「アイ,ロボット」
★映画基礎データー★「アイ,ロボット」 2004年 アメリカ映画 監督 アレックス・プロヤス 原案 アイザック・アシモフ 「アイ,ロボット」 脚本 アキヴァ・ゴールズマン ジェフ・ヴィンター 出演 ウィル・スミス |
今からわずか30年後の近未来、
家庭用ロボットが人間のパートナーとして普及している時代。
さらに、革新的な技術による新世代ロボットが登場し、
新たなロボット社会の夜明けを迎えようとする直前、
そのロボットの生みの親であり、ロボット工学の第一人者、
アルフレッド・ラニング博士
(ジェームズ・クロムウェル「グリーンマイル (1999)』『スペース
カウボーイ」)が
なぞの死を遂げる。
容疑者は最新のNS−5型ロボットのソニー(日本語字幕では”サニー”と表記されている。)
(アラン・テュディック『パッチ・アダムス (1998)
』『アイス・エイジ (2002) 』)。
“ロボット3原則”により、絶対に人間に危害を加えられないはずのロボットが
犯人なのか? その謎を追及するシカゴ市警の刑事デル・スプーナー
(ウィル・スミス「アリ (2002)」「メン・イン・ブラック (1997)」)と
ロボット心理学者スーザン・カルヴィン博士
(ブリジット・モイナハン『トータル・フィアーズ (2002)』『リクルート (2003))は、
やがて、人類の存亡がかかった驚愕の真相に迫っていく……。
公開タイトルでは“ウィル・スミス主演「アイ,ロボット」”と紹介されています。
彼の主演作は既にモハメッド・アリの半生を描いた「アリ」がありますけど、
「アリ」の時には“ウィル・スミス主演”という冠は付かなかったはず。
この作品の公開時、私も「“メン・イン・ブラック”の黒人の方でしょう?」程度の認知しかありませんでした。
ウィル・スミスはもともとフレッシュ・プリンスという名のラッパーで、
「サマータイム」ではグラミー賞に輝いたその道の有名人です。
歌手の道に進むために、マサチューセッツ工科大学の奨学金を断ったというから、
もともとエリートですね。
本名 Willard Christopher Smith Jr. の愛称
Will Smith で映画界に入り、
『アリ (2002) 』ではアカデミー賞主演男優賞にノミネートされてます。
彼はアカデミー賞にノミネートされた初めてのヒップホップアーティストです。
『マトリックス (1999)』でネオ役をオファーされたのを蹴った伝説の持ち主ですが、
ハリウッドでのギャランティーはキアヌ・リーヴズ
(「マトリックス」シリーズで各18億円づつ)に余裕で勝っているそうです。ひええっ
ま、芝居は上手いのですけどね。ドラマの後半、思い切り活劇になりますが、
映像がCG主体で、主人公もある裏設定で超人的パワーを発揮するので、
かえって身のこなしの良い人なのか、たいしたこと無いのか分からないので損しています。
もう少し、ヒロインの博士とラブストーリーぽくなっても良いような気もしますが、
黒人と白人ではやっぱり難しいのか?
そんなこんなでこの作品で彼をプラス評価すべきか、マイナスにすべきか難しいです
で、逆にべらぼうに面白かったのが、殺人犯の容疑のかかるソニー
というロボットです。タイトルバックではSONNYとクレジットされてます。
お前はアイボの人間型か!? 笑
えーと、日本公開版の字幕では”サニー”となってます。意図的に変えてるんでしょうが。
このサイトでは、英語版の表記に従います。
ソニーは完全なCGですが、
『パッチ・アダムス (1998) 』『アイス・エイジ (2002)
』の
アラン・テュディックが青いスーツを着込んで演技したものをスキャンして
コンピューターグラフィックスに置き換えています。
「ロード・オブ・ザ・リング」のゴラムと同じ手法ですね。
ゴラムの方のメイキングを未見なので断言できないのですが、
ソニーの方は、アラン・テュディックを別撮りしたものをデジタル合成したものではなく、
同じスタジオで、相手役のウィル・スミスらと一緒に演技している様子を撮影し、
あとからCGに置き換えているので、
カットの切り替えしが少なく、芝居の流れがより自然です。
ロボットの特殊効果は、
『シザーハンズ (1990)』『フック (1991)』『アンダーワールド (2003)
』等の
ガイ・ヒンバーと『シャンハイ・ヌーン (2000)』『13ゴースト (2001)』『コール
(2002)』等のマイク・ヴェツィーナが担当しています。
ソニーを含めたNS−5型のデザインは、
1=体が透明なこと、
2=ユニークな筋肉組織を持ち、人間に似た形をしていること、
3=顔が完璧に左右対象なこと――この3つの顕著な特徴に絞りこまれたそうです。
これらの特質は、デザイン上、大変な課題を押しつけることになりました。
「ソニーやNS−5型のロボットは、表情を変えられない。
だから、顔のデザインを変えずに、
彼らが突然、恐ろしい存在に変貌する方法を考える必要があった」
とプロダクション・デザイナーのパトリック・タトポロス。
その解決では、光の作用を使っています。
顔やボディの外側だけを見れば、ソニーは天使のように見える。
しかし、光の下だと、“内部”のメカニズムまで透けて見え、
ソニーは、タトポロスいわく、“機械仕掛けの超奇怪で恐ろしい物体”に変貌。
透明にするだけで、何も変えずに
ソニーの視覚的な印象を変貌させることに成功しています。
彼はまた、物語に登場するその他のロボットのデザインも任されています。
「1世代前のロボットのNS−4型も、ヒト型をしているけれど、
NS−5型とは細部でずいぶん劣っている」とタトポロス。
「ピョコピョコして、なめらかな動きはできない。
ともかく、同じ仕事をこなせるんだけど、上手にできないだけ。
だから、その2つの世代のギャップが面白いんだ」
その世代ギャップは物語の中でも重要な意味を持たされています。
ソニーはロボット三原則にも関わらず、人間に銃口を向け、
大声を出して抗議し、私は夢を見た、とつぶやきます。
人間を裏切れない、うそもつけない筈のロボットが何故??
