「皇帝ペンギン」DVD脚本レビュー
★映画基礎データー★「皇帝ペンギン」 2005年 フランス映画 監督脚本 リュック・ジャケ 声の出演 ロマーヌ・ボーランジェ |
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南極に冬の兆しが訪れる三月。
ほとんどの生き物が北に向けて移動を開始するなか、
この地にとどまり、南への旅を始める者達がいた。
艶やかな黒い燕尾服をまとった皇帝ペンギンだ。
海中から雷魚のように飛び出し、棚水に着地した彼らは、
真っ白な氷の砂漠を行くキャラバンのように、隊列を組んで行進を開始する。
目指すのは、彼ら自身の生誕の地でもあるオアモック(氷丘のオアシス)。
北側を島々、南側を大陸の断断崖に囲まれたその地は、
数百メートルにわたってアイスバーグ(氷山)が続き、
外敵すら容易にちかづくことはできない、
南極の中で唯一、皇帝ペンギンが安心して子供を産み、育てられる場所なのだ。
2005年1月26日、
フランスで公開されるや否や『WATARIDORI』『ディープ・ブルー』の大きく上回る
大ヒットを記録したドキュメンタリー映画です。
強豪ひしめくハリウッドでも夏シーズンの公開映画を蹴散らし、
ドキュメンタリーとしては歴代三位。
「ボーリング・フォー・コロンバイン」の記録を破るのも時間の問題とされています。
監督を務めたのは、動物行動学の研究者であり、
主に南極を舞台にした数々の科学ドキュメンタリーを手がけているリュック・ジャケ。
ポール・エミール・ヴィクトール仏局地研究所の協力のもと、
4年間の準備期間を経て南極に飛んだ彼は、
たった3人の仲間(!)と南極でのべ8880時間もカメラをまわし続け、
ドキュメンタリーを撮影しています。
新しい命を外敵の危険から守るため、こんなにも壮絶な繁殖活動を行うのは、
数あるペンギンの中でも、唯一皇帝ペンギンだけであるといわれます。
通常、皇帝ペンギンは、単独もしくは少数で行動することが多いため、
その姿を人前にさらすことはあまりなく、
大勢のペンギンたちがキャラバンを組んで行軍する姿や、
集団繁殖地での様子など、これだけ一度に多くの彼らを間近で捕らえた映像は、
生物学的にみても大変貴重な映像といえるようです。
ナレーションを担当しているのはオリジナル版では
『伴奏者』のロマーヌ・ボーランジェ、
『リディキュール』のシャルル・ベルリング、
『ぼくセザール10歳半1m39cm』のジュール・シトリュックが
父ペンギン、母ペンギン、子供ペンギンの声を当てています。
日本語版では、大沢たかお、石田ひかり、神木隆之介が担当してます。
私は日本語吹き替え版を見て、そのあとオリジナル版の冒頭を見てますが、
日本版のキャストの方の印象が若々しく、若いカップルが苦労して子育てに挑んでいる
雰囲気がうまく出ていて好みです。
20日あまりの行進の末、オアモックに辿り着いたペンギンたちは、
何千羽といる群れの中から、
その年、唯一の結婚相手を選ぶために、求愛と歌に興じる。
自分をアピールするための挑発的な泣き声と官能的なポーズが、
群れのあちらこちらで繰り広げられる…。
そして5月の終わり、ようやく愛の結晶が産み落とされる。
産卵を終えたメス達は、それぞれのパートナーに大切な卵を託すと、
これから生まれる雛と自分の命の糧を求めて、
再び100キロ近く離れた海へと旅立ってゆく。
ここまでが第一章「キャラバンの長い行進」のあらすじで、以下
「たそがれの行進」
「月の進行」
「飢えた者の行進」
「自由な雛の行進」
「別れの行進」
と各章が続きます。
タイトルどおり、ペンギンたちの広大な南極大陸の氷の平原を延々と歩いて旅する
様子をこれまた延々と映し続けます。
『WATARIDORI』が登場人物のないナレーションのみであったのに対し、
この作品ではドラマ仕立てになっていています。
それが成功していたかどうかは難しいところですね。
ペンギン一家に感情移入しやすい一方で、
学術的な解説や撮影の苦労などが割愛されざろうえないので、
映像の情報量にナレーションがおっつかないのですね。
オアモック(氷丘のオアシス)のような集団繁殖地は大陸全土で40箇所ほどしかなく、
それらが失われると皇帝ペンギンの種の存続にかかわる、
という話や、
ブリザードに巻き込まれて生命の危機に瀕したメイキングの苦労など、
パンフレットのインタビューなどを見てはじめて知った話も多いのです。
端麗で哲学的でさえあるペンギンの行軍はそりゃすごいですが、
どうしても単調になります。
上映時間は90分をわずかに切りますが、居眠りしないギリギリの尺ではあります。
ペンギンの主観描写以外に別の情報が挟み込まれていたら、
もう少し眠気を追い払えたかな、と思うんですけど。
むーっ、でも情報過多にしてしまうとただでさえ、
NHKの教育番組みたいだ、という批判があるのに、
ますます教育番組じみてしまいますがね。
映画の掲示板では「音楽がセンスがない。ぶち壊しだ」という
書き込みがかなりありました。
これは同感ですねー。
フランス人と日本人の感受性の違いなのかも知れないですが、
壮麗な映像に、みょーに軽いテクノポップス風BGMを被せられると居心地が悪くてねぇ。
クラッシックか何かのほうがまだ良かったです。
テーマソングはまだ我慢できるレベルでしたが、
どうしてフランス映画なのに英語の歌詞なんでしょうか?
たしかフランス人は英語を馬鹿にしてたんじゃないかと思ってましたが、
最近はそうでもないんですかね。
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