「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」DVD脚本レビュー

「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」映画チラシ★映画基礎データー★
「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」
2005年 アメリカ映画
監督 ジョン・マッデン    
脚本 デヴィッド・オーバーン レベッカ・ミラー
出演 グウィネス・パルトロウ

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彼女の誕生日に父が死ぬ前に買ってくれた1本のシャンパン。
一人でそのシャンパンをボトルから直接飲みながら、
キャサリン(グウィネス・パルトロウ)は26歳の誕生日を迎えた。
彼女は生きる気力を失っていた。
シカゴ大学で教鞭をとり、
天才数学者と讃えられた父ロバート(アンソニー・ホプキンス)が、
1週間前に亡くなったのだ。
キャサリンは精神のバランスを崩した父を入院させず、
たった一人で看病したが、研究を再開してほしいという願いは叶うことはなかった。  
思い出の中に引きこもるキャサリンの心を、
ためらいがちにノックしたのは数学者のハル(ジェイク・ギレンホール)だった。
ハルはロバートのかつての教え子で、
輝かしい研究が埋もれているのではないかと、遺されたノートを調べているのだ。
ハルはまた、研究室でキャサリンをひと目見たときから、ほのかな想いを寄せていた。

父の葬儀に出席するために、キャサリンの姉クレア(ホープ・デイヴィス)が
ニューヨークからやって来た。
通貨アナリストとして第一線で働くクレアは、
父を妹に任せてシカゴに寄り付かなかったが、経済的援助だけは果たしていた。
まるでビジネスをこなすように、キャサリンの朝食を準備し、喪服を買い与え、
参列者の食事の手配までテキパキとこなすクレア。
キャサリンにはそんなクレアが、言葉の通じない異星人のように見えるのだった。
おまけにどうやらクレアは、
父の病がキャサリンに遺伝していると疑っているらしい。   

シカゴ大学の荘厳なチャペルで、ロバートの追悼式が行われている。
教授のスピーチが終わると、突然立ち上がったキャサリンが演壇へ向かう。
彼女は予定外の出来事に息をのむ人々を見渡した。
父が発病して5年、目の前にいる友人、教え子、誰一人助けてはくれなかった。
天才と讃えられた父がどんどん壊れていくのを私だけが見ていた
──こみあげる怒りと悲しみに身を任せ、キャサリンは父の最期の日々を語り始めた。
葬儀の後、故人の家はパーティ会場と化した。
誰もが死者を悼むよりも人生の儚さを賑やかに吹き飛ばしたがっていた。
傷ついた心を抱えた自分を優しく見守ってくれるハルに、
少しずつ心を開き始めたキャサリンは、その夜、ハルと恋におちた。  

 ひどく久しぶりの、喜びに満ちた朝の空を見上げるキャサリン。
少し恥ずかしそうなハルに、キャサリンは首から提げた1本の鍵を差し出す。
それはロバートの書斎のデスクの鍵だった。
ハルと入れ違いに起きてきたクレアが、キャサリンの幸せな気分を台無しにする。
大学が家を買ってくれるから、今すぐニューヨークへ引っ越そうというのだ。
言い争う二人の元へ、興奮のあまり声を震わせたハルが1冊のノートを手に現れる。
そのノートには、名だたる数学者がずっと昔から挑戦しているにもかかわらず、
誰も成し遂げられなかった定理の証明が記されていたのだ。
ロバートは狂ってなどいなかった! 
世紀の発見に目を輝かせるハルに、キャサリンは静かに宣言する。
「その論証を書いたのは私よ」  
その一言が、自分の人生を大きく揺り動かすとも知らずに……。

ピュリッツァー賞、トニー賞を始めとする数々の権威ある賞に輝き、
マンハッタン、ブロードウェイ、ロンドン、
そして日本でも上演された舞台「プルーフ “証明”」の映画化作品だそうです。
ばりばりのストレート・プレイ(セリフ劇)をそのまんまカメラで撮った
印象です。
疲れている時に見ると、冒頭10分で熟睡できます。笑
映画の掲示板に「邦題はひどいね」という書き込みがあり、
注意してオープニングを見てますと、「proof」と出てきますので、
「プルーフ・オブ・マイライフ」というのは日本の配給会社でつけた、
カタカナ・タイトルなんだな、と改めて気が付きました。
そういう例は特に珍しくも無いんでしょうけど、
なんとなく英語タイトルだとみんなオリジナルと一緒だと思ってしまう。汗

若いヒロインの心情劇です。
ほそっこいグウィネス・パルトロウが眉間に立てじわを寄せて、神経質に
最初から最後までうだうだやってる。
“恋人や奥さんがこういう人だと、男は逃げるぜー”を絵に描いたような
主人公でので、デートムービーにはまったく向きません。
ポスターを見ますと、甘いラブストーリーと誤解しそうですが、とんでもないです。
一緒に見た彼女が、キャサリンに感情移入して、
男の方がいびきかいて寝てしまおうものなら、そのカップルは破局するであろー。

監督ジョン・マッデンは『恋におちたシェイクスピア (1998)』で
アカデミー賞の監督賞にノミネートされて、グウィネス・パウトロはそのとき主演女優です。
ジョン・マッデン監督としたら
今度こそ自分もオスカーを獲得したいという意気込みで
この映画のメガホンを取ってますね。
配給のミラマックス社も 2005 年アカデミー賞をターゲットに、やる気満々。
米国では本作はクリスマス・イヴ封切という最高の栄誉を与えられていました。

デヴィッド・オーバーンの書いた同名の戯曲「Proof」を、
デヴィッド・オーバーン自身とレベッカ・ミラーが脚色してます。
デヴィッド・オーバーンは 2000 年に「 Proof 」を執筆し、
83 ページのペーパーバックの本としても米国・英国・カナダで出版されています。
グウィネス・パウトロは、ロンドンのウエスト・エンドのステージで同じ役を
演じているそうです。
ですから、役のなりきり度は半端ではないですが、
なんかこう、役の組み立てが、他のキャストが映画の芝居をしてるのに、
一人で舞台しているように見えなくも無いです。
むうう、難しいですね、もともとそういう、周囲から浮いているヒロインですし。

アンソニー・ホプキンスの老けっぷりに驚かされます。
これではレクター博士は二度と務まらんワイと思っていたら、
役作りのためにかなり太ったようですね。
体格からして改造している。
歳なのだから、あまり無茶せん方が良いです。
芝居は相変わらず臭いですが、
天才とボケ老人紙一重という役柄ですので、あれで良いのでしょう。

数学の定理を誰が証明したのか?が謎になっていて、
最後までドラマの緊張感を維持していますが、
いったいどういう類の証明なのか、手がかりは作品中に示されません。
示されたところで最新の高等数学が一般の映画演劇ファンに理解できるものでは、
無いでしょうが。
大学に席を置く数学者の世界がこの中に描かれたもののようなものなのか、
よく分かりませんが、ドラマの関心事はあくまで父と娘の関係ですし、
娘自身の自分探しです。
心の内なるテーマを余計なものを少し不親切なくらい徹底的に排除して、
作品を作り上げた姿勢は立派です。
ただ、映画的な躍動感までなくなってしまっているように感じられ、
何故これをスクリーンで見る必要があるんだろうかと考えてしまったことも確かです。
暗いところで、じっくり見入ることがベストな鑑賞法である作品であることは、
間違いないんですが。


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