「ホリディ」

「ホリディ」映画チラシ★映画基礎データー★
「ホリディ」
2006年 アメリカ映画
監督脚本:ナンシー・メイヤーズ
出演:キャメロン・ディアス

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ロンドンの新聞社に勤めるアイリス(ケイト・ウィンスレット)は、
人生で最も惨めな瞬間を迎えていた。
3年間も愛し続けてきた同僚のジャスパー(ルーファス・シーウェル)が、
目の前で他の女性と婚約発表をしたのだ。
2人の関係はとっくに終わっていたが、彼のことが忘れられずにいたアイリス。
ひとり寂しく郊外のコテージに帰り、哀れな自分を思うと涙が止まらなかった。

ロサンゼルスで映画の予告編製作会社を経営するアマンダ(キャメロン・ディアス)は、
同棲中の作曲家イーサン(エドワード・バーンズ)とひどい別れ方をしていた。
原因はイーサンの浮気だったが、
恋愛に不器用なアマンダにも問題があった。
彼女は怒りにまかせてイーサンを家から追い出したものの、
そんな恋人との別れにも涙すら流せないでいた。そして─ 。

9,600キロ離れたロンドンとロサンゼルスで、
見ず知らずのアイリスとアマンダがパソコンの前に座っていた。
最悪の状況を抜け出すための旅に出たいと考えていたアマンダが、
アイリスの出した“貸しコテージ”の広告を見つけたのだ。
2人はパソコンを通じて話し合い、<ホーム・エクスチェンジ>をすることに。
それは条件の合うもの同士が、
お互いのバケーション中に家も車もすべて交換するというもの。
環境を変えることは、今の2人にとって願ってもないことだった。

ロンドン郊外のコテージに到着したアマンダの頭には、
職業病で映画のナレーションが流れていた。
「アマンダはすべてを手に入れていたが、この休暇には足りないものがある」。
そして静かすぎる夜を迎えた時、突然の訪問者がやって来る。
アイリスの兄グラハム(ジュード・ロウ)だった。
初対面にもかかわらず、アマンダはグラハムに恋を終わらせたばかりなことや、
かつてないほどの孤独に襲われていることを告白。
そして気持ちが高揚するのを感じながらキスを交わし、やがて……。
これこそバカンスで起こるハプニング。
一方のグラハムもアマンダに心惹かれていくのだった。

翌朝、グラハムの携帯電話が鳴る。
それは“ソフィ”という名前の着信。
グラハムには彼の人生があり、
アマンダは滞在2日目にして早くも元の生活に戻る決意をしていた。
その時、再びナレーションが聞こえてくる。
「求めていたわけではないが、愛が彼女をとらえた」と……。
そしてその夜、ロスに帰るはずだったアマンダは、
グラハムの行きつけのパブへと足を向けるのだった。

次の朝、再びグラハムの携帯が鳴る。
今度の着信は“オリヴィア”から。
彼は単なるプレイボーイなのだろうか?
2人は“夜を共にした後の初デート”に出かけ、
お互いに自分の人生を語り合う。
しかし恋人同士のように戯れてはいたが、
アマンダは恋することに自信を失っていた。

「アマンダはいつも男と距離を置こうとする」というナレーションを
振り払った彼女はグラハムの自宅を訪ね、そこで意外なものを見せられる。
2年前に離婚したグラハムには、ソフィとオリヴィアという2人の子供がいたのだ。
「他人が自分たちの生活に入ってくることが怖かった」というグラハム。
アマンダはショックを受けながらも、
今までとは違う一面を見せる彼とその子供たちを受け入れている自分に気づく。
ロンドンとロスの“遠距離恋愛”が上手くいくとは思えなかったが、
2人にとって一番の問題は、すでに本気で愛し合っているということだった……。

ロスでバカンス気分を満喫しているアイリスの元を、
アマンダの仕事仲間だというマイルズ(ジャック・ブラック)が、
恋人のマギー(シャニン・ソサモン)と共に訪ねてくる。
少しエキセントリックだが、人の良さそうなマイルズ。
それがアイリスにとって大切な出逢いになろうとは……。

今までの自分を忘れられそうだったアイリスを
再び過去に引き戻したのはジャスパーからの電話だった。
アイリスにひどい仕打ちをしておきながら、
仕事のことでは都合のいいように彼女を頼ってくる。
そんなアプローチを断りきれない自分を悔しく思っていたアイリスに、
2つ目の出逢いが訪れる。
かつてハリウッドの有名な脚本家であった老人、
アーサー(イーライ・ウォラック)だった。
アーサーは数々の名セリフを生み出してきただけあって、
アイリスのことを映画に例えて励ましてくれる。
「映画の中には主演女優とその親友がいる。
君は主演女優のはずなのに、なぜか“親友役”をやっている」
─ アイリスはそんな言葉に心を打たれるのだった。

