「踊る大捜査線 THE MOVIE 3 奴らを解放せよ」

「踊る大捜査線 THE MOVIE 3 奴らを解放せよ」映画チラシ■作品基礎データ
「踊る大捜査線 THE MOVIE 3 奴らを解放せよ」
2010年 日本映画
監督:本広克行
脚本: 君塚良一
出演:織田裕二

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2010年3月28日。
3日後の新湾岸署の開署にむけて、警視庁湾岸署は引越しの準備で騒然となっていた。
昇進試験に合格し、警部補になった青島俊作は、湾岸署刑事課強行犯係の係長となり、
同時に新湾岸署への引越し本部長も努めていたが、同時に健康診断の結果報告を病院へ
直接、聞きにくるようにと言われていた。
 引越しの混乱の最中、管内で金庫破り事件とバスジャック事件が立て続けに発生。
青島や恩田すみれらがそれぞれ現場に駆けつけるが、どちらの事件とも直接の被害は無く、
青島たちは困惑する。その矢先、新湾岸署の倉庫から拳銃が3丁盗まれるという事件が
発生。神田署長らスリーアミーゴスがなんとか隠し通そうとするも、盗難についてなぜか
ネットの掲示板で取り上げられたため、事件は発覚。スリーアミーゴスは窮地に立たされ、
一方そんな混乱の新湾岸署の中をなぜか本庁にいるはずだった真下正義が署員名簿と見ら
れる書類を片手に飄々と徘徊し自分が監修をし出演したCSテレビ番組のDVDを配り歩く。
 一方で健康診断の結果報告を一向に聞きに来ない青島に業を煮やした病院の医師は、
湾岸署に直接やってきて青島に対して胸部に腫瘍の可能性があることを伝える。
暗にガンの可能性を示唆されて青くなり覇気を失いかける青島。しかし新たに湾岸署に配
属された新人刑事にして和久平八郎の甥でもある和久伸次郎によってもたらされた「和久
ノート」に記された教えに初心を思い出す。かつて薫陶を受けた和久平八郎の衣鉢を受け
継ぐように青島は再び「死ぬ気で」事件へと立ち向かっていく。
しかしその後、実はレントゲン写真のミスで実際は腫瘍でない事が伝えられる。
 やがて、管内で射殺体が発見され、凶器に盗まれた拳銃のうちの1丁が使用されていた
ことが判明する。新湾岸署に殺人事件の捜査本部が設置され、青島は所轄と本庁の調整役
の鳥飼管理補佐官とコンビを組むことに。テレビ番組で交渉の手の内を明かすと言う不祥
事を起こし、交渉人の任を解かれて更迭された真下のかわりに交渉課課長となった交渉
人・小池茂は、被害者がプレイしていたオンラインゲームを通じて犯人に接触。
そこで犯人は、かつて青島が逮捕した犯罪者9名を解放させることを要求。それが飲めな
ければ盗んだ拳銃でさらなる殺人を行うと宣言する。
 湾岸署に、またしても最悪の3日間が訪れる。本庁からやってきた新しい捜査一課管理
補佐官・鳥飼誠一は、これまでの管理官と異なり、本庁と所轄の共同捜査を提案し、調整
役を買って出るなど異色を放つ。また警察庁で犯人解放の決断を迫られたのは、警察庁長
官官房審議官となっていた室井慎次だった。犯人の解放を呑めぬとする室井に警察庁と
法務省のお偉方たちは「テロにおいて超法規措置を敷いた際の国民のコンセンサスのテス
トケースが欲しい」と詰め寄る。正義など1つも無く、利害のみが交差する政治の場で「正
義を犠牲にするべきか、正義を貫き犠牲を出すか」の選択を迫られる室井。
 捜査が犯人に迫る中、犯人側が爆弾を製作していたことが明るみに。青島、鳥飼と木島
丈一郎らは犯人のアジトに踏み込むが、逆にノートパソコンに仕掛けられた爆弾で、
鳥飼は顔面を負傷してしまう。さらに犯人たちは金庫破り事件に用いたクラック技術や、
新湾岸署の警備体制を逆用し、引越のドサクサに紛れて警備システムのマニュアル冊子を
すり替えたことでビル全体にシェルターが降りてしまい、要塞となった建物の中にすみれ
や真下ら署員たちと引っ越し業者を人質として閉じ込めてしまう。さらに署内に設置した
毒ガスを散布すると宣告した。
刻一刻と迫る最悪へのタイムリミット。レントゲン写真のミスを知らない青島の「命がけ
の捜査」は、熱狂的な支持者がいる、唯一解放された犯罪者・日向真奈美と再び一対一で
対決へと展開することになる。

