「ステキな金縛り」
■作品基礎データ 「ステキな金縛り」 2011年 日本映画 脚本監督:三谷幸喜 出演:深津絵里 |
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失敗続きで後がない弁護士エミが担当したのは、とある殺人事件。
被告人は無実を主張、完璧なアリバイがあるという。
なんと事件当夜、旅館の一室で金縛りに遭っていたのだ。
無実を証明出来るのは、一晩中彼の上にのし掛かっていた、落ち武者の幽霊だけ。
エミはその幽霊・六兵衛に会い、彼を証人として法廷に召喚させる。
しかし、この六兵衛、すべての人に姿が見えるとは限らなかった。
しかもエミの前には、
一切の超常現象を信じない、敏腕カタブツ検事・小佐野が立ちはだかり―。
人生のどん詰まりに立たされたダメダメ弁護士と、
421年前に無念の死を遂げた落ち武者の間に生まれた奇妙な友情。
果たして、彼らは、真実を導き出す事が出来るのか!?
今や国民的脚本家としてエンターテイメント界を牽引する三谷幸喜。
いよいよ監督5作目となる待望の最新作『ステキな金縛り』が満を持して登場します。
構想10年、三谷監督が長年温め続け一番実現させたかった企画が、ついに映画化。
将来性ゼロの三流弁護士・エミに深津絵里、落ち武者の幽霊・六兵衛に西田敏行、
エミの弁護士事務所のボスに阿部寛、
事件の被害者であり重要証人でもある双子の姉妹に竹内結子、
六兵衛の子孫の歴史学者に浅野忠信、
著名な人権弁護士だった亡きエミの父に草なぎ剛、
そして、エミと六兵衛の前に立ちはだかる敏腕検事に中井貴一と、
まさに全員が主役級の超オールスターキャストが顔を揃え、
さらに三谷監督作品でしか実現し得ない超豪華出演陣が脇を固めます。
「素敵な金縛り」見ました。
三谷幸喜の離婚後初監督作品(!)です。
タイトルが凄いです。
新人脚本家志望がコンクール応募作品でこんな名前を付けたら一次審査も通りはしない。
売れっ子三谷幸喜だからこそ許されるタイトルです。
法廷ものですが、事件そのものが小さな話なので前2作品
「有頂天ホテル」「マジックアワー」より小振りな印象です。
”企画は結構古い”とは三谷監督の弁です。
金縛りにあった弁護士が目を開けると落武者が覆いかぶさっている。
弁護士は「法廷で証言して下さいっ」と叫ぶ。
--という夢を見て、これを映画にしようと思いついたが、
プロデューサーからは”法廷ものも時代劇も当たらないから”と相手にされず、
お蔵入りに。
監督としての実績を積んでようやくゴーサインが出た、
といういきさつで制作にこぎつけたそうです。
ワンアイデアで成立している面白さと限界の両方を感じました。
幽霊の見える人とそうでない人がいて、
落武者を弁護士事務所に連れて行くまでがひと騒動。
で幽霊が法廷に立てるかどうかでまた騒動。
ただそこらへんのごたごたで半分以上の時間が取られ、
裁判そのものはさほど盛り上がらなかった。
中井貴一扮する検事が実は”見えてる”んじゃないか、
暴くくだりはなかなか面白かったですが、
ドラマ的には戦う相手が”見えてない”ままだと盛り上がらないので、
私も彼は始めから見えてるのだとは分かってましたが、
それでも犬のエピソードは意外性があり、感動的でもあったので良かったです。
ファミレスの深キョンのエピソードは、笑ったけど考えてみればなくてもいい話。
あれは幽霊の見える人とそうでない人がいる、という説明のパートだけど、
わざわざ指摘されずとも分かる話。
落武者がテレビから現代社会の知識を得ているという設定は便利ですが、
一方で西田敏行を普通のおじさんにしてしまっています。
刀を使った立ち回りが欲しかった。
陰明師、阿部てんてんというのが出て来て妖術合戦にでもなるのかと思ったら、
一発ギャグ。
市村さんにあんなのやらせるとは思わないから、まんまと騙されたではないですか。
ネタばれ改行です。
検事が幽霊の出廷を認めた上で
「主君を裏切り斬首された落武者の言う事など信用できない」
とひっくり返すのは凄い展開です。
本人はそのいきさつが濡れ衣で、化けて出る。
だったら、後半汚名返上の戦いになるのかと期待したら、
