「トゥームレイダー2」映画製作裏話
★映画基礎データー★「トゥームレイダー2」 2003年 アメリカ映画 監督 ヤン・デ・ボン 脚本 ディーン・ジョーギャリス 出演 アンジェリーナ・ジョリー |
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ギリシャ神話で語られるパンドラの箱を求めて、悪の組織が暗躍。
そこには疫病をもたらすウイルスが秘められているらしい。
ララ・クロフト(アンジェリーナ・ジョリー)は昔の恋人テリー・シェリダン
(ジェラルド・バトラー)を相棒に迎えて、世界を救うための冒険に出る。
『スピード』のヤン・デ・ボン監督がメガホンを取ってます。
「トゥームレイダー2」はハリウッド映画ですが、製作主体はイギリスで、
前作でも使用された007ジェームズ・ボンドの撮影ステージがフルに
活用され、ギリシャ沖の海底神殿他102の巨大セットが組まれています。
またイギリス国内のウェールズの山岳地帯を中国山地に見立