「シービスケット」DVD脚本レビュー

「シービスケット」映画パンフ★映画基礎データー★
「シービスケット」
2003年アメリカ映画
監督脚本:ゲイリー・ロス
原作:ローラ・ヒレンブランド
出演:トビー・マグワイア、ジェフ・ブリッジズ、クリス・クーパー

               
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「シービスケット」の舞台は1929年の大恐慌の時代。
自動車販売で成功したものの、息子を事故で亡くし、
妻にも去られた大富豪ハワード(ジェフ・ブリッジス「タッカー」)。
開拓時代の終焉により、時代遅れのカウボーイとなったトム・スミス
(クリス・クーパー「アメリカン・ビューティー」)。
一家離散の憂き目に合い、草競馬のジョッキーに身をやつした青年レッド
(トビー・マグワイア「スパイダーマン」)。
人生の辛酸をなめていた3人の男は、
運命の糸に導かれるようにして一頭のサラブレッド、シービスケットに出会う。
彼らと同じく運に見放された小柄な馬だった…。

ローラ・ヒレンブランドの原作は、全米で四百万部以上を売ったベストセラー
だそうです。
日本では脚本の文庫版が店頭に並んでます。
私の探し方がまずいのか、ハードカバーの原作翻訳本の方は見つけられません。

141分と長めの作品です。特に始めの1時間は主役の男3人の挫折していくありさまを
大恐慌時代の歴史とともに語っているので長ったらしく感じます。
前置きを飛ばして、はようシービスケット出てこないかなぁ。
しかし、全編を見終わってからあらためて考えますと、
このはじめの1時間はやっぱりあった方が良いでしょう。

3人の身の上に起きる事はありがちな人生の不幸で、
そうびっくりするような話ではありませんが、
映画の“溜め”になっているところですので、
すぐにレースがはじまってしまうと
かえって底の浅い感じになってしまうのではないでしょうか?
まず1時間眠気をこらえる事。
あとは絶好調の面白さです。

CGアクションを見飽きているので、レース場面のサラブレッドの群れの走る勇姿は
実に美しくカッコよく目の保養になります。
馬上の騎手の視点に見えるよう、軍用トラックにクレーンを載せて
ハイスヒードカメラで、馬達の間を走るなど撮影に手間隙掛けています。
メイキングを見ますと、本当に馬上の人間の背にカメラを縛り付けて
撮っている場面もある。
いずれDVDもでることでしょうが、是非、劇場の大画面、
サラウンドの音響で見てください。

“だれにでも1度や2度の失敗はある。
諦めるか、立ち向かうか。“
とガッツを強調する宣伝コピーがついてますが、
精神論を鼓舞してばかりの映画というわけではありません。

シービスケットは初め、
コースをジグザクに走るので、主人公達はあたまを抱えてしまいます。
調教のトム・スミスは、
シービスケットの方向感覚が狂っている事にすぐ気が付きます。
過去シービスケットを調教した人達のやみくもで誤った調教方法が、
そのような悪影響を残しているのですね。

「機械じゃないんだ。自然の馬に戻す」
というんで牧場の自然の中で走らせる。
人工のコースの中でひたすら鞭打って、
コースをぐるぐる周回させるトレーニングばかりでは
生き物には耐えられないと言うあたりが、
モータースポーツと歴然と違っていて面白いです。

またシービスケットは他の馬と競り合ってこそ力を発揮すると言う
はっきりとしたキャラクターを持っている。
そこいら辺をレッドは勝負どころで、うまく操って勝ちを取りに行ってます。
インとかアウトとか、駆け引きの理屈が見れば分かると言う風に画面に出てきます。

努力と創意工夫の積み重ねが勝利に繋がっていく。
目算の狂いやアクシデントはドラマの中で常に起こってます。
西部の地方競馬出身のちいさいシービスケットの最大の敵が、
東部の中央競馬の巨大な血統馬というのはパターンですが、
後半の一対一のマッチレースは盛りあがります。

ローラ・ヒレンブランドは、
学生時代に慢性疲労症候群という病気にかかり
今も読み書きには苦労するのだそうです。
“不撓不屈”というのは、彼女自身の人生の重要関心事であり、
数奇なめぐり合わせで出会った男達が奇跡をなし得たシービスケット
の伝説を書く強い動機になったとのことです。

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