めそめそいじけて引き下がってしまう。
結局、被害者の霊を呼んで、真犯人を名指しするという”反則技”で勝つ。
判事が「いつもこうだと楽でいい」。
こうゆうオチなら落武者が出て来る必要性がないでしょうに。
汚名を晴らして成仏する、というのが良いと思いますけどね。
若い父親が出て来るというのはなんとなく予想出来ていました。
深津絵里のインタビューを採録します。
■ふかつ・えり 1973年1月11日、大分県生まれ。
88年放送のJR東海のCMで注目を集める。
96年に映画「(ハル)」に初主演。
翌年に始まったフジテレビのドラマ「踊る大捜査線」の恩田すみれ役で人気に火がつき、
主演の織田裕二と並びシリーズの顔に。
2008年初演の舞台「春琴」は09年に海外上演された。
10年の「悪人」でモントリオール世界映画祭最優秀女優賞を受賞。
演技派として知られる。
妻殺しで夫が逮捕。
しかし彼は「犯行時刻、旅館で落ち武者の幽霊によって金縛りにあっていた」と主張。
三流弁護士のエミ(深津)は、思い余って西田敏行(63)演じる幽霊、
更科(さらしな)六兵衛に法廷で証言するように泣きつく…。
予想外の方向に転がる話のおもしろさとユーモアで観客をぐいぐいと引っ張る。
深津は「三谷さんにしか思いつかない世界。撮影前からどうなるのか楽しみだった」
と話す。
ぬれぎぬで処刑された恨みで亡霊となった六兵衛は、
被告が無実と知ってがぜん張り切る。
一部の人にだけ見える六兵衛の実在を訴えるため、
エミは“同時通訳”をしたり、笛を吹かせたり。
西田と深津の掛け合いが何とも楽しい。
「西田さんは素晴らしい喜劇役者で、私が面白く動けるように誘導してくれる。
西田さんと一緒なら、何でもできる気がした」
一方、敵対する検事・小佐野役を演じるのは中井貴一(50)。
幽霊の存在を否定し、
この法廷がいかにばかげているかを理路整然と説く冷血漢の検事を楽しそうに演じる。
自分の存在を全否定された六兵衛は、くやしさのあまり、じっと小佐野をにらむ。
さりげなく目をそらす小佐野。
あれ、この人、六兵衛が見えるんじゃ…。
コメディーセンスの豊かな役者陣が、観客を存分に楽しませてくれる。
深津は三谷作品への出演は「ザ・マジックアワー」に続いて2本目。
「三谷さんは、現場で思いついたネタをどんどん投入するんだけど、
それが面白くていつも現場は大笑い。
でも、世間話は一切しない。なかなか心を開かないミステリアスな人」
邦画のコメディーは減少傾向にあり、
コンスタントに撮り続ける三谷監督は貴重な存在だ。
コメディエンヌぶりを十二分に発揮した深津だが
「ちょっとタイミングが違うとまるで面白くなくなってしまう。
なんて知的な作業なんだろう」と、喜劇の難しさをかみしめていた。
三谷幸喜監督にインタビュー
三谷映画史上初めて、女優として主演を果たした深津絵里について、三谷監督はこう語る。
「『ザ・マジックアワー』(08)でご一緒するまで、
深津さんは生々しい現代の女性を演じるのが得意な女優さんというイメージが強くて、
僕の作品に出るような人じゃないと思っていたんです。
僕の映画って、ちょっとぶっ飛んだキャラクターの方が多いから。
でも、お話した時、何か感覚が合う感じがしたんです。
僕が初対面で女優さんにそう思うことって珍しくて。
それでマリ役をやってもらったら、すごく良くて。理解力も表現力もあるし、
コメディエンヌとしての面白さやキュートさ、動きのスピーディーさ、リズム感と、
僕が求めているものを全て持ってらっしゃった」。
さらに決め手となったのは、三谷との“共通言語”だった。
「僕がこうしてほしいと1つ言うだけで彼女は10も理解してくれる。
僕もずっと舞台の演出をしてきたので、
どんな俳優さんでも時間をかければわかってもらえる自信はあるんです。
でも、深津さんはたった5秒で伝わる。
そういう俳優さんはすごく大事で、正直、
女優さんで同じように思った人は今まで戸田恵子さんしかいなくて、
深津さんで二人目でした。だから今回、彼女に主演をお願いしたわけです」。
六兵衛役の西田敏行については「大ファンなんです!」と語る。
