「ハート・ロッカー」
■作品基礎データ 「ハート・ロッカー」 2009年 アメリカ映画 監督:キャスリン・ビグロー 脚本:マーク・ボール 出演:ジェレミー・レナー |
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2004年夏。イラク、バグダッド郊外。
アメリカ軍の爆発物処理班は、死と隣り合わせの前線の中でも
最も死を身近に感じながら爆弾の処理を行うスペシャリストたち。
ある日も爆弾の処理を行い、退避しようとした瞬間に突如、爆弾が爆破。
一人が殉職してしまう。
新しい中隊のリーダーに就任したウィリアム・ジェームズ二等軍曹は、
基本的な安全対策も行なわず、まるで死に対する恐れが全くないかのように振舞う。
補佐に付くJ.T.サンボーン軍曹とオーウェン・エルドリッジ技術兵は、
いつ死ぬかもしれない緊張感、特に一瞬の判断のミスが死に直結する爆発物処理の
任務のなかで、
徐々にジェームズへの不安を募らせていく。
彼は、虚勢を張る只の命知らずなのか、それとも勇敢なプロフェッショナルなのか‥。
そんな男たちの想いとは無関係に激しい戦闘行為が繰り返される日常は続き、
爆弾処理の毎日が過ぎていく━。
ブラボー中隊、任務明けまで、あと38日。
『ハート・ロッカー』は、
世界で最も危険な仕事の一つ、アメリカ軍、爆発物処理班のある兵士を追った物語である。
監督は『ハートブルー』『K-19』のキャスリン・ビグロー。
脚本は、ジャーナリスト兼、脚本家でもあるマーク・ボールが自らの取材を元に
執筆している。
アカデミー賞主要六部門を受賞した。
「ハート・ロッカー」見ました。
”アカデミー賞6部門受賞作品だから見た。”という事は言えそうです。
系列で言うと「ディアハンター」「地獄の黙示録」系の厭戦映画。
暗い話であろうことは初めから分かってましたから。
初の女性監督のオスカー受賞です。
でも、ビグロー監督、生粋のガンマニアで、
元夫のキャメロン監督とは、
良く一緒に射撃練習場に行ったとか。
監督した「ブルー・スチール」は、
自分を付け狙うストーカーと婦人警官の徹底的なガンファイトがウリのアクション映画で、
公開直後、ビグロー監督を「エイリアン」の新作の演出に、という話もあったとか。
(ポシャったのは、キャメロン夫人の肩書きが邪魔したのかどうかは、知りませんけど)
ですから、いわゆる女性映画で女性監督がアカデミー賞を、
取ったというのとは分けて考えた方が良い。
「ハート・ロッカー」の前が「K-19」という作品です。
ハリソン・フォード主演の戦争映画です。
出来上がりは悪くなかったものの興行的には惨敗で、
このあと監督は七年干されてます。
「K-19」は放射能漏れを起こしたソ連の原潜内に、
弾道ミサイルごとクルーが閉じ込められてしまう、
冷戦時代の残酷実話。
共産党の官僚主義が起こした”人災”なのですが、
故郷の家族や恋人を思い、被爆して次々倒れ行く、
若い兵士達が痛々しい。
真面目な作品だけど、
監督は、勝手が違って実力が発揮できなかったかも。
なまじ大作だけに、損失も巨額になったとのことです。
で、「ハート・ロッカー」は戦争映画ではかなりの低予算。
砂漠のシーンはアメリカ国内で、街中のシーンはヨルダンで撮影されています。
いわゆるスターは出ておらず、その意味でもお金のかかっていない作品です。
オリジナル脚本が”原作”なのですが、
版権騒動がありました。
脚本家は自分で爆発物処理部隊を取材して書いたと言っていますが、
訴えた側は、「私の部隊がその取材先だ」と主張。
題名の「ハート・ロッカー」という陰語も、
「うちの部隊で使われた言葉だ」だそう。
(「ハート・ロッカー」は”棺桶”という意味)
また、アカデミー賞の受賞式前に関係者が、
投票権のあるアカデミー会員に「是非、一票を」と運動したことがばれて
マスコミに叩かれるなど、作品外でも話題にこと欠かない映画です。
結局、面白かったか、どうか?と問われると、
「一見の価値はある。
パフォーマンスとしては面白いけど、テーマは平凡。」
というのが私のいつわらざる感想です。
”厭戦映画”と始めに書きましたけど、
主人公に直接、軍を否定するような台詞を吐かせるような、
ヘマは犯しちゃいません。
その癖、暴走する主人公に脇役二人は、
「暴発は良くある事故だ」
なんて”こいつ、殺っちまうか”みたいな、ブラックなシーンもある。
砂漠の真ん中で、
賞金稼ぎと一緒に戦うはめになるくだりは、
面白かったです。
プログラムを読むと彼らは”民間の戦争請負会社人”
と書いてある。
戦場には、いろんな輩がいて得体の知れない事がザワザワ起きてる。
そのザワザワ感がこの作品の魅力なのだけど、
個々のエピソードには「?」な奴もある。
ネタばれ改行です。
あの”人間爆弾”というのは、本当にありなのか?