「カリフォルニアに“サンタアナの風”が吹くと何かが起こる」
とマイルズが語った通り、
アイリスの周りには見知らぬ土地でできた友人たちが集まって賑やかになってきた。
アーサーが脚本家協会から表彰されるための準備やマイルズとの交流を通して、
彼女の中で何かが変わろうとしている。
特にマイルズと過ごす時間がかけがえのないものに思えてきたが、
彼にはマギーという恋人がいる……。
ところがマギーは、マイルズに隠れて他の男とデートをしていたのだ。
「叶わないと知りながら恋に落ちてしまう」─
アイリスとマイルズは似た者同士なのだった。
お互いの心を慰め合いながら、2人の距離は急接近。
しかしアイリスは「愛してる」の一言がどうしても言い出せなかった。

マイルズがマギーを忘れられないのと同じく、
アイリスもジャスパーに心を残していた。
そんな彼女の前に何とジャスパーが現れる。
はるばるロンドンから会いにきた自分を許してほしいと語るジャスパーに、
アイリスの心は大きく揺れ動くのだった……。

『ハート・オブ・ウーマン』、『恋愛適齢期』のナンシー・メイヤーズ監督の新作です。
演出だけでなく脚本も手がけ小洒落た作品に仕上がっています。
ロンドン郊外とロサンゼルス風景と恋人達の対比を切り取る撮影は、
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ、
『アポロ13』のディーン・カンディが担当。
音楽は、『ライオン・キング』でアカデミー賞に輝き、
最新作『ダ・ヴィンチ・コード』も記憶に新しいハンス・ジマーが手がけています。
音楽といえば、ジャック・ブラック扮するマイルズは映画音楽の作曲家という
設定ですので、
通常のBGM以外にも彼の登場シーンでは、
いろいろな名作映画音楽が流れてお洒落です。
ナンシー・メイヤーズ監督はジャック・ブラックの大ファンだそうで、
マイルズという役は彼のために書き下ろした、とインタビューで答えています。

アマンダがステイしているのはサリー州
(イギリスの南東部。ロンドンから30分くらいのところ)のシアという小さな街です。
ここを雪とクリスマスのデコレーションで埋め尽くして撮影しています。
その後、映画のおかげで街は人気の観光スポットになったそうです。
このシアでアマンダとグラハムはランチに行きますが、
ここで登場するお店は、
マナーハウスと呼ばれるもので昔領主の家だったものを改装して
ホテルとして営業しているそうです。
監督がクロード・ルルーシュ(『男と女』など)のファンなので
このシーンは彼へのオマージュとして1960年代スタイルのモンタージュ風に
撮影したといいます。
アマンダの家の屋外撮影にはパサデナの東に位置する高級住宅街サンマリノ。
真冬にも関わらず太陽がさんさん。
ロンドンにやってきたアマンダとグラハムが食事をしながらデートを楽しむレストランは、
実はビバリーヒルズのグレイストーン・マンションを撮影に使用しています。

アメリカの人気テレビ番組で、
家族を取り替える、1、2週間アカの他人の家にステイして、
その家の住人とともに暮らすというのを日本のバラエティ番組で見たことがありますが、
これはその番組からヒントを得たのでしょうか??
“ステイ用の貸し家の国際ネットワーク”というのがあることになっていて、
そこで偶然、家だけでなくて生活ごと取替えっこになってしまう、というお話なのだけど。
でもねぇ、インターネットだけで現実には顔も知らない外人に、
自分の住処をまるごと預けてしまう、
というのは無理だと思うけど。
(…でもひょっとして実在していたりして。)
劇中では、一方的に賃借提供、借受契約するのが通常のようで、
同時に交換してしまうのはアマンダとアイリスの2人の間だけの約束事になっています。

それとアマンダが映画の関係者でふたつの舞台の片方が映画の都、
というのは単にふたつの現実の生活を取り替えっこするだけではない、
夢の部分が加味されています。
夢はいろいろある筈なので、映画監督がこの設定を使うのは安直といえば安直。
そこでマンガにならないように、
老脚本家を登場させている。
往年のハリウッド映画に映画関係者ばかりの養老院が出てくるのがありましたが、
(タイトルは忘れた)
労脚本家の住まいは養老院ではなくとも、
現役を退いた人たちばかりが暮らす宅地のひとつのようですね。
作品の性格も有るのだけど、
ひとり暮らしのようでも暗くなくて、孤独で寂しげでもない感じが良いです。

インタビューで「ラブストーリーにふさわしい季節はいつ?」と問われて
監督は「冬。恋人達が温めてくれるから」と答えています。
この作品も舞台は冬。
人生の冬のシーズンにふと立ち止まり、
あたりを見回しもう一度、歩きなおそうというテーマのようですが、
恋愛に対して受身のようですが、それでも
ふと立ち止まるのが女性二人で、
男性達はここでは女性達に見初められる側になっています。
男女が逆の場合より前向きに見えるのが今風ということでしょうか。


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