「崖の上のポニョ」
■作品基礎データ 「崖の上のポニョ」 2008年 日本映画 原作監督脚本:宮崎駿 声の出演:奈良柚莉愛 |
mixi(ミクシー)「独身社会人映画ファンコミュニティ」に入ろう!
海辺の小さな町。
崖の上の一軒家に住む5歳の少年・宗介(声:土井洋輝)は、
ある日、クラゲに乗って家出したさかなの子・ポニョ(声:奈良柚莉愛)と出会う。
ポニョがアタマをジャムの瓶に突っ込んで困っていたところを、宗介が助けたのだ。
宗介のことを好きになるポニョ。宗介もポニョを好きになる。
「ぼくが守ってあげるからね」
しかし、かつて人間を辞め、海の住人となった父・フジモト(声:所ジョージ)によって、
ポニョは海の中へと連れ戻されてしまう。
人間になりたい!
ポニョは、妹たちの力を借りて父の魔法を盗み出し、再び宗介のいる人間の世界を目指す。
危険な力を持つ生命の水がまき散らされた。
海はふくれあがり、嵐が巻き起こり、
妹たちは巨大な水魚に変身して、宗介のいる崖へ、大津波となって押し寄せる――。
“神経症と不安の時代”、この作品の企画で宮崎駿は、いまの時代をそのような言葉で
述べています。
崖の上の一軒家に住む5歳の少年宗介は、ある日、
クラゲに乗って家出したさかなの子ポニョに出会います。
この作品は、少年と少女、愛と責任、海と生命——神経症と不安の時代に、
宮崎駿がためらわずに描く「母と子」の物語です。
宮崎駿監督の4年ぶりの最新作となる本作品には、
監督が今もっとも信頼を寄せるメインスタッフが集結しました。
作画監督として「魔女の宅急便」以来の参加となる近藤勝也。
美術監督は、「もののけ姫」以来、第一線で活躍してきた吉田昇が、
どこか絵本を思わせる独特の画風で作品に優しさと新風を吹き込んでいます。
映像演出の奥井敦や長年タッグを組んできた色彩設計のベテラン保田道世が参加。
本作はCGによる表現を廃し、全て手で描くアニメーションに挑んでいます。
結果、どこか懐かしく、かつダイナミックな画面作りに成功。
なかでも宮崎監督がこだわったのが海と波の表現。
荒れた海を実際に観察して生まれた監督のイマジネーションは、
観客の想像をはるかに超えた世界を作り出しています。
ポニョと宗介の声を演じるのは、子役の奈良柚莉愛と土井洋輝。
その周りを、山口智子、長嶋一茂、天海祐希、所ジョージ、柊瑠美、矢野顕子、
吉行和子、奈良岡朋子など豪華で個性豊かなキャストが固めます。
音楽は久石譲。魂を揺さぶる感動的なスコアを書きおろしています。
主題歌は、昨年末の発表以来話題のユニット、藤岡藤巻と大橋のぞみ。
純粋無垢な子供の歌声と優しいお父さんの声で歌い上げます。
また、スイスを拠点に世界で活躍するソプラノ歌手林正子が、
オープニング主題歌でスケールの大きな歌唱を聴かせています。
鈴木 敏夫(すずき としお)
1948年生まれ。慶応大学文学部卒業後、徳間書店に入社。
雑誌「月刊アニメージュ」編集長を経て、
85年、スタジオジブリ設立に参加。数々のジブリ作品でプロデューサーを務める
宮崎駿監督が新作「崖の上のポニョ」を制作中であることが3月19日、
東宝から発表ています。
以下の鈴木氏の言葉は実は公開まで1年以上ある時点でのものですが、
「ポニョ」誕生のバックグラウンドを理解するうえで貴重な資料となりうるものです。
鈴木 宮さん(=宮崎監督)は、ありとあらゆるものを手に入れた人でしょ。
あとは、余生を静かに過ごしてもいいはずなのに、なぜ、また撮るのか。
実は僕もそばにいて不思議なくらいなんです。
新作について最初に会話したのは、
「ハウル」の制作が終わってすぐのころだったと思いますが、
そういう時って、僕も「まだやるんですか」とは聞きません。
何を言わなくても、次を作るという前提があるから。
その際、僕が「『ハウル』で個人的に面白いと思ったのは、
ソフィー、マルクル、カルシファーのやりとり。
児童向けとして素晴らしい場面になったと思う。
「今度は子供向けでどうですか」と言ったら、宮さんがはたと膝を打った。
「題材は何がいいですかね」と聞いてきたので、
「『いやいやえん』(作/中川李枝子、絵/大村百合子の絵本)でしょうか」
なんて答えたりしていました。
その後、「ハウル」が公開された日に、
瀬戸内海のとある町にジブリで社員旅行に行ったんです。
そこは、友人が町並みの保存に尽力している町で、
以前から「一度来てほしい」と言われていました。
じゃあ皆で行ってみようかということになって、宮さんに相談したのですが、
最初はほとんど関心を示さなかった。
ところが、いざ訪ねてみたら、すっかり気に入ってしまったんです。
特に、宿泊に使った海の見える崖の上の建物がよかったみたいで、
このあたりから「海」とか「崖の上」というキーワードが出てきた。
「崖の上のいやいやえん」なんてタイトルを口にしていた時期もありましたね。
これについては、原作者の中川さんとたまたまお会いした際に話して、
別々の作品としてあった方がいいということになりましたが。
