「おくりびと」
■作品基礎データ 「おくりびと」 2008年 日本映画 監督:滝田洋二郎 脚本:小山薫堂 出演:本木雅弘 |
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「旅のお手伝いって、旅行代理店かな!?」
東京でオーケストラのチェロ奏者をしていたが、
楽団の解散で演奏家への道をあきらめ、
故郷の山形に戻ってきた主人公の大悟(本木雅弘)は、
求人広告に願ってもみない好条件の職を見つけた。
早速面接に向かった彼を待ち受けていたのは、
なぜか棺桶が置いてある古びた事務所だった。
ほどなく現れた社長の佐々木(山崎努)は、
履歴書に目を通すこともなく大悟の顔を見るなり、一発で採用を決める。
呆気にとられて、求人広告を持ち出して仕事の内容を尋ねる大悟。
「どんな仕事をすれば・・・」、
「納棺」「のーかん?」
――佐々木は答えた。
「あぁこの広告、誤植だな。“旅のお手伝い”ではなくて、
安らかな“旅立ちのお手伝い”。NKは、納棺のNK」。
納棺・・・それは遺体を棺に納める仕事だった。
思いもよらない仕事に慌てふためく大悟だったが、
佐々木に言われるがまま引き受けてしまい、
妻の美香(広末涼子)には冠婚葬祭関係の仕事に就いたと答えてしまう。
こうして、晩秋の庄内平野を佐々木とともに駆け回る、
大悟の新人納棺師としての日々がはじまった――。
美人だと思ったらニューハーフだった青年、
ヤンキーの女子高生、幼い娘を残して亡くなった母親、
ルーズソックスを履いてみるのが憧れだったオバアチャン、
沢山のキスマークで送り出される大往生のおじいちゃん
・ ・・さまざまな境遇の死や別れと向き合ううちに、
はじめは戸惑っていた大悟も、
いつしか納棺師の仕事に理解を示すようになっていった。
そんな矢先、
冠婚葬祭関係=結婚式場で働いていると勝手に勘違いしていた美香に、
本当のことがばれてしまい、
彼女は「汚らわしい!」と言い残して実家に帰ってしまう。
数年前に母親を亡くし、
幼い頃に父親が失踪してしまった大悟にとって、
唯一の家族であった彼女が離れていったことは大きなショックであったが、
真摯な態度で仕事にのぞむ信念はゆるがず、
彼は彼女が戻ってくるのを待つことにした。
季節はうつろい、
庄内平野に春が訪れようとしている時、
納棺師として充足感と誇りを胸に刻みはじめていた大悟のもとに、
さまざまな知らせが舞い込んできた。
美香の懐妊、幼馴染みの母親の死、
そして、30年間ゆくえ知らずだった父親の死。
大悟は納棺師として、そして夫として人として、
身近にいるかけがえのない人々の生と死に、どのように向き合えるのだろうか。
遺体を棺に納める“納棺師”。
ひょんなことから“納棺師”になった主人公が、
さまざまな死に向き合うことで、そこに息づく愛の姿を見つめていきます。
メガホンをとるのは「木村家の人々」「僕らはみんな生きている」でユーモアを、
「バッテリー」「壬生義士伝」で感動を届けてくれた、監督・滝田洋二郎。
脚本には小山薫堂。
人気TV番組「料理の鉄人」などの構成作家として活躍し、
TVドラマ「東京ワンダーホテル」脚本を手がけています。
音楽は、名匠・久石譲。
新人納棺師・大悟を演じるのは本木雅弘。
大悟の妻・美香を演じるのは広末涼子。
ベテラン納棺師・佐々木を演じるのは山崎努。
さらに「さよなら、クロ」の余貴美子、
「佐賀のがばいばぁちゃん」の吉行和子、
「母べえ」の笹野高史など。
「おくりびと」試写会で見ています。
もっくんが主演で納棺師の話だというので、
彼が昔主演した相撲や坊さんの話のようなハウツウものかとも思い
それなりに期待して出かけましたが、
単なるハウツウものを超えて、人生の味わいの感じられる、
そして日本映画を見る喜びそのものを堪能させてくれる良品でした。
失業した楽士という設定が果たして必要なのだろうか、
単に葬儀関係との落差を見せるためのギミックなのではないかと
疑っていたのですが、そうではないですね。
