「Little DJ 小さな恋の物語」

「映画チラシLittle DJ 小さな恋の物語」■作品基礎データ
「Little DJ 小さな恋の物語」
2007年 日本映画
監督:永田琴
原作:鬼塚忠
脚本:三浦有為子 永田琴
出演:神木隆之介
               

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試写会で見てます。

1977年、函館。
12歳の高野太郎(神木隆之介)は、野球好きの父親(石黒賢)の影響で、
毎日素振りをするのが日課。
練習のおともはラジオの実況中継や、リクエスト番組だ。
ある日の試合中、突然倒れてしまった太郎は、
母親(西田尚美)に連れられ、伯母のかなえ(村川絵梨)が勤める病院に向かう。
“若先生”(佐藤重幸)の診察を受けた結果、太郎は入院することになる。

慣れない入院生活に退屈していた太郎は、
昼食時に院内に流れるクラシック音楽の院内放送が気になりだした。
病室のスピーカーから線をたどっていくと、
その先には壁いっぱいのレコードや、
見たこともない立派なアンプやスピーカーの揃った部屋。
興味津々の太郎の前に、部屋の主である“大先生”(原田芳雄)が現れる。

大先生は、太郎に院内放送のDJを任せることを思いつく。
好きなことをやることが治療の一環になると考えたのだ。
そして毎日、昼食時には太郎の声が病院内に流れることになる。
大好きなラジオ番組「ミュージックエクスプレス」からとって、
タイトルは「サウンドエクスプレス」。
病院内の雰囲気も明るくなり、太郎はほかの入院患者の間の人気者になっていく。

太郎のDJが病院に欠かせないものになったころ、
太郎の入院する4人部屋に新たな患者が移動してくる。
太郎のひとつ年上の海乃たまき(福田麻由子)だ。
たまきの笑顔に、太郎はひと目で恋に落ちてしまう。
こっそりと深夜放送を聴いたり、音楽や映画について会話を交わしたり、
楽しい日々を過ごすふたりだったが――。


『Little DJ 〜小さな恋の物語〜』という恥ずかしいタイトルに、
期待せずに試写を見ましたが、意外と良かったです。
原作は鬼塚忠の同名小説。
鬼塚がある取材で知ったエピソードを基に書き上げたフィクションで、
発売早々20万部を越えるヒットとなっています。
そりゃ「恋空」とくらべりゃ無いも同然の数字ですが。
演出は新鋭女性監督・永田琴。
長編デビュー作『渋谷区円山町』というのが既にあるそうですが未見です。
神木隆之介くんについては、
「大きくなったらただの人」になるに違いないと
思っていたようなところがありましたが、
「遠くの空に消えた」で作品は兎も角、隆之介くんはいい感じに成長していたので、
それ以降、偏見なく見ています。
太郎の初恋の相手となるたまきにはドラマ「女王の教室」で注目を浴びた福田麻由子。
けど「女王の教室」も未見なので福田麻由子も、なんとなく知っている、レベルです。
終始笑顔の役柄で、ベッドに潜り込んでくるシーンさえ生々しくは無い。
あくまで太郎君の眼から見た理想の女の子なのだろうな。
ひとつ年上という設定で「年下の男の子」というキャンディーズの曲が、
かなり重要な意味ででてくるのですが、
あんまし年齢については意識しないで見ていました。
中学生くらいだと、一歳の年齢差は結構大きかったような自分自身の記憶があるので、
劇中の扱いが不思議でさえありましたが。
福田麻由子が成長して末広凉子というのは笑っちゃいましたけどさ。
93年生まれの神木くんに対し、
福田さんは94年生まれで実年齢では「年下」ということではないですが。
福田さんは舞台挨拶で「まだ恋したことがないので感覚がつかめなかった」
という話をしていました。なんだかリップサービスのコメント臭いですが、
役のたまきには恋愛のはっきりした感覚がなかっただけに、
太郎君はかわいそーでした。
ライバルがいるより、相手に恋心を察してもらえないというのは、
困ってしまうねえ。

