「のだめカンタービレ 最終楽章 前篇」
■作品基礎データ 「のだめカンタービレ 最終楽章 前篇」 2010年 日本映画 監督:武内英樹 原作:二ノ宮知子(「のだめカンタービレ」講談社) 脚本:衛藤 凛 出演:上野樹里 玉木宏 |
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プラティニ国際音楽コンクールで優勝後、千秋は、「ルー・マルレ・オーケストラ」の常任
指揮者となる。さっそくマルレ・オケを偵察しにいく千秋だったが、まったくやる気の
感じられないオケの態度を目の当たりにして愕然としてしまう。
一方のだめは、フランク、ターニャ、黒木と共にコンセルヴァトワール(音楽学校)の進
級試験を控え、練習にはげむ毎日。千秋は、そんなのだめに定期公演での演奏を頼んだ。
妄想が広がるのだめだったが、その大役はひょんなことから、コンセルヴァトワールに転
入してきた孫Ruiが引き受けることに。準備不足の中、マルレ・オケの公演の日がやって
きた。しかし、千秋には恐ろしい結末が待っていたのだった……。
そのユニークな個性が“変態”とも言われる、ピアノ科に所属する野田恵(通称のだめ)
と、指揮者を目指すエリート音大生・千秋真一の二人が織り成すラブコメディ。
原作は二ノ宮知子作の同名漫画で、コミックは累計発行部数3000万部を突破。
2006年フジテレビで放映された連続ドラマも高視聴率を記録している。
本編の撮影はヨーロッパ及び日本の計5カ国にて敢行。おなじみのキャストが総出演する
ほか、映画版新キャストには谷原章介、なだぎ武(ザ・プラン9)、チャド マレーン
(ジパング上陸作戦)が決定。のだめと千秋の恋の行方はもちろん、二人の音楽的な成長
を中心に、原作と共にクライマックスへ向け動き出す。
「のだめカンタービレ 最終的楽章 前編」見ました。
これが2009年最後に見た映画になります。
テレビドラマの映画化はハリウッドでもあるけど、
シリーズものの完結編を映画で見せると言うのは最近の流行りのようですね。
映画本来の楽しみとは違うのですが、まとめて再放送があったりイベント打ったりで、
テレビ局はファンを駆り出しに熱心に盛り上げてくれるので、
見に行く側もお祭りに参加するような楽しみがあります。
ミステリーの結末を劇場で見せるのとは違うので、
テレビ番組を見ていなくても、さして混乱することなくストーリーを追えます。
「のだめ」について語れば、”音楽家達の音楽に葛藤する邦画初の映画。”という
冠をかけることがまずできます。
「砂の器」みたいに犯人が作曲家でクライマックスが新曲発表コンサートのミステリーとか、
「ビルマの竪琴」のような戦争と音楽とか、
邦画では何かと音楽を組み合わせて初めて映画になると考えられていた節がある。
実在の歌手や音楽家の半生を描いた作品がもしかして
日本映画の黄金時代に作られたことはあったのやも知れませんが。
野田恵と言う音大生は実在しても、のだめはフィクションで、
そのフィクションをオール欧州ロケで撮り切ると言うのは快挙です。
テレビドラマの延長ではないかと思う意見はもっともですが、
メディアミックスの力でリスクを克服して、
従来の邦画でできないことができるようであるのならば、
実現した者勝ちではないかと感じます。
2008年の正月特番で主人公達は欧州に行ってしまっていますが、
映画ではそうなるまでのいきさつを説明する必要もなく本題に入っています。
正月特番よりもより音楽にこだわった作りに見ましたが、
原作ファンはどうご覧になったでしょうか。
音楽にこだわるほど脚本作りは難しくなり、映像作りにも手間取ります。
原作通りかもしれませんが、おんぼろ楽団再建のエピソードに絞ったのは正解です。
楽団を傾かせた原因らしき人物が千秋の前に立ち塞がり、
火花を散らしますが本当の原因は別のところにあり、
真相が伝統ある楽団の歴史が仇で起きたことであるのが明らかになって行きます。
普通の企業の倒産とは事情が異なるところがミソです。
再建のため、数年ぶりにオーディションを開くことになり、
そこに集まって来る個性的な演奏家と間に挟まる楽器とオケの解説が楽しい。
新人の多数参加で従来メンバーと揉め事が起きるのは、お約束ですが双方、
