
黒澤明(くろさわ・あきら)監督の『乱』も好きだから」と快諾した。
戦国武将に関する知識はないが、心配する必要はなかった。
若くして渡米し長い期間を海外で過ごした紀里谷監督だけに、
注文は「できるだけ西洋文化を取り入れてファンタジーの世界を描いてほしい」。
期待に応えるかのように、庶民の衣装すら洗練された“ファッションショー”を繰り広げた。
フォルム(形式、形態)という単語を何度も使い、
「フォルムの取り方こそが人物を生かせる。
力関係だけでなく内面も表せるから、見る者のクリエーションを高められる。
私の仕事はそれにつきます」と説明する。
奥田瑛二(おくだ・えいじ)扮(ふん)する秀吉の衣装を見れば分かりやすい。
信長の家来のころは平身低頭だが、権力の階段を上るにつれ暴君となっていく。
登場シーンが後になるほど衣装をいかり肩にし、大きくさせた。
「小男の性格がどんどんクレイジーに変貌(へんぼう)するイメージを出したかった」
「服装は別世界を知る強いメッセージ」が持論。
2009年の自身の秋冬コレクションではギリシャ神話の世界観を演出した。
作品がクリエーティブなものである限り、本業も映画もどんどん挑戦したいという。
『CASSHERN』から5年、
映像クリエイターの紀里谷和明が石川五右衛門を主役にした
戦国時代劇を新解釈を施し、映画化。
それは“誰も見たことのない時代劇を作りたい”と言う
紀里谷氏の強い意志からはじまった。
そのインタビュー記事を採録します。
きりや・かずあき
'68年、熊本県生まれ。中学中退後の'83年に渡米。ケンブリッジ高校から、
'87年にパーソンズ大学環境デザイン科に進学。
'94年からNYをベースに、ファッションフォトグラファーとして活動。
'99年から日本での仕事が急増し、宇多田ヒカル、SMAP、MISIA、サザンオールスターズ、
浜崎あゆみなどのアーティスト写真やCDジャケット、ミュージック・ビデオを手がける。
その一方で資生堂、カネボウなどの広告も制作。
'04年に映画『CASSHERN』で長編監督デビュー。
企画、脚本、撮影監督、編集も兼任したこの作品は、
新人監督としては異例の興行収入16億円の大ヒットを記録した。
『GOEMON』は以来実に5年ぶりの監督第2作。
「安土桃山時代の混沌とした空気を時代劇ではない形で描きたかった。
だから衣裳も美術も全然違う。
生活様式も含めてローマ帝国をベースにしているんです」
一昨年の11月、都内のある会社の体育館を改造し、
その壁すべてに巨大な合成用のグリーンの布を張り巡らせて撮影していた
紀里谷はそう語った。
「今回は世界中の人が理解できるものを大前提にしてるんです。
例えば欧米では習慣がない靴を脱ぐ行為を排除したり、
本来は違う豊臣家と石田家の家紋を同じ仲間ということで統一させたり、
外国人が疑問に思うことをそぎ落としていった。
要は、伝えたい本質が伝わればいいと思ったんです」
『CASSHERN』とは違い、ストーリーも入念に構築していったという。
「今の日本は、“自由”や“個性”という言葉が真しやかに囁かれる一方、
“責任”は放棄され、どうやって生きていったらいいのかわからない。
一体どうしたらいいのか?
それを五右衛門を通して見つけていく話なんだけど、
今回は絵コンテを全部ビデオに取り込み、
そこに音声や効果音を入れたものを観て、
それが面白いものになるまで検討して撮影に臨んだんです」
こうして100%の形で構築した“物語”を、
五右衛門役の江口洋介、霧隠才蔵役の大沢たかお、浅井茶々役の広末涼子、
猿飛佐助役のゴリら錚々たる面々が生身の肉体で体現。
「彼らの別の解釈が僕のイメージをさらに高めてくれた。
アクションも自信を持ってお届けしますよ。
CGも絡むけど、江口くんと大沢さんが必死に跳んでるし、
日本映画であれだけのアクションをやっているのを僕は観たことがない。
『CASSHERN』のときと違ってカメラもガンガン動くしね」
では主演の江口洋介はどのように映画世界に取り組んだのか、
そのインタビューです。
Q:紀里谷監督とは役作りについてどのように話し合われたのですか?
