「ラブ・アクチュアリー」DVD脚本レビュー

「ラブ・アクチュアリー」映画パンフレット★映画基礎データー★
「ラブ・アクチュアリー」
2003年 アメリカ イギリス映画
監督・脚本 リチャード・カーティス
出演:ヒュー・グラント キーラ・ナイトレイ コリン・ファース エマ・トンプソン

               
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『フォー・ウェディング』『ノッティングヒルの恋人』『ブリジット・ジョーンズの日記』。
のイギリスのスタジオ、ワーキング・タイトル。その中心的な
存在である脚本家のリチャード・カーティスが、自ら初メガフォンをとったク
リスマスシーズンの19人の
老若男女の物語「ラブ・アクチュアリー」です。

就任早々、お茶くみの秘書ナタリー(マルティン・マカッチョン)に
恋心を抱いてしまう独身の首相(ヒュー・グラント)。
弟に恋人を取られ、南仏へ傷心旅行に出かけるミステリー作家
(コリン・ファース『ブリジット・ジョーンズの日記』)。
2年7カ月の間、職場の同僚を思い続けているOL
(ローラ・リニー「ミスティック・リバー」)。
学校一の人気者に淡い恋心を抱き、モンモンと悩む11歳の少年。
夫の浮気の虫が騒ぎ出したことに、気をもむ熟年の主婦(エマ・トンプソン
『ハワーズ・エンド』とアラン・リックマン『ハリー・ポッター』のスネイプ先生)。
親友の新妻(キーラ・ナイトレイ『パイレーツ・オブ・カリビアン』)への思いを、
ひた隠しにする新進画家。
―といった人々のささやかなラブストーリーを2時間15分の枠でつづってます。

突出した誰かが主人公というわけではなく、
舞台が特定のホテルなどで限定されているグランドホテル形式のドラマ、
と言うわけでもありません。
人物はあちこちですれ違ったり、出くわしたりしますが、
各ドラマは同時並行的に描かれ、いわゆる短編を並べるオムニバスでもないです。
リチャード・カーティスのセリフは相変わらず絶妙ですが、
初監督という割りに手堅すぎて、冒険がありません。
が、どうですかね。
新機軸を出すため監督したというわけではそもそも無いのかもしれませんね。
細々とした部分はかなりうまく作りこまれており、カーティス氏のいつもの守
備範囲ではありますが、退屈するようなことは無いです。

出演もベテラン、新人、個性派、演技派、いまのイギリス映画界のスターたちを
ひととおり揃え、みなさん破綻無く合格点以上の演技をしてますので
安心して見ていられます。

私は、他愛なく笑えるラブコメディを見たくて出かけてのですが、
作品はぐっとハートウォーム路線を走ってました。
『シンドラーのリスト』のリーアム・ニーソンが義理の息子サム
(トーマス・サングスター)との関係に悩む父親を演じてます。
その息子が、母親のことでなくて、好きな女の子のことで悩んでいたと知ると、
俄然張り切って息子の応援を始める。
ラブストーリーというのは、男と女の話ばかりでなくて、
こういう、なさぬ仲の家族愛とかも抑えているところが好きです。

2年7カ月の間、職場の同僚カール(ロドリゴ・サントロ)を
思い続けているOLサラが、
彼氏から告白されて「五秒待ってくれる?」と言って物陰に隠れるや、
ガッツポーズをする姿は予告編でも出てますが、
本編では二階の部屋に案内するのに「十秒待ってくれる?」といって、
部屋に駆け上がるや脱ぎ散らかした服や下着を大急ぎで片付け、
ソファでお留守番していたテディベアにキスするとベッドの下に投げ込むという
「ブリジット・ジョーンズの日記」みたいなおまけつきです。
「ミスティック・リバー」でショーン・ペンの妻を演じたローラ・リニーが演
じてます。
この人はうちのMLでも評判の『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』でも出てますね。
キャラが違いすぎるので、はじめ気がつきませんでしたが。

彼女には精神の病で入院中の弟がいて、
その面倒を見なければならないという深刻な訳があって、
自分の恋に夢中になるわけには行かないという事情が後から
明らかとなります。

ちまたで話題になったヒュー・グラントの“一人踊り”は、実に可笑しかったです。
ほんの一瞬かと思ったら、結構延々と踊ってる。
しかし、シナリオ的に特に前後につながりの無いエピソードなので、
ちょっともったいないですね。
彼女のハートを射止めて小躍りしているとかで使えばもっとよかったんですけど。
アメリカの大統領相手にテレビの合同記者会見で
「イギリスにはハリー・ポッターもいれば、ベッカムの右足もある」と
ぶち上げるくだりは笑わしていただきました。
アメリカ大統領というのが、
「バーバー」「チョコレート」のビリー・ボブ・ソーントンです。
ここではイケイケ男を演じて、ヒュー・グラントと張り合ってます。

事前にチェックしていかなかったのですが、本作はR指定映画ですよね?
結構お下劣シーンがあって、
『スティル・クレイジー』のビル・ナイ演じる老人のロックンローラー、
ビリーの毒舌ぶりはすさまじくセリフの八割がた放送禁止用語です。
この人が、録音スタジオでクリスマスソングを録音しているところから
ドラマが始まってます。
このクリスマスソングがベストテンで一位を取れるかどうかで
若いライバルと競り合いになる。
「一位になったら全裸で歌う」とテレビで言い出す。困ったじい様だ。笑
それが全編の背景になってほかのドラマが進行していきます。

ベタですが、イギリスの往年のヒットナンバーを、
ここぞというところで使っているのが嬉しいところです。
ドラマの冒頭近い結婚式では教会で参加者がビートルズの「愛こそはすべて」
を合唱して新郎新婦を祝い、
クリスマス当日に、少年のバンドが演奏し、
あこがれの少女が歌う唄がベイ・シティ・ローラーズの「バイバイ・ベイビー」で、
全編のフィナーレがマライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」になってます。

コリン・ファースのミステリー作家が、
言葉の通じない外人女性を口説きに飛行機で飛んでいって、
町中の人たちを引き連れて勤め先のレストランに押しかけるくだり、とか、
息子サムのクリスマスパーティーの演奏を成功させた義理の父、
リーアム・ニーソンが小学校の廊下で亡き妻そっくりの女性から「ありがとう」と
いわれてはっとする場面など、
日々の暮らしをがんばっているすべての人々にエールを贈る作品になっています。


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