「今後、全ての監督作に出てほしいくらいです。
『ザ・マジックアワー』の怖い街のボス役ではアドリブを全部禁止していたので、
次は思い切り西田さんが自由に弾けられる役をやってもらいたくて。
幽霊で、しかも六兵衛が見える人と見えない人たちがいる。
見えない人の前で西田さんがはしゃぎ、
みんなが笑いをこらえる光景が目に浮かびました。
西田さんって、共演者を笑わせるためにアドリブとかを言いますから(笑)。
すごくコメディセンスがある方なので、
リハからいろんなアドリブを出されるけど、本番で一番面白いのを出してくれる。
実際、試写会でそれを見たお客さんが笑うのを見て、
僕は嬉しいのと悔しいのとない混ぜでした(笑)」。
深津と西田の“迷”コンビをはじめ、
阿部寛、竹内結子、浅野忠信、草なぎ剛、中井貴一など、
オールスターキャストで贈る本作では、
完成した後で意図したものとは違うテーマが見えたという三谷監督。
「死んだからといって、決してゼロになってしまうのではない。
すぐには戻ってこられないけど、確実にどこかで生活している、
みたいに死を感じるのはどうだろうかと。
ちょっと飛躍しますが、今回、震災で大勢の方が亡くなり、
今残された家族の方が頑張って生きてらっしゃる。
そんな方々をちょっとでも勇気づけられたら良いなあと」。
思い切りゲラゲラ笑って、
最後には予想外の感動が用意されている『ステキな金縛り』。
いろんな面で心憎い快作だと思う。
エミを演じた深津絵里と、六兵衛役の西田敏行、
そして三谷監督の三人が、撮影時の裏話を明かした。
Q:『ザ・マジックアワー』に続く顔合わせですが、
三谷監督は、前作のときから「次の映画は深津さんと西田さんを中心に撮る」
と考えていたのでしょうか?
三谷監督:『ザ・マジックアワー』を撮っているときに、
深津さんはコメディエンヌだと感じたんです。
深津さんって、子どもみたいな面白い歩き方をされるんですよ(笑)。
その姿を見ていて、次は深津さんでコメディーが撮りたいと思いました。
西田さんは、前回はストイックなギャングのボス役だったので、
アドリブを封じてしまい、とてもストレスをお抱えになっていたと思うので、
次は西田さんが思いっ切り遊べるような設定にしたいと思ったんです。
それがずっと温めていた法廷モノで幽霊モノという設定と合致しました。
西田:僕は、『ザ・マジックアワー』は『ザ・マジックアワー』で楽しかったですよ。
Q:深津さんと西田さんは、本作のオファーを受けてどう感じましたか?
深津:『ザ・マジックアワー』のときに、コメディーの難しさを実感して、
いつかきちんとやりたいと思っていたんです。
そんなときにいただいたのが今回のお話。
しかも、西田さんとまた共演させていただけるということで、
撮影中にコメディーの神髄を学ぼう! という気持ちで挑みました。
西田:僕は、三谷さんの世界観が大好きなんです。
現場にいるだけで、いろんな楽しいアトラクションがあるテーマパークを、
グルグル回っている少年のような気持ちになるんですよ。
役者としての魂を躍らせてくれる監督なので、今回もすごく楽しみでした。
Q:ダメ弁護士と落ち武者の幽霊という組み合わせがとても斬新でした。
三谷監督:最初は男性弁護士の設定だったんですけど、
深津さんに決まったので女性弁護士に書き換えて、
女性の成長物語としての要素も加えていきました。
僕は、女性が主人公の作品を今までやったことがなかったんです。
深津さんがいてくださったからこそ、作ることができたのだと思います。
深津:今の監督のお言葉を事前に聞いていたら、
プレッシャーでお芝居ができなかったかもしれません(笑)。
今回は、エミの心情がキチンと見えないと、
いくら周りで面白いことが起きていても全部が台無しになってしまう。
とにかくエミという女性として生きることを心掛けました。
西田:六兵衛は、とにかく楽しい役でしたね。
フィクションの役はどんなうそでもつけるから、
イメージを膨らますことができるんです。
「上杉謙信と同い年です!」というセリフだけで、ワクワクしました。
謙信と友人だったなら、「謙ちゃん! 六ちゃん!」って呼び合っていたのかな?