最初はグリーンバックでの撮影にも抵抗があったし、
監督から髪の毛を金髪にしてくれとか、
カラーコンタクトを入れてくれとかいろいろな要望もあったんですが、
あまりにも映画の世界観がすごいから、
オレまで飾ってしまうとちょっと人間っぽくなくなるんじゃないかという思いもあって。
そういうことを話すとすぐに
「あぁOK、それでいい」と言ってくれる監督だったので助かりました。
大沢(たかお)君はカラーコンタクトを入れていたんで、
自分だけ楽をしてしまってちょっと申し訳なかったとは思いましたけどね(笑)。
Q:殺陣のシーンはどれぐらい練習されたのでしょうか?
殺陣は撮影の3か月前からトレーニングを始めました。
事前に殺陣師の先生が動いている映像を見せてもらって、
新宿の体育館に夕方集合して練習をしました。
監督を含めみんなでジャージを着て練習をしました。
練習も行き着くところまでやりたいと思って。
だから本番の撮影は早かったです。
カット数は多かったですが、準備をきちんとしていたので、テンポ良くいきましたね。
Q:五右衛門はちょっとルパン三世っぽい感じもありましたが、
演じる際に意識されたキャラクターはありますか?
いろいろなヒーロー像はあったんですが、ルパンの影響は大きかったですね。
お互いに同じ泥棒同士ということもありましたし、
何だかちょっとずっこけているけど、真剣な顔をするときもあるところとか。
前半はアフレコで相当ルパンに近づけたカットもいっぱいあったのに、
出来上がった映像を観たらなぜか全部カットされていましたけどね(笑)。
金を盗んで、それを市民にばらまいて、
夜は女の子を集めてどんちゃん騒ぎをしているという、
もう寝ずに遊んでいる男ですからね。
その感じをどういう風にやろうかと話していると、ルパンの話が出てきたりしましたね。
Q:女性にモテモテで何だかとても楽しそうでした。
そうなんです、モテモテなんですよ(笑)!
こんなにモテモテでどうすんだっていう感じなんですが、
実は悪夢にうなされるような一面もあったり……。
あんなにモテモテで、ある種、男のあこがれなんでしょうけど、
でもそこにずっととどまってはいられないという、五右衛門の抱えた宿命もあるんです。
こんな風に自由に豪快に生きてみたいと誰もが思う男ですよね。
Q:この映画のおススメのポイントを教えてください。
殺陣といっても、武士のきれいな殺陣ではなく、結構暴力性が高くて。
才蔵(大沢)がきっちりとやっていくタイプだとしたら、
こっちは何かビスが外れて、モーターが吹っ飛んでいるような殺陣だから、
そういう一種の操縦不能な感じですかね?
コントロール不能という感じでワクワクしました。
Q:撮影中はどうでしたか?
本当に殺されるかと思うぐらい撮影はキツかったです。
キツイし、キャスティングされた以上この役をやるしかないと思いました。
でも、一体どこにたどり着くのか台本を読んでいてもわからない世界だった。
台本は本当にわかりやすいエンターテインメントだけれど、
その行間のシーンに何が起こっているのかと探る毎日だったから、
「どうすんだ、これ?」っていうのがありました。
でも、演じていくうちにだんだんエネルギーが自分の中から出てくるのを感じましたね。
Q:ご自分で出来上がった映像をご覧になってみていかがでしたか?
どんな風になっているのかちょっとドキドキしましたね。
どういう風に自分が映っているのか、
本当にそこに自分がいるように見えるのか心配しました。
『CASSHERN』のときはカメラが動かせなかったらしいんですが、
CGの技術はどんどん進化していて、今回はカメラを動かせるから、
もっとCGにモーションとかアクションが出てきて、
役者が発散するエネルギーのようなものが画面に出ているんです。
そこからさらにまた1年かけてスタッフがCGを追加していますからすごいですよ!
Q:最後に、ここはかっこいいので、
ぜひ観てもらいたいという注目のシーンを教えてください。
もうどこがかっこいいのかわからないですが(笑)。
五右衛門の有名な釜ゆでのシーンが出てくるんですけど、
そこで市民が秀吉(奥田瑛二)に対して石をばーっと投げるんです。
あれを観たときに学生運動を思い出しました。
自分も実際にそういうものを体験した世代ではないし、
ニュースでしかそういうことを知らないんですが、
やはりいろいろなことをちゃんと考えなきゃいけないんだと…
以下はネタバレとなるのでmixi独身映画ファンコミュニティ
http://mixi.jp/view_community.pl?id=1299114
にて『GOEMON』の頁をご覧下さい。
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