「おっぱいバレー」
■作品基礎データ 「おっぱいバレー」 2009年 日本映画 原作:水野宗徳 著 「おっぱいバレー」(リンダパブリッシャーズ) 監督:羽住英一郎 脚本:岡田惠和 出演:綾瀬はるか |
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舞台は1979年、北九州。
23歳の寺嶋美香子(綾瀬はるか)は、戸畑第三中学校に赴任してきた新任教師。
彼女は中学生の時に1人の教師に出会ったことがきっかけで国語の教師になった。
しかし、前の学校でのある事件で生徒の信頼を失い、教師という仕事に絶望していた。
新天地での再スタート!
と意気込んで男子バレーボール部の顧問に立候補した美香子だったが、
男子バレーボール部の部室にいたのは、女の子のことしか頭にない5人の生徒。
彼らはやる気もなければ、バレーボールすらまともに触ったことのない、
まさに廃部寸前状態だったのだ…。
美香子は彼らのやる気を出すために「試合に勝ったら何でもする」と宣言するが、
なんと「試合に勝ったら、先生のおっぱいを見せて!」という、
あり得ない約束をさせられてしまう…。
夢のような約束を手に入れた部員たちは“おっぱい”のために、
今までとは別人のようにバレーの練習に打ち込んでいく。
とても守れるはずもない約束をあてにして頑張る部員たち。
その一方で、美香子は「おっぱいは見せたくない」が、
部員たちに「勝つ喜びを教えたい」という気持ちは日増しに強くなる。
矛盾する想いに悩みながらも、
美香子は目標に向かって一生懸命頑張る部員たちと向き合い、
信頼関係を築いていく中で次第に教師としての自信を取り戻してゆく・・・。
だが、試合を間近に控えたある日、
“おっぱいの約束”が学校に知られ大問題になってしまう。
「一人前の教師になって恩師に報告したい」という想いとは裏腹に、
取り戻しつつあった自信をまたもや失った美香子。
しかし、亡き恩師の墓前で夫人から思いもよらなかったある事実を聞かされる…。
原作は、放送作家や脚本家として活躍する水野宗徳による実話を元にした青春小説。
2006年11月に発行(リンダパブリッシャーズ刊)後、
インパクトのあるタイトルと、
タイトルからは想像もつかない感動のストーリーが多くのファンを獲得し話題に。
その後、映像化をめぐり10社以上の争奪戦の末、映画化が決定した。
主演は、『僕の彼女はサイボーグ』、『マジックアワー』、『ICHI』、
『ハッピーフライト』と、あらゆるジャンルの話題作へ出演が相次ぐ、綾瀬はるか(23)。
脚本を読んだ綾瀬は、「23歳は女性にとって仕事や恋愛の1つの分岐点だと思う。
同い年の美香子を“等身大の女性”として演じたい。」と意気込みを語る。
綾瀬演じる美香子の良き理解者でもある同僚教師・堀内健次に、
NHK連続テレビ小説『ちりとてちん』の演技で注目される青木崇高(28)、
弱小バレー部にバレーを教える元バレーボール選手を、
『K-20 怪人二十面相・伝』の仲村トオル(42)が演じる。
また、バレーボール監修には元全日本代表でオリンピックにも出場した
大林素子が参加している。
監督は、『海猿』シリーズ、『逆境ナイン』『銀色のシーズン』の羽住英一郎(41)。
脚本はNHK連続テレビ小説『ちゅらさん』で向田邦子賞、橋田壽賀子賞脚本賞を
ダブル受賞した岡田惠和が担当する。
「おっぱいバレー」見ました。
“恥ずかしいタイトルだけど、意外と感動作である”
という映画の掲示板の書き込みを見ています。
「グラン・トリノ」か、こっちかどっちを見ようか迷いましたが、
明るく笑える話が見たかったので、こちらを先に見ました。
まったく別物と見ていましたが、見終わってみれば
「ウォーター・ボーイズ」の系譜上の作品ですね、これは。
駄目駄目な男の子たちが、
あるきっかけで皆して何事かに取り組む。
そしてそれなりの成功を手にしてジ・エンド。
もちろん女の子が頑張る「スウィング・ガールズ」もあるのだけど。
「ウォーター・ボーイズ」系列というのはフジテレビの系列であって、
同じ女の子が頑張っても、
核となるスポーツの存在しない「フレフレ少女」はテレビ朝日、
「おっぱいバレー」は日本テレビ製作。
そんなことに意味があるの?
