「王妃の紋章」

「王妃の紋章」映画チラシ■作品基礎データ
「王妃の紋章」
2007年 中国映画
監督:チャン・イーモウ
脚本:チャン・イーモウ、ウー・ナン、ビエン・ジーホン
出演:コン・リー
               

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『HERO』『LOVERS』のチャン・イーモウ監督が、
唐王朝を舞台にした新作『王妃の紋章』
をシネトレ独占試写会で
ワーナーブラザーズ本社の試写室で見ました。

中国では史上最高の興行収入を叩きだす大ヒットを記録したそうです。
チャン・イーモウは2008年の北京オリンピックで総合演出も務めるそうですね。
キャストは、王妃に『さらば、わが愛/覇王別姫』『SAYURI』のコン・リー。
冷徹な王に『グリーン・デスティニー』
『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』のチョウ・ユンファ。
第二王子には、アジア音楽界No.1の人気を誇るジェイ・チョウ。
ジェイは、本作のエンディング・テーマ曲も手がけています。

《菊の節句》とも称される9月9日の重陽節―――王家の人々が一堂に集まり、
永久の繁栄を祈る祝祭の日を前に、遠征に出ていた王(チョウ・ユンファ)と、
外地に赴いていた第二王子・傑(ジェイ・チョウ)が王宮に帰ってくる。
しかし、そのめでたさとは裏腹に、王宮内に渦巻いていたのは秘密の匂いと不穏な空気・・・。

王と王妃(コン・リー)のあいだは、とうの昔に冷え切っており、王妃は継子である
皇太子(リウ・イェ)と長年にわたって不義の関係を続けていた。
一方、病気がちな王妃をことさらに気遣い、自ら腹心の宮廷医に命じて“特別な薬”を
調合させる王。それを毎日、決められた時間に、決められたとおりに飲むことが
王妃に課せられた絶対の掟。

皇太子は王妃との関係を断ち切りたいと願いながらも叶えられず。ひそかにつきあっている
宮廷医の娘・蒋嬋(リー・マン)と王宮から脱出することを夢みている。

久しぶりに母親と再会した第二王子は、明らかに衰弱している母の様子を気にかけながらも、
病身を押してまで一心不乱に菊の刺繍を続けるその姿に不吉な予感を覚える。

宮廷内に密偵を放ち、自分が飲んでいる薬の中身を突き止めてもなお、薬を飲むことをやめようと
しない王妃の決意。密偵を務めたのは宮廷医の妻・蒋氏(チェン・ジン)。彼女にも、王に恨みを
抱く理由があった。

誰もがそ知らぬ顔で、表面だけを取り繕い、それぞれ胸に秘めた策略を練り上げていく。
それは王家の中で唯一、汚れを知らない無邪気な存在に思えた第三王子も例外ではなかった・・・。

重陽節の夜、ついに解き放たれる黄金の一族の憎悪と陰謀。数百万の菊花に埋め尽くされた
荘厳華麗な宴の夜に、国をも揺るがす惨事が起こる!


黒澤明の「乱」のチャイナ版、という感じですかね。
引退したじいちゃん(仲代)のワガガマで息子三人が殺し合いになっちゃう「乱」に対して、
こちらは夫婦の不仲で息子三人が割を食う話。
中盤まではかったるいです。
この作品に庶民は存在せず、大臣等周辺にていしかるべき人たちも出てこない。
そして王家の夫婦親兄弟の係わり合いに魅力が感じられなかったからです。
王は王妃の緩慢なる毒殺を実行中で、
そこに深い動機やどんでん返し、サスペンスを期待したのですが、
動機はよくある話で、それ以上魅力的なものは出てきません。
それでも面白くなってくるのは、後半に向かって活劇になっていくところからです。
最初、だれの手下なのか判りませんが忍者のような黒ずくめの集団が現れて、
宮廷医一家が襲われる。
渓谷にある一家の赴任地に宙を飛んで襲い掛かるところが凄いです。
『HERO』でデジタル合成の超絶剣劇を見せてくれて、
もう『LOVERS』でこれ以上の殺陣は考えられないと思っていたんですが、
この忍者達はとんでもないです。
こういう忍者ムービーの登場人物みたいな忍者というのは、
中国にいたのでしょうか?
まあ創作されたものでしょうが、
ともかく面白いです。

第二王子・傑が軍勢を率いて王宮を攻める場面が全編のクライマックスになっている
わけですが、
最初「ロード・オブ・ザ・リングス」の篭城戦みたいだなー、と思ってみていたんですが、
そのうち敵味方になって戦っている鎧武者が実は金・銀・銅の3色だって言う事に気がついて、
北朝鮮のマスゲーム、人文字みたいな感じになって、
そのうち花火が打ち上げられるわ、大合唱ははじまるわ。
すっかり戦争シーンではなくなって
中国万歳!五輪万歳!北京万歳!
これで聖火ランナーが走りこんできたらまるっきり開会式ですなぁ。爆

どうやらこの映画の王宮も、
『始皇帝暗殺』撮影のために建てられた華東地区浙江省の
浙江スタジオ(オリエント・ハリウッド)の秦宮殿に手を入れて使っているようです。
制作費50億というのが中国でどの程度の貨幣価値を持つのかはピンときませんが、
史上もっとも華やかな唐王朝そのままに、
スクリーンに出現する壮麗な黄金の宮廷。
金の円柱600本、そのすべてに施された菊花の彫刻、
内部のすみずみまでを覆いつくす金箔と瑠璃。
金糸・金片の18金づくしで仕立てられ、
撮影後は見張り付きで金庫に保管されたという王と王妃の衣装をはじめ、
むだに胸元を露出した女官の装束など豪華な衣装3000枚、
のべ1キロメートルにも達する絹のじゅうたん、
そして、1万2000平方メートルの宮廷エリアを埋め尽くす300万本の菊の花……。
CGかと思っていましたが、これが実写という、どえらい無駄遣い、もとい贅沢をしています。

「乱」のオチが仲代の発狂であるのに対し、
ユンファ大王は、平然と女房、子供を見下ろすわけだけど。
けど結局お山の大将、我ひとり。孤独であるという自覚さえない
断崖絶壁の上にひとり立ってなお虚勢を張る人間の愚かさ、
業の深さは泣きの芝居など微塵もない分、おっかないですね…

以下はネタバレとなるのでmixi独身映画ファンコミュニティ
http://mixi.jp/view_community.pl?id=1299114
にて「王妃の紋章」の頁をご覧下さい。


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