「ゴシカ」DVD脚本レビュー

「ゴシカ」映画パンフレット表紙★映画基礎データー★
「ゴシカ」
2003年 アメリカ映画
監督 マシュー・カソビッツ
脚本 セバスチャン・グティエレンス
出演:ハル・ベリー ペネロペ・クルス

               
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鬱蒼とした森の奥にそびえたつ、ウッドワード女子刑務所精神科病棟。
ミランダ・グレイ博士(ハル・ベリー)は、
上司であり愛する夫でもあるダグラス(チャールズ・S・ダットン)の
指導のもと、そこで精神を病んだ女囚たちの心理分析と治療を行っていた。
最近の懸念は、女囚クロエ(ペネロペ・クルス)が治療の甲斐なく、
悪魔に犯されたと訴え、錯乱すること。「ゴシカ」はこのように始まります。

仕事を終え、車で帰途についたミタンダは土砂降りの雨の中、
道に立ちつくす正体不明の少女を目撃する。
彼女をよけようとしたミランダは車を大破させてしまう。
少女は無事だったが、その姿はこの世のものとは思えぬ異常なものだった。
驚愕するミランダ。
次の瞬間、ミランダはベッドの上で目覚めた。
そこは自分が勤務する精神病棟。
一体、何が起きたのか。
同僚の医師のピート(ロバート・ダウニーJr.)は、
驚愕の事実を告げる。
夫ダグラスが惨殺され、
ミランダはその恐るべき殺人犯として現場で逮捕されたというのだ。
もちろん、夫を自分が殺すなど、絶対にあり得ない。
混乱するミランダの脳裏に、雨の中で見た少女の姿が浮かぶ。
彼女に会えば、何か分かるかもしれない。
ミランダの腕には恐ろしい血文字が出現する。
Not Alone ---“ひとりではない。”
これは何を意味するのか。
その少女は4年前に死んでいたのだ・・・・。

ミランダは錯乱した殺人犯として、
クロエたちと同じ病棟の住人となった。
どんなに叫んでも、誰も耳を傾けない。
だが、ミランダはシャワールームで再び見てしまう。
あの、すさまじい、少女の姿を。
それは、ミランダを地獄のような苦痛に引きずりこんでいく・・・。

ハル・ベリーとペネロペ・クルス、二大女優共演という風に宣伝されてます
が、
主役はハル・ベリー。ペネロペ・クルスはゲストです。
舞台が刑務所だけあって、どちらもスッピンに近いメイクです。
ハル・ベリーのセミロングは地毛なんでしょうか?
なんかヘアピース臭いなー。
やっぱり美人はどんなカッコしても美人ですが、
ベリーショートで見れているせいか、ものすごい美人が
“普通の美人”に見えます。
ハル・ベリーって元準ミス・アメリカですってね。

ペネロペと並んで歩くシーンがあって、
ペネロペ、ちっさぁぁいいっ。顔がエスニックじゃん。
あんまりラテン系という意識を持ってなかったんですが、
地に近いとやつぱりスペイン人だなぁと改めて思います。
どうも内容と関係ない品定めばっかりですんません。

マシュー・カソビッツが監督してます。
「アメリ」でアメリの恋人役やってた人です。
フランス映画の「クリムゾン・リバー」も監督してます。
イケメンです。本人がミタンダの相手役のグレイアム博士を
やればよかったのにねえ。
演じたロバート・ダウニーJr.は、テレビの「アリー my ラブ」
の主人公の恋人ラリー役で知られてますが、
麻薬とアルコールの常習で刑務所と
診養所を行ったり着たりの悪名高き男で、
本作の撮影中にハル・ベリーの片腕を骨折させ、撮影を一月ストップさせた
とんでもない奴です。 

舞台となるウッドワード女子刑務所精神科病棟はセットで
建設する予定でしたが、廃止されたセント・ビンセント・デ・ポール刑務所があって、
そこを化粧直ししてロケされたそうです。
いやー、怖いですね。本当に幽霊くらいいそうだわ。

出だしから中盤くらいまで、何かあるぞとすごい引張りがあって、
これはホラーか? サスペンスか? サイコサスリラーか?
ジャンル当てクイズのようになっているので、なかなか楽しいです。
作品の方向性が明らかになって、
なぞの中身が明らかになる後半からが駆け足になります。
疾走感があるというより、強引な展開を観客に侮られないうちに、
ラストまで走っちゃえ、という風に見えなくも無い。
製作がホラー専門の会社のようですね。「ゴーストシップ」なんかを作って
るダーク・キャッスル・エンターテイメント。
そうか、ハリウッドには
人を怖がらせたくて会社を作るプロデューサーもいるわけだ。
「ゴシカ」というタイトルは、中に出てくる人物や場所、エピソードに
ちなんだネーミングではなく、“「ゴシック・ホラー」の新機軸”、
という意味だと思ってますが、どなたか情報をお持ちの方がいらしたら
教えてください。

俳優さんたちに手抜きはありませんし、
すくなくとも中ほどまではきちんと演出されていますので、
見ていて退屈するようなことはありませんが、
別に何か人生の教訓が学べるとか、人間の心理が考察されているとか、
そういったテーマはありませんので、
きゃーって叫んで、怖がって、それでお仕舞いです。

難をいいますと、
心理学者で「私は理性的」といっているミランダ博士が、
やたらめったら叫んでるとこでしょうか?
あれは特に心理学者でなくとも良い筈ですしね。

それと刑務所の防犯体制がやわすぎます。
ハル・ベリーあっさり逃げ出しちゃうんだもの。
ストーリー上、かごの鳥のままだと不都合ですが、
女一人で駆けずり回ってるうちに、都合よく協力者が現れて遁走というのは
乱暴ですね。
ねたばれ改行です。

















ミランダはやっぱり夫を殺しているのだから、
ラストでペネロペと街を歩いているのは変です。
心身喪失で罪が許されても、やっぱり病院行きではないですか?
えっ? 退院した後ですって?
それは十年先ですか? 映画のラストは一年後くらいなんでしょう?

それとペネロペ、悪魔がどうとか、わかんない事いってないで、
ずばり「看守にレイプされてる」と言えばいいのにね。
クロエがあいまいなこと言ってるから、
ハル・ベリーは殺人鬼になってぶち込まれるとこまで行ってしまったんです。
いえ、狂人だと思われてるから、誰も話を聞いてくれないのよ、って
ミランダ博士は話を聞いてくれるんではないでしょうか?
少なくとも悪魔を持ち出すよりマシな展開にはなったでしょう。
でもそうなると、この映画は成立しなくなる。笑

エンディングの少年を見せたくて、ヒロイン二人を夜の街に出したのでしょう。
きれいにまとまってますが、同時にこの映画の出典がばれちゃう場面でも
あります。
元ねたをばらしたくなかったら、あれはカットすべきでしょう。
でも美しくて物悲しい幕切れですので監督は切れないですね。
あれを見せたくてメガホンを取ったのかもしれないし。


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