「パブリック・エネミーズ」

「パブリック・エネミーズ」映画チラシ■作品基礎データ
「パブリック・エネミーズ」
2009年アメリカ映画
原題:Public Enemies
監督:マイケル・マン
原作:ブライアン・バーロウ
脚本:ロナン・ベネット マイケル・マン アン・ビダーマン
出演:ジョニー・デップ クリスチャン・ベイル マリオン・コティヤール

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大恐慌時代の伝説的なアウトローであり、
FBI史上初の「社会の敵ナンバー1(Public Enemy Number One)」に指定された
犯罪者ジョン・デリンジャーを、同じイニシャル(J・D)を持つジョニー・デップが
演じる、実話に基づく物語。北米では7月1日(水)に全米で公開され、
5日間で40,141,080ドルという絶好のスタートを切った。

警察をあざ笑うかのような鮮やかな犯罪の手口や、
「汚れた金しか奪わない」「仲間は絶対に裏切らない」「裏切り者は絶対に許さない」
「愛した女は最後まで守る」などといった独特の倫理観に基づく行動と高いカリスマ性で、
銀行強盗でありながらアメリカ市民のヒーローとして今なお語り継がれる伝説の男・デリ
ンジャーを、男の美学を追及する『ヒート』『コラテラル』の巨匠マイケル・マンが描く。
競演には、洗練された立ち振る舞いで「FBIのクラーク・ゲーブル」と呼ばれ、
デリンジャー逮捕に奔走するメルヴィン・パーヴィス捜査官をクリスチャン・ベイルが
演じる他、デリンジャーを愛し、その後の彼の人生の方向を決定付ける重要な女性、
ビリー・フレシェットをオスカー女優であるマリオン・コティヤールが演じる。


今、何故デリンジャーか?
という問い掛けに作品は答えているのでしょうか。
マイケル・マン監督による「これはラブストーリー」だそうですけど、
なら別に銀行ギャングが主人公である必要性はないはず。
ジョニー・デップは「シークレット・ウィンドウ」以来の白塗り無しの演技です。
ジョニー・デップのインタビューによると撮影は
実際にデリンジャーが脱獄した刑務所などで行われるなど、
結構リアリティにこだわりのあるもののようです。
過去の事件が舞台ですけどノスタルジーたっぷりな華やかな印象はなく、
この作品と比べニューシネマの「スティング」「俺達に明日はない」のほうがよほど楽天的です。
地味ということでなく堅実。

ヒロインが登場。華やかな美人だけど、
実はインディアンとプア・ホワイト(貧しい白人)のハーフで居留地育ち。
その素性が明らかになるところでデリンジャーも恵まれない階層の出であることを告白しています。
つまり、この話は日の当たらない場所に生きる人々のドラマということなのだけど、
でもデリンジャーが庶民のヒーローだったということは、
マスコミなどを通じて間接的に描かれているだけなので、
彼が逮捕されて護送されるシーンで車窓ごしに見える沿道の人々が嘆いているのか
嘲笑しているのか判然としなかったです。
(嘲笑ということはないでしょうが)
シンジケートを味方にし、時代が変わり逆にギャング達に疎まれ追い詰められて行く様子は
丁寧に描かれているのですけど、でも絶頂期、彼が何が望みで銀行ギャングをしていたのかが、
よく分かりません。
社会に対する反抗心はあっても、テロリストではないし、愉快犯でもない。
共に仕事をする強盗仲間がいて、仲間に対する義理人情は厚い奴ですけど、
やくざのように一家のために否応なしに抗争に巻き込まれるのとも違う。
本人が「辞めた」と言えば、それで仕舞いのはずだから。
そうでもないか?
嫌々続けられるようなものじゃないでしょう?
第一、嫌々という感じには見えなかった。
彼女に「仕事は?」と聞かれ、ぬけぬけと「銀行強盗」と名乗ってジョークだと思われますが、
映画の出来の良し悪るし以前に、空き巣やスリと違い職業人としての銀行強盗というのが、
日本ではあり得ないのでデリンジャーの心の底がやっぱり見えてこない、
感情移入する下地がないのかな、とも思います。

デリンジャーが活躍した当時もビックリのリーマン・ショック以降の今の大不況下のアメリカで、
こうした作品が企画されるというのは何か有るのだろうとは感じますが。

撮影中のマン監督。
米脚本家協会のストライキの影響で身体が空いたデップを大急ぎで口説いて、
本作の製作を開始した。マン監督のインタビューは次の通り

――この映画を作りたいと思った理由は?
「この映画は、僕にとって非常に特別な作品だ。もっとも僕は特別に感じるものしか作ら
ないんだけどね。ジョン・デリンジャーは、当時、アメリカで大統領の次に有名な男だっ
たんだよ。彼はアウトローで、伝説的ヒーローだった。彼は銀行強盗だが、美徳や勇気を
持ち続けていた魅力的な人物だったんだ」