音楽を愛するがゆえというのが次の泣かせる芝居に繋がります。
本編とは関わりはないのですが、欠員補充で千秋がのだめに応援を頼むと、
のだめが「祝 初共演っ」と踊って喜ぶ姿にアニメが被るはワイヤーアクションはあるはで、
盛り上がるところや、のだめが作り置きのカレーの鍋をお玉で掻き混ぜると、
「腐」「菌」「毒」の文字のCGが鍋からあふれ、
皿に盛り付けると「痛」「苦」の湯気が立ち昇るところなど、お遊びのシーンも楽しかったです。
取り上げられた演奏曲は小中学生時代に聞いた名曲ばかり。
新鮮味には欠けるかもしれませんが、要所ごとここぞというところで、十八番が出て来るようで痛快でした。
そして喝采の中、
下を向くのだめの心情はセリフの説明芝居などなくても誰にでも分かるよう演出されていますが、
それは彼女が演奏家の端くれであるがゆえ。
雨に打たれたのだめが千秋の部屋のドア前で人形のように倒れて
(出たのは人形でしたが 笑)前編は終わりますが、後編での逆襲を期待しています。
作者の二ノ宮知子先生と担当編集と「のだめ」さんのインタビューを採録します。
今日は実物の「のだめ」さんもいらっしゃっているんですよね。
「のだめカンタービレ」の誕生秘話を聞こうと思ってきたのですが、
まさかモデルとなった本人と会えるとは思わなかったので、少しびっくりしてます。
【二ノ宮知子氏】:(以下・二) 今日はたまたま遊びにきてたんですよ。
【担当M】: (以下・担) なんか、二ノ宮さんがのだめさんのすごい写真を入手したんです
よ。のだめちゃんが家でピアノ弾いている写真なんだけど、すっごい汚い部屋なの。
【二】:ゴミだらけの部屋なんですよ。その中央にグランドピアノがあって、その中央で
「のだめ」ちゃんがジャージでピアノを弾いてるの。
それ、漫画のまんまじゃないですか!
【担】:その写真を新連載の打ち合わせのときに二ノ宮さんに見せられて……。まるで、
憑き物に憑かれたみたいに。これを見て、何かのインスピレーションを受けたって言って。
【二】:そんなこと、言ってないですよ!
【担】:言いましたよ。
【二】:いや、これすごく面白くないですかって言っただけですよー。
【担】:大きな話が何も決まっていないのに、インスピレーションが降りたからこれでやり
たいって。
【二】:降りたなんて言ってないですよ。担当さん、デタラメはやめましょう。
【担】:「のだめ」さん本人を目の前にしているから、照れてるんですか?
【二】:そうじゃなくて、まあ面白いなってくらいです。
【担】:最初2つ連載案の候補があったんですよ。でもあまりにもその写真について語るか
ら、そっちをやりたいのかなって思って。
思い入れがあったんでしょうかね? やっぱり。
【二】:あのときは打ち合わせだったから、何かあげなきゃと思って。でもわたし、
ずっとピアノとか聴いてて好きだったから、いつか描きたいなと思ってたけど。そのゴミ
の中にグランドピアノがあるって状況がすごくおかしくて、それを面白そうに話したら、
それを担当さんが「二ノ宮さんが面白そうに話すから、そっちの連載案のほうがいいや」
って言って。
【担】:編集十何年の勘ですね。
【二】:でも大変だなとは思いました。ピアノを描いたりしなくちゃいけないし。
あとわたしは楽譜も読めないから。本当に描けるのかなってすごい心配だったんですけど。
音楽ものははじめてだったんですか?
【二】:はい、はじめてです。
【担】:いつも二ノ宮さんは違ったジャンルを取り上げますから。「GREEN」もそうで
すし。
【二】:そうですね。その辺から、作品がジャンル分けされている感じがしますね。
それまではジャンルというジャンルはなかったんだけど。
アンケートを読んでいると、実際に音大の子とかから葉書が来て「実際の音大もそうです
よ」なんて書いてあること多いんですよね。
【二】:一応取材はしてますから。
【担】:二ノ宮さんは偉いですよ。編集に頼る前に自分で取材をちゃんとしますし。先々で
必要になる取材をサッサッと進めていきますから。
【二】:いやー。「のだめ」ともう友達になっていたから。音大の取材がやりやすかったん
です。
どういうきっかけで友達になったんですか?