序盤から中盤にかけて、この不可解なロボットの言動に
主人公達は大いに悩ませられ、サスペンスを盛り上げます。
さてさて、
「アイ,ロボット」の構想が生まれたのは
10年ほど前、ジェフ・ヴィンターが、
売り込み用に書き上げた「ハードワイアード」
(コンピューター・ハードウェアに組み込むという意味)と題する、
ロボットが容疑者となる殺人事件を描いたSFミステリーの脚本から出発しています。
ローレンス・マークがプロデューサーとなって企画を進め、
映画化権を獲得した20世紀フォックス映画は、
アレックス・プロヤスを監督に迎えて、企画を練りあげていきました。
2000年初め、ヴィンターはオーストラリアに飛び、
プロヤス監督と脚本の共同作業を開始。
その作業は2年越しのものとなりました。
一方、デイヴィス・エンタテインメント・カンパニーが
アイザック・アシモフの
「われはロボット」の映画化権を取得したのですが、
二つのロボット・サスペンス映画の企画は衝突して潰れてしまうことなく、
プロヤス監督は、アシモフ作品の要素を追加して、
映画の全体像を構想し直すこととします。
アシモフのアイディアやスーザン・カルヴィン博士や
アルフレッド・ラニング博士などの主要人物は、
ヴィンターが書いたミステリー脚本の構成に、すんなりとマッチしたのです。
ですから、現在、書店に並ぶ「アイ,ロボット」の文庫に
“映画原作”の帯がかかっているのは、
あくまで宣伝上の配慮で、正確には“映画原案”のひとつ、ということなのです。
映画の舞台となる2035年の世界では、“ロボット3原則”によって、
ロボットは安全な存在だと信じられています。
“ロボット3原則”は、アシモフがSF小説の中で最初に考案したものですが、
彼のアイディアは現実の世界にも取り入れられ、
人工知能開発に取り組む実際のロボット工学者や研究者の方針基準にさえなっています。
共同脚本のジェフ・ヴィンターは
「アシモフはSFのパイオニアの1人で、真のロボット・テーマを最初に書いた作家だ。
アシモフ以前、ロボットは怪物として書かれていた。
金属製のフランケンシュタインの怪物ではなく、
一定のルールに従って作動するメカニズムとしてロボットを扱った最初の作家が
アシモフであり、初めてリアルなロボット小説を書いたことで尊敬されているんだ」
と解説しています。
映画の掲示板に
「何故ロボットは、人間の形をしている必要があるのか?」という書き込みがありました。
「手が3本あったら便利なのに、と思うことってありませんか?
折角ロボットを作るなら人間に欠けているものを追求するんだがなぁ」
この人のいってることはまったく正しいのですが、
それだとソニーのようなキャラクターは成立しなくなってしまいます。
人間の姿をしたものが、根源的な自己存在、自己意識、自己確認の難問を
主人公たちに突きつけてくるからこそ、面白いのですね。
ドラマが後半、活劇になってしまい、善悪の区別がはっきり付いてあとは
アクションの連打となるので、
中盤までのテーマ的な盛り上がりが、
クライマックスでよくある勧善懲悪になってしまい、
華々しくあっても平凡なオチになっています。
もったいなくもあり、この作品を「本格SFとは言いがたい」とする書き込みに
さしあたって賛同するしかないようです。
どうもテーマ論において悪口に近いものになってしまいましたが、
作品の印象は悪くなく、俳優たちは求められる仕事を全てこなしていますし、
CGが観客を呼び込める立派な魅力となっており
エンターテイメントとしては良い点が付けられる出来です。
ねたバレ改行です。
ソニーって「2001年」のハルだと思っていたら、
「猿の惑星」だったのですね。
猿方向に持っていかず、ハル路線で突っ走ってくれたほうが、
個人的には面白かったんですけど、
難解になりますかね?
それはそれで過去の類似作品になっちゃうかな?
見た方はどう思われますか?