――この映画は実際に起きた話を描くものですが、どこまでが事実に忠実で、どれほど
フィクションの要素が入っているのでしょうか?
「できるかぎり、史実に忠実に作ったよ。出来事をふくらませたり、場所を事実と違うと
ころに変えたような部分もあるけれど。でなければ上映時間がとてつもなく長くなって
しまう。あるいは歴史番組みたいになってしまうだろう。だが、まさにそれが起こった
場所で撮ったシーンも多い。クラウン・ポイントの刑務所のシーンも、同じ場所で撮った。
74年に閉鎖されてから放置されていたのを、僕らが再建したんだよ。デリンジャーが死ぬ
場所もそうだ。彼は、映画に出てくるあの場所で死んだ」

――シカゴという街に、あなたは思い入れがあるようですね?
「僕にとっては近所だからね。僕はあそこで育ったんだよ。もちろん30年代に育っては
いないけど。僕は43年生まれだからね。でも、29年から39年くらいまでは大恐慌、
その後46年までは戦争のせいで、シカゴには新しい建物ができなかった。だから、街の
風景は30年代初めからほとんど変わっていないんだ。この物語の舞台となる33年、
僕の母は17歳だった。そんなことも思うと、僕はその当時のシカゴに、とても強いものを
感じる」

――あなたはこの映画をフィルムではなくデジタルで撮っています。その理由は?
「僕はまず、フィルムとデジタルの両方を試してみた。雨の日のロサンゼルスで、黒い車
と人を撮ってみたんだ。フィルムのほうは、古い映画みたいに見えた。まるで過去の話を
見ているみたいに。でもデジタルのほうは、きょう起こったことのように見えたんだ。
僕は、それを求めていた。これを手がけると決めた時、僕は、この話を自分はどんなふう
に語りたいのかと自問自答した。そして、観客を、まっただなかに連れて行きたいという
答を出したんだ。外から、他人事のように見るのではなく、内側から感じてほしかったん
だよ。デジタルを使うことで、見る人は、自分も33年にいるように感じるはずだ」

――ビジュアル面で、参考にした映画や絵画はありますか?
「ほとんど自分で創造したが、いくつかエドワード・ホッパーからインスピレーションを
得た部分もある。画面を分割して、それぞれの部分で違うことが起こっているような
シーンがそれだ。オマージュを捧げた、と言えば聞こえがいいけれど、真似した、と
言ったほうが真実に近いね(笑)」

ジョニー・デップに実在の犯罪者ジョン・デリンジャーを演じるきっかけ、役作り、
共演者などについて語ってもらった。
Q:ジョン・デリンジャーを演じたいと思った理由は?
J:9歳か10歳の頃、ジョン・デリンジャーに憧れていた。理由はわからないし、
それが健全なことだったかもわからない。きっと、彼の輝く瞳に魅せられたんだろうな。
いたずら好きに見えたし、彼を取り巻く謎は無数にあった。役者として言えば、「社会の敵」
と呼ばれたデリンジャーを演じるのは魅力的な挑戦だった。実際、デリンジャーが
「社会の敵」であったことは、一度もなかったんだ。
Q:我々はなぜデリンジャーに惹かれるのでしょう?
J:1933年の当時は今と違い、銀行こそが敵だった。人々の生活は銀行に奪い取られ、
銀行を敵視するようになった。そんなとき、若気の至りで起こした無知な泥酔事件で、
10年の刑務所暮らしをつとめたジョン・デリンジャーが現れた。彼は最高のタイミングで
最高の舞台に立ち、こう言うんだ。「もう十分だ。相手が誰であろうと、オレはもう我慢で
きない」ってね。
Q:『スウィーニー・トッド フリート街の悪夢の理髪師』に続き、『パブリック・エネミー
ズ』でも歌声を披露していますね。ミュージシャンとしてのキャリアには興味が?
J:『パブリック・エネミーズ』の時は、もう少しでダンスにも手を出すところだったよ。
歌にはあまり興味がない。『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』の時は
スクリーンの中で歌ったが、それは他に選択肢がなかったからだ。
『パブリック・エネミーズ』でも歌ったことは覚えているけれど、そのシーンが使われる
とは思わなかった。作品をまだ見てないんでね。だけど正直言って、自分の専門分野から
は足を踏み外さないほうが良いと思う。
Q:役作りはどうやって?
J:ウォーレン・オーツが演じたデリンジャーを見た。確かな部分もあったけれど、さらに
肉付けできると感じた。この作品が70年代にできてから、デリンジャーに関する記録は
増えた。中には、デリンジャー自身が書いたものもある。今は彼に関する情報も多いし、
彼の様々な側面を取り入れられると思った。演じるキャラクターを味付けしたいと思った
んだ。
Q:スティーヴン・グレアムとの共演はいかがでしたか?
J:彼と僕はいがみ合っていたよ。しょっちゅうケンカしてたしね!なんて言うのは冗談。
彼は素晴らしい俳優だ。歴史上の俳優の中でも、最高の一人に入ると思う。
『THIS IS ENGLAND』の彼の演技には、完全に打ちのめされたよ。とにかく素晴らしい
俳優で、僕がこれから出演する全部の作品に出てもらいたいぐらいさ!
Q:実在の人物を映画で演じることが多いですね。次は誰を演じたいですか?
J:キャロル・チャニング(伝説的な女性アメリカ人歌手/女優)。
僕はキャロル・チャニングが大好きなんだ。デジタル時代では、何でも出来るんだよ。
たとえ12歳の少女の役だって演じられる。
Q:ジョン・デリンジャーには、どうやってなりきったのですか?
J:彼を演じる責任は重い。実在した人間に対する責任と、彼らが遺した遺産に対しての
責任があるんだ。
デリンジャーの場合は、情報が山のようにある。銀行を襲撃した時の彼の立ち位置も分か
っている。だが、彼の本当の姿とは大きな差があるんだ。彼の映像や写真はあるが、
彼の声が聞けるものはない。わかっているのは、彼の態度だけ。彼がどんな人間で、
どうやって話したのかは、自分で考えなければならなかった。
僕が見つけた彼との共通点は、生まれ故郷だった。彼はインディアナ州で生まれ、
僕の生まれ故郷から2時間しか離れていないムーアスビルで育った。これを知ったとき、
「彼の声が聞こえる」と感じた。彼は、昼間はバスの運転手をしながら、夜は密造酒を
作っていた僕の祖父であり、ステイトヴィル刑務所に収監されていた僕の継父だった。
彼はその時代の声だったんだ。