と聞かれそうだけど、意味があるんですよ。
竹中直人がいない。
少年少女の指導者、保護者がいない。
綾瀬はるかは少年達バレー部の顧問だけど、
彼女は指導者という位置づけでなくて、
彼女自身が生徒と同じく悩み苦しんでいる青春真っ只中にいる。
男の子達に「勝ったら、おっぱいを見せる」というお馬鹿な約束をしてしまって、
どうしよう?
というところから始まって、
生徒と先生の綱引きがドラマのメインになる。
綱引きということは、
両者は同じ土俵に立つ対等なもの同士なんですよ。
竹中直人が演じてきた先生は、
主人公である少年少女が自由に活躍できるよう、
バックグラウンドを支えているのだけれども、
「おっぱいバレー」では、それはないのですね。
少年達の身分は「男子バレー部員」として最初から保証されている。
妻夫木くんや上野樹里が自分達の身元を確保し、
スポーツや音楽で活動を続けるための舞台を獲得するために
ドラマの大半を費やし苦労しているのに比べて、
おっぱい大好き少年達は、
“一人足りないから試合が出来ない六人制バレーボールの5人組み”という
免罪符にふんぞり返っている。
ハングリーではない、
というところからドラマが始まっている、というところが、
今風だと感じましたね。
オチこぼれである、負け犬である、という自覚から
追われる者のような身の置き所のなさに苦しみ、
そこから抜け出したいと
戦いをはじめるボーイズたちとは天地の差です。
暴力で主人公達の足を引っ張る先輩とか、
仲村トオル演ずる元実業団チームの父とか、
女子バレー部の幼馴染とか、
脇役達がいろいろ出てくるのだけど、
役回りは本当に必要最小限です。
はるか先生と六人の男の子達でドラマの大半が進み、
十分面白いです。
ネタバレ改行です。
はるか先生が教員を目指した動機の書き込みが上手く、
ドラマの背骨をしっかり支えています。
そしてはるか先生と六人の少年達の絆が
きっちり生まれているので、
試合には惨敗、先生はクビという、過酷な結末にも関わらず、
笑顔でエンディングを迎えることが出来ます。
フジテレビ系のドラマたちが、
学校や地域の父兄達に認められなければ、
彼らボーイズ達がハッピーエンドになれないのと
対照的です。
そこが粋で面白かったです。
電車で町を去る先生を見送るのは、六人の男子バレー部員のみ。
それでも教師を続けることに腹をくくることが出来た
はるか先生は幸福な涙を流して、車窓から手を振って
見送りに答えます。
“先生の胸で泣く事が出来ました。”
すけべが、母性愛にすりかわるオチは、
ずるいといえばずるいのだけど、お見事でした。
綾瀬はるかのインタビューよりメイキングに
関する部分を採録します。
■プロフィール
綾瀬はるか(寺嶋美香子 役)
1985年生。広島県出身。2001年、「金田一少年の事件簿」でデビュー。
2004年の「世界の中心で、愛をさけぶ」の熱演で脚光を浴びる。
「ホタルノヒカリ」(07)で初の連ドラ主演を果たし、
映画では『ザ・マジックアワー』(08)、『僕の彼女はサイボーグ』(08)、
『ICHI』(08)など数々の話題作に出演。
Q:タイトルのインパクトがかなり強いですが、出演してみていかがでしたか?
最初はえっ?と思いましたが、原作を読んでタイトルはとりあえずひっかかるけれど、
ストーリーがとにかくよかったです。
先生と生徒、それぞれの成長物語ですが、笑いだけではない厚みがありますよね。
わたしが演じた美香子先生は23歳で、同世代。だから共感する部分も多かったし、
おっぱいを見せるという約束も断ればそれで終わるのに、
自分で自分の問題を大きくしているような―
―ちょっと自分と似ているような気がしました(笑)
Q:美香子先生のようなご自身に近いキャラクターの場合、演じやすいですか?