フジテレビ製作の連続テレビドラマ『踊る大捜査線』の劇場版第3作が公開されました。
呼称はOD3。第2作目から7年ぶりで、スピンオフ映画である『交渉人 真下正義』および
『容疑者 室井慎次』を含めると5年ぶり、シリーズ全体から見れば2007年の『警護官
内田晋三』以来3年ぶりの映画化にあたる。
レギュラーメンバー織田裕二、深津絵里、佐戸井けん太、小林すすむの4人はスピンオフ
作品には参加していないため、前作以来7年ぶりの踊るシリーズへの出演となった。
撮影は2010年1月6日から3月15日まで行われた。2004年に逝去したいかりや長介が演
じた和久平八郎は、病死した設定となっており、本編上においては過去作での、いかりや
の音声による和久平八郎のセリフが青島の行動のSE(心の声)として流れるシーンがある
(事実上のライブラリ出演)。そして本作では彼の甥っ子に当たる伊藤淳史演じる和久伸次
郎が新たに登場する。
また、ドラマシリーズ第1話からの全ての本編と「交渉人 真下正義」にも登場した柏木雪
乃は産休中という設定、スペシャル版から登場し、踊るレジェンドムービーにも登場した
新城賢太郎も今作では登場せず、それぞれを演じる水野美紀と筧利夫は出演していない。
事情として、水野がバーニングプロダクションから独立し、代わりにスピンオフドラマ
「湾岸署婦警物語 初夏の交通安全スペシャル」に主演した内田有紀が同事務所所属に復帰
となったため、内田が今作への出演を果たしている。
本作ではドラマシリーズから前作までに登場した事件の犯人が一同に登場することが発表
された。そのため題名の「ヤツら」はこれまでの犯人のことを示している。
なお、本作では音楽担当が前作までの松本晃彦から菅野祐悟に変更されている。ただし、
メインテーマを含む幾つかの曲は松本が書いた楽曲がそのまま、またはアレンジされて
使用されている。
劇中の設定では、3月31日の新湾岸警察署開署式を目前に控えた2010年3月28日から
30日までの3日間に8つの事件が発生する。主人公青島俊作の係長への昇進、旧湾岸署か
ら新湾岸署への引越し、新しいメンバーの増加等、7年の期間が過ぎた分、これまでのシリ
ーズと比較して大きな変化がもたらされた。プロデューサーの亀山千広やスタッフ、
キャストいわく、本作のテーマは児童虐待事件や保護責任者遺棄致死事件ならびに秋葉原
通り魔事件やマツダ本社工場連続殺傷事件のような巻き添え殺人事件を意識して、「生と死」
「もう一度生きる」「(生のための死はあれども)死のための生はない」などという設定が
あるらしい。そのため、これまでのシリーズ作品から継続された方向性の作品ではなく、
テーマを再設定し直した「新・踊る大捜査線 第1話」のような位置づけとして製作された
とされる。オープニングも従来の映画版とは異なりシリーズの定番楽曲である
『RHYTHM AND POLICE』が使われないなど、かつてのTVシリーズの第1話を意識し
た構成やネタが頻出されている。一方で犯人グループが売名を目論む名もなき若者たちで
警察に犯行声明をするという設定は第1、2作目の犯人グループと似通っていたり、主犯格
が第1作で登場した小泉今日子であるなど、結局は前作までの焼き直しとしての続編であ
る点も多く見受けられる。
全国447スクリーンで公開、公開初日舞台挨拶が全国41カ所の劇場に生中継され、
上映初回だけで1万人以上の動員が発表された。公開日の興収が5億2,928万3,850円、
動員が39万17人、2日目が興収4億4,270万9,600円、動員が31万7,382人となり、
初日2日間で興収9億7,199万3,450円、動員は70万7,399人で週末興行ランキングで
第1位を記録した。動員数は前作比として102%。一方で、ぴあ初日満足度ランキング
(ぴあ映画生活調べ)では『告白』に一歩及ばず第2位だった。

