「ピンポン」映画製作裏話
★映画基礎データー★「ピンポン」 2000年 監督:曽利文彦 脚本:宮藤官九郎 主演:窪塚洋介 |
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本作は好きな方と嫌いな方とはっきり二分されたようです。
私自身はかなり気に入りました。
卓球に確信的な自信のあった片瀬高校1年生のペコ(窪塚洋介)は、
インターハイで敗戦を喫して挫折。
一方、幼なじみのスマイルは、コーチに素質を見出されて特訓を開始します。
小さい頃から仲の良かったふたりは違う道を歩み出すのですが……、という物語です。
「スマイルはカット中心の防御型プレイ」といった個別の設定があり、
キャラクターの設定に合わせて、"振りつけ"をやったそうです。
「窪塚洋介、顔も見るのも嫌い」という人にはあたまの15分で苦痛になるのではないですか。
ドラマのテーマも、"ペコはやっぱりヒーローだった"というところに行き着くので、
途中の経過があれこれあっても、最終的に窪塚ペコにノレルか、ノレないか、
で作品の評価が分かれてしまうと言えそうです。
掲示板を見て歩くと、予測されたことですが原作ファンは映画の点が辛い。
これはどの作品の場合も言えることですが、
二次元のヒーローを生身のタレントがやること自体に無理があるんですから、
仕方ないんだけど。
宮藤官九郎の脚本は良く書けてます。
官九郎さん自身原作のファンだそうで、
脚色依頼があった時、あっという間に初校を書き上げたそうですが、
それを決定稿までに半分に削ったそうです。
総ページ数の3分の一以上の削除は、
基本設定をいじったり、あらすじそのものを組み直さないと不可能な筈です。
これをやると大抵、別の話になってしまうか、ただの総集編になります。
でもちゃんとドラマになってましたからね。
松本大洋という漫画家のことは知りませんが、どうも前衛的な作家らしい。
とするとスポコンの定石をきちんと押さえて、
いま風の青春物のテーマも持ってこれるというのは、
なかなかに一筋縄では行かない曲者ですね。
こういう才能のある人の作品が今の邦画には必要だと思います。
曽利文彦監督はジェイムズ・キャメロンの下で「タイタニック」のCG制作をやっていたのだそうで、
「ピンポン」の企画も邦画でCGを見せるドラマということで選ばれた様です。
監督自身も原作ファンだそうですが、
はじめにCGありきだということなら、もっとつまらない映画になっていても仕方なかったんですが、
なかなかがんばっています。
ライティング、画面構成に気を使ってます。
CGをどう作りこむかより、CGをどんな素材に載せるかですね、ポイントは。
東宝なんかもゴジラや陰陽師でCG使ってますが、
ソフトで作り込んだ部分と、それ以外の背景との合成が雑で見てらんないです。
その辺、控え室の選手の背中に蝶の羽が開くシーンとか、
曽利監督の見せ方は上手いです。
ラリーで飛び交う玉がCGというだけでなく、
体育館の観客もロングのシーンはCGだそうですね。
ペコとドラゴンが卓球台を挟んでカメラが回り込むシーン等は、
CGも全画面動画になるので凄まじい作画作業量になるはずですが。
カメラは横移動するシーンとかは殆ど無くて、
縦に並んだ卓球台とか、固定でライティングなどで奥行きを見せる場面が綺麗。
狭いところでミニクレーン使って見せるところとか上手ですね。
ドラゴンとアクマのドア越しの会話、カメラ移動させながら追いかける。
ついドラゴンの顔を明るくしたりしがちですが、暗く沈めている。
狭い神社の境内も石段のわずかな高低さを使って上手く見せてます。
反対に魅力が無いのが自然光下の撮影。
湘南の海岸をあんなにベタに撮っちゃった人は珍しい。
江ノ島とかどーんと映ってますので、
わざと場所がわからないように見せているのではなくて、本当にへたっぴなんですね。
合成の達人監督、実はアウトドアの撮影下手ってのははっきりしすぎてますね。
「大人計画」のメンツを含め、
出演者の自分の役への"なりきり度"が確信犯の域にまで行って痛快でした。
中村獅童のドラゴン役はまってました。
あとチャイナのサム・リー。
典型的な2枚目のやられ役かと思っていたら、最後まで出てきますね。
冒頭の屋上のシーン、参りましたね。
出来る奴はピンポンの風を切る音で相手の力量を知るなんて、
剣豪小説みたいでかっちょよかったです。
あとキャプテン太田こと荒川良々、めちゃくちゃいいです。
あの外しっぷりはいちいち見事に笑わしていただきました。
最後の最後で月本に「声を掛けてください」と言われて、
涙するとこかなんか感動的でさえありました。
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