【二】:ネットで知り合ったんです。友達が「これ、のだめの部屋」って、写真をメールで
送ってきたのが、きっかけで。
【担】:連載1回目の見開きで部屋がゴミだらけになっているシーン。本当にああいう感じ
だったんですって。
「のだめ」さん、それが漫画になったとき"恥ずかしい"って思いました?
【「のだめ」さん】: (以下・の) 恥ずかしいとは思わなかったです。
【二】:感覚が麻痺してたんだよね。
【の】:そう麻痺してたんです。
【二】:写真よりもはじめて「のだめ」がうちに来たときのほうがインパクトがあって、
片一方しかない手袋で、白の手袋だったんですけど汚れていて。そして靴には穴が!
そんな格好なのに「のだめでーす」って元気に入ってきて。「じゃあ、わたしが片方あげる
よ」って言って、白い軍手をあげたんです。片一方の手袋と穴の開いた靴がわたしにとっ
て、強烈なインパクトだったんですよ。「のだめ」ってあだ名も面白いなって。
「のだめ」って本当に周りの人から呼ばれているんですか?
【の】:はい。
汚い部屋をネタに使われて、あだ名まで使われて反論したいこととかもあるんじゃないで
すか?
【の】:いやいや、光栄です。(恥ずかしそうに)
のだめ」さん、簡単に自己紹介していただけますか?
【の】:えー、何を言えば……。(ちょっと困惑気味)
ファンのみなさんのために、実物の「のだめ」はこういう人間ですというところを少しで
もお教えいただければ……。
【の】:いやー、でもいいです。(遠慮深く)
漫画の「のだめ」よりも、すごくシャイですね。漫画の「のだめ」からは照れ屋という印
象はあまり受けないのですが……。
【担】:実物の「のだめ」ちゃんは漫画の原型にはなったけれど、連載がすすんでいくうち
に、漫画の「のだめ」がひとり歩きをはじめて今のようになったというか……。
【二】:あんな漫画みたいな人間だったら、大変ですよ。
【担】:かっこいい千秋がいて、千秋にアタック、アタックという形ができてから、今の漫
画の「のだめ」のキャラが固まったと思います。それまでは「のだめ」はわりとボーッと
したキャラだったんですよ。途中から変わってきましたよね?
【二】:まあでもおにぎりとか、アニメが好きだとかは、実在の「のだめ」のネタですね。
「何の曲が好き」とか聞くこともありますね。
へー。でも、実在の人がそこまで漫画の内容とリンクしているというのはすごいですね。
【二】:いや、でも実際ののだめちゃんをそのまま描いているというわけではなくて、
あくまで部分的にですね。たとえば「みそ字」とか。
【担】:そうそう、「みそ字」は実在の「のだめ」ちゃんが作ったパソコン用のフォントな
んですよ。
【二】:そうやって部分部分を頂いて。
【担】:そう言えば、「みそ字」は本当に欲しがっている読者がいました。
【二】:いるでしょうねー。
【担】:「どこにいけばあるの」みたいな。
のだめと千秋を演じた上野樹里と玉木宏に、2部構成の前編について話を聞いた。
Q:映画版におけるのだめと千秋先輩の見どころは?
玉木:前編に関して言えば、千秋は伝統あるオーケストラの常任指揮者を任されることに
なるんですが、それがものすごく駄目なオケで……。千秋はまじめな男なので、必死にな
ってオケを立て直そうとするんです。でも、それによってのだめとの関係にズレが生じ始
める。その二つの局面が見どころですね。
上野:そうそう。千秋先輩は必死に頑張っているのに、のだめはうじうじした恋愛モード
に入っていくんです。恋のライバルも登場しますし。今までは一緒にいることが多い二人
だったけど、今回は一緒にいることが少なくなるんですね。まあ、のだめは千秋先輩をス
トーカーしますけど(笑)。それぞれが自分の時間の使い方を考えて頑張らなくちゃいけな
くなる。そういった物語の幅も面白いと思います。
Q:のだめと千秋が成長してきているということですね。
玉木:映画版の台本を読んで真っ先に感じられたのが、二人の成長ですね。パリに行って
から1年以上が過ぎ、それぞれ日本にいるときとは違う環境の中にいるんです。
上野:のだめはまだ甘えている感じなんですけど、それでも千秋先輩にずっとべったりし
ているわけじゃない。今までは、のだめちゃんという感じだったのが徐々に大人の女性に
なりかけているので、その辺りの変化を観てもらえたらうれしいですね。
Q:ヨーロッパでのロケも話題ですが、映画版ならではのスケールを感じる撮影はありまし
たか?
