「チーム・バチスタの栄光」

「チーム・バチスタの栄光」映画チラシ■作品基礎データ
「チーム・バチスタの栄光」
2008年 日本映画
監督:中村義洋(監督「アヒルと鴨のコインロッカー」 脚本「クイール」)
原作:海堂尊
脚本:斉藤ひろし(「秘密」「黄泉がえり」)
出演:竹内結子
               

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東城大学付属病院では、
難易度の高い心臓移植手術「バチスタ手術」の専門集団「チーム・バチスタ」を作り、
成功を収めていた。
ところが今、三例続けて術中死が発生している。
はたして患者たちの死は、事故なのか、殺人なのか? 
病院長は内部調査を思い立ち、窓際医師の田口(竹内結子)に、
その厄介な役目を押し付ける。
医大卒業時のテストに手心加えてもらった負い目のある田口は
渋々にわか探偵を引き受けるが、当然のごとく上手くいかない。
「問題はありません、これは単純な事故です」と締め括ろうとした矢先、
「あなたの報告書、感心しました。こんなに騙されやすい人がいるとは!」
と一刀両断する男が一人現れた。
それが厚生労働省から派遣された破天荒なキレモノ役人・白鳥(阿部寛)。
「これは殺人だ、犯人はバチスタメンバーの7人の中にいる!」
彼らはコンビを組んでバチスタチームのメンバーを調査することになるが。

フジテレビの「医龍」は見ていました。
バチスタ手術のことを イコール 心臓手術のことと思っていましたが、
正確には、
“拡張型心筋症に対する非常に難易度の高い手術で、
創始者の名前を取ってバチスタ手術と呼ばれている。
肥大した心臓を切り取って小さくし、心臓の収縮機能を回復させる。“
手術のことだそうです。

06年・第四回「このミステリーがすごい!」大賞受賞のベストセラー
『チーム・バチスタの栄光』(宝島社刊)の映画化作品です。
現役医師・海堂尊(かいどう たける)が描くコミカル、
かつリアルなミステリーは、’06年2月4日に刊行。
発売開始から5日目にして重版が決定、
早々に映画会社、テレビ局各社による映像化権の争奪戦になった話題作です。

原作は、現在28万部(07.9月現在)を突破、
田口と白鳥という主役二人の抜群なキャラクターが人気を呼び、
二人が活躍する続編「ナイチンゲールの沈黙」<06.10刊・現在15万部>、
三作目「ジェネラルルージュの凱旋」<07.4刊 現在8万部>)も
ハイペースで刊行されています。(3部作シリーズ累計51万部)また、
角川書店から白鳥の部下を主人公にした番外編も出版され、話題を呼んでいます。
(現在コミック化が進行中)
監督は、「アヒルと鴨のコインロッカー」、『クイール』の脚本で才能を発揮した
中村義洋がメガホンをとりました。
キャストには、外科は素人の心療内科医師・田口公子に竹内結子。
厚生労働省の破天荒な自称キレモノ役人・白鳥圭輔に阿部寛。

監督によると、
医療ミステリーという小難しい内容でありつつも分かりやすいストーリーに
なっているのは、田口の目線で描いていることが大きいのだという。
「それを描くことしか頑張っていないかも。
僕は脚本稼業が長かったので“この1点さえ押さえていれば大丈夫!”
という自信はあるんです。主人公の一貫性というのかな。
白状してしまうと、時間がなくてバチスタ手術とは何かという勉強ができなかった。
だから、そこは助監督と医療アドバイザーに任せて、
僕と田口はそれを覗き見するような立場として描いていくことにしたんです」
ただ、そのブレさせたくない田口像は、
原作の中年男性から若い女性へと大幅に変更されている。それは大きな賭けだったという。
「監督を引き受けた時点ですでにその変更は決定事項。びっくりしましたよ。
原作では田口、白鳥、桐生の3人がみんな40代で、
僕はその男たちを主人公に医療版『L.A.コンフィデンシャル』(警察の内部調査の物語)
をやろうと思っていた。
だから『ぜひ、やらせてください!』と返事をしたんです。
なのに翌日、『田口は女性になりました』と連絡をもらって…。
悩み抜いた末、
大学病院の中で驚異的な存在として描かれている原作の田口像を、
映画ではノーマーク的な存在に置き換えることで落ち着きました」と語っています。
そして、
撮影初日の田口が廊下を歩くシーンで
みごとその雰囲気を醸し出してくれた竹内結子を見て
「これは面白くなる」と確信したのだとか。