とか、想像するだけで楽しい。
落ち武者の格好って夏だとキツイし暑いんですけど、全然苦じゃなかったです。
三谷監督:実は、六兵衛のよろいは簡略化しているんです。
フル装備だともっと重くなってしまうので、なるべく動きやすいように工夫して。
それでも大変だったと思いますけどね。
西田:撮影が終わってカツラを外すと頭から湯気が出ているんですけど、
とても心地良い解放感があって、撮影後のビールはうまかった!
深津:わたしも、今回の撮影は、とても充実感がありました。
三谷監督の現場は、台本に書いていないことがどんどん撮影の中で生まれていくので、
一緒に作っている実感があって、すごく楽しかったです。
Q:今回の映画で、監督がその場で思い付いたのは、例えばどんなアイデアなんですか?
三谷監督:そうですね。裁判長には六兵衛の言葉が聞こえないので、
エミが通訳をするという場面があるんですけど、リハーサルのときに急に思い付いて、
「西田さんの言い方をマネして、同じようにしゃべってください」
と深津さんにお願いしたんです。それを深津さんが瞬時にやってくださいました。
よくあんなふうにマネができるなあと思いましたよ。
西田:いや、本当に素晴らしかった!
深津:……光栄です(照れ笑い)。
Q:今回は西田さんのアドリブ禁止令が解除されたそうですが、
その結果はいかがでしたか?
三谷監督:僕は台本を書くときに、
西田さんが言いそうなアドリブもセリフとして入れていくんですけど、
それを超えることをおっしゃるんですよね。
六兵衛が検事(中井貴一)の犬を天国から連れて来るシーンで、
西田さんが「すぐに見つかりましたよ! ハチ公の隣にいました!」
というアドリブをされたのですが、悔しいくらい面白かった。
でも、観客の皆さんは僕が書いたセリフだと思ってくださるので、
得をしているような気もするんですけどね(笑)。
Q:ちなみに、深津さんが入れたアドリブなどもあるんですか?
深津:わたしのセリフはほぼ台本通りです。
三谷監督:基本的に、西田さん以外の方は台本通りです(笑)。
深津:みんなが言いたいことをしゃべったら、大変なことになっちゃいますからね(笑)。
Q:幽霊が見える人と見えない人がいる設定なので、
西田さんの存在感でご苦労される「見えない人役」の方も多かったのでは?
西田:僕は重量感もありますからね(笑)。特に中井貴一さんが大変だったと思います。
見えているのかいないのか、という芝居がすごく良かった!
彼の表情を見ているだけで面白かったです。
三谷監督:西田さんは中井さんを本気で笑わそうとしていましたよね!
西田:そう、どうにかして笑わそうと思ったんだけど、手ごわかったなあ。
笑いをこらえている中井さんの顔がなんともチャーミングでした(笑)。
Q:コメディー映画を撮影していく中で、
見えない観客の笑い声を感じる瞬間ってあるんですか?
三谷監督:なるべくそれを感じようとしながら撮影しているんですけど、
なかなかそうもいうかなくて……。
でも、たまにお客さんの笑い声が聞こえるときがあるんです。
例えば、先ほどお話したエミが六兵衛のマネをしているシーンは、
モニターで見ていて、未来のお客さんが映画館で笑っている姿がハッキリ浮かびました。
そんなときは、「この面白さを永遠にスクリーンに残せるんだ!」って、
すごくうれしくなります。舞台と違って、
映画は一瞬の面白さが永遠に残るところが楽しいし、だからこそ、
ちゃんと撮らなくちゃいけないとも思いますね。
Q:深津さんと西田さんにとっても、
お客さんの笑顔が浮かぶ作品になったんじゃないですか?
西田:そうですね。こんな時代ですから、
何にも考えずに三谷さんの世界に浸って心を動かしていただいて、
気持ちを豊かにしていただけたらうれしいです。
深津:タイトルからはなかなか想像できないかもしれませんが、
とても温かい気持ちになれる、心の芯がほぐれるような作品になりました。
ぜひ多くの方に観ていただきたいです…
以下はネタバレとなるのでmixi独身映画ファンコミュニティ
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