前作、前々作と同じく本作にも傑作サスペンス邦画へのオマージュが捧げられており、
劇中のストーリーや単語、画面上等に黒澤明監督の『野良犬』を彷彿とさせるネタが仕掛
けられている。
劇中に登場する新湾岸署は実在する東京湾岸署に隣接するオフィスビル「the SOHO」の
外観が使用された。ロケは同建物が開業する直前に行われたもの。
撮影現場で人気になったラー油が公式HPやツイッターなどで紹介されたが紛失したために
更に話題になり、グッズとして制作出来ないか検討までされた。

『係長 青島俊作 THE MOBILE 事件は取調室で起きている!』は、映画公開前よりNTT
ドコモが展開するドコモ動画で無料配信される、映画の前日談となるオリジナルドラマ。
2010年6月1日より毎週火曜日、金曜日に1話約7分の全14話(計73分)が配信。
前年公開の映画『アマルフィ 女神の報酬』に対する『アマルフィ ビギンズ』に続いてドコモ動画でのプロモーションとなる。
「2010年3月、2月に強行犯係係長になったばかりの青島が最初に担当した事件、
居酒屋『だるま』で起きた会社員殴打事件と社長痴漢事件と中国人集団スリの3つの難事
件。果たして青島は被疑者抑留期限48時間以内に事件を解決することができるのか。」
というストーリー。

「踊る大捜査線 THE MOVIE 3 奴らを解放せよ」
見ました。

公開初日の一回目でした。
東宝直営館では、
舞台挨拶のスクリーン中継もあったとか、
ちぇっ、そっちに行けば良かった。

面白かったかどうかは、
実はビミョーですが。

青島他、湾岸署のメンツがスクリーンに登場しただけで、
全部許すと。

ですから、以下の感想はかなり甘い意見です。

フジテレビの関係者は、
和久さんこと、いかりやさんが亡くなった事で
「踊る」の続編は無くなったと考えていたそうです。

様子が変わるのは、
現実の東京湾岸署の誕生。

お台場に新設される警察署の名称を警視庁で公募したところ、
圧倒多数で湾岸署に決まりました。

警視庁からフジテレビに「湾岸署を名乗って不都合ないか」
という問い合わせがあり、
「うちは構わないけど警視庁の方こそ大丈夫ですか?」
「こちらは東京湾岸署、ドラマは湾岸署。問題ない」
という冗談のようなやり取りが実際あったそうです。

プロデューサー達は「現実が背中を押している」と感じたそうです。

巷では「和久ノート」は脚本の君塚先生のアイデアに
なっていますが、
君塚先生の弟子のもの。

ノートが先にあって、ノートの持ち主は?
と発想が展開されて甥っ子の登場に繋がります。

人間が先ではないのです。

架空の湾岸署が現実の東京湾岸署に引っ越す、
それが本作の具体的なストーリーの着眼点になる訳です。

ネタばれ改行です。





閉じ込められたり、動けなかったりというのは、
昔からあるストーリーパターンではありますが、
これがドラマを小さく見せてますね。

これまでの作品を見ても、物理的に広範囲に移動している訳ではないのですが、
「踊る」は街中の話ですので、
密室に閉じ込められて、うだうだやるというのは、
”らしくない”です。