原作者は
「太郎を神木くんが演じてくれるなら」と映画化を承諾したそうですが、
もともと「シンプソンズ」という映画作品の打合せをした時にプロデューサーに渡した
2枚のメモが元になっているという話しです。
それは鬼塚忠が病院の取材にヒントを得て書いたストーリーのメモだったそうですが、
一読即映画化が決まったそうです。
ヒントというのがどの程度、
事実に即したものか具体的な記述は公式サイト等を見ても出てこないので
不明ですが、
入院した者同志、あるいは病院関係者が、院内でDJをやっていたというのは、
それ自体心温まる話です。
映画の場合は主人公のDJ少年が白血病というのでかなり痛々しいのですが。

「三丁目の夕日」以来、ブームの“昭和三十年代”ですが、
この作品の舞台は“70年代”。
昭和30年代後半から40年代前半にかけての時代がどういう位置付けになるのか、
ピンときませんでしたが、
ええと映画で言うと「世界の中心で愛を叫ぶ」が同じ頃を舞台にしているようですね。
より今に近いので、
テレビや洗濯機にびっくりというような描写は出来ません。
携帯電話の無いことは、舞台が入院病棟内なので関係ないですね。
そこでラジオを持ってきたのは良いアイディアで、
“70年代”は深夜放送の全盛期。
洋楽ではクイーン、邦楽ではキャンディーズが流行ったりと、
上手い具合に時代を切り取れます。
シュガーベイブの「SHOW」やQUEEN「愛にすべてを」など、
どちらも劇中のここぞというところ出てきますのでよく聞いていてください。
また大先生の“スタジオ”に鎮座ましますのは、
LPレコードを回す巨大なターンテーブルのレコードプレーヤーや
オープンリールのテープ・デッキだったりと、
オーディオの姿が今とは異なりイイ感じです。
そしてフィナーレに近いところで宝物のように登場するラジカセ。
そういえばセカチュウでも、主人公2人がラジカセを欲しがり、
ようやく手に入れたラジカセに吹き込んだテープの“交換日記”が、
現代になってものを言う構成になっていました。

クライマックスで函館山が出て来る位で、特に函館を意識させる
ロケーションは劇中に見られないのですが、
病院から海の見える情景というのはなかなかに麗しいです。
他に太郎が野球少年であることから、
読んでいるベースボールマガジンが当時のものですし、
王選手の756号ホーマーで病棟の患者達がクス玉割をしているのが
微笑ましい。

太郎の両親には石黒賢と西田尚美、
大先生の息子、若先生には演劇ユニットTEAM NACKの佐藤重幸、
太郎の叔母で看護婦のかなえに「風のハルカ」の村川絵梨、
同室の患者には光石研と松重豊、
太郎が憧れるラジオDJを日本のDJの草分けである小林克也が演じています。
全体に地味なキャストですが、これは子供2人が主役で
大人たちは全部脇役なのだから仕方ない。
けど、太郎やたまきにクラスメート等が見舞いに来るところがなく、
子供の病室が一応あるのだけれども、
ほとんど大人達に囲まれてドラマが進行するのが少しつらいか?
太郎と同室の大人たちのアンサンブルがそれなりに面白いのですが、
どうしてこれを子供のキャストで見せられなかったのか?
それをやると病院群像劇になってしまうからかもしれませんが。

一言で言えば、これは闘病モノなのだけれども、
恋やら音楽やらいろどりをつけて、
むしろ青春モノとして見せているところで成功しています。
テレビのスポットCMを見て、初恋映画一本で売り込んでいるのを見て、
妙に気恥ずかしくなりました。
成人になってからの広末のエピソード等は
仕掛けとしてはセカチューのようですが、
別に今の恋人が出てくるじゃなし、
残されたリクエスト葉書の登場でむしろくっきり青春ものと…


以下はネタバレとなるのでこの続きはmixi独身映画ファンコミニティの
「Little DJ 小さな恋の物語」
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