「大鹿村騒動記」

「大鹿村騒動記」映画チラシ66■作品基礎データ
「大鹿村騒動記」
2011年 日本映画
企画監督:阪本順治
脚本:荒井晴彦 阪本順治
出演:原田芳雄

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雄大な南アルプスの麓にある長野県大鹿村。
そこでシカ料理店を営む初老の男・風祭善(原田芳雄)は、
300年以上の歴史をもつ村歌舞伎の花形役者だ。
ひとたび舞台に立てば、見物の声援を一身にあびる存在。
だが実生活では女房に逃げられ、あわれ独り身をかこっていた。
そんなある日、公演を5日後に控えた折も折、
18年前に駆け落ちした妻・貴子(大楠道代)と幼なじみの治(岸部一徳)が帰ってくる。
脳の疾患で記憶をなくしつつある貴子をいきなり返され、途方に暮れる善。
強がりながらも心は千々に乱れ、ついには芝居を投げ出してしまう。
仲間や村人たちが固唾を呑んで見守るなか、刻々と近づく公演日。
そこに大型台風まで加わって……。
ハテ300年の伝統は途切れてしまうのか、小さな村を巻き込んだ大騒動の行方やいかに!?

美しき日本の山村で「芸能の原点」を守ってきた人たちの、
ホロ苦くもオカシミあふれる群像劇──。
日本映画界を代表する名優・原田芳雄が
「70代を迎えて、どうしても演っておきたかった」という珠玉の人間ドラマが、
最高のキャスト・スタッフを得てここに完成した。
監督はあの鮮烈なデビュー作『どついたるねん』以来、
『KT』『座頭市 THE LAST』など計6本にわたって原田に
熱い眼差しを向けてきた阪本順治。
誰もが待っていた「20年越しのガチンコ勝負」の実現に大楠道代、
岸部一徳、佐藤浩市、松たか子、瑛太、石橋蓮司、三國連太郎などの
豪華実力派が駆けつけ、遊び心たっぷりに脇を固めている。
さらに忌野清志郎の隠れた名曲「太陽の当たる場所」が主題歌に選ばれ、
悲喜こもごもの結末を温かく包み込む。
ままならぬ事情を抱えた人生と、浮き世の憂さも吹き飛ぶハレ舞台。
絢爛たる舞台の向こうに見えてくる、軽妙な人間模様。
日本映画が久しく忘れていた滋味深い“オトナの喜劇”の誕生だ。

「大鹿村騒動」見ました。
原田芳雄の遺作となり、年輩の映画ファンを中心に結構混雑していました。

大鹿村の田舎歌舞伎というのは実在のもので、劇中で説明されている通り、
三百年からの歴史があるというのもその通りらしい。

その田舎歌舞伎を土台にドラマが創作されている。

リニアモーターカーで村が揉めている、ところは平凡ですが、
メインのエピソードは良く出来てます。

主人公を裏切って駆け落ちしたふたりが帰ってくる。
「どの面下げて」と主人公。
が、元妻はアルツハイマーでボケてしまっている。

浮気男に「疲れた、返す」と言われて凹んでしまう。

ところが自分がかつて演じたヒロインのセリフは、完璧に覚えている。
だからリハビリを兼ねて歌舞伎に。

無茶な話ですが、稽古を重ねたふたりの馴れ初め舞台のセリフをだけを覚えている、
と言うのが
妙な説得力があります。

低予算だと言われるわりに豪華なキャスト。
実質二週間程の撮影だったとかで、現場ではアドリブの連続だったと伝えられていますが、
作品を見る限り、どこがアドリブかはわからないです。
原田さんは公開前のインタビューで、村の歌舞伎に芸能の原点を見た、と語っています。

映画の完成度は高く、世界は綺麗に閉じているのですが、
それがかえって魅力ある”原点”が見えにくくしているように
感じられてしまったのですが。

クランクイン時のタイトルは『いつか晴れるかな』。
原田芳雄を「いつか主演に」という阪本順治監督の願いが実現した作品。
大鹿村は長野県下伊那郡に実在する村で、
南アルプスを望む美しい景観と300年以上続く大鹿歌舞伎の伝統を守り続けている。
この大鹿歌舞伎を題材に、笑いあり涙ありの物語が展開する。

