「猟奇的な彼女」映画製作裏話

「猟奇的な彼女」映画パンフレット★映画基礎データー★
「猟奇的な彼女」
2001年 韓国映画
監督・脚本:クァク・ジェヨン
出演:チョン・ジヒョン

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スピルバーグ率いるドリームワークスがリメイク権を獲得した話題の韓国映画。
(現在、ハリウッド版では『チアーズ!』(00)、
TV『セックス・アンド・ザ・シティー』で知られる
ジェシカ・ベンディンガーが脚本を執筆すると伝えられている。)
「猟奇的」というタイトルのイメージとは違い、
実はハートフルなラブ・コメディです。
インターネットに掲載された、実話を元に作られたコメディだそうです。

原作は'99年8月、パソコン通信“ナウヌリ”の掲示板に端を発する。
ペンネーム“キョンウ74”のID名で投稿された、
ちょっとヘンな女のコとの実際に経験した奇妙なデート話が、
またたく間に爆発的話題を呼び。
ファンのメールが殺到したため、
このネット世代の共感を集めたユニークなラブ・ストーリーは、
大学生である本名キム・ホシク自身のホームページに引き継がれ、
より多くの女性ファンを獲得。
これは後に単行本化もされ、ベストセラーになりめでたく映画化されたとのこと。

「猟奇=ヨプキ」とは本作品以来コリアン・サブ・カルチャーでも、
個性的、面白くて突拍子もない、といった意味で使われているようです。
ボンボン育ちの甘ちゃん学生キョヌが、
知らず知らず普通以上に辛口で暴れん坊ぶりを発揮する「彼女」に
鍛えられて(?)いく姿が微笑ましく、
運命的とも呼べる2人の関係に、暖かな気分にさせられます。



大学生、キョヌ(チャ・テヒョン)が、
“彼女”(チョン・ジヒョン)との運命的な出会いを果たしたのは、
夜の駅のホームだった。
足元がふらつく美しい女性に目をとめたら、それは酔っ払い。
美しいストレートヘアとスレンダーな容姿は、キョヌの好みだったが、
彼は酒に酔った女は大嫌い。
しかし、電車の中で倒れた彼女を放っておけず、
しぶしぶ、自腹でホテルに運ぶが、そこに警官がやってきて、
人助けをしたはずのキョヌは留置所に入れられる。

昨夜の記憶がなくかんかんに怒った彼女は、キョヌを電話で呼び出し、
ホテルに行くまでのいきさつを問いつめる。
しらふの彼女は、やっぱり、キョヌ好みのキュートな美人。
しかし、態度はとてもワイルドで、カフェではキョヌにコーヒー以外は飲ませない。

そして、酒が入ると、「私、きのう、好きな人と別れたの」と言って泣き出し、
再び気を失ってしまう。キョヌは、また、ホテルに彼女を連れて行くが、
子供のような寝顔の彼女にひかれ始め、
その心の傷をいやそうと決意する。



”泣きの韓国映画”は有名だが、”笑い”はどうか?
この作品はかなり笑えました。

細かいことを言えば、
駅員に通報してとんずらこいてもよい場面なのに、
(彼女をホームに置き去りにして、
結局戻っては来ているのだが、駅員に引き渡せばすりゃすむでしょうに)
何故キョヌは彼女を駅の外に、それもホテルにつれて行ったか、
現れた警官は何故キョヌを逮捕したかなど説明不足がありますが、
主人公が二晩続けて留置所にぶちこまれるシチュエーションは笑えるし、
留置場に先に捕まって入っている連中までも同一人物が2度出てきて、
せせこましく笑わせます。

「ラストプレゼント」のレビューでも書きましたが、
韓国映画と日本映画では約束事に違いがあって、
ヌードは勿論、キスシーンも駄目なのですね。
ふたりがハグする場面は山ほど出てきますが、ぶちゅーはないです。

それでいて彼女が夜の電車で反吐を吐くところは、
えらく凝っていて、麺とかご飯粒とか判るようにゲロッているので、
劇場の観客席からは「ヒーッ」というような女性客の悲鳴が一斉に上がりました。



そして、彼女とつきあい始めたものの、もちろん、普通の相手ではなかった。
キョヌの大学にやってきて、お腹の子供の父親がキョヌだと嘘をついて教室の外に連れだしたり、
川の深さを確かめるため、カナヅチの彼を水の中に突き落としたり。