実は宮さんは、海を舞台にした作品がずっとやりたかったんです。
だけど、水をアニメーションで表現するのは、
火と並んで非常にむずかしいと言われている。これをどうやって表現するか。
これまでの宮崎作品は、キャラクターを細かく動かして、
緻密に背景を描くことに力を入れてきた。
ところが、そういう緻密な手法はどこかで限界に達しているとも感じていました。
もちろん、昨今の時流で言えばCGを使って描くという選択肢もありますが、
今回はそれをやめて、
手描きでアニメーションならではの表現を追及できないかと考え始めたんです。
驚いたことに宮さんは、まるで子供が描いたように大胆な絵を描き、
「この方法で長編を作れないだろうか」と言い出しました。
これまでの宮崎作品と、絵が持っている肌合いがあまりに違うので、
僕は期待と不安でドキドキしました。
この前、ラッシュを見ましたが、
その時も「これが長編になったらどうなるのか」と思いました。
こんな経験は初めてです。
もったいぶっているわけじゃなくて、本当にどうなるか分からないんですよ。
絵コンテは4分の3ぐらいまで出来上がりましたが、
まだ結末が分からない分、心配も多い。
主人公の宗介は5歳という設定です。
宮さんにとって、子どもといえば5歳ぐらいなんですね。
「となりのトトロ」のメイもそのくらいだったでしょう。
それに、心のどこかで「ゲド戦記」のことが引っかかっていたのかも知れない。
というのも、宗介の設定が自分の息子とだぶってきているようなんです。
「お父さんはいつも仕事で家にいない」とかね。
最初はそんなつもりなかったでしょうけど。
息子が監督すると知った時は、
自分の人生に対する嫌がらせだと感じたかも知れませんが、
やっぱりどこかで気になっていたのでしょう。
これは僕の推測ですが、宮さんはひょっとしたら
「吾朗がアニメーションを作ると言い出した責任は自分にあるんじゃないか」
と感じている可能性があると思います。
お客さんが見てくれる間は作り続けたいというのが、宮さんの素直な気持ちだと思います。
一人で勝手に作って墓場に持っていけばいいという人ではなく、
常に「お客さんは今、何を見たがっているのだろう」と考え続けている人ですから、
見続けてもらうためには、これまでと同じではいけないと分かっているんです。
だから、お客さんのために、自分の作り方と、もう一度根本から向き合っている。
あえて言えば、それが「ポニョ」で挑戦していることでしょう。
『ハウルの動く城』完成の後、
しばらく宮崎監督が構想を練っていたものを、
ジブリスタッフを伴っての制作が2006年10月に始まっています。
元々は今まで通りの表現手法で作る予定であったのですが、
制作前にイギリスのテート・ブリテンで鑑賞したジョン・エヴァレット・ミレーの絵画、
「オフィーリア」に感銘を受け、改めて作画方法について見直すことになります。
その後、宮崎監督が
「紙に描いて動かすのがアニメーションの根源。そこに戻ろうと思う。
もう一遍、自分たちでオールを漕ぎ、風に帆を上げて海を渡る。とにかく鉛筆で描く」
という意向を固め、コンピューター(CG)を一切使わず、
手書きによって作画される事となりました(但し作画以降の彩色・撮影はデジタル)。
コンテを使うなど、絵のタッチは子供が書いたような素朴なものになっています。
これまでのジブリと違った、
新しい試みになっているとプロデューサーの鈴木敏夫は話していて。
特に、海(波)の描写に力を入れているという。
前述のインタビューにもあるとおり、
海を舞台にした作品は、宮崎監督がいつか描きたいと長年夢見てきたが、
「波を描くのが大変」という理由で、今まで踏み切れずにいました。
それが実現することになり、
準備として2005年の春に2ヶ月間滞在した瀬戸内海・福山市鞆の浦の海に隣した
知人の家に、2006年夏、単身でこもっています。
本作の構想もこの時に練り、
自身を極限に追いつめる鬼気迫った姿がNHKで放送されています。
主題歌は公開よりも半年以上も前となる2007年12月5日に
異例の先行発売となりました。
8歳の子役大橋のぞみと、二人のおじさんこと藤岡藤巻とが歌う。
曲は久石譲の作曲。
2007年12月の主題歌発表会見では、海を描くのが大変で、
制作がだいぶ遅れていると言い、宮崎監督も不機嫌でありました。
しかし、主題歌を聞いて
「のぞみちゃんの無垢なるものの力に打ちのめされました(笑)」と
顔をほころばせたそうです。
宮崎監督は「この曲がエンディングで流れて、
気持ちにギャップが生まれないようなハッピーエンドを描く責任がある」と
決意を滲ませました。
そして2008年7月19日…
以下はネタバレとなるのでmixi独身映画ファンコミュニティ
http://mixi.jp/view_community.pl?id=1299114
にて「崖の上のポニョ」の頁をご覧下さい。
トップページ(映画製作裏話、映画と原作比較レビュー)戻る。