「イルマーレ」

「イルマーレ」映画チラシ★映画基礎データー★
「イルマーレ」
2006年 アメリカ映画
監督 アレハンドロ・アグレスティ
脚本 デヴィッド・オーバーン
出演 サンドラ・ブロック キアヌ・リーブス

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研修を終えて、シカゴの病院に着任することになった女医の
ケイト・フォースター(サンドラ・ブロック)は、
湖岸に建っている慣れ親しんだガラス張りの一軒家から引っ越すことになった。
この湖の家こそが、本当の自分でいられる場所。ここを去るのは名残惜しい。
荷物をまとめ、郵便受けに次の住人へとメッセージを残した。

――新しい住人さん、新居へようこそ。
前の住人からひと言、
ここでの生活を楽しんでね。
郵便局に住所変更届を出したけど、きっと配達ミスがあるわ。
その時は新しい住所に転送して下さる?
お願いするわ。
住所は下に書きます。
ありがとう。

追伸
入り口の犬の足跡は前からありました。
屋根裏の箱もです。――

湖の家へ引っ越してきたアレックス・ワイラー(キアヌ・リーブス)は、
郵便受けに奇妙な手紙を見つけた。
ずっと空き家になっていた懐かしの我が家。
この家は遠い昔、著名な建築家の父が、今は亡き母のために建てた家だ。
アレックスは家族の思い出が詰まった、この家を買ったのだ。
しかし、家庭を顧みず仕事に没頭した父のせいで、家族はバラバラになってしまった。
そんな父親に反発し、今ではすっかり疎遠になっている。
アレックスは建築家だが、父の経営する事務所の世話になりたくないがために、
その才能を平凡なマンション設計の仕事に費やしていた。
「犬の足跡? 一体、何の話だ?」
アレックスは新居を片づけ始めた。
家の外でペンキ塗りをしていると、一匹の犬がやってきた。
追いかけると、ペンキ塗りたての橋の上を駆け抜け、
ペンキの足跡を点々とつけて、玄関へと入っていってしまった。

――手紙を読みましたが、何か誤解があるようです。
この湖の家は長いこと空き家でした。
湖の南、サンドバーグ荘の間違いでは?
ここは何年も人が住んでいません。
犬の足跡のことは不思議です。――

――ワイラーさん
サンドバーグ荘に住んだことはありません。
湖の家はあの山荘の何倍も広いです。
もう一度、言います。
わたしは湖の家に住んだ後、越しました。
現住所はシカゴのノース・ラシーン通り1620番。
手紙が来たら転送して下さい。
ちなみに今は2006年です。
だれにでも聞いてみて。――

「2006年? 何のことだ?」
今は2004年のはず。アレックスは返事を届けようと、
ケイトの手紙に書いてあった住所に行ってみると、
そこには建物はなく、建設現場だった。完成までは優に1年半はかかる。
ふたりの間には、なぜか二年の隔たりがあるようだ。
運命のいたずらだろうか。なかなかこの現実を受け入れることができないふたり。
だが、2004年の4月3日、
季節はずれの雪が降ったというケイトの手紙どおり雪が降り、
この奇妙な現実を受け入れざるを得なくなった。
そして、どうやら同じ犬を飼っているようだ。
ふたりは自己紹介から始まり、趣味の話や悩みなど、
手紙で心の内を語り合うようになった。
そして、たびたび文通を重ねるうちに、互いの存在こそが、
これまで求めていたものだということを知る。

「どうしてもあなたに会いたい!」
「場所を決めて必ず行く。明日でどうだ?」
ケイトの時間で“明日”会うことを決意するふたり。
ケイトの明日はアレックスの2年後。
ふたりは、なかなか予約が取れないことで有名な、
街で一番人気のレストラン「イルマーレ」で会うことを約束するのだが……。

『スピード』以来、12年ぶりの共演となるキアヌ・リーブスとサンドラ・ブロック
のラブ・ストーリー『イルマ−レ』。
2000年公開のチョン・ジヒョン主演の韓国映画『イルマ−レ』の再映画化です。
韓国版の公開の際は、
一緒に観にいったふたりは結ばれるという微笑ましいジンクスも生みだして、
「幸運のデートムービー」と話題を呼んだそうです。
ハリウッド版のタイトルは「The Lake House」って、
味も素っ気も面白みも無いタイトルなので、日本公開版で
また元に戻して「イルマーレ」。

ハリウッド版ではお店の名前になっちゃった『イルマ−レ』ですが、
韓国版ではすけすけのおうちの名です。
(イタリア語で「海」の意。海と言う名のおうちです。)
ええと、ハリウッド版では湖畔の家ですが、韓国版では海辺に建っているとか。