作品の後半、ひととおり納棺師の仕事がこなせるようになってきてから、
この設定が生きてくる。
べつに寡黙な主人公ということではありませんが、
綺麗なお弔いが遺族の喪の仕事に欠くべからざるともだという
プライドを主人公がひそかに感じ始めた頃、
嫁に逃げられたり、友達に「噂になってるぞ、仕事選べ」
となじられて言葉で言い返す虚しさを感じて、
田舎の田んぼのあぜ道でチェロを奏でる。
バックには雪をいただいたふるさとの山河があって、
ばっと白鳥の群れが舞い飛んでいく。
そのシーンの迫力、
バックに流れる地元オーケストラの大画面にふさわしい格調高い演奏に、
思わず襟を正して座席に座りなおしました。
これはたいした傑作ではないか…、
ドラマ半ばのシーンで、鳥肌立つという経験は過去余りなかったです。
控えめに言っても、今年の映画鑑賞、
洋画邦画取り混ぜてベストスリーのどこかに入るべき作品です。
葬儀屋と納棺師が別の職業だというのは、
この作品ではじめて知りました。
冒頭近くのビデオの撮影シーンや、
ヤンキーの女の子の死に化粧で遺族が口論になるところとか、
女だと思っていたらオカマだったとか、とんでもなくて大笑いさせていただきましたが、
エンディングでタイトルロールが流れる中、
もっくんが今一度、死に化粧をほどこすシーンが、
ドキュメンタリタッチのカメラアングルで再登場するのですが、
その場面の手際の素晴らしさに改めて拍手です。
モントリオール国際映画祭のグランプリ受賞、おめでとうございます。
主人公の大悟を演じた本木雅弘はインタビューで本作について次の通り語っています。
「棺にご遺体を納める”納棺”という仕事を知った瞬間に、
とても映画的だと感じました」と、いうようにこの企画、
実は本木雅弘の発案を機にスタートした背景があります。
人間の死を扱うというデリケートな題材ではあるが、
幅広い層にうったえかけられる普遍性があることから、
プロデューサーや監督、脚本家による納棺に関する丹念なリサーチのうえで、
脚本が書き進められていったそうです。
本木雅弘は「複雑なテーマですから、軽さを加えるバランスに悩みました」と、
大悟役の苦労を述べています。
演ずるにあたって納棺の作法を完全にマスターし、
撮影前はもちろんのこと撮影中にもチェロの練習をかかさなかったといいます。
「心の動きを分析したいタイプなので」と前置きをしてから
「信頼関係の築き方にも、興味があるんです」。
「27歳の時に友人とインドを旅したんです。藤原新也さん
の「メメントモリ(ラテン語/死を想え)」(情報センター出版局刊)の影響もあり、
生死の共存する様は、そこでは、ごく日常当の風景だったことに衝撃を受けました」。
それ以後、青木新門さんの「納棺夫日記」(桂書房)や
熊田紺也さんの「死体とご遺体 夫婦湯灌師と4000体の出会い」(平凡社)など、
さまざまな書物に目を通したそうだ。
「最近、興味を抱いたのは樹木葬(じゅもくそう)です。
人生を漂流してきた人間が、正真正銘自然に帰り、
今度は空と光に向って伸びてゆくという流れがいい。
でも「葬式不要、戒名(かいみょう)不要」を唱えた白洲次郎に1票!って、
思いもあるんですよ(笑)」と、声をあげて笑った。
「映画の見どころは?」と問えば、即答で「山崎努さんです」。
「山崎さんが現場でどんどん役を練り上げる様を目の当たりにしました。
例えば、大悟の納棺仕事の初日の場面では、
実際に寒かくて待ち時間は毛布にくるまっていたんです。
その毛布を本番で取り入れ、最後まで役と対話している姿勢に圧倒されました。
めがねをかけるのも現場での提案で…
以下はネタバレとなるのでmixi独身映画ファンコミュニティ
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にて「おくりびと」の頁をご覧下さい。
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