青島が係長になったことで強行班のメンツも入れ代わってます。

新人達はいずれも愉快な奴らですが、
他方で旧レギュラーの扱いが軽くなり、
今回の主犯の正体を含め、
これまでのシリーズの決算と新シリーズスタートの
準備と言う風に取れなくもない。

篠原夏美役の内田有紀のインタビューを採録します。

Q:7年ぶりの続編になるわけですが、内田さんの番外編はそれよりももっと以前の制作でし
たね。
そうです。12年前になります。でも、それほど長く感じなかったですし、一人のファンと
してスペシャルドラマ、劇場版も観ていました。12年ぶりに篠原夏美が帰ってくることは、
ちょっと驚きました(笑)、本当に光栄に感じています。もう一度登場させていただくこと
はありがたいことですし、映画のお話をいただいたときは、純粋にうれしかったです。

Q:ファンとしては青島と夏美のコンビを観たかったと思うので、今回夢がようやく実現し
ました。
そうですね。夏美は女青島と呼ばれ、青島刑事に似ているということで終わっているので、
今回の映画ではそこからのスタートになっていると思います。青島さんと一緒に現場に走
り出して、面白いツーショットだなと思いました。青島さんと夏美が一緒に行動すること
が本当に楽しみでした。そして、そのシーンを観ていただいたお客様にワクワクしていた
だけたらうれしいです。

Q:『踊る…』の撮影現場は相当、楽しいとキャストの皆さんは口を揃えますがいかがでし
た?
その通りですね。『踊る…』はすべてが完全にできあがっている作品で、皆で作り上げてき
た世界観がありますよね。すでに確立しているキャラクターをどう演じようかと考える現
場だったので、楽しかったですね。新しいキャラクターを演じる人たちは、どんな立ち位
置でいればいいのか悩まれたかも知れませんね。たとえば伊藤(敦史)さんは、知久さん
の甥っ子さんの役ですよね。知久さんの甥をどう演じればいいのか、インした後でも皆で
話し合った気がします。

Q:確かに夏美は、番外編ではっきりとしたキャラクターが打ち出されていましたよね。
はい。12年前にガッツリとキャタクターができあがっていたので、悩むことはなく、真っ
直ぐでいようと思っていました。喜怒哀楽がはっきりしていて、笑顔が多い女刑事。正義
感だけは12年前から変わらずに強いままだし、青島さんと一緒に走れるようにスニーカー
を履いたりと、いろいろ考えるのも楽しかったです。実は結婚していて旦那さんがいるの
で、刑事課に異動しているけれど、早く帰ろうとする(笑)。ちなみに旦那さんは陶芸家と
いう設定なんです(笑)。

Q:セリフでは一切語られないけれど、細かいところまで決められていてリンクも楽しいで
すよね。
陶芸家の理由は、12年前に谷啓さんがわたしのお父さん役で出演されて、谷啓さんは実際
に陶芸がご趣味でした。それをエッセンスで採り入れたそうなんです。12年前にそんなこ
とを謳ってはいませんでしたが、陶芸家であれば谷啓さんも許すだろうという遊び心です
よね。だから夏美が湾岸署でお茶を飲むときは、旦那さんが焼いた湯飲みを使っています。
よく観ると、青くて大きい湯飲みを持っているシーンがありますが、それは旦那さんが焼
いた湯飲みなんですよ(笑)。

