「シン・シティ」

「シン・シティ」映画チラシ★映画基礎データー★
「シン・シティ」
2005年 アメリカ映画
監督脚本 ロバート・ロドリゲス フランク・ミラー
出演   ブルース・ウィリス

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シン・シティ最後の正義、ハーティガン刑事(ブルース・ウィリス)は、
引退の日にも狭心症に苦しみながら、悪を追っていた。
法さえも支配する街の権力者、ロアーク上院議員(パワーズ・ブース)の息子で、
3人の幼女を殺しても警察が手を出せないロアーク・ジュニア(ニック・スタール)だ。
彼は新たな犠牲者、11歳のナンシーを誘拐する。
ハーティガンは、ジュニアを半殺しにして、ナンシーを救出する。
しかし、相棒ボブ(マイケル・マドセン)の裏切りの銃弾に倒れる。

映画『 シン・シティ』は、
アメコミ界の大御所フランク・ミラーの人気コミック・シリーズの待望の映画化です。
『 シン・シティ』は原作からは"Sin City"、"The Big Fat Kill"、
"That Yellow Bastard"の三つの作品のオムニバス形式になっています。
フランク・ミラーのもとへは映画化の話はかなり以前からあったようですが、
全部断っています。
ミラーは己が創造したヴィジュアル世界に強い自信を持ち、
ハリウッド・メジャーの手法で安易に映像化されることを望まなかったから、
とされています。
“劇画”といえば日本では、梶原一騎や小池一雄が開拓したストーリー中心の
コミック群を指すことが多いです。
「X−MEN」「コンスタンティン」等の紹介でも述べたとおり、
アメコミの世界でもプロダクションによる集団創作が普及していますが、
特に青年コミックの世界では、ヴィジュアル・ノベルと称されるイラスト中心の
劇画が多くのファンを獲得しています。
『 シン・シティ』のドラマは古式ゆかしいハードボイルドで、
それを白黒コントラストのはっきりとしたスタイリッシュなイラストで魅せています。
ロバート・ロドリゲス監督(「デスペラード」「スパイキッズ」両シリーズ)はミラーに、
まずオープニングを撮影して見せた上で、
契約するか否か判断してほしいと持ちかけたそうです。
これが『 シン・シティ』の冒頭の外科医の殺し屋と女の屋上のシークエンスです。
デジタル処理されたフィルムを見たミラーはふいを突かれたように驚き、
映画化を納得したといいます。

作品はロバート・ロドリゲスと
フランク・ミラーが共同監督しているのですが、
ディレクターズ・ギルド・オブ・アメリカが「一作品に監督は一人」という規定を
設けている為、自らはギルドを脱退し、監督の座をミラーに譲っています。
これによりロドリゲスは今後メジャー系の監督を引き受けることは出来ません。
監督については、
クエンティン・タランティーノも1シーンを演出するゲスト監督を引き受けているとか。
ロドリゲスが「キル・ビル vol.2」の音楽を作曲したことのお礼だそうで、
その時のロドリゲスのギャラと同額の1ドルで監督しているそうです。

撮影は、先にグリーンのスクリーンをバックに演技して
後で背景を加えるという完全な「デジタル・バックロット方式」です。
『 マスター・アンド・コマンダー (2003)』や『ゴッド・ディーバ (2004) 』でも
この手法がつかわれていますが、
「シン・シティ」では、高画質のデジタルカメラを全編で使用しているので、
世界初のフルデジタル・ライヴアクション映画という位置づけとなります。
モノクロ映画は厳密に言えば、
黒と灰色の組み合わせなんですが、
見事なデジタル処理で、本当に白と黒のコンストラストになってます。

仮出所中のマーヴ(ミッキー・ローク)は、
生まれて初めて“天使”を抱いた。
屈強な肉体と醜い傷跡が走る顔のせいで
プロの女も近づかないマーヴに愛をくれたのは、
高級娼婦のゴールディ(ジェイミー・キング)だった。
しかし、彼女は殺され、罪をきせられたマーヴは必ず敵を討つと心に誓う。  
馴染みのストリップ・バー、“ケイディ”で追っ手を迎え撃ち、
黒幕を辿っていったマーヴは、ある神父(フランク・ミラー監督が出演)に行き着く。
彼はさらに大物の名前を出し、その男の農場へ行けばわかると告げる。  
農場で、不気味なメガネの男(イライジャ・ウッド)にハンマーで倒されたマーヴは、
この男こそ、ゴールディ殺しの犯人だと確信する。
男の名はケビン、人殺しの異常者だった。
そこから脱出したマーヴが、
駆けつけた警官を返り討ちにして聞き出した黒幕はロアーク枢機卿(ルトガー・ハウアー)、
アメリカを陰で牛耳る男だった。  
街に戻ったマーヴを、ゴールディの双子の姉、
ウェンディ(ジェイミー・キング/二役)が迎える。
彼女はマーヴを疑っていたが、彼の瞳に真実を見る。
再び農場へ向かったマーヴは、
ケビンを殺し、ロアークの元へ。
ゴールディの死、自らに着せられた罪の理由がロアークの口から全て語られた時、
マーヴの取った行動は・・・。