主演の原田芳雄は2008年に出演したテレビドラマ『おシャシャのシャン!』
(NHK長野放送局制作)の収録で同村に初めて訪れ、
村人の思いに触れたことがきっかけで大鹿歌舞伎をテーマに映画化を発案した。
しかし、原田が公開3日後の2011年7月19日に死去したため、
本作が彼の遺作となった。

作品中で演じられている歌舞伎は
「六千両後日文章 重忠館の段」といい、大鹿歌舞伎のみに残る外題である。
原田芳雄は、敗者(平家)のヒーローである悪七兵衛景清を演じている。
作品中では、景清の台詞である「仇も恨みも、是まで、是まで」が効果的に使われている。
「ディアイーター」の看板は今でも残っているが、営業はしていない。
大鹿村役場の建物、会議室などはすべて本物を使用しており、
村長本人が村長役で出演している。鹿塩温泉「山塩館」は実在し、秘湯として人気が高い。
作品中の清酒には地酒である喜久水が使われている。
喜久水は辛口のすっきりとした味わいの酒として評価が高い。
名水猿庫の泉の水で醸した商品もある。
喜久水では大鹿歌舞伎用に「六千両」という銘柄を販売している。

原田演じる村歌舞伎のスターを中心に上演を邪魔する騒動の数々を軽妙に描く本作に、
松たか子が村役場職員の美江役で参加。
歌舞伎役者・松本幸四郎を父に持つ彼女が、大鹿歌舞伎に触れた感想や、
思いも寄らぬ出来事で人生が変わる美江の印象、
芸能本来の原点に立ち返らせてくれた村歌舞伎の底力などについて語った。

Q:大鹿歌舞伎が実際にあるものだということは、映画出演前からご存じでしたか?

村歌舞伎自体はいろいろな場所にあることをなんとなくは知ってはいましたが、
大鹿村のそれは知らなかったですね。
早く観てみたくて、撮影の前に秋の公演を観に行きました。
村の人たちが一生懸命に演じていて、
お客さんの掛け声やおひねりが役者たちの集中を止めるかのごとく
バンバン飛び交っているのですが、役者さんたちはそれにまったく動じないまま(笑)、
けいこしてきたことを表現している。とても純粋で素晴らしかったです。

Q:ご自身にとってなじみが深い歌舞伎が題材であることも出演の決め手に
なりましたか?

いえ。わたしは今回歌舞伎を演じる役割の人間ではなかったので、
そこへの気負いは持たないようにしていましたし、
実際に大鹿歌舞伎を観て、本来(歌舞伎というもの)はこうだとか、
そういうことではないとも思いました。
皆さんが頑張って続けている村歌舞伎に対して本来の所作がどうとか言い始めると、
原型が崩れてしまうのではないかと。
原田さんたちもそれを理解されていて、村の様式でやると決められていました。

Q:日本映画界を象徴する豪華俳優が集いましたが、
どのような意気込みで臨みましたか?

声を掛けていただいたときに、役とかは関係なく、
どんな映画になるだろうという気持ちだけで参加しました(笑)。
原田さん、大楠道代さん、豪華な皆さんが顔をそろえる現場はなかなかないので、
何でもいいから参加したいと思いました。
撮影が始まれば皆さんとても生き生きしていて、
カメラが回っていないときの会話も面白く、撮影中はずっと笑っていましたね。

Q:長年にわたって受け継がれる村歌舞伎には芸能本来の魅力が
あふれ出ている気がしました。

本来の大歌舞伎は芸を洗練させて型に落とし込み、
人前で披露するものでしょうけれど、村歌舞伎はそういうことではなく、
村に暮らしている人たちが一生懸命におけいこをして、皆で楽しみながら演じています。
もちろん本来の歌舞伎にもそういう要素はあると思いますが、
それがビビッドに伝わる条件が、村歌舞伎の距離感にはあるなあと思いました。
きっと村の人たちが舞台に立つときのとてもピュアな思いと、
本来歌舞伎が持っている怪しげな猥雑(わいざつ)さみたいなものが混然一体となって
渦巻いているからなのでしょうね。

Q:2週間という撮影期間は、大鹿村の人々と一体化するために十分な時間でしたか?

