「ニューヨークの恋人」DVDレビュー
★映画基礎データー★「ニューヨークの恋人」 2001年 アメリカ映画 118分 監督・脚本:ジェームズ・マンゴールド (「17歳のカルテ」「コップランド」) 出演:メグ・ライアン、ヒュー・ジャックマン |
広告会社で働く現実主義者ケイト(メグ・ライアン)が、ずっと待っていた"おとぎ
話のような恋"は、ある日突然やってきた…。「ニューヨークの恋人」は125年の時を越えてニューヨークで出
会った2人の運命の恋を描きます。
1876年、ニューヨーク。建設途中のブルックリン・ブリッジの演説会の聴衆に、独身
オルバニー公爵・レオポルド(ヒュー・ジャックマン)がいた。今夜の舞踏会で彼は
花嫁を選ぶことになるのだが、未だ理想の女性に逢っていない彼の気分は冴えませ
ん。そして始まった舞踏会でレオポルドは自分の設計図を盗み撮りした男を追いかけ
るうちに、ブルックリン・ブリッジから落ちてしまいます。一方現代のニューヨー
ク。広告会社で働くケイト(メグ・ライアン)は、一人暮らしのアパートの階上に住
む元ボーイフレンドの所に不思議な男―公爵・レオポルドが転がり込んだのを知りま
す。ひょんなことから彼を自分の広告にタレントとして使うことになるのですが。
メグ・ライアンは1961年 11月 19日コチカネット生まれですから映画制作時には40ちょうど。
ニューヨーク大学でジャーナリズムを専攻し、学資を稼ぐバイトで始めた女優業。本
当は脚本家志望だったそうですが、結局女優が本業に。自分のプロダクション・カン
パニーを持っていたが、プロデュース業と女優、一児の母の三役は勤まらないと、会
社は閉めたそうです。
ラッセル・クロウとの不倫やデニス・クエイドとの離婚で手痛いダメージを負ったメ
グ・ライアンが、痩せに痩せて目の下に深いしわが刻まれた姿で画面に登場し痛々し
いほどでしたが、だからこそ「仕事に疲れた30代女性」という設定に説得力があっ
たのかもです。
パンフレットなぞを見ても、「仕事に疲れた30代女性」のフレーズが連呼されてい
る本作品ですけど、別に疲れているのは女性ばかりではないです。
男だって、その気があっても“公爵”にゃなれない今日この頃。
公爵を演じたヒュー・ジャックマンからして、最近じゃ奥さんに「ニューヨークの恋
人」ネタで「レオポルド、ちゃんと便座を下げておいてよっ」などと叱られてるそう
です。わははは。
映画は他愛の無い内容ですが、まあ、楽しかったです。
彼と彼女が二人でいると、都合よくひったくりが現れ公爵は白馬に乗ってドロボーを
追いかけたりとか。「アホじゃなかろか」などと言うのは野暮というものでしょう。
なぜか、「男の中に女がひとり」のキャスティングでしたね。
ケイトのアシスタントにダーシー(ナターシャ・リオン「世界中がアイラブユー」)
という女の子が出てくるくらいで、あとは男がウロウロ。
上司のJJ(ブラッドリー・ウィットフォード「アンドリューNDR114」)で
しょ。一階上のタイムトラベラー・スチュアート(リーヴ・シュレイバー「リストラ
ンテの夜」)。売れない役者の弟、チャーリー(ブレッキン・メイヤー「ラットレー
ス」)。
話の中ではスチュアートが元彼だそうですが。現在も友人として、なあなあに付き
合っているので、ケイトが四年越しの恋に破れたという印象はあまり画面から感じら
れません。
お話的にはJJあたりと不倫でもして破綻した方がそれらしく見えますが。でもそれ
だと話が暗くなりそう。
公爵の順応性の高さも呆れるほどです。
発明家のインテリという設定ですが、百年以上もタイムトラベルして発狂もせずに、
犬を散歩させてテレビコマーシャルに出て女をくどく。たいした人ではあります。
スチュアートって何の仕事してるのでしょうか? アメリカ映画ですと、よくその人
物の部屋を見るとどういう生活をしている人なのか判る位に美術設定を作りこんでい
るものですが、彼については良くわからないままです。部屋にあるのはウィンドウズ
でなくて、マックだな、ということがわかったくらい。私の理解力の方が低いので
しょうか?
タイムパラドックスとかがテーマではないので、スチュアートは別に謎の怪人という
ことではありません。お話の上では、ふたつの世界を行ったり来たり出来さえすれば
よいようです。
それとケイトの弟のチャーリー。ケイトの部屋に窓外から入ってきた時は、新しいケ
イトの彼氏と思ったのですが、弟。特に邪魔ということは無いのですがドラマの進行
上必要な人物なのでしょうか? 途中から出てきてクライマックスには姿を消してい
ます。ケイトの周辺に友人役がいないのでその代わりと思われます。
お話は当然ハッピーエンドで終わりますが、二人のその後はどうなるのでしょうか。
二人でダンスをしたその後は? 公爵家はお金が無かったのでは? 美食家でかなり
贅沢趣味の彼はやってけるんでしょうか。エレベーターを発明してもあまりお金にな
りそうも無いし。
いけませんねぇ、理屈で批評すべき作品ではなく感性で楽しむ作品なのに、あれこれ
能書きを書いてます。最近見た「I am Sam」「マジェスティック」などと比
べ、肩が凝らないにも関わらずレビューの書きにくい作品ではあります。
これ以上、ぼろが出ないうちに退散しますが、一言だけ。
トーストとコーヒーを乗せた皿を差し出されてケイトが、泣き声で「ありがとう」と
いうシーンはとても新鮮で、あの映画の中で一番出来の良い場面です。
夜のディナーは恋にはつきものですが、朝ごはんというのは生活なわけです。
一晩で終わる快楽ではなく、
次の朝も永続的に寄り添うというところがケイトを感激させたのでしょう。
恋はテンションの高さが勝負ですが、愛は人生の一部です。
アパートメントの窓辺で聞く「ムーンリバー」が良いです。
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