「ホーンテッド・マンション」
★映画基礎データー★「ホーンテッド・マンション」 2003年 アメリカ映画 監督 ロブ・ミンコフ 脚本 デヴィド・バレンバウム 出演 エディ・マーフィー |
ジム(エディ・マーフィー)は妻のサラ(マーシャ・トマソン)と不動産業を
営んでいた。
日々、忙しく仕事に追われるジムはサラの願いを聞き入れ、
週末に湖に家族旅行に出かけることになった。
しかし、その直前、
エドワード・グレイシー邸の執事ラムズリー(テレンス・スタンプ)から
家を売る相談を受ける。
ディズニー・ランドの人気アトラクションをモチーフにオリジナル・ストーリーによって
『ホーンテッド・マンション』を映画化したエンターテインメントです。
監督は『スチュアート・リトル』シリーズのロブ・ミンコフ。
ええと、この映画は
「ホラー」ではなく「コメディー」映画です。
上映時間が88分で、ぱっと始まってすぐおしまいになります。
親子で楽しむファミリー映画です。それ以上でもそれ以下でもありません。
「パイレーツ・オブ・カリヴィアン」が意外と面白かったし、
興行成績で第1位だし、もしかして傑作かもと、あらぬ期待を持って出かけたのですが、
それほどのものではありませんでした。
―と書いてしまうと悪口になってしまいますが、
血相かえてののしるほど不出来な作品ではありません。
モーレツ不動産屋 VS ユーレイ屋敷 というネタふりは、
もって行きようによっては、「ゴースト・バスターズ」「ビートル・ジュース」位の
笑いは取れそうですが、ロブ・ミンコフ監督は、
毒のある展開には興味がなかったようです。
屋敷に入る前のジムは、美人の奥さんに愚痴られようが、子供たちの顰蹙をかおうが、
不動産売買に命をかけています。
が、なぜかホーンテッド・マンションに入った途端に普通のおじさんになってしまって、
出てくる幽霊、ゾンビたちにあたりまえに驚いて翻弄され放題です。
この主人公は常識人ですので、子供や奥さんを助けようという気持ちは正常にあって、
それなりに冒険しています。
ですが、特にエディ・マーフィーでなくとも務まる役ですので、
その意味では損をしています。
『スチュアート・リトル』も、ネズミが人間夫婦の養子になっておなじ家で暮らすと
いう意味深な設定でありながら、普通の家族愛を謳うマペット特撮映画であったのに
通じています。
「カリブの海賊」が、海賊が幽霊になっても暴れるというイメージしかない、
ライドであったのに対し、「ホーンテッド・マンション」は
「52の寝室と67のバスルーム、そして999人のゴーストたち」という
ドラマ性のある設定がライドの方でかっちり作りこまれているので、
映画には、かえってしにくかったのではないかと想像できます。
ライドでまっさきに首吊り死体で登場している
屋敷の主エドワード・グレイシーについては、映画的な設定が作りこまれていますが、
999人のゴーストたちについては、あっさり無視されています。
古い屋敷にどうしてあんなに大量の幽霊たちがいるのか説明がないのですね。
別段、人間世界に恨みをもってあそこに結集しているというわけでもない。
南北戦争以前の古い屋敷の裏に墓場があって、そこにゴーストたちがいっぱいいる。
普通に考えればグレイシーの先祖一族ということになりそうですが、
コーラスで歌うゴーストとか、エドワードのキャラクターと違いすぎますので、
なんか他人のようにも見えますしね。
青白く光って見えるゴーストたちはコメディリリーフのように愉快な存在で、
ライドにはないゾンビたちは、主人公達に攻撃的に迫ってくる。
両者は際立って違うのですが、ゾンビたちに統一の目標とか
意思とかがあるわけではないので、別に怖くないです。
水晶の中の占い師マダム・リオッタも同じ、あのひと、
いろいろ占ってはいますが、自分がどうしてここいるのか、そもそも分かってないです。
52の寝室と67のバスルーム、なんてそもそも画面に出て来たりもしない。
アカデミー賞6回受賞の特殊メイクの神様リック・ベイカーと、
美術のジョン・マイヤー(「シカゴ」)の二大看板がウリの映画で、
脚本、演出は“あれば良い”程度の位置づけですな。
CG万能の近頃の洋画で、
役者がメイクしてゾンビぞろぞろ出てくる映画というのは珍しく、
またゴースト風にエレガンスな巨大セットで見せる“マンション”そのものの美術も
たいしたものです。
邦画界が、なんとかハリウッド風のCG映画の世界観を取り込もうと
悪戦苦闘しているのと正反対で、興味深い。
タイトルバックでカードが宙を舞うところとか、
冒頭の仮面舞踏会の優美さなど、どんなもんだいと見せる美しさが心地よいです。
ディズニー・クラッシックの面目躍如ですが、
でもSFX担当はソニー・ピクチャーズ・イメージワークスで“外注品”なの
ですよね。
屋敷の主エドワード・グレイシーについてのドラマは、一応完結しています。
でも脇のゴーストたちについてはそもそも解説不足だし、いくつでも続編が作
れそうです。
でも特に強く引かれる人物やエピソードがあったわけではないので続きはないでしょう。
次はどのライドが映画になるんでしょう?
「魅惑のチキ・ハウス」「エレクトリック・カーニバル」とか、…難しそうですね。笑
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