Q:それだけ細部にいたるまで徹底されていると、演じる側のテンションも高くなりそうで
すよね。
やっぱり違いますね。皆楽しみながらも、本気なので緊張しました。仕事で手を抜くこと
は決してないですが、『踊る…』の世界は徹底しているので、360度、見張られているよう
な感じなんです。ちゃんと夏美を演じないと失礼になります。もちろんファンに対しても
失礼ですし、これだけ歴史がある作品はかなり緊張感があります。そういう意味では、
その中で夏美はキャラクターが確立されていたので、気負うことはなかったです。昔に出
ておいてよかったなと思いました(笑)。

Q:さて、夏美は今回、係長へと昇進した青島刑事を、どんな視線で見つめていたと思いま
すか?
間が描かれていないので、そこは自分で想像するしかなかったのですが、尊敬する先輩だ
ったことは間違いないですよね。上司になったけれど、青島さんを追いかけている姿勢は
変わらないと思いました。今回は青島に危機が訪れますが、すみれさんが心配する気持ち
とはちょっと違うかな。部下として上司を気遣い、自分ができる範囲でフォローしようと
します。青島さんが係長になったがゆえ、言えなくなったこと、できなくなったことを、
夏美が言ってくれたらいいよねって、話してました。

Q:織田さんのコメントが意味深ですが、改めて『踊る…』シリーズについての想いはあり
ますか?
きっと今後も続くと思いましたし、織田さんには永遠に青島さんを演じてほしいという気
持ちが強くなりました。ずっと観ていたい。正義を貫くって気持ちがいい(笑)。
長いものに巻かれていく生き方もあるとは思いますが、権力に屈せず真直ぐ生きていくこ
とはなかなかできないですよね。でも、青島さんは大暴れしてくれて、観ていて気持ちが
いいです。社会にいそうな気がするんです。スーツとアーミーコートを着た、そこにいそ
うなヒーローをみんな観たいんですよね。

Q:12年ぶりの復活を機に、篠原夏美が主人公の続編も夢ではなくなってきました。
それは機会があれば、面白いでしょうね。何かの大事件に夏美がかかわっていければ面白
いと思います。現場で青島さん的なポジションで頑張れるのは、すてきだなと思います。
夏美の今後はまったく想像がつかないのですが(笑)、青島さんが動くところに一緒にいて
みたいという気持ちはあります。青島さんは熱血で真直ぐ生きているので、いろいろ衝突
することはありますが、そこで夏美だけは全肯定していたいはずなんです。そういう役回
りがあるなら、いつでも頑張って青島さんについて行って応援したいですね。

織田裕二のインタビューを採録します。

Q:前作から7年たちましたが、織田さんにとって、長かったですか? 短かったですか?

長かったような気もします(笑)。でも、今回の現場でみんなと会ったとき、それほどブラ
ンクを感じなかったんです。今までも5年周期でなんとなくまたやろうみたいな感じにな
っていて、THE MOVIEが公開されたときも、THE MOVIE2 が公開されたときも、「5年
後くらいにまた会えたらいいね」という話をしていたんです。

Q:すると、織田さんの中では撮影を待ち焦がれていた、第3弾となったわけですね。

今回は途中で和久さんがいなくなるということがあって、もうないのかなという気持ちに
もなっていました。やっぱり青島にとって、和久さんの存在はすごく大きいものだった
んです。もちろん青島以外のみんなにとってもそうだったと思うけど、ポコンと大きな穴
が開いた感じがしたんです。それを乗り越えられる時間とアイデアが必要だったんですよ
ね。

Q:和久さんがいなくなったことの喪失感はファンも同じで、同じく時間が必要だったと思
います。

死んだことにしたくないという思いが制作者側にあったんです。だけど、CGで和久さんを
再現できたとしても、和久さんは嫌なんじゃないのかなと。「踊る」ってデジタルな世界だ
けど、人間的でアナログなところを大切にしてきた作品でもあるんです。

Q:また、今回は青島が係長という役職に就いて、人を使う立場になったこともポイントで
すよね。

今回は二つ大きなテーマがあって、一つは「生きる」、もう一つは「仲間」。仲間というの
は、例えば青島が上司になって、新しく部下ができるということ。そのアプローチをどう
やるのかが見ものなんです。どういう組織でどういう役職を演じるかを考えることが大切
でした。青島流のリーダーシップが問われてくるんです。

Q:でも、青島のことなので係長になっても「本店」の顔色をうかがうようなことはないで
すよね?

