「バイオハザード II アポカリプス」映画製作裏話
「バイオハザード II アポカリプス」 2004年 カナダ、イギリス映画 監督 アレクサンダー・ウィット 脚本 ポール・W・S・アンダーソン 出演 ミラ・ジョヴォヴィッチ |
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「バイオハザード II アポカリプス」の紹介は前作「バイオハザード」のあらすじから行きます。
新作もセリフをしゃべる場面より、
銃撃戦の方が多いくらいなので、一作目を未見でも分かることは分かりますが、
お金を払ってビデオを見るなら、
隅々まで味わえた方が得というものです。
※※※
ラクーンシティの地下深く隠されたアンブレラ社の巨大研究所“ハイブ”。
密かに開発中の“T-ウィルス”が、漏洩される。
汚染被害を最小限に抑えるため、コンピューターが出口を封鎖。
研究員たちは、逃げ場を失った。
一方、ハイブの入り口となっている古い洋館。
眠っていたアリス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)とマット(エリック・メビウス)は、
アンブレラ社が事態収拾のために派遣した特殊部隊に捕らえられる。
アンブレラ社が機密保持のため散布した神経ガスに記憶を奪われた二人は、
自分の正体さえ分からない。
特殊部隊は二人を連れて、反逆するコンピューターを停止するため、
未知のウィルスが蔓延するハイブへ潜入。
潜入の途上で記憶を取り戻すアリス。
蘇る忌まわしい記憶の断片で、
アンブレラ社を倒すため、T-ウィルスを盗もうとしていたことを思い出す。
マットもアリス同様、アンブレラ社の研究を暴こうとしていたのだ。
悪戦苦闘の末、ハイブのセキュリティー解除に成功。
が、死んだはずの研究員たちがT-ウィルスによって生きる屍“アンデッド”となって襲来。
おびただしいアンデッドの群れと闘いながら、
ハイブの出口が封鎖されるまでに脱出することに。
壮絶な闘いを終え、アリスとマットの二人だけが生き残る。
喜びもつかの間、今度は白衣を着た男たちに取り押さえられてしまう。
マットは『ネメシス計画に、使える』という言葉と共に連れ去られ、アリスも意識を失う。
病院で目覚めたアリスは、本能のまま逃げ出すが、目にしたのは、荒れ果てたラクーンシティだった。
で、ここからが新作のあらすじです。
目を覚ましたアリスは、
停職中の特殊部隊員ジル(シエンナ・ギロリー「タイムマシン」)達とともに
ウィルスの蔓延で<死の都市>と化しつつあるラクーンシティから、脱出しようと試みる。
容赦なく猛攻撃をしかけてくる貪欲なアンデッド達。
そして巨大企業アンブレラ社は警察・軍と結託しシティと外の世界の
すべての出入り口を封鎖していた。
窮地に追い込まれるアリス達。
そんな中、街を荒廃させた元凶“T-ウィルス”の開発者
アシュフォード博士(ジャレッド・ハリス)の存在を知る。
アシュフォード博士は、アリス達が自分の娘を救出することを条件に、
ラクーンシティからの脱出を約束するが、
アンブレラ社は“事実”を隠蔽するために、核兵器で街全体の消滅を計る。
残された時間は4時間―。
さらにバイオ兵器・暗殺者ネメシスが放たれアリス達の行く手を阻む。
一作目は東ドイツでロケが行われ、二作目はカナダのトロントでロケが行われたそうですね。
アリスが使用するガンの種類などに西側ともと東側でびみょーな趣味の差が出ているとか聞きますが、ガンマニア以外はほとんど分からない。苦笑。
一作目のハイブの抗争それ自体が、映画のオリジナルですし、
アリスというヒロインも映画用に創作されたものですので、
シリーズ第一弾というより、
シリーズをネタに後日談ならぬ“前日談”として新作を作ったものと見たほうがすっきりするようです。
ゲームのキャラで出てくるのは、ケロベロス等クリーチャーに限られます。
面白いこだわり方なんだけど…。
さてさて、一作目から見ますと二作目は、
ゲームでも主戦場なっているラクーンシティが舞台ですし、
ジルやネメシスといったゲーム人気キャラが登場してますので、こちらの方が
正編と捉える方がゲームファンには入りやすいかも。
時間が限定されていて、残弾数を気にしながら
アンデッドの群れの中を走り回るというのはゲームで確立され、
映画でも生かされている共通する世界観であります。
(というか、そこを使わなきゃ「バイオハザード」にならない。)
アンブレラ社という国際バイオ企業が秘密裏に開発中の化学兵器がハザードを起こして、
ラクーンシティと周辺が生物汚染される。
市内に取り残された主人公、あるいは外部から潜入した主人公たち武装グループが、汚染によりゾンビ化した市民あるいは兵士と戦いながら逃走する、
というコンセプトでのべ四十タイトルに及ぶゲームソフトと二本の映画が作られているのですが、
メーリングリストの中でも議論したとおり、
アンブレラ社の兵器開発そのものの計画性が行き当たりばったりのようにも感じられます。
制御不能の掃討用毒物を広域散布する化学兵器は実用に適さず、
ネメシスのような無敵兵士を開発するために作られていたウィルスが
途中で不慮の事故により
(実は事故に見せかけた開発妨害で)ハザードを起こしたと仮定するのが順当のようですが、
例えばベストセラー作家ジョン・グリシャムがジュリア・ロバーツために書き下ろした小説の映画化「ペリカン文章」などで語られているように、
バイオ兵器そのものの概念が変貌しているので、
アンブレラ社の計画はよく言えば「筋肉本位の質実剛健な」計画ではあります。
(「ペリカン文章」では、渡り鳥=ペリカンを使って敵国の内陸深く一代限りの細菌…動物には無害ながら穀物を根絶させる力を持つ穀物細菌をばら撒き、穀倉地帯を壊滅させるというバイオ兵器が登場する。敵国は何が起きたのか分からぬうちに経済基盤を崩壊させられてしまう。)
うーむ、これではT−ウィルスが馬鹿丸出しになるので多少弁護しますと、
アンブレラ社の計画は当面の前線突破のための戦術兵器の開発であり、
ペリカン文章の方は、敵国での反体制社会運動の惹起等、戦闘以前の戦略兵器の開発と考えた方が双方の位置づけが出来そうです。
姿を見せない、正体を知られない、のがバイオ兵器の最大の利点なのに、
それを放棄したところで兵器開発を試みるというのは、かなりの無駄投資のように
思えるのですが、
まあ、それを言ってはゲームにならないので、ここいら辺は目のつぶりどころですか?
