「ジェシー・ジェームズの暗殺」
■作品基礎データ 「ジェシー・ジェームズの暗殺」 2007年 アメリカ映画 監督・脚本:アンドリュー・ドミニク 原作:ロン・ハンセン 出演:ブラッド・ピット |
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アメリカで最初の正真正銘の有名人のひとり、
ジェシー・ジェームズ(ブラッド・ピット)。
このアメリカでもっとも有名な無法者については数え切れないほどの本が書かれ、
物語が伝えられてきた。そのほとんどは真実の核心に触れていない。
1870年代を通して、新聞やダイム・ノベル
(19世紀後半から20世紀初頭にかけてアメリカで流行したメロドラマ仕立ての安い小説)
は“ジェームズ・ギャング”の行為をセンセーショナルに書きたて、
その中で彼は畏敬と称賛の的だった。
貧しい庶民を食い物にする鉄道会社のオーナーや
銀行を狙うロビン・フッドのようなイメージで描かれていたからだ。
南北戦争中に南軍兵士として戦ったジェシーは、
自分を不当に扱い、傷つけ、人生を台無しにした国に刃向かっている、
悲劇を背負った男だと思われた。
時代の進歩に乗り遅れまいと、都会風を装い、
堅苦しい平凡な人生を送っていた人々にとって、
彼は西部開拓時代の自由とアメリカ的精神を象徴する最後の男だったのだ。
法をあざけり、自分自身のルールで生きたカリスマ的な反逆児―
―誰に聞いてもジェシーは伝説的存在だった。
犯罪と逃亡を繰り返し生きたジェシー・ジェームズ。
よき父親だったが、二人の子供たちは、父の職業も本名も知らなかった。
1881年9月7日、ジェシーは兄のフランクと共に列車強盗を企てる。
夜の決行に集まった一団の中に、場違いな若者がいた。
一味の一人であるチャーリーの弟、ロバート・フォードだ。
彼は「ジェームズ兄弟の右腕になりたい」と訴え、フランクには拒否されるが、
ジェシーに受け入られる。
ロバートはジェームズ兄弟を英雄的に描いた「ジェームズ兄弟物語」を幼少期から読み、
とりわけ弟のジェシーに強い憧れを抱いていた。
理想に燃え、野心家の若者ロバートは、
いつの日か、自分のアイドルと行動を共にできたらと強く願い続けていた。
まさか自分の名が、
ジェシーを背後から撃った卑怯者として歴史に残るとは夢にも思わずに。
ロン・ハンセン著の小説「ジェシー・ジェームズの暗殺」に基づき、
本作はアメリカでもっとも悪名高き無法者と、
その暗殺者の私生活を丹念に調べ、
この伝説的な人物の知られざる姿を見せると共に、
不名誉とされる銃撃が起こる前の数カ月間に実際に起こったことの解明に取り組んでいる。
ブラッドはジェシーのカリスマ的な存在感を披露。
そしてケイシー・アフレックが暗殺者ロバートを演じてます。
監督・脚本はオーストラリアの新星アンドリュー・ドミニク。
他にサム・シェパード、サム・ロックウェルが出演。
撮影はアカデミー賞常連のロジャー・ディーキンズ。
死してもなおカリスマであり続ける反逆のヒーローと、
卑怯者としてのみ記憶された暗殺者―。
ふたりの心の葛藤と孤独を見事に描いたサスペンス心理劇です。
ジェシー・ジェームズは西部犯罪者史上ビリーザキッドと並ぶ有名人だそうですが、
日本ではほとんど知られていません。
日本で言うと、幕末の弘化四年(1847)にミズーリー州に生まれ、
16才の頃には、南北戦争に南軍側のゲリラ軍として参加。
南軍が破れ、リンカーンが大統領になったあとは、ゲリラ軍で身につけた戦法を活かして、
南軍ゲリラ崩れの者たちと、銀行強盗と列車強盗を繰り返しました。
敵の裏をかいたり、追っ手から逃れる才能があり、
また、独特のカリスマ性もあり、20代の半ばには、ギャング団の首領になり、
〔ジェームズ・ギャング一味〕と呼ばれ、高額の懸賞金を懸けられていました。