デップ扮する伝説の男ジョン・デリンジャー。マン監督の代表作「ヒート」の銀行強盗
ニール(デ・ニーロ)を思い起こさせる
――あなたは子供の頃からジョン・デリンジャーに魅了されていたそうですね?
「そうなんだ。9歳か10歳の頃から、僕は彼にすごくあこがれていた。なぜかと聞かれて
もわからないけれどね。チャーリー・チャップリンやバスター・キートンなど、僕にとっ
てのアイドルはほかにもいたけれど、ジョン・デリンジャーも間違いなくそのひとりだっ
た。だから、彼についてはいろいろ読んでいて、よく知っていたよ」

――この映画をやることになって、どんな役作りをしたのですか?
「彼についてあらためて大量のリサーチをした。実在の人物を演じる上でやるべきことは、
その人についてできるかぎりの情報を集め、吸収することだからね。ある段階で、それら
を全部手放さなければいけなくなるんだけど。今回、最大のひらめきは、彼が育った場所
が僕の祖父のいた場所とほとんど同じだと気づいた時に訪れた。デリンジャーはインディ
アナ州に生まれ、ケンタッキー州のオーウェンズボロで育った。オハイオ川の向こう側だ。
僕の祖父も、1933年頃、同じような場所にいたんだよ。それに祖父も、何か問題があれば
自分で出て行って解決するような男だった。だから、撮影中は、よく祖父のことを思った
ね」
――ジョン・デリンジャーは連続銀行強盗犯ですが、悪人ではなかったと、あなたは信じ
ますか?
「もしも、ジョン・デリンジャーになるか、J・エドガー・フーバー(デリンジャー逮捕に
執念を燃やしたFBIの前身DOIの長官)になるかどちらかを選べと言われたら、僕は迷い
もなくデリンジャーを選ぶね。フーバーは、とてつもなく危険な男だった。デリンジャー
は、僕らと同じ。自分の人生をできる範囲で良くしたいと願っていただけ。腐った環境を
与えられたが、その中で最善を尽くそうとしていたんだ」

――この映画のシーンの多くは、実際にそれらの出来事が起きた、同じ場所で撮影されま
した。それは、演じる上でプラスになりましたか?
「素晴らしかったよ。それが実現したのも、すべてマイケル・マン監督のおかげ。彼は史
実とディテールに非常にこだわる人なので、重要なシーンをスタジオ内に建設されたセッ
トで撮影するようなことは、どうしても避けたかったんだ。そのために多くの努力を尽く
してくれた。もし、スタジオで撮影していたら、この映画はやや薄まった感じがするもの
になっていただろうと思う」
――共演のクリスチャン・ベイルとは、子供の話をよくしたということですが。
「僕らはどちらもおしゃべりなタイプではないので、話題はよく『君の家族はどうしてい
る? お子さんは?』ということになったのさ。僕が見るからに、彼はすばらしい父親だ。
そして、それこそ男が最も望むべきもの。もちろん彼は俳優としても優れている。
人としても…


以下はネタバレとなるのでmixi独身映画ファンコミュニティ
http://mixi.jp/view_community.pl?id=1299114
にて『パブリック・エネミーズ』の頁をご覧下さい。



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