美香子先生のような同年代で普通の女性のようなキャラクターは久しぶりだったんです。
最近はサイボーグとか座頭市とかじつは変わったキャラクターばかりで(笑)、
かえって演じにくく感じた部分もありました。
羽住英一郎監督からはとくにリクエストがなかったので、
撮影中はこれでいいのかなと思いながら演じていました。
打ち上げのときに“映画には演技じゃなくて現場の雰囲気が出ればOK”と聞いて、
なるほど!と納得したんです。
Q:また中学生の男子たちが元気いっぱいで爽やかな魅力にあふれていました!
劇中にはおっぱいという言葉が本当にたくさん出てくる映画ですが、
そういうことばかりいつも言っている中学生でした(笑)。
毎日のあいさつにも使っていたし、まるで合い言葉みたいでした。
あの子たちは明るくて、いつも体当たりなんです。
だからわたしも楽しかった! とにかくテンションが高くてすごかったです(笑)。
撮影中は毎日ずっとあの子たちと一緒に過ごしていたのですが、
最初から最後まで全然変わらないんですよ(笑)
Q:観ている間に、おっぱいという単語に対するヘンな抵抗がなくなりました。
現場では、どうされていたんですか?
本当ですか? そう思ってもらえるとうれしいです!
わたしも原作を読んだ時点ではおっぱいに「う~ん」って思っていて、
現場でおっぱいって言いづらい空気だったら、
役的にも非常に気まずいなって思っていたんですけど……。
現場に入ると監督が「あいさつはおっぱいだから」って。
本当に現場では、お互いに「おっぱい」「おっぱい」ってあいさつし合う感じでした。
例えば「お疲れおっぱい」とか「おっぱいッス」って感じで、
次第にかわいらしい合言葉になっていました。
それから段々わたしもおっぱいに対する抵抗がなくなり、
「お疲れおっぱい」って言えるようになったんです。慣れは怖いと思いました(笑)。
Q:演技のプランは練りましたか?
特定の誰かをモデルにしたとか、何かしらの美香子像を作って演じたわけではないんです。
社会に出て働き出すと、何かしら悩んだり、壁にぶつかったりするじゃないですか。
自分自身がちょうどそういう時期で、他人事に思えなかったんです。
なので美香子の悩みは、自分の悩みのように共有した感じ。
成長していく美香子を演じることで、自分自身も成長したって思えます。
Q:撮影中に、やっぱり男性はおっぱい好きって思うことがありましたか?
監督から「いくつになっても男子はこのまんま。男子は、みんなこういうものなんだ」
って言われて。なるほど! って。
最初は、ちょっと一歩引いていたんですけど、
この子たちも中学生のまんま大人になるんだな~って思うと、かわいいと思いましたね。
Q:生徒役の子たちとは、どうコミュニケーションを取ったんですか?
ずっと北九州で泊まり込みの撮影だったんです。
みんな同じホテルだったので、共同生活を体験しました。
ロケバスで一緒になったときなどは、生徒役のみんなの中学校生活を聞いていました。
その話の内容っていうのも本当に役柄の通りで、誰ちゃんがかわいいとか話していて、
中学生の男子らしい会話でしたね(笑)。
Q:撮影秘話を教えてもらえますか?
マル秘話だと、子どもたちに関してが多いですね。
でも、全然マル秘じゃないんですけど(笑)。
ロケバスで、ある生徒役の子が「女子から告白された!」って話をしていたんです。
(同僚教師役の)青木(崇高)くんも一緒だったんですけど、
みんなで「ウソつけ」ってツッコんで(笑)。
彼は「本当です!」って言い返すんですけど。
今、改めて考えても「うっそだあ」って感じ。
そういう話を聞くのが楽しくて、ロケバスに乗っていました。
Q:綾瀬さんはあまりグチをおっしゃらないようですが、
撮影中の苦労をあえてあげるなら?
撮影は夏に行ったんですけど、連日40度以上。
温度計が43度を超える日もあって、みんな汗をダラダラ垂らしていました。
美香子は長そで長ズボンのジャージ姿のまま、自転車で伴走するんですけど、
暑かったですね。
Q:今でも撮影中に緊張しますか?
