「ホテル・ビーナス」DVD脚本レビュー
★映画基礎データー★「ホテル・ビーナス 」 2003年 日本映画 監督 タカハタ秀太 出演 草なぎ剛 中谷美紀 香川照之 市村正親 |
「ホテル・ビーナス」については映画紹介番組を見ていて、
おおよそどんな話か設定を知った上で見てますが、
この作品は映画そのものより、バックグラウンドの方が調べて面白かったです。
心に傷を負った人々が集うホテル ビーナスで
チョナン(草なぎ剛)は住み込みで働いている。
ある日、全く口をきかない女の子サイ(コ ドヒ)とガイ(パク ジュンウ)父
娘がやって来た。その日から住人の心に変化が訪れる。
全編韓国語・日本語字幕による邦画初の“読む映画”。
深夜番組「チョナン・カン」のスピンオフ企画ですが、
それとは一線を画し、叙情的なストーリー展開で、
俳優・草なぎ剛の作品らしい味わいです。
監督は「チョナン・カン」や「smaSTATION」などを手がけるタカハタ秀太で
これが初監督作になります。
プロモーションビデオなども手がけてきた監督らしく、
映像がスタイリッシュです。
全編にLOVE PSYCHEDELICOの音楽が効果的に使われています。
日本映画なのにハングル使うなんて馬鹿みたいという、こっぴどい書き込みを
映画の掲示板で見てます。
そこいら辺が「チョナン・カン」を引きずっているあたりかもしれませんが、
私はそう悪い出来ではなかったと思ってます。
全員日本人のキャストと誤解していましたが、
草なぎ剛に、中谷美紀 、香川照之 、市村正親のメイン四人以外は
韓国の方ですね。あまり日本では知られていない顔ばかりです。
やや日本人ごのみの外人キャストではないかという気がしますが、
絵になる人たちで芝居のレベルもまずまずでした。
日本ではないどこかの町、という設定ですがウラジオストックでロケをしています。
はー、そうですか。なかなか凝ってます。
舞台となる時代も衣装や小道具、大道具類から、
いつなのか尻尾を捕まれないように
工夫しています。
現代でもあり、近未来でもあり、一昔前でもある、という風に見えます。
音楽も、なんですか監督が口説いたLOVE PSYCHEDELICO。
私ははじめて歌を聴きましたが、よく聞けば日本語。笑。
それなりに良かったです。
ただ、そういった道具立ての念入りさに比べて脚本が平凡ですね。
子供連れのなぞめいた男。
やさぐれ医者と情婦。
子ども扱いされてとんがっている若い男。
オカマのホテルオーナー。
手垢のついた人物設定を並立的にならべて、ありがちな展開で進んでいく。
破綻は無いかもしれませんが、意外性は皆無ですので、
半分寝ていてもストーリーは分かります。
無目的で登場する
チョナンが結局ラストでも何にも変わっていないところが、
致命的です。
彼があのホテルにいるのは、女への未練というだけで、
特に何かが変わるというほどのものでもない。
女の親父と会っていますが、それでどうなるという話でもないしねえ。
あ、これはねたバレか?
決め台詞とおぼしきものはぱらぱら出てきます。
最近の日本映画の悪い癖で、
ドラマが十分膨らんでいないうちに、かっこいいセリフを吐かせすぎる。
確かに人生は厳しいく、さからえぬ運命に翻弄される
ということはあるかもしれませんが、
あんなベタな展開ばかりですと、
意志の弱い人たちが傷をなめあっているように見えてしまうので、
あんまり良くないです。
ああ、でも映画全体としては全力で罵倒するほどひどい出来ということではないですよ。
関係者のご苦労は、ロケ地やキャスト、映像の凝りようなどで、
それなりに結果を出してますので。
モノクロのように見えますが、よく見ると退色させた画面で、空の青い色など
が見えます。
日本のキャストがテレビドラマ風のキャストなので、
色使いを凝るのは映画的に無意味ではありません。
エンディングがカラーで、ホテルの中が意外や色鮮やかなのが分かります。
こっちも悪くないですね。
色設計はなかなか好みです。
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