ある意味で、ヤンチャで何をしでかすかわからない青島が係長になるということは、首に
縄を付けられてと言ったら変だけれど、より「本店」側、体制側につくことになるわけじ
ゃないですか。そうすると文句ばかりも言っていられない気持ちも芽生えてくるかもしれ
ない。芽生えたとして、それを青島ならどうするのかなって考えることは、面白かったで
すね。部下に対してはどういう上司像を見せてくれるのか、そこには僕自身の期待もあり
ました。

Q:その部下に関して、今回も「踊る」定番の名ゼリフがあったと受け止めていいでしょう
か?

ああ、そうですね(笑)。あのセリフは今回の一つの凝縮した思いだと思います。以前、「事
件は会議室で起きているんじゃない、現場で起きているんだ!」とほえましたが、言い方
はいろいろとあると思いました。言い方をどうしようと監督と相談したとき、僕はほえて
いる決めゼリフではなくて、もうちょっとサラッと言うことを提案しました。そういう青
島もありかなって。結局、サラッとじゃない方になりましたけど(笑)。いつかサラッと名
ゼリフを言ってやりたいです。その宿題はTHE MOVIE 4に向けてとっておきます(笑)。

Q:今回改めて感じたことや、維持していこうと思った青島像はありますか?

実は今回、「青島が係長になるよ」って聞いて、びっくりしたんですよね。以前の青島の
セリフでも、「室井さんは理想を実現するために上に行ってくれ。おれは下で頑張るから」
というのがあって、青島に上昇志向はまったく感じられなかったんですよ。だから、僕は
ずっと青島はそこにいると思っていたんです。仮に青島が何かに目覚めて、室井さんのよ
うな立場で大きな仕事をやりたいと思ったとしても、ノンキャリアなので違う次元で勝負
する必要があると思いますし。

Q:青島は営業マン出身でリーダーシップもありそうですし、係長のベースがあった気がし
ます。

ああ、それに青島は和久さんの影響を多分に受けています。和久さんって、実は青島より
階級は下だったんです。テレビシリーズのころ、和久さんは巡査長で、青島は巡査部長で
したから(笑)。今回、青島は警部補になって自動的に係長という役職に就きましたが、
警部補試験を受けずに万年平刑事の和久さんのような状態でいいと思っていたかもしれな
いですね。

Q:室井が一時期苦労していたように、警察組織で出世するには、学閥も大切ですからね。

出世とは関係のないところで僕の中で出た結論は、テレビシリーズのころの吉田のおばあ
ちゃんの存在なんです。青島は町の交番勤務で安心した町づくりを目指していた。それこ
そ警察活動の基本的なことだとは思うけど、おばあちゃんが独り暮らしであったら巡回に
来てくれて、「こんばんは、元気?」って、言いながらお茶を一緒にごちそうになって、町
の治安を守ってくれる元気なお巡りさん。そういう側面を大事にしたいなと思ったんです。

Q:13年前にシリーズが始まって今回で劇場版も3作目。改めて「踊る」の魅力とは何で
しょう?