大学生の彼女はシナリオライターをめざしていて、
キョヌにシノプシス(あらすじ)を見せる。
それは「ターミネーター」と「デモリション・マン」を合わせたようなSFだった。
逞しい女戦士が未来で戦う物語で、キョヌはその奇妙な内容に困惑する。



劇中劇でシノプシスが映像化されます。
出てくる主人公は彼女自身で相手役はキョヌです。
「シュリ」みたいな銃撃戦があったかと思えば、
飛んでくる弾丸を壁を駆け上ってよけたりとめちゃくちゃです。

彼女が書いて、嫌がるキョヌに無理矢理読ませる脚本は
他に文藝ものあり、時代劇ありで、
その都度、ふたりはセーラー服と詰襟姿になったり、
二刀流の剣士になったりして出てきます。
文藝ものでは、彼女の葬式でキョヌの方が墓穴に生き埋めにされちゃうし、
時代劇では…。

キョヌは彼女に才能がないと思ったが、そんなこと、口がさけても言えない。
それどころか、彼女に頼まれ、映画会社にそれを届けるはめになります。

 この映画は地下鉄が頻繁に出てきます。
地下鉄ギャグというのが、相当可笑しい。
脚本の映像化というハリウッドウケしそうなシュチュエーション・コメディーの部分と
小ネタのギャグのブレンドが上手いです。

キョヌは彼女に男の自分の方が勝るところを見せてやろうと、
次々に勝負を挑むのですが、
地下鉄の”でこピン”からスカッシュ、剣道とどんどんヒートアップしていく。
ここいらへんもおおいに笑えます。

いま韓国の若い女性の間ではキョヌ(チャ・テヒョン)が「デートしたい相手ナンバーワン」
だそうです。
キョヌと彼女が出会って100日目の記念に
女子大に中華料理のおかもちもって忍び込み、大講堂にバラを届けに行くところとか、
女の子ウケしそうな”馬鹿でけなげな男の子”です。

ねたばれ改行します。





 翻弄されながらも、どこか麻薬のような魅力を持つ彼女にキョヌはひかれていたが、
彼女のほうは、いつも、あいまいな態度のまま。
自宅前まで彼女を送りとどけ、その熱いまなざしを感じたものの、
家の中では彼女の父親に厳しい説教をされ、やっぱり、情けないキョヌだった。
 そんな彼女が両親からの強制でお見合いをした夜、キョヌは急に現場に呼び出される。
複雑な想いを隠し、
彼は猟奇的な彼女とつきあう心得をお見合いの相手に。

そんなキョヌの温かさに心動かされる彼女。
彼を追って駅まで走り、場内アナウンスでキョヌを呼び寄せる。
現れたキョヌと抱き合ったのもつかの間、彼女のきついパンチが再びキョヌの頬に飛んできた。



韓国女性は大学通っているうちからお見合いなんてするんですかね?
そりゃ日本でもする人はするでしょうけどさ。
彼女は前半、何やってる人なのか判りませんでした。
若いOLとか、そんなんだと思ってました。
女子大が出てきて、実家が出てきて、
それでようやくいいとこのお嬢さんであると判ります。
場内アナウンスは、まあ中盤のクライマックスです。



そして、ふたりはある約束をかわした。
お互いにあてた手紙をタイムカプセルに入れて、
丘の木の下に埋め、2年後に会おう…。
キョヌにとって、それは辛く、長い日々に思えた。
猟奇的な彼女との楽しくも、どこかホロ苦い思い出。
それをインターネットで発表したら、映画会社から映画化の話が舞い込んだ。
かつての彼女の夢を自分が実現したのだ。
しかし、今は彼女に知らせることはできない。
ラケットボールや剣道の腕前を磨きながら、再会の日を待つキョヌだった。
しかし2年後、
キョヌは本当の意味で彼女の秘密を知ることになる。



原作は、タイムカプセルを埋めるところで終わっているそうです。
そこからあとは映画で作られた部分。
結局、原作はデート話の羅列でストーリーがあるわけではないので、
監督・脚本のクァク・ジェヨンはオチを決めるために、逆算してふたりの関係の
変化をつけ起承転結をまとめて行く作業をしています。
このオチの着地点がかなり上手く行っているのですが、
それは見てのお楽しみと言う事で「偶然も名台詞で必然に変わる」とだけ言っておきましょう。


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