(なんか猛烈にゲームファンの怒りを掻き立てそうな文章になっている)
脚本構成がごたごたしていて分かりにくいのですが、
ドラマの冒頭で、一作目でハイブに封鎖したはずのT−ウィルスを
アンブレラ社の研究員たちが解放してしまっています。
画面から判断する限り、封印破りはあくまで偶発事故のようです。
で、T−ウィルスの市内への蔓延によるパニックをアンブレラ社の現場責任者は、
生体実験の好機と判断するというとんでもない行為に走ります。
一方的に機密保持のために市内を掃討する話でもいいはずなんだけど、
アリスの姿を見つけたケイン少佐(トーマス・クレッチマン)が
ネメシス投入を決定するにいたって話がパンクしています。
なんかこう、「エイリアン」シリーズでユタニ社がエイリアン確保に
しつこくこだわるのに雰囲気が似てますけどね。
映画のエンディングでアンブレラ社の社名ロゴがマーキングされた人工衛星が、
出てきて衛星放送のCMを流したりと(あ、こりゃ、ねたばれか)
超多国籍巨大企業をイメージされるのですが、
その割には、やってることが雑で乱暴すぎる。トップは何を考えているんだ?
まあ、もともとが007のスペクターか、
009のブラックゴーストのような組織で、
表の顔としてハイテク企業を名乗っているとでも解釈しないと、
理屈に合わないです。
目指すは、世界制覇か?地球征服か? 爆笑
ジル・バレンタイン役のシエンナ・ギロリーは、ゲームファンが泣いて喜びそうなほど、
ゲームのヒロイン、ジルにそっくりで派手派手なガンプレイを披露してくれますが、
ハリウッドデビューは「タイムマシン」(02)でガイ・ピアースのフィアンセ役です。
すぐ死んでしまうのですが、あまりにキャラクターが違うので同一人とはにわかに気が付きがたいです。03年には「ラブ・アクチュアリー」にも出演していますが、ええとなんの役だったけかな?
キャラがアリスと被っているため、
冒頭の登場こそ目立ちますが、後半に向かうほど影が薄くなり、
ラストには「こいつまだ生きていたのか?」状態です。
スタイルはかっこいいんですが、四白眼演技で鬼気迫るミラ・ジョヴォヴィッチと比べると
いかにも平凡で、違いはヘビースモーカーであることくらい?
それにしても彼女の字幕がバレンタインとなっていたのは何故でしょう?
ゲームファンには確実にジルの名の方で記憶されているはずなのに。
鬼気迫るミラですが、
劇中では「マラカトゥ」という格闘技ダンスからイメージされた殺陣を披露し、
市役所ビルの垂直の壁面を駆け下りるなど肉弾戦でも荒業を連続披露してくれます。
ゲームのもうひとりの主人公で映画にも登場のカルロスは「ハムナプトラ」シリーズの
アーデス・ベイ役でメジャーなオディッド・フェールが演じてますが、何せ出番が少なすぎで印象に残りません。結局、前作に続き今回もミラの一人舞台映画であります。
タイトルの一部となっている「アポカリプス」は“黙示録”のことで、
英語版のポスターは、光輪につつまれたアリスの立ち姿が描かれています。
“世界の終わりと新しい世界の預言”が
今回の映画のコンセプトとなっているようですが、
ストーリーは聖書の黙示録からの引用は特になく、
“黙示録”という言葉のイメージのみ借り受けたものと見られます。
ねたバレ改行です。
エンディングは前作同様、
「そしてアンプレラ社の次なる陰謀が始まる」というイントロで終わっています。
パート3は制作済みですが、パート2完成時に続編制作が決まっていたわけではないので
この手のエンディングはホラーアクションの常套、いつものお約束であって、
今回の製作者が次も仕事をするという公約では別段ありません。