どうやって気持ちよく映画館を出てもらえるか? を大切にしているのが「踊る」だと思
います。だから最後のシーンを撮っていて、監督にここで新しい主題歌をかけようと思っ
ていると言われたとき、なるほどねって思いました。

Q:THE MOVIE 4への期待が高まりますが、青島は係長以上に偉くなっているかもしれま
せんね。

署長とか? あり得ないよなあ(笑)。個人的には刑事課の課長を誰がやるのかすごく気に
なっているんです。青島は係長で十分なんですけど……。初の女性で、すみれ課長かも(笑)。
係長職飛ばしていきなり課長に飛ぶって、そんなことあの「会社」じゃあり得ないかな。
でも、真下のようなキャリアはどんどん出世していくと思いますし、現実にもそうみたい
ですよ。

Q:エンドロールの後のシーンが印象的でした。いろいろな意味が込められていると思いま
した。

そのシーンを観たことで、「心はさわやか」とか「すごく気持ちがいい」とか「いいものを
観たな」とか、もっと言えば「高原に行ってきました!」くらいの妙なさわやかさ、優し
い気持ちになれたりするかもしれません。僕たちは和久さんの死によってすごく窮地に追
いやられたけれど、その和久さんの力も借りて撮影して、「天国で見守っていてね」という
思いも込めて、最後のシーンを撮りました。実は、新しい展開を予測させてくれるシーン
にもなっていると思うので、映画館で観てください。
―― 待望の第3弾が公開です。7年ぶりに『踊る大捜査線』の世界に戻って改めて感じた
ことはありますか?
織田裕二(以下、織田):刑事モノなのにそれらしくない、一方で妙にリアルだったりする
のが『踊る』で、フィクションとノンフィクションのバランスがとても面白い。コメディ
ーという枠を超えちゃっているシリーズでもあるので、普通なら考え込んでしまうような
テーマでも、どういうふうに元気をくれるの? って。それが『踊る』の持ち味だなと思
いました。
―― 本作では、死というテーマを追い掛けていましたが、ポジティブに受け止めています
よね。
織田:そうですね。今回は、「人は必ず死ぬ」という大きなテーマがあって、死というもの
を『踊る』流にとらえるとどうなるの? というのがあります。『踊る』が伝えようとする
死のテーマ、『踊る』なりの受け止め方ですね。例えば、普通の刑事ドラマなら、青島が死
を迎えるなら犯人との攻防の中、銃で撃たれて、もしくは刺されて死ぬ。でも、そうじゃ
ない『踊る』っぽい、死のあり方を描いています。
―― そのテーマと関連して、ファンとしてはいかりや長介さんが演じた和久さんを思い出
させる演出の数々がうれしいと思います。
織田:作品の中で「和久さん、和久さん」と必要以上に言わないようにしましたが、その
遺志を継いでいるということがわかってもらえると思います。本当にいなくなってしまっ
たことは大きな悲しみだけど、それをどういうふうに乗り越える? ということが問われ
ました。喪失感を乗り越えることで、また新たなメッセージが一つ出していけるはずだと
思っていましたけど、そこへ行くまでは大変でした。
―― 最新作は、旧来のファンには懐かしいと同時に『踊る』らしさを残したまま進化して
いる気がしました。
織田:『踊る』のすごさは、徹底的なこだわりにありますね。あれだけバカバカしいことを
、実はマジメに考えているところもあって、そのバランスが毎回素晴らしい。『踊る』はつ
じつまが合わないことを嫌うんですよ。
―― 新湾岸署が完成して青島自身も係長へ出世。新しい環境に入ってみての感想はいかが
ですか?
織田:新湾岸署は以前より大きくなって、デスクの数が倍になっていました。部下も6人
から12人ぐらいになるのかなと思ったら、水上署と合併したことになっていて仕事は増え
るけど、人員は増えない。結構キツいなと(笑)。『踊る』らしいですけどね。立地的にい
ろいろと可能性がある場所で、船にも乗れる。だから撮影でいきなり何を言われてもいい
ように、船舶免許など、取れるだけ取っちゃいました(笑)。
―― 実際に免許を取ってしまうところに、織田さんの『踊る』や青島に対する愛を感じま
す。
織田:いや、青島は免許を持っていなくてもいいんだけど、織田は持っていないと撮影で