オリジナルのあらすじは、こんな感じです。

1997年末、
海辺の一軒家「イルマーレ」に引っ越してきたハン・ソンヒョン
(イ・ジョンジェ)は見知らぬ女性キム・ウンジュ(チョン・ジヒョン)
から奇妙な手紙を受け取る。
その手紙には「イルマーレに住んでいた者です。
私宛の手紙が来たら、新しい住所まで送って下さい」と書いてある。
しかし、この家に最初に住み始めたのは自分のはず。
しかも、手紙の日付は2年後の「1999年」になっている。
いぶかしがるソンヒョンだが、
年が明けた1998年にウンジュからの手紙に書かれていた通りの日付に
大雪が降ったことから、
2年後の世界のウンジュとイルマーレの郵便箱を通じて
手紙のやり取りが出来ていることを信じるようになる。
一方、引っ越すにあたって、
次の入居者宛てに書き置きをしたウンジュも自分の手紙が
2年前のソンヒョンに届いていることを知り、
二人の文通は次第に頻度を増していく。
ソンヒョンは、子供の頃に高名な建築家の父親に捨てられたとの思いを持つ若者。
大学の建築学科に在籍してはいるが、
今では設計よりも工事現場で働くことを選択している。
ウンジュは、留学後に連絡が途絶えてしまった昔の恋人が忘れられずにいる声優。
互いに心に傷を持つもの同士の二人は手紙を通して、心を開き始める。
そして、二人はウンジュが住む2000年に会う約束をするが、
約束当日、約束場所の済州道にソンヒョンの姿はなかった。
約束の日までまだ2年残している1998年に住むソンヒョンと、
2000年に住むウンジュは、
なぜ2000年にソンヒョンが現れなかったのかを知りたがるのだが・・・

 ビジュアル的な要素を重視するイ・ヒョンスン監督第三作で、
これまでの同監督作品『君の中のブルー』,『ネオンの中へ陽が沈む』と同じく、
その映像美は一見の価値あります。
若手撮影監督ホン・ギョンピョと手を組み、
パステル・トーンの絵画のような美しい映像を作り出しています。
 音楽監督はシンガー・ソング・ライターのキム・ヒョンチョル。
本作の主題歌であるクラシカル・バラード『must say good-bye』も彼が歌っている。
ちなみに、キム・ヒョンチョルは、
イ・ヒョンスン監督の大学の後輩で、『君の中のブルー』,『ネオンの中へ陽が沈む』でも
音楽を担当している。
 映画の予告編が、
本編とは全く別に4千万ウォンを投入して製作され話題となったそうです。

 映画のメイン舞台となった「イルマーレ」のセットは、江華島の西側にあり、
独特な気候と風光で知られる席毛島に作られました。
 韓国では『JSA』と同じ2000年9月9日に公開され苦戦が予想されたましたが、
美しい映像と切ないテーマが女性観客のハートをつかみ、
ソウルで20万人以上を動員するヒットとなりました。
 2002年に、ハリウッド・メジャーのワーナーブラザースが本作の話題となった。


釜山映画祭で話題を呼んだ「イルマーレ」に目をつけたのが、
プロデューサーのダグ・デイビソン、ロイ・リーです。
リメイク権を50万ドルで購入して話題になりました。
再映画化には三年半の時間がかかっているそうです。

男性の建築家の設定は、父親がらみで生かされているようですが、
女性が声優から女医になってますね。
しかしなんですね、失恋の痛みから語ることを忘れてしまった女性の声優が、
筆談である手紙に走るというのは、それはそれで風情のある設定ですなぁ。

リメイクの脚色は、デビット・オーバーンが担当しています。
ブロードウェイの舞台「プルーフ/証明」でピューリツァー賞、トニー賞、ドラマデスク賞の三冠に輝き、その映画化「プルーフ・オブ・ライフ」の脚色も担当しています。

映画でもやはり見せ場は「レイク・ハウス」でスタッフはその建設地を探して、
ウィルコンシン州、ミシガン州、イリノイ州、インディアナ各州をロケハンして歩き、
最終的にイリノイ州の自然保護区内に建てられました。
祖父の代から三代続けて建築学の学位を持つネイサン・クローリー
(「バットマン・ビギンズ」)が美術を担当。
60年代のガラスボックス(ガラス張りのサンルームのような構造)を基調に
80年代にイギリスで流行った
リージェンシー時代のデザイン様式も取り入れられてデザインされています。

湖底に九メートル近い鉄の杭を打ち込んで基礎工事とし、
(湖の岸辺を六メートル掘り下げて、ダムのようにせき止め、鉄骨を埋め、
水上に三メートル分を露出させて、その上に家を建てた。
出来上がった後で、ダムを崩して水上の家に見せている。)
その上に185平方メートルの居住空間を35トンの鉄材と百人の作業員を動員して、
七週間で建設されています。
自然保護区の中の建物ですので撮影終了後は、完全撤去が義務付けられましたが、
特にサンドラ・ブロックは残念がったといいます。

予告編を見ただけで、オチまで読めてしまうようなストーリーではありますが、
絵になる美男美女と、美しい風景と、ロマンチックな音楽とが惜しみなく出てくるので、
細々ケチをつけるのは野暮と言うものでしょう。
タイムパラドックスの矛盾点の突き回しをするより、
携帯電話や電子メールの時代に、筆談の手紙で男女が暮らしや人生を語らう、
その情景をこそ、楽しむべき小品です。




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