バレー部の生徒たちに初めて会って「そんな約束、できるわけないじゃない」っていう、
掛け合いのシーンを最初に撮影したんですけど、そのときは緊張しました。
Q:一番好きなシーンは?
自分は出ていないシーンなんですけど。
バレー部員のみんなで、中井先輩に立ち向かっていくシーンが好きです。
泣けるんだけど、笑える! って感じがすごく良くて。
しかも、朝まで撮影していたって聞いたので余計に。
Q:出演を経て、何か考え方に変化はありましたか?
美香子は「おっぱいを見るために、頑張る」って約束はしてはいけない、
って頭では理解しているんだけど。
でも言えなくて、後に引けない感じになっていて。
自分自身も美香子と同じで、そういう約束ってアリなのかと疑問に感じていたんです。
でも仲村トオルさんの演じられた、
生徒のお父さんと話をして「あんな約束をしてすみませんでした」って謝ったときに、
「動機は何であれ、頑張ることを知ったことが大事だ」
って意味のセリフに感動しましたし、本当にそうだと思うようになりました。
羽住英一郎監督のインタビューよりメイキングに関する部分を採録します。
――映画化したいと思ったのは、タイトルのインパクトが大きかったのでしょうか?
「打合せをしている時、プロデューサーの机の上に本が置いてあったんです。
その背表紙から『おっぱいバレー』というタイトルだけ見えていて、
打合せ中もずっと気になっていたんです(笑)。
打合せ後、本のあらすじを聞いて、すぐに面白そうだと思いました。
それから本を読んで、これは絶対に僕が撮りますと言ったんです。
原作本の内容からは、映画『クール・ランニング』に似た匂いを感じました。
『クール・ランニング』は、
雪の降らないジャマイカからボブスレーで冬季五輪出場を目指すという設定が面白い。
そして、その先には逆境がたくさんあるはずで、
最終的に出場できたのか含め、結果が気になる物語なんです。
単なるコメディではなく、感動できそうな匂いもありました。
『おっぱいバレー』にもそういった雰囲気を感じたんです」
――主演の綾瀬はるかさんはファーストチョイスだったそうですが、
もし断られたらということは考えましたか? また、彼女を選んだ理由は?
「断られたらということは、あまり考えてなかったですね。
タイトルにはビックリするかもしれないけど、台本を読んでもらえれば、
等身大の女性ヒロインを描がいているので、共感してもらえると思っていました。
彼女を選んだのは、まず多くの女性に好かれているからです。
この映画は、女性にも観てほしいと思っていたので、
主演女優には、清潔感があって健康的な女性が必要でした。
それに、“試合に勝ったらおっぱい見せる”なんて約束は、
普通の女性だったらまず断ると思うんです。
でも、彼女だったらもしかしたら断り切れず、
いつの間にか約束させられてしまうんじゃないかと……。
ちょっと天然なイメージがあったので、そういうことも含めてピッタリだと思いました」
――ヒロインには“おっぱいを見たい”と思わせる説得力も必要だと思うのですが、
そういう要素は大切でしたか?
「特に重要なポイントではありませんでした。
映像的にも、アングルとか、むしろ強調しないように気を付けました。
いやらしくしたくなかったんです。なるべく清々しく撮るというのを意識しました」
――撮影現場では挨拶の語尾に“おっぱい”をつけていたそうですが。
「オーディションで選んだ子たちが、
“おっぱい”という言葉を恥ずかしがっていたので、それではいけないと思ったんです。
それで、撮影現場では“おはようおっぱい”、“お疲れおっぱい”、“よろしくおっぱい”
というのを羽住組のルールにして、徹底しました。
おかげで、最初は照れていた子どもたちも、
最後は“おっぱーい!”って大声で言うくらいになりました(笑)。
綾瀬さんも、現場に入る前は、
おっぱいというセリフを言いにくい雰囲気だったらどうしようと思っていたようですが、
現場に入ってきてすぐ、挨拶が“おっぱい”ということで…
以下はネタバレとなるのでmixi独身映画ファンコミュニティ
http://mixi.jp/view_community.pl?id=1299114
にて『おっぱいバレー』の頁をご覧下さい。
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