その時、ドワイト(クライヴ・オーウェン)は、キレた。
ストリップ・バー、“ケイディ”でウェイトレスをしている恋人のシェリー
(ブリタニー・マーフィ)につきまとう男、
ジャッキー・ボーイ(ベニチオ・デル・トロ)を痛めつけたのだ。
ジャッキーは4人の仲間と退散したが、不穏な空気を感じたドワイトは彼らを尾行する。
ジャッキーは、娼婦たちの自治区、オールド・タウンへ繰り出す。
警官に金と楽しみを与える代わりに、女たちは一帯の支配権を得ていた。
娼婦たちのトップに立つのはゲイル(ロザリオ・ドーソン)、ドワイトの昔の恋人だ。  
声をかけたベッキー(アレクシス・ブレデル)にバカにされ、
カッとなったジャッキーが銃を取り出したその時、
殺人兵器ミホ(デヴォン青木)の二刀流が、瞬時に獲物を切り裂く。
死体となったジャッキーのポケットを調べたドワイトは驚愕した。
ジャッキーは警部補だったのだ。
警官を殺せば、オールド・タウンの自治協定は崩れる。
女達を守るために事件を隠すべく、ドワイトは死体を捨てに向かう。  
一方、ベッキーの密告から事件を知ったギャングの用心棒マヌート
(マイケル・クラーク・ダンカン)は、
ジャッキーの首を奪って警察に引き渡し、
オールド・タウンを手に入れようと画策する。
ドワイトと女たちは、マヌート一味との全面戦争を覚悟し、
ある計画を実行にうつす。かくして壮絶な銃撃戦が始まった・・・。

ハリウッドのメジャースターたちがわんさと出演しています。
何が彼らを惹きつけたのか実のところ良くわかりません。
けれど「スパイダーマン」や「コンスタンティン」などよりずっとずっと、
アメコミのダークな世界観の映像化に成功している作品ではあります。
バイオレンス・シーンは
画面がモノクロであることが幸いして、流血場面も白ペンキのような血が
噴出すだけなのでなんとか見ていられます。
けれど、シチュエーションのありようが陵辱的で、
相手の人格を如何に踏みにじり、辱めるかに敵味方双方が全力をあげていますから、
“いじめ”が嫌な人は見てらんないと思いますね。
飛んだり跳ねたり爆発したりは、度が過ぎるとサーカスのようになってしまいますが、
憎しみの感情が前に前にと出てくる演出なので、
地味だけど怖い、という印象です。
男性主人公のハードボイルドな男気がみんな一緒で、
ワンパターンといえばワンパターンです。
それにノレるかどうかで、この作品を楽しく見れるか、
途中で飽きるか分かれそうです。

最初のエピソードがやけに短いなと思うと、ここでいきなり最初の話の続きが始まります。

ハーティガンは、ジュニアを半殺しにして、ナンシーを救出する。
しかし、相棒ボブ(マイケル・マドセン)の裏切りの銃弾に倒れる。
そして息子の復讐に燃えるロアーク議員に罪をきせられる。  
拷問を受け、自白を強要されるハーティガンの唯一の支えは、
偽名で書かれたナンシーからの手紙だった。
ところが8年後、手紙が突然途絶えて若い女の指が届く。
ナンシーの身を案じたハーティガンは、罪を認めて出所する。
人気のないナンシーの部屋にあったマッチを手がかりに、
ストリップ・バー、“ケイディ”に着いたハーティガンは、
舞台で踊る艶やかに成長した19歳のナンシー(ジェシカ・アルバ)に目を見張る。
ハーティガンは異臭漂う黄色い男〈イエロー・バスタード〉の尾行に
気付き立ち去ろうとするが、
喜びに輝いたナンシーが舞台を飛び降りてハーティガンを抱きしめる。  
二人は互いの強い愛を確信するが、
ハーティガンは神聖な存在であるナンシーに手を触れることすらできなかった。
その隙をついてナンシーを拉致する黄色い男、
それは治療の副作用で醜く変貌したジュニアだった。
ジュニアが逃げ込んだ農場を突き止めたハーティガンはナンシーを救い出し、
8年越しの復讐を遂げるため、最後の戦いに挑むのだった・・・。

日本公開の宣伝で来日した監督は既に続編のシナリオ執筆が終わりに近いと
いっています。一作目のキャストのうち何人かが続編にもシティの住人として
再登場のようです。
でもどうですかね。
白黒演出と豪華キャストで観客を劇場に“連行した”作品ですから、パート2で
同じ事を繰り返しては、アメリカでの興業はともかく、
日本では大してヒットは期待できないんじゃないかと思いますけど。



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