「モンスター・ハウス」

「モンスター・ハウス」映画チラシ★映画基礎データー★
「モンスター・ハウス」
2006年 アメリカ映画
監督 ギル・キーナン
脚本 ダン・ハーモン ロブ・シュラブ パメラ・ペトラー
声の出演 スティーヴ・ブシェミ マギー・ギレンホール

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12才のDJウォルターズは、
道の向かい側に暮らすネバークラッカー家のおじいさんが
怪しい人物のような気がしてならない。
というのも、バスケットボールや三輪車、おもちゃやペットなど、
さまざまなものがおじいさんのボロ家の中に消えていってしまうのである。
ハロウィンの前日、DJが友だちのチャウダーとバスケットをしていた時のこと。
ネバークラッカー家の芝生へ転がっていったボールが、
不思議なことに家の中に吸い込まれてしまった。
さらには、二人と最近友だちになったジェニーまでもが家に呑み込まれそうになる。
すっかり怯えた3人。
「あの家は何かよからぬことを企んでいる」と訴えても誰も信じてくれない。
こうなったら、自分たちで調べるしかない!!

スティーヴン・スピルバーグとロバート・ゼメキスが組んだアニメ、
であることがウリになっていますけど、
ふたりはCGアニメーターというわけではないので、
監督はギル・キーナンという新人が立っています。
テレビの情報番組でも紹介されていましたが、
CGアニメとは言っても、マウスで作画したような絵を動かすというのではなしに、
モーションキャプチャーにより役者の動きをコンピューターに取り込み、
背景画や“モンスターなハウス”といっしょに動かしています。

ドラマはもともとハロウィンの昼から夜、夜明けまでの話で時間限定。
舞台は郊外の住宅地のみ、と場所を限定し、
ゼメキスの初期の作品「ユーズド・カー」のように、
何気ない日常から始まってどんどんヒートアップ、最後は大アクション活劇のなっちゃう。
序盤とクライマックスではまるで違う映画に見えるほどの落差ですが、
そこが面白いです。
後半のノリはミミズの大怪獣が田舎町を襲う「トレマーズ」並みの
おバカ映画になりますので、
おバカなモンスター映画ファンにはたまらない作品ですね。
(いかんな、何気にネタ晴らしになっている)
最近こう、何と言いますか、すっかり“文化人”になってしまっている
スピルバーグとゼメキスが昔みたいにやんちゃしてるので見てやってください。
そういえば、「未知との遭遇」から「マイノリティー・リポート」にいたる
スピルバーク作品には、ドラマの進行とは関わりなしに
主人公の部屋でテレビが付けっぱなしになっていて、
カートゥーンもののアニメが流れっぱなしになっていて、
それをぼんやり眺めている主人公の顔がだんだん恐怖に引きつっていくシーンが
繰り返し出てきますが、
「モンスター・ハウス」でも
主人公2人が「先生」と仰ぐゲームオタクが出てきて、
そのゲームの画面がそれっぽく、久々健在のホラー場面でした。
既視感覚(デ・ジャ・ビュ)のような何か思い入れでもあるのでしょうか??
不思議といえば不思議。

生身の人間を六頭身くらいに縮めたキャラクター達が登場しているのですか、
試写会の席で、この六頭身キャラを見た幼児が「怖い」と叫んで泣き出していました。
CGアニメで人間を魅力的に描くのは相変わらず難しいですね。
粘土の人形が動くようなキャラになっているんですが、
つまりクレイ・アニメですね。
目鼻のパーツが頭のサイズに合わせて、指先等より少し大きめに描かれていて
グロに見えなくも無い。
「Mr.インテグレイティブ」のように飛んだり跳ねたり伸び縮み自在に暴れてしまえば、
その目まぐるしさに誤魔化されてしまいますが、
この作品の主人公の少年少女は超能力者ではないので、
ドラマが走り出すまでつかの間、慣れが必要になります。
しかしモーションキャプチャーだけあって、人間の表情…、
白人特有のオーバーな身振り手振りというのが、
それだけで笑えるほど雰囲気いっぱいに出ていますね。
この作品の妙味は、やっぱりゼメキス特有の少しくどい目の登場人物の個性。
主人公のミッチェル(高山みなみ)とチャウダー(声サム・ラーナー、宮里駿)
の凸凹コンビに、
絡むヒロインのジェニー(スペンサー・ロック、石原さとみ)が、
優等生の癖に抜け目ない女の子で、家々を訪ねて
ハロウィンに子供達に配るキャンディーを大人達に売りつける(!)
奴として登場します。
…こんなことが一般に行われているのでしょうか。
DJの両親が出かけるのと入れ替わりに現れるベビーシッターの
ジー(マギー・ギレンホール 朴路美)というチャイナ系の娘が偉いすれっからしで
びっくりさせられます。
DJは12ですから、ベビーシッターというのは変ですけど、
まあ、小学生の少年一人に夜の留守番というのも無用心ですしね。
このジーはボーイフレンドを連れ込んで遊んでいて、
DJにまったく無理解どころか、積極的に彼のすることを邪魔立てする。
親の指示に従っているのではなくて、自分がズルしたいだけというのが、
おっかしいですね。こういうセコイ系の悪党人物は実写ではよくいますけど、
アニメでは見たことが無いので
それとパトカーで現れる警官コンビ。
お約束ですが、ぜんぜんDJたちの訴えに耳を貸さず、異常に気がついたときは…。
あっさりやられてお仕舞いかと思いきや、思いのほか出番が多いですね、
やられキャラの割には。
前半は特にこうした人物達によって「大人にはわかってくれない」とDJたちの焦燥が
見せ場になっていなかなかに楽しいです。

問題の屋敷の主ネバークラッカーはスティーヴ・ブシェミが声を当ててます。
日本語版では泉谷しげる。
この人こそホラーな人ですが、
後半はがらりと役回りが変わります。

しかし、なんですかね、この作品も尺は91分。ハリウッドアニメはどうしてこう、
全部が全部90分なんですか??

ネタバレ改行です。




問題のネバークラッカーの妻、
コンスタンス(キャスリーン・ターナー 磯部万沙子)が
サーカスの見世物にされていた、というのは
「エレファントマン」か?「オペラ座の怪人」か?
“フリーク”がオチになっているアニメ、というのは
メジャー系では皆無に等しいのではないかと思います。
本作を映画の掲示板で「後味が悪い…」と書き込んでいる人たちは、
この婦人の登場と、その怪物と化した妻をそれでも愛していると強弁し、
刺し違えようとする夫の姿が少年冒険映画の範疇から逸脱してるので、
非難しているのでしょう。
私は毒は毒として存在しても良いと思いましたが、
このドラマの真相としてそれが適当であったかどうかはやはり疑問ですね。
百年も前の話ならいざ知らず、これは一応現代のアメリカが舞台の筈ですから。
ネバークラッカーが実はとっくの昔に死んだ幽霊であった、
とか言うどんでん返しでしたら、それはそれで納得できるんですけどね。

ラストのクレーンを使ったハウスとの格闘は、
私は怪獣映画みたいでかっこいいと感じましたが、
「あれは“ハウルの城”か?」みたいな意見もあって、
目玉の付いた家が歩き回るとみんな“ハウル”呼ばわりされそうで、
それも困ったな、と。笑


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