「ピーター・パン」DVD脚本レビュー
★映画基礎データー★「ピーター・パン」 2003年 アメリカ映画 監督 P.J.ホーガン 脚本 マイケル・ゴールデンバーグ 出演 ジェレミー・サンプター |
夢見る少女ウェンディー・ダーリング(レイチェル・ウッド)が子供部屋で寝
ていると
窓からピーター・パン(ジェレミー・サンプター)が入って来た。
ピーターは、逃げ出した自分の影をウェンディーに縫い付けてもらうと、
ウェンディーと彼女の弟たちを連れてバーランドへ向かうのだった。
戯曲「ピーター・パン」を
ピーターとウェンディーの初恋物語に焦点をあてて映像化した
ロマンティック・ファンタジーです。
監督は『ベスト・フレンズ・ウエディング』のP.J.ホーガン。
ピーター・パンの役に『フレイルティー/妄執』で注目された13歳の
ジェレミー・サンプターが、
おとぎ話のピーター・パンのイメージそのままに演じきってます。
また、フック船長役のジェイソン・アイザックスは正反対の性格を持つ
ウェンディーの父親役との2役をこなしています。
絵画のような色彩の映像にも要注目です。
ピーター役を同年代の少年が演じるのは極めて珍しいというので、
映画のウリになっています。
ジェレミー・サンプターくんはなるほど魅力的で、
邪気満々たる笑顔がきゃわいいです。
「ぼくを残して、きみは大人になる」とは
宣伝文句としてはなかなか好きです。
“初恋物語”がウリになっているのは、まあ、いいんですが、
映画の前半部分で“初恋”が強調されすぎで結構、恥ずかしい。
「キスって何?」でどんぐりあげちゃぅとことか、
ウェンディーが教室で取り上げられたノートに、
ベットの上に浮かんでいるピーターのことを描いた落書きを見咎められて
「これは誰?」「男の子です」
で女教師が目をむいて怒るとことか、見ているこっちが照れてしまう。
現代の話ではないわけですが、それにしても
ああいったことはもう少し、ほのかに感じられる程度に見せて欲しかった。
ネバーランドに行くと、フック船長が海賊船の大砲を撃ち放って挑んでくる。
途端にバタバタとアクション活劇になります。
ピーターや、ピーターと共に暮らしている少年たちロスト・ボーイは、
共同生活をしてはいますが、生活の苦労、人生の苦労とは無縁の存在ですから、
島の生活はもともと描きようがない。
話の前半部分でいったんフック船長がやっつけられてしまって、
で、後半どうするんだろうと思っていたら、もう一回リターンマッチをかけてくる。
ピーターは人を愛さない、という設定になっているようです。
愛を知っているのが大人で、
大人になることを拒絶したピーターは、人を愛するということを知らない、
理解できない、理解しようとしない。
そこにヴェンディと断絶があって、ふたりは対立する。
フック船長は言葉巧みにヴェンディを海賊船に誘って、
海賊の一員ということにしてしまう。
ヴェンディのことを「おかあさん」だと決めていたロスト・ボーイたちは、
途方にくれて、苦もなく海賊達に捕らえられてしまう。
ねたばれ改行です。
子供たちの国にいる大人、フック船長とは、いったいなんなのでしょう
フック船長役のジェイソン・アイザックスは正反対の性格を持つ
ウェンディーの父親役との2役です。何か狙いがあるようですが、
ストーリー上の種明かしは無いのでよく分からないままです。
海の上で海賊船ごと凍り付いていたのが、ピーターたちがウェンディーとともに
ネバーランドに戻ってくると、氷が解けて船が動き出すという登場の仕方をし
ています。
彼はピーターによって、ネバーランドのとりこになっているのでしょうか?
裏設定がありそうなんですが、「お前は孤独だ」という言葉に負けて、
チクタク時計のワニに食われてしまう。
でもピーターだって孤独といえば、孤独でしょうにね。
いろいろ謎めいたキーワードがそこかしこに散りばめられているのですが、
どれひとつとしてきちんとした解答が示されていません。
それが原作を含めて、ピーター・パンのピーター・パンたるゆえんかもしれま
せんが。
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