上野:変態の森のシーンとか、クレーンを使って大掛かりにしたり、細かいところにこだ
わったりしていました。「そこに力を使いますか?」っていうくらい(笑)。あらゆるとこ
ろに時間をかけて、真剣に作っています。もちろん、演奏シーンもすごいですよ。
玉木:数々の有名なホールで撮影ができたこともそうですが、ホールで撮影をするときな
んて、1,000人近い観客役のエキストラの人たちが毎日のように来てくれたんです。それが
できたのも、たくさんの地元スタッフの方々が一生懸命手伝ってくれたからだと思います。
上野:毎回ホールの撮影現場の外に、救急車が待機していたんです。長時間の撮影だった
ので、倒れる人が出た時のために。「救急車か……」って、ちょっとびっくりしましたね(笑)。
それくらい大きなことをしているんだって感じました。
玉木:そこまでのケアをしてもらっている状況がありがたかったですね。大きなトラブル
もなく済んで良かったです。
Q:旅のハプニング的なものはありましたか? 財布を盗まれたキャストもいるようですが。
上野:わたしたちは何もなかったです。だいぶ長いこと向こうにいたのに……。
玉木:そうだよね。僕たちの方がむしろハプニングが起こりうる状況だったと思うんです
けど。まあ、何事もなくて良かったです。
Q:やはり気になるのはのだめと千秋のロマンスの行方ですが、映画版ではロマンチックな
シーンも観られますか?
上野:ロマンチックって!(笑)
玉木:ロマンチックかどうかはわからないですけど、今までは二人の恋愛模様がきちんと
描かれることが少なかったので……。
上野:今までよりは、生っぽい感じですかね?
玉木:うん、すごく生っぽいし、一人の女性と一人の男性として描かれている感はありま
す。僕ら自身、のだめと千秋の恋愛感情をどっぷり演じるのは初めてでした。
上野:ただ、あまりにも生っぽすぎると、『のだめ』の場合は逆にがっかりされちゃう。
その加減がすごく難しいですね。
玉木:そうなんですよ。ただ、そういった意味では、今までのテレビシリーズでは観られ
なかった、初めてのものが詰まっている映画だと言えます。
Q:のだめと千秋の関係をどう思いますか?
玉木:すごくいい関係だと思います。一見釣り合っていないように見えて、実はとても釣
り合っている。歯車がぴったり合っている気がします。それぞれがきちんと自分たちの進
みたい方向を見据えているのも、すごく気持ちのいいことだと思います。
上野:のだめも千秋も身近にはいないキャラクターに思えますけど、大げさに描かれてい
るだけであって、皆どこかにのだめ的な要素だったり、千秋的な要素を持っていたりする
と思うんです。それぞれ目指すものがある中で、恋愛感情を抱き合っている。多くの場合、
恋愛感情だけに陥りがちでドロドロしたりもすると思うんですけど、二人とも音楽という
共通の目標を背負っているから、健康的な関係でいられるんですよね。
Q:普通の恋人同士は乱闘とかしないですけどね(笑)。
玉木:まあね。そのへんは誇張ということで(笑)。
上野:トランプの大富豪で言う、8流しみたいなものですよ。
玉木:は、8流し?
上野:ごちゃごちゃっとしたものを、1回すべて流しちゃうというか。のだめも千秋も、
意外といろいろなものを背負っている人たちだから、まじめに背負うばかりじゃ人生やっ
てられないでしょう? 「飲んじゃえ!」っていうノリと一緒なんです。
玉木:なるほどね。しかも、そういったものを音楽できゅっと締めていますからね。
たとえ8流しをしても、その後物語としてきちんと再生しているのが「のだめ」シリーズ
のすごさだと…
以下はネタバレとなるのでmixi独身映画ファンコミュニティ
http://mixi.jp/view_community.pl?id=1299114
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