「フォーン・ブース」DVD脚本レビュー

「フォーン・ブース」映画チラシ★映画基礎データー★
「フォーン・ブース」
2003年アメリカ映画
監督 ジョエル・シューマカー
脚本 ラリー・コーエン
出演 コリン・ファレル
               
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口先だけで世間を渡ってきた、スチュ・シェパード(コリン・ファレル)は、
鳴り響く公衆電話につい出てしまう。
しかし、電話の主はなぜかスチュの私生活を熟知している。
この通話中もライフルでスチュを狙い、言う通りにしないと殺すと脅迫する。

『9デイズ』のジョエル・シューマカー監督と、
『S.W.A.T.』のコリン・ファレル主演で贈るサスペンス「フォーンブース」です。
上映時間90分。ひとつのアイディアで成立し、ひとつの電話ボックスだけで
成立しているスター一人主演の映画です。

ラリー・コーエンのオリジナル脚本が映画化されたのですが、
この人、「続・荒野の七人」(66) 、「エル・コンドル」(70)の脚本家というから、
業界古株のライターであります。
なんでもテレビの「刑事コロンボ」のレギュラー脚本家だったとか。
その人の20年来の企画だったそうです。
ある男が町中で電話ボックスに閉じ込められてしまう。
ただそれだけの話を如何に面白く見せるか。
たまたまとった電話の相手に命を狙われるという取っ掛かり得た途端、
ストーリーは一気呵成にまとまり1週間のうちに脚本が書きあがったそうです。
この脚本の映画化にはジョエル・シューマカーの他にメル・ギブソン、ヒューズ兄弟、
マイケル・ベイ、ウィル・スミス、ジム・キャリーらが興味を示したといいます。
面白い脚本が如何に求められているかと言う証明でもあります。

冒頭、2分目で思ったのが「こりゃ都市伝説だな」と言う事でした。
ゾンビも超能力も出てきませんが、「トイレの花子さん」「口裂け女」の仲間である
と思いました。
“マンハッタンの片隅に取り残された電話ボックス。
明日には取り壊しが予定されているその電話ボックスに、最後の利用者が
近づいていた。“
とかなんとか、恐そうなナレーションだか、字幕だかが流れて、
都会の喧騒の中にほつねんとたたずむフォーン・ブースが、
クレーン撮影で登場する。

入ったが最後、出られない、逃げられない。

恐いぞ、恐ろしいぞおおおっ。

オープニングで宇宙空間の通信衛星からマンハッタン島へ、
そして電話の集積回路に至るCGが浮いてます。
通話の相手が嵌め込み画面でスクリーンに出てくるのは、
テレビっぽい演出で、低予算をテンポのよさでカバーしているようにも
見えます。カメラ四台を同時に回すマルチ撮影をやってます。
わずか12日間で撮り上げた作品だそうです。
ドラマの中で、時間が経過して見えないよう、
高層ビルに天幕を張ってライティングを調整して
朝から夕方までフルに撮影したなど、
映画的な仕掛けの大きなところもあります。
ほぼ物語の進行順に撮影されたそうで、確かに
前半から後半にかけて役者のテンションが上がっていく様子が
スクリーンから伝わってきます。

出てくる携帯電話は通話機能しかないらしく、
「g@me」に出てくる動画機能付きの日本の携帯よりはるかに
機能が落ちます。
そうかアメリカは、あの程度か。
おっと脱線。

ねたばれ改行です。

















さすがに電話ボックスだけではきつかったらしく、
全編九十分のうち、まんなかの四十五分あたりで中だるみしてます。
ライフル男の脅迫にどんどん主人公が追い詰められ、
緊張が頂点に達するあたりですが、
電話ボックスの天井にピストルが隠されていて、
犯人が「俺を殺せっ」などと吼えるあたりはさすがに苦しい…。

で、そばで見ている黒人デカのレイミー警部(フォレスト・ウィティンカー)が
スチュの行動に疑問を感じて、
スチュの方も警部に
脅迫されていることを、何とか伝えようと悪戦苦闘し始めるあたりから、
後半が再び盛り上がります。

自殺したピザ屋の店員でも行きずりの犯行で、
現代モノ怖さはあるのですが、
救急車でスチュが薬を打たれて朦朧とする意識の向こう側、
フォーン・ブースの向こうに乾いた高笑いを残して消えていく
キーファー・サザーランドは、
ブラック・ホールのように周囲の光を飲み込む
文字通り“ブラツク“な存在で、好き嫌いは分かれるでしょうが、
伝説にふさわしい幕切れではありました。


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