村の一員になれることが居心地良くて、自然でいられました。
わたしが滞在していた場所は、ロケ地よりもさらに橋を一個所渡った場所にある、
奥地のペンションでした。
ご主人とも仲良くさせていただいて、山下達郎さんのCDがほぼそろっている(笑)。
そういうことでも会話が弾みました。
ただ、いればいるほど落ち着くけれど、
彼らの生活をどこかでざわざわとさせてしまっている気もして、
ちょっと複雑な気分でした。

Q:阪本監督の言葉を借りれば、フィクションを成立させる磁場があるような場所
だそうですね。

そうですね。ただ、また訪れてみたい場所だなと思いながらも、
頻繁(ひんぱん)に行ってお騒がせしてしまうことにちょっと抵抗を覚えるような、
何か大切なものがあるということを感じさせる不思議な場所でしたね。
そこへ行くまでも、とても大変で、ダムの横の道を40分ほど進むんです。
トラックとたくさん擦れ違うのですが、相手が道を譲ってくれるときに、
そのあいさつの仕方が皆かっこよくて(笑)。
東京で普通に道を譲られることも少ないので余計にそう見えるのか、
運ちゃんの手つきがしゃれている。そこにドキッとしちゃうわけですよ(笑)。
運ちゃんも全然悪くないぞって、妄想が広がる。そんな人たちが出入りする村でしたね(笑)。

Q:美江は、東京に出て行った男と煮え切らない関係が続く、村役場の女性です。

彼女については、わたしが複雑に背景を決めることはやめようと思っていました。
彼女には、大楠さん演じる貴子さんと出会ったことで、
ほんのちょっとだけ変化が起こります。
昔村を出て行った貴子さんが戻ってきて、なんとなく興味本位で見ていたはずなのに、
それがいつしかちょっとした尊敬の念に変わっている。
一歩も踏み出せない自分と比べ同じ女性として惹(ひ)かれたのかなあと思いますね。

Q:その心情に、ご自身の個人的な思いが重なっていくようなことはありましたか?

わたし自身が大楠さんを一人の女性として見たときに、
美江と同じように興味を持って惹(ひ)かれているような気がしましたし、
役柄と同じような距離感で大楠さんを見つめていたところもあるように思いました。
美江はなかなか決断できずに村の中にとどまっている人だったので、
本当に小さな一歩でしたが、彼女なりに成長したはず。
そんな彼女を演じることで、
わたし自身も同じ女性として刺激をもらったようなところはありましたね。

Q:一平(佐藤浩市)と美江との関係は、以前共演された『THE 有頂天ホテル』を連想させましたね。

そうですね(笑)。一平さんと美江さんは『THE 有頂天ホテル』の2人と
少し似たような距離感の役柄同士で、近い所にいるなあとは思っていました。
最初、原田さんが鹿の世話をしていて、佐藤さんがバスの運転手をしているなんて、
そんな村はない、あり得ないだろう! と思いましたが(笑)、
でも一歩村に入れば東京とは違う空間だったので、
大鹿村の住人としてはありかもって思えたら次第に面白くなってきて(笑)。
おかげで佐藤さんとのやりとりも楽しめましたね。

Q:この作品に出会うと出会わないとでは、
今後の俳優としての活動がまったく違いそうですね。

それはあったと思いますね。
大鹿村では、衣装やかつら、装置、すべてを手分けして保存していて、
わたしたちの場合は全部自分で管理しなくてはいけないことって普通はないけれど、
もしそういう立場になったとしても、できるようでいたい。
身一つあればお芝居はできるじゃないかという自分を持っていたいなと思いました。
何でも用意されていることが当たり前になっていちゃいけないなと、
村の人たちが支え合っている姿を見て、それは強く思いましたね。

Q:純粋で素朴、自由な大鹿村歌舞伎に触れたことで身軽になったところもありそう
ですね。

はい。そのことはすごく感じました。
皆さんが一生懸命に演じて、とても生き生きとお芝居をしている。
それはわたしも変わらずに目指したい姿勢で、とてもいいものを見させていただきました。
この映画は心温まる人情話ですが、想像以上のハチャメチャぶりが楽しめると思いますし、
それすら自然に見えるパワーがあります。
特に原田さんが体を張っていますし、ここまでストレスのない映画も珍しいです。
本当の意味でいろいろな世代の人が楽しめる人情話になったと思いますので、
ぜひお楽しみいただければと思います…

以下はネタバレとなるのでmixi独身映画ファンコミュニティ
http://mixi.jp/view_community.pl?id=1299114
にて「大鹿村騒動記」の頁をご覧下さい。



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