竹内結子の方は、
「監督と初めてお会いしたときに、
原作で感じた田口のイメージが監督と重なったんです。
なので、『よしっ、この人に張り付いてみよう!』と思って。
撮影現場では常に監督の側にいて、茶飲み話をしながら観察していました」
監督と自分自身が持っている田口像を足して割った結果が
映画の中に盛り込まれているのだという。その性格とは?
「人が良くて、愚痴を吐き出す相手としては最適で、
ほっとする反面、ちょっといじめたくなる感じ(笑)。
演じていたときは、座敷童のように気付く人だけが気付く存在感を心掛けたんですが、
初号を観たときに実はそうじゃなかったのかなと。
今は作品の世界と観客の世界をつなぐカメラのレンズのような存在だと思っています」

主人公・田口とのコンビについて白鳥役の阿部寛は
「通常のコンビものは、ボケとツッコミがはっきりしていますよね。
両方“ボケ”、両方“ツッコミ”っていう場合もあるけれど、
田口&白鳥はそれらとは少し違って──竹内さんの演じる田口は反応が鈍い性格、
だから原作とは違ったコンビ感が出ていると思うんです。
2人の間には常に距離があって、仲間という感覚ではない。
そこがこのコンビの面白さでもある」

また、田口がバチスタ・チームの面々を動物に置き換えて表現する
タカ、モグラ、スピッツ、コヨーテ……実はあのイラスト、
竹内結子本人が描いているのだとか。
「すごく恥ずかしいんですけど、私が描いています(笑)。
原作では『あなたの名前の由来を教えてくれませんか?』と聞いて回るんですが、
映画ではイラストで表現することに。
いくつか描いて最終的にOKをもらったものが劇中で使われています」

白鳥との絡みについて竹内結子の方は
「現場ではお互い会話が噛み合わないことをもどかしく思っていました。
というのは、台本を読んだ限りではテンポのいい掛け合いを想像していたんです。
ところが、監督はそのテンポをことごとく崩していく。
だから、変な間が生まれたり、
シリアスな場面のはずなのに思わず笑ってしまったり、その逆だったり……。
完成した映画を観たときに、
あれは結末を知っているがゆえにとってしまう行動を
矯正するためだったのかなと気付きました」
すべてが監督の計算ずくだったという。

そして監督の方は白鳥について、
「構図としては7人の医師のなかに田口が飛び込んでくる、
それだけで十分なんです。だから白鳥は必要ない(苦笑)。
ただ、彼が入り込むことで、いい意味でその関係図が壊される、
それが面白いんです。
高みの見物にならないよう、原作よりも人間くさく演じてもらったつもりです」
監督とのキャッチボールを阿部の側は
「コンビものは今まで何作か演じてきたけど今回はそれと違うものを目指しました。
監督にジャッジをお願いして現場では中村監督から
シーンごとに細かい演出があったので不安はなかったですね」
自分以外にもう1人、役を作ってくれる人がいることは大きなサポートとなり、
それが監督への信頼に繋がったという。
白鳥は一言でいうと“破天荒なキレモノ役人”。
しかし、演じる本人は彼の性格をこう分析する。
「原作と脚本を読んで白鳥という人間はどこにでもいる男だなと。
ひたすらしゃべりながら相手の行動を観察している人って、
芸能界はもちろん一般社会にもたくさんいると思うんです。
厚生労働省のなかにいるかどうかはわからないけれど(笑)。
彼はしゃべりながら相手の表情を読んで、性格や弱みを確認する。
しかもサディスティックに挑発しながらね」
続けて「今回は正義感ある役にはしたくなかった」と掘り下げていく。
「『君のおかげで厚生労働省が捜査しやすくなった』という台詞が好きなんです。
事件解決のためのヒーローにならないところ。
白鳥の厚生労働省で置かれている役人としての立場、その泥くささがいいんですよね」
彼が入り込むことで、いい意味でその関係図が壊される、
そのことについて俳優としての阿部は
「白鳥はバチスタ・チームの1人ひとりと対峙していくので、
彼らと本気の芝居ができたことは楽しかったですね。
特に佐野史郎さんとのシーンはすごく緊張した。
だって、佐野さん自身が白鳥みたいな得体の知れないキャラなんで(笑)」