あんなちゃちな環境で、子供の体内に外科手術で爆弾を埋め込むなんて
始めから無理に見えましたけど。
爆弾の鉄のチョッキを着せられた男の話もね、
無理矢理自爆テロにされてしまう、と言うのだけど、
イスラム原理主義者と言う人達は、
ただの通行人に爆弾の鉄チョッキを着せて
街なかに放り出すなんて言うテロを仕掛けるんでしょうか?
それぞれドラマのクライマックスに来るエピソードだけに、気になります。
そうして行きつくところが、普通に厭戦、反戦と言うのは、
当たり前過ぎて拍子抜けと言えなくもない。
冒頭から出てくるカウントダウンの意味が分かる、
最後のショットはすごかったです。
あれは”無限地獄”そのものですからね。
現在も進行中のイラク戦争下のバグダッドを舞台に、
爆発物処理に従事する特殊部隊EODの活躍をサスペンスフルに描いた本作について、
「K-19」以来7年ぶりにメガホンをとり、
第82回アカデミー賞で監督賞に輝くキャスリン・ビグロー監督に話を聞いた。
──このストーリーに惹かれた理由を教えて下さい。
「前線のEOD(爆弾処理班)に従軍したマーク・ボール(脚本)が
Eメールをくれたことから始まったの。
彼からのメールを読んでいて、知らない世界の中に引き込まれて行ったわ。
こんなに危険な仕事に毎日毎日携わるってどういう事なんだろう?
世界でもっとも危険な仕事?
それを自ら選ぶ人ってどんな人?……どんどん好奇心が膨らんでいったわ。
イラク戦争はいろいろな形で使われている爆弾に振り回されてるのが
特徴のひとつでしょう?
マークも『これはまだ報道されてない、普通には知られていない仕事で、
こんなふうに戦争に関わっている人もいるということを世間に知らせたいという
気持ちがどんどん強くなっていった』と言ってるわ。
それでもまだ私には掴みようのない抽象的な世界に見えてたけど、
マークがその気になったらすごい映画になる可能性があると感じて、
映画化への思いも増していったの。
マークが帰ってきて即刻映画化の可能性を話し合ったわ」
──時間的にはどれくらいかかったんですか?
「マークとの話し合いがスタートしたのが2005年だから4、5年はかけたということね。
映画作りというのは長い時間がかかるコミットメントだから、
選んだストーリーを信じてまっしぐらに進む気持ちがないとできないことなの。
一旦始めたら後には引けない。製作費は簡単に集まると確信してたわ。
低予算のほうが口出しが少ないからやりやすいの。あまり多い予算は望んでないし」
──監督が女だから男だからという見方はもう古過ぎますが、
女の感性というものが細かい選択に当然顔を出すと思います。
「監督の判断や決定にはその人の人生体験が当然もの差しになる訳だから、
私が決めたことには女の感性が動いているでしょうね。
ただしそれは意識的なものではなくて無意識の中で自分の女としての人生体験の色合いが
出るということだと思うわ。
つまりキャスリン・ビグローの色合いが出るということでしょう」
――一般的に男と女の戦争に対する反応は違うと思います。
あなた自身と戦争との関係は?
「確かに男と戦争の関係と女と戦争の関係は違うと思う。
でも、サバイバルということでは男女の性別はないと思うのね。
サバイバルは人間の基本的な本能で、誰もが生き残るにはどうするべきかという触覚
みたいなものを持ってるはず。戦争をサバイバルするって本当に大変なことでしょう?
アメリカ人として戦争というものに心を痛めているわ。すごく複雑で奥深いものだから、
良い悪い、白か黒か、みたいな簡単な結論を出せないわね。
でも、『戦争によって信じられないほど人間の命が犠牲になっている』という部分は
皆がきちんと直視するべきだと思うの。
その部分は映画のなかで手抜きをしないではっきり描かなくてはならないと思っていたわ。
フィルムメーカーとして自分にできることは、判断を下すことで、
自分の意見を押し付けることではなく、無数の人間の命を犠牲にしている終わりの見えな
い戦争の一部を見る人に体感してもらうということなの。
結果、それぞれが自分なりの意見を見つけてくれば、それでいいのよ…
以下はネタバレとなるのでmixi独身映画ファンコミュニティ
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にて『ハート・ロッカー』の頁をご覧下さい。
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