「感染列島」
■作品基礎データ 「感染列島」 2009年 日本映画 監督脚本:瀬々敬久 出演:妻夫木聡 |
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救命救急医・松岡剛(妻夫木聡)のもとに一人の急患が運び込まれてきた。
高熱、痙攣、吐血、全身感染とも言える多臓器不全…
…それは人類がいまだかつて遭遇したことのない感染症状であった。
新型のインフルエンザか? あるいは別の新種のウィルスなのか?
戦場と化した病院で従事する松岡らのもとに、
WHOからメディカルオフィサー小林栄子(檀れい)が派遣されてきた。
もしこのウィルスが国内で感染爆発した場合、3カ月以内に交通網・都市機能が停止、
わずか半年で感染者は数千万人にものぼるという、
戦災をはるかに上回る恐るべき事態が予想された。
人類は、未曾有の感染パニックに終止符を打つことができるのか!?
08年5月、カンヌ国際映画祭。
世界各国から集まってきた映画関係者達の注目を集めた日本映画の企画があった。
その作品は製作が開始されて間もないため、
プロモーション用の映像はおろかポスターすらなかった。
あるのは、作品の企画概要を英訳した簡易なチラシ一枚のみ。
『PANCEMIC(パンデミック)』…
…日本で09年公開となる映画『感染列島』の英題である。
有名コミックの映画化作品や海外受けするアニメーションでもない、
このオリジナル脚本の日本映画に、20数カ国におよぶ配給オファーがあり、
さらに、作品完成前であるにもかかわらず、
ハリウッドメジャーがリメイクに意欲を示すという異例の事態まで巻き起こった。
近年の映画でもこれまでに、
ウィルス封じ込め作戦を展開する『アウトブレイク』や、
ウィルス感染症の蔓延によって世界が崩壊した後を描いた『28日後』
『アイ・アム・レジェンド』などの作品があった。
しかし、感染爆発の過程そのものを描く映画は、いまだ存在していない。
新型ウィルスの感染拡大が実際の社会や人々にどのような影響を与えるか、
膨大な取材データをもとに構築したリアルシュミレーションを、
映画的物語へと昇華しようとする、世界で初めての映像プロジェクトである。
「感染列島」見ました。
予告を見たとき、「いまなぜ伝染病映画なのか?」等と考えて、
あんまり食指が動きませんでした。
でも興行成績は一位二位。
読んでいるメールマガジンでも褒めちぎっていたりと、
それじゃあ見に行くかで行きました。
特に期待しなかったと言う事もあるのでしょうが、
なかなかに面白かったです。ただし
曲者の多い(笑)うちのコミュニティではウケが悪いかも、です。
巷ではタミフルの効かないインフルエンザが流行っているとか。
鶏インフルエンザで養鶏場が閉鎖されて、経営者が自殺したりとか実際にあった事件が
作品の中でもあれこれ出てきてます。
都下の仮想の市がメインの舞台なのだけど、
実際のロケは新潟で行われたようですね。
「病棟は戦場と化した」なんてシナリオで描くと一行ですが、
それを映像化するとなると大変です。
鶏インフルエンザの封じ込めで養鶏場に化学防護服を着た連中が
大挙して作業するところとか、
当然CGやデジタル合成を駆使しての画面つくりなのだろうけど、
人海戦術シーンが次々と出てきてなかなかに圧巻です。
いまテレビスポットで現役のお医者さんたちが作品を褒めるCMが流れてますが、
あれは一部の意見なのでしょうかね?
とにかくお医者さんや介護師さん達が実に立派に見えてしまう作品ですが、
他方で厚生労働省やWHOへの批判というのも覗かれる。
ネタバレ改行です。
新型インフルエンザでなく、未知のウィルス。
その正体が南の国連未加入国の日本向け海老養殖場にある、
というオチは、政治批判や格差・貧困問題を匂わせます。
ただ作品では、ずばりそうだと言い切ってないですね。
ずばり最貧国が外貨獲得の手立てを失うことの怖さから国ぐるみで
伝染病を隠蔽した、と決定づけて描いてしまってよいようにも思ったんですが、
それを匂わせる程度にしておいて、
現場で次々に倒れていく医療関係者の献身で泣けるメロドラマにとどめた
映画の演出の方がエンターテイメントとしては、
上品であるという気もしますね。
作品をご覧の他の方の意見も伺いたいところです。
ヒロインを演じた壇れいのインタビューよりメイキングに関する部分を採録します。
Q:キャラクターを演じる上で、かなり準備もされたそうですね。
はい。感染に関する本を読んだり、
JICA(国際協力機構)の方にお会いしてお話をうかがったり、
また、医療現場に直接行ったりもしました。
自分の具合が悪いときに病院へ行きますけど、お医者様の役となれば、
見る視点が全然違ってきますから、改めて病院に行って現場の雰囲気や看護士さん、
医師の方々が働いている姿を間近に感じたりする必要がありました。
お医者様でも感染に関する知識は限られていますので、
感染の専門の先生ともお会いしました。
最終的には自分の中に集まった知識をいろいろ整理していって、
感染が起こったときに自分ならどう対応するか、
自分がメディカル・オフィサーだったらどう対応するのか、という想像をしました。
結局は誰にもわからない未知なる世界だと思ったので、調べて知識を得て、
感情を作っていきました。
Q:実際に、演じられた栄子と同じ立場になったら、どうしますか?
『感染列島』はパニック映画と言われますが、パニック映画というより、
ある種のシミュレーション的映画だと思うんです。
実際に新型ウイルスが日本に上陸したら、
映画のような事態になるんだってことを感じてもらえると思うんです。
わたしは実際にいろいろ調べたので、その怖さを強く感じましたし、
エンターテインメントとして楽しむだけではなくて、
さまざまな角度から観ていただけたらうれしいですね。
Q:本当の病院で撮影された感想は?
