「アイランド」DVD脚本レビュー

「アイランド」映画チラシ★映画基礎データー★
「アイランド」
2005年 アメリカ映画
監督 マイケル・ベイ
脚本 カスピアン・トレッドウェル=オーウェン
出演 ユアン・マクレガー

mixi(ミクシー)「独身社会人映画ファンコミュニティ」に入ろう!

海に浮かぶ緑豊かな島――憧れの地「アイランド」を目の前に、
海へ引きずりこまれてしまういつもの悪夢。
しかし、夢から覚めたリンカーン(ユアン・マクレガー「エピソード3」)を
待っていたのは、普段と変わらぬ一日だった。
壁のスクリーンに映し出される健康アドバイス、管理の行き届いた食事、
そして、女性用の住居棟で暮らすジョーダン
(スカーレット・ヨハンソン『ロスト・イン・トランスレーション』)との心はずむ会話。
大気汚染から救い出され、このコミュニティで暮らし始めて3年になる。
安全で快適だけれど、退屈な日々。
ここで暮らす人々の夢は、地上最後の楽園「アイランド」へ行くこと。
日々行われる抽選会が彼らの最大の関心事だ。
しかし、リンカーンはある日、換気口から入ってきた一匹の蛾を発見して疑問を抱く
――外の空気は汚染されているのではないのか? 
そして施設内を探索するうちに恐るべき真実を目撃する。

アメリカに在住の邦人が発行しているメールマガジンでは、
アメリカ国内の「アイランド」の劇場公開の予告では、その「アイランド」の正体は伏せられたまま
とのことです。
ところが日本版劇場予告では正体はあっさり出てきてしまいます。

彼らは、保険契約を結んだクライアントに臓器を提供するためだけに
“生産”されたクローンであり、「アイランド行き」とは、
すなわち臓器摘出の死刑宣告だったのだ。
次の当選者に決まったのは、ジョーダン。
二人は、生きるための脱出を試みる。
二つの無垢な魂は、お互いが運命の相手であることにまだ気づいてはいない。

『アルマゲドン』で世紀末の“現在”を描き、
『パールハーバー』で歴史の“過去”を刻んだマイケル・ベイ監督が、
その無尽のイマジネーションを、ついに“未来”へと突入させた! 
――劇場公開の宣伝コピーではそんな風に宣伝されていますが、
アンチ・ユートピアもの、というのは昔からあったし、
ネタばれしても、あっと驚くほどのものではないし、
だから日本版では、アイランドというインチキユートピアがあって、
そこに送り込まれそうになった主人公たちがどう抵抗するか、を直接問う
作戦になってます。

この作品は公開前から、
79年にアメリカで劇場公開された低予算のインディペンデント映画
「クローン・シティ/悪夢の無性生殖」と類似点が多いと話題になってました。
主人公が人間の移植手術のために作られたクローン人間である点や、
未来のロサンゼルスを舞台にしていることなど主要な設定がほぼ同じす。
現在「クローン・シティ」のロバート・フィブソン監督が、
「アイランド」を製作したドリームワークスとワーナー・ブラザースを
著作権侵害で起訴してます。
当然ドリームワークスは、独自に開発したオリジナル作品であると主張してます。
この話はネットでは複数のメディアから報道済みで、
「クローン映画が実はクローンとは、きついジョーク」という
コメントつきです。

でもまあ、
マイケル・ベイ監督の良さは古いネタでも、巨額の制作費をつぎ込んで、
人気俳優をどっさり登場させ、大掛かりな特撮、豪華な装置、衣装の華やかさで
大画面に栄えるエンターテイメントを贈りだすそのパワーでので。
派手なアクションを見せる装置としてドラマがある、ということですので、
ストーリーが類似していてもフィルムの印象はずいぶん相違しているだろうと
想像できますね。
それにアンチ・ユートピアモノとはいまさらテーマの底が浅い、
などと腹を立てるのは野暮というものでしょう。
「パールハーバーはくそだ。マイケル・ベイが監督を続けられるのは不思議だ」
と某パロディ映画の挿入歌で歌われているのには吹き出しましたが、
アメリカン・バブルをそのままスクリーンに持ってきたようなリッチさは、
ほかの国の映画界には真似できない、すれば恥をかくだけの迫力があります。

クローンの管理者メリックに『トゥームレイダー2』『コンスタンティン』の
ジャイモン・フンスー、
追跡隊を率いるローレントに『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』『トロイ』の
ショーン・ビーン、
二人の脱出を助ける研究員マッコ−ドに『ファーゴ』『ビッグ・フィッシュ』のスティーブ・ブシェミ、
臓器をとられそうになって泣き喚くスタークにマイケル・クラーク・ダンカン。
なんかこう、意味不明で傑作なキャストです。
キャラがいくらか出ているのはブシェミですね。
おたくっぽい衣裳部屋の場面には笑わしていただきました。

スカーレット・ヨハンソンは
1984/11/22 生まれのまだ20歳だというのに、
しっとりした役も出来る魅力的な女優で、
ユアン・マクレガー同様、本作品ではほとんど吹き替えなしでアクションに挑んでます。
デンマーク系とポーランド系の血で、ハリウッドにその色白で欧州系のマスクが重宝がられている。
 彼女の両親は離婚したので、スカーレット・ヨハンソンは父のいるニューヨークと母のいるロサンゼルスを半々で暮らしているそうだ。
 マネージャーでもある母親は、スカーレット・ヨハンソンの決断をいつも支持してくれているが、
このところの娘の超過密スケジュールに、体が持たないから休みなさい、休暇をとりなさい、と心配しているそうです。
でも、本人スカーレットいわく、
万一休暇をとったら仕事のことばかり考えちゃうでしょうね、
という根っからのワーカホリック(仕事中毒)だそうです。

カーチェイスの豪華さ加減にくらべて、クローンたちの住む都市が狭苦しげです。
あとで軍から払い下げられた防空壕だかの設定であることが
ばらされるんですけど、
いってみればあの都市はクローンたちの住む世界のすべてですから、
閉鎖世界である、というだけの説明では乱暴すぎると思うんですけどね
地下シェルターなら、地下シェルターということで良いと思うのですが、
見ようによっては病院の一病棟のようでもあるし。
世界の大きさをわざと伏せておくのは演出も知れませんが、
もっぱら見せたのが、逃走劇なのですから、
あっさり一言でけりが付くようにしといたほうが良かったです。

ユアン・マクレガーは二役を結構楽しんでいたようですね。
シリアスにやってもしょうがないような話ですし、
でも童貞役でジョーダンとの初Hで夢中になるあたりは、思い切り恥ずかしいですけど。笑

製作費1億2000万ドル(約132億円)以上という超大作であるにも関わらず、
全米マーケットでは興収約3490万ドル(約38億円)という惨敗で、
プロデューサーのマクドナルドは
「もっと知名度の低いテレビ女優だって、観客にアピールすることができたはず」と
カーレット・ヨハンソンを批判してます。
むっとしたスカーレットは、
「映画のマーケティングに失敗した責任を取らずに、責任転嫁してる」と反論してるとのことです。
日本での興業はどうだったんでしょうか。



トップページ(映画製作裏話、映画と原作比較レビュー)戻る。