銀行や鉄道は、有名な〔ピンカートン探偵社〕を雇います。
ジェームズとピンカートンの傭兵部隊との追跡劇には、さまざまな逸話が残されています。
(この頃、日本では、明治6年です)
南北戦争の頃から、安い小説仕立ての雑誌が売れるようになりましたが、
ジェームズはそれらの小説の主人公となり、
ただの南軍ゲリラ崩れの盗賊団が、いつしか、面白おかしく、
大金持ちの銀行家から大金を巻き上げて、
貧しい未亡人たちを救う【義賊】に祭り上げられてしまいます。
作り話が作り話を生んでゆき、ジェームズは誰もが知る英雄となりました。
妻子とともに転居を繰り返しながら、
悪魔のような〔勘〕と〔閃き〕を持った彼は、
15年ちかくも追っ手を振り切って、逃げ通しました。
映画は、ロバート・フォード(ボブ)という19才の貧しい若者が、
ジェームズを慕って一味に参加するシーンから、半年後の暗殺までを描いています。
ボブにとって小説の中で英雄だったジェームズも、全盛期を過ぎ、
官憲に追われ、今では手下たちの裏切りに脅える日々を送っています。
莫大な懸賞金目当てに官憲に内通する手下もいて、
冷徹なジェームズの心を【疑心暗鬼】が次第に蝕んでゆきます。
内心、脅えながらも、手下たちの前では、
いつもスタイリッシュで、威圧感を与え、カリスマ性を失わない人物
であったといいます。
特に難解さを競う作品ではありませんが、
“サルでも分かるハリウッド映画”の中で、
アクター系に属する作風です。
以下、この作品の鑑賞の仕方についてコメントをつけて起きます
本作を見るについては、
ボブ⇒ロバートであるという<大前提>を忘れないでください。
ボブ⇒ロバート(⇒暗殺者)と瞬時に頭の中で置換えることが必要です。
もうひとつ、ディックという人物に注目してください。
この人物の動きが、クライマックスの暗殺事件に影響することになりますので、
見逃さないように注意してご覧ください。
作品の前半は、列車強盗の場面を除き、
淡々としたナレーションをバックに、静かに進行していきますので、
ややもすると眠くなってしまいがちなのですが、
そんな眠気を一気に吹っ飛ばしてくれるほど、ある場面で銃声が大音響で轟きます。
作品中、列車強盗の場面を除くと、銃声が響くのは、
4回か5回だけだったように記憶しているのですが、
この作品にはアクションのためのアクションが無く、
そのそれぞれの場面が、キーポイントとなる重要なシーンとなってきますので、
どの場面で銃声が轟くのかも、ちょっと注目してみてください。
列車強盗の実行後、ジェームズとかつての仲間たちの間に生じる「心の溝」。
強盗団の大半は寄せ集めで、全盛時代のようなチームワークは無い、
と設定されているものの、長年連れ添った仲間は存在します。
その運命共同体でもある仲間との間に生ずる「心の溝」。
その「溝」が、ゆくゆくは、ジェームズの暗殺につながっていくのですが、
その過程で描かれる緊迫の心理戦は、是非スクリーンでご覧になってください。
私自身は、クライマックスでジェームズがとった、
暗殺に結びつく「ある行動」の理由に、ちょっと納得がいかないのですが、
皆さんは、どのようにご覧になるでしょうか?
なお、映画のタイトルは、
原題を直訳した「ジェシー・ジェームズの暗殺」となっていますが、
映画というものはすべからく事件ではなく、人物を語るものですから、
本作品も「ジェシー・ジェームズの暗殺“者”」であることをお忘れなく。
本作品のクライマックスで、実は重大な疑問があります。
ほんとうにロバート(ボブ)・フォードがジェシー・ジェイムスを殺したのでしょうか?
問題の暗殺のシーンについて…
以下はネタバレとなるのでこの続きはmixi独身映画ファンコミニティの
「ジェシー・ジェームズの暗殺」
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