もともと使っていた病院をまるまる借り切って撮影したので、
壁や床の汚れ、手すりの傷などを見るたびに、ここで入院した方々がいて、
お医者様たちも必死に治療行為を行い、
命を実際につないでいった現場だったんだと思い、
本当に病院そのものが持っている力に助けられました。
セットやスタジオでは、出せない空気感がそこにはありました。
Q:妻夫木聡さんとの共演の感想は?
とてもすてきな俳優さんでした。
いつも現場を明るくしてくれて、いろんな方に心配りをされて、
ちゃんとみんながうまくいくように間を取り持つことができる方で、
本当に頼れる人だって思いました。
妻夫木さんのスタンスなのかどうかはわかりませんけれど、
お互いにいい形で信頼し合えるような、
遠慮なく飛び込んでいける部分が彼の中にあったので、
いい共演者とめぐり会えることができたって思いました。
わたしは比較的これまでも共演者の方々とのめぐり合わせが良くて、
本当にいつも皆さんに助けられながら、演技をさせていただいています。
そして主役の妻夫木聡のインタビューより、メイキングに関する部分を採録します。
Q:本作への出演依頼を受けたとき、どう思いましたか?
ただのパニックムービーだったらやりたくなかったんです。
そこで、「この映画にはどういう意味があるのか、監督とお話ししたい」と申し上げて、
瀬々敬久監督とご飯を食べに行く機会を作ってもらいました。
そのとき、瀬々監督が
「単に危機的な状況から打開策を見いだしていくという人間の姿を描くのではなく、
人間が命とどう向き合っていくかという話にしたい」とおっしゃったのが
とても心に残りまして。
それに台本を読んだら、命の共存が大きなテーマになっていて。
これはぜひやってみたいと思いました。
Q:撮影期間は2008年3月から5月まででしたが、これは長い方なのですか?
今の映画界の大作系では普通かもしれません。
撮影期間の3分の2は新潟に滞在していました。
新潟市の中心にある、今は稼動していない総合病院を使ったロケが多かったので。
Q:新潟の思い出といえば?
お酒とご飯と魚が最高にうまかったですね(笑)。
食べ過ぎちゃいけない、飲み過ぎちゃいけないって、私生活を制限するのが大変でした。
演技と関係ない部分で相当努力していました(笑)。
Q:お酒はよく飲まれるんですか?
ええ、お酒は好きですね。新潟ではもっぱら日本酒を飲んでいました。
普段はあまり日本酒は飲まないんですが、新潟の日本酒はうまかったなあ(笑)。
東京で飲んでいる日本酒と全然味が違いました。
いろいろな銘柄を飲んだのですが、
ちょっとずつ味が違ってそれぞれにおいしさがあるんです。
すっかり日本酒の魅力に開眼してしまった感じで……。
カロリーが高いから気を付けなきゃいけないんですけど(笑)。
Q:ドラマ「ブラックジャックによろしく」に引き続いて、医師の役でしたが
『感染列島』では、医者の力ではどうにもならない事態が起こってしまったわけで……。
未知のウイルスに対する有効な治療法がないため、
本作で医者がやっていることは対症療法でしかないんですよ。
人間の中で一番、人の命を助けられる存在は医者なのに、
手も足も出ないという絶望感を表すことを意識して演じました。
医者としてというより、人間としてという思いで演じていたように思います。
Q:あるアンケートによると、ワクチンのないウイルスが発生した場合、
約2割の医者が「仕事を放棄する」と答えたそうですが、それについてどう思いますか?
それが人間なんじゃないでしょうか? でも、勇気がありますよね。
匿名のアンケートでしょうが、「医者だったら助けろ」といわれるのを覚悟で
「放棄する」と答えているわけですからね。
ただ、医者としての知識があれば、
直接医療を施す以外に違うかかわり方もできると思います。
パンデミックが起こったときって、病院だけがすべてではないと思うし、
何があってもおかしくない状況になるわけですから。
Q:撮影では防護服姿が多く、大変だったのでは?
確かに暑かったし、きつくて動きにくかったですね。
防護服を着ると顔にあとが残るので、防護服の日は防護服のシーンしか撮れないんです。
菌を防ぐためにマスクも強力にできていて、その分息もしづらかったです。
でもそういうのがすべて芝居に生きてくるので……。
僕たち以上に、衣装さんやメークさんは大変だったんじゃないかなぁ(笑)。
Q:共演の檀れいさん、藤竜也さんの印象について教えてください。
檀さんとは今回、初めてご一緒したのですが、
女性の強さの象徴みたいな雰囲気を持っている方で、
たたずんでいるだけで太い柱みたいなものを感じました。
芝居に対してもまじめで、見習うところが多かったです。
藤さんとも今回初共演で、フィリピンロケで行動を共にしたのですが。
藤さんには今まで培ってきた圧倒的な存在感がありましたね。
また、一緒にお芝居していると、
僕の表に出ていない部分をどんどん引き出してくれるんです。
すごく助けられまして、一緒にやっていて気持ちが良かったです。
Q:瀬々監督はいかがでしょう?
監督は本当に口下手な方なんですが、演出に関しては細かい芝居もちゃんと見ていて、
「ここはもうちょっとこういう感じで」と微妙な演出をしてくれて。
素晴らしく尊敬できる監督だと思います。
まあ、何を言っているのかわかんないことが多いけど(笑)。そんな監督…
以下はネタバレとなるのでmixi独身映画ファンコミュニティ
http://mixi.jp/view_community.pl?id=1299114
にて『感染列島』の頁をご覧下さい。
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