きないでしょ。だからいきなりオーダーが来たときに備えて、全部取れるものは取ってお
こうと思ったんですよ。この年になって新しいことを習うって意外と楽しい。教官が年下
なので怒られることもなかったです(笑)。
―― 冒頭の湾岸署の引っ越しのシーンをはじめ、至るところにちりばめられた小道具も楽
しいですね。
織田:使うか使わないかわからない、映るか映らないかわからないものなのに、徹底的に
こだわって作り込んだり、逆に今までのお約束を全部ひっくり返したりしています。「刑事
ドラマとはこういうもの」という、ある種パロディー的なことも目指していて、知ってい
る人は楽しいし、知らない人は知らないなりに楽しいと思えるように考えられています
。作っているスタッフの楽しい思いが画面に映っている気がしますね。
―― 『踊る』の撮影現場に参加したことがある人は、口をそろえて一様に楽しかったと言
いますね。
織田:スタッフがあんなに楽しそうな顔している現場って、なかなかないと思う。本当に
毎日毎日、少年少女のようにキラキラした目をしながら働いていました。それは長く続い
たシリーズということもあるだろうけど、それ以上に青島係長のような情熱が、本広監督
以下、現場のスタッフ全員にあったからだと思います。というのは、新人だからとか別部
署のスタッフだからとかは関係なく、いろいろな意見を自由に言える雰囲気があって、
面白かったら、それを本当に採用しちゃうんです。上下関係なく聞く耳を持っているんで
す。
―― 『踊る』にかかわっている人たちがみんな、「青島マインド」を持っていれば、いい
作品になりますね。
織田:アイデアを一部の人間で出すんじゃないんですよ。例えば今回の青島は、個性的な
面々を部下に持っています。仕事を理解しているのかしていないのかわからないようなヤ
ツがいたり、本当は科学捜査を希望していたようなオタクっぽいヤツがいても、強行犯係
の中でその人の持ち味を生かそうと考えてみる。そういう青島と現場の意識が、すごく似
ている気がしました。
―― 『踊る』では青島が周囲に好影響を与えていきますが、それはスタッフにとっても同じですね。
織田:そういう現場だから青島係長が生まれたのか、その逆なのかはわからないけど、
僕らもよくあるんです。大事なことを言っている台本を読みながら、「これはいただきだよ
ね」って。本当にいただける場合と、いい答えが書いてあって演じていても、そうならな
い現場もある。その答えの通りに実践すればいいのにって思うけど、青島も現場も一緒に
成長しているのかも。『踊る』の現場は、中間テストを受けているような感じもあるんです
よ。
―― 織田さんにとって『踊る』は帰る場所でもあって、俳優として油断もできない場所な
のですね。
織田:「人生の」というと大げさだけど、ほかの作品に出演して、そこでどう成長したのか、
どんな成果があったのかを『踊る』で試されている感じはありますね。僕は新しい武器を
手に入れて、代わりに失ったものもある、そういうことを吐露する現場でもあるんです。
そういう意味では、実はドキドキする現場。
―― 最後になりますが、早くもパート4への期待が高まります。意気込みのほどはいかが
ですか?
織田:今回は『踊る』第2章みたいなところがあって、今回から始まるストーリーがあり
ます。突然始まった感もあるけど、実はそれを埋めてくれたのが携帯電話のドラマシリー
ズ(「係長 青島俊作」)でした。青島が係長になりたての話をそこでやってくれたので、7
年間のブランクを埋められたんです。『踊る』はチャレンジすることを忘れてはいなかった
ですね。役者・織田裕二に火が付けられた感じがしたし、僕自身、もう一度リセットして
リフレッシュした感覚にもなりました。この次へ! となる気持ちもよくわかります。で
も、先のことはわからないです…



以下はネタバレとなるのでmixi独身映画ファンコミュニティ
http://mixi.jp/view_community.pl?id=1299114
にて『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 奴らを解放せよ』の頁をご覧下さい。



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