看護師・大友直美を演じた井川遥によると、
中村監督は演出をする際に、独特の表現でキャラクター性を伝えるという。
「撮影中にコソコソッと役者の側に行って、『鼻で芝居をして』とか、
こちらが笑いたくなるような演出をしてくるんです。
私が一番困ったのは、『目を開けたまま相手に訴えかけるように号泣』と言われたとき。
どう演じたらいいのか悩みましたね。
しかも『泣く前は号泣することを微塵も感じさせないように』と言うんです。
脚本のト書きには嘘泣きと書かれているだけなので、
竹内さんも玉山さんも私が大泣きするのは知らされていない。
だから相手のリアクションが面白くて。玉山さんなんて一瞬、固まっていましたから(笑)」
田口の調査ノートには、大友看護師について
“いきなり号泣、感情的で大袈裟、計算づくか?動物に例えるなら巻き貝”と
記されているが、
「脚本を読んだときはコミカルな女性だと感じたんです。
でも演じるにあたっては、
面白おかしく演じてしまったら本当の看護師さんに失礼なのではと。
実際にバチスタ手術に加わる看護師は、
医師の先を読んで機械出しのできる、本当に優秀な方ばかりなんです」
その後、監督と話し合いの末「大友は間の悪い人」という設定に。
「本来は優秀だけれど、
緊張やハプニングの瞬間に本領が発揮できない不器用な人ということで落ち着きました。
そうしないと、どうして大友のような看護師がバチスタ・チームに入ったんだ?
っていうことになってしまうので」
機械出しや専門用語の習得など医療知識を身につける苦労もあったと語る。
「機械出しは本当に難しくて…器具の数が多いのはもちろん、
渡す向きや角度を先生ごとに把握しなくてはならないので、
撮影当初は頭が真っ白に。
先生役の俳優さんたちも大変。
現場に鶏肉を持ってきて手術シーンの練習をしたり、
(医師としての)動きを滑らかにするために常に何かしら練習をしていました。
私は『すみませんっ』連発の失敗シーンしか使われていないんですけどね(苦笑)」
バチスタ・チーム7名の共演は撮影前に行なわれた本物の手術見学に始まった。
そこで大きなショックを受けたそう。
「医師の真横、
少し手を伸ばせば心臓に触れられるほどの距離で見学させてもらったんです。
麻酔で患者さんの意識がなくなり、
メスで開胸され、心臓が見えてくる──バチスタ手術の一連を体験しました。
手術の中盤にもなると心臓を目にすることに慣れてきて、
生命を操ることのできる西洋医学に対して神秘を感じたり。
驚いたのは止めていた心臓が再び動き出す瞬間。
その時の先生方の集中力は本当に凄かったです」
また、撮影現場で多くの時間をともに過ごすことで、
素晴らしいチームワークが自然と出来上がっていったという。
明けても暮れても手術シーンだったバチスタ・チーム。
現場はさぞかし緊張に包まれていたのかと思いきや意外にも会話が弾んでいたのだとか。
「誰も控え室に戻らなかったですね。
スタジオの中にあるテーブルを囲んで、さっきの手術シーンはどうだったか…
という話を常にしていました」
ときには共演者の意外な面も垣間見られたと振り返る。
「一番印象的だったのは玉山さん。彼、雑学王なんですよ。
なんでそんなこと知ってるの!?っていうほど何を聞いても答えられる(笑)。
田口さんと田中さんはお子さんの話、
佐野さんはご自身の書斎の話で盛り上がっていました。
池内さんはシャイだけれど内に熱いものを持っている人。
吉川さんは時間が空くと外でギターを弾いたり、
お医者さんを捕まえては色々と質問攻めにしていました(笑)」
ドラマの90%が病院内で進行し、
バチスタ・チームの医師たちは私服姿の場面さえほとんど無い。
竹内結子は何故か野球チームのピッチャーで、
試合をする場面が出てくるのですが、
そこが彼女の私生活の部分のすべてとして描かれている。
探偵側も容疑者達も家庭生活の無い人たち、という特異な世界観になっていて、
結果的に、映画全体が潜行作戦中の潜水艦か、
闇の虚空を彷徨う宇宙ステーションのような感じになっている。
時間の限られた映画という世界では、何かを描く為に、
それ以外の一切を斬って捨ててしまうという方法論が
かなりストレートに出ている作品です。

ミステリーとしては、
“起承転結”の“起承”、それに“結”は面白いです。
ですが“転”が不満です。
というか、あれだけのヒントでどうして犯人が分かったのか
不思議です。
容疑者の過去を調べたら、という話が出てきますが、
それは裏づけであって、解決方法とは違うでしょう。
バチスタの専門医だらけの手術現場でも発覚しなかった真相が、
外科でもない心療内科の竹内結子が、ビデオを見直しただけで疑いを持つというのは
無理のある展開…


以下はネタバレとなるのでこの続きはmixi独身映画ファンコミニティの
「チーム・バチスタの栄光」
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=28115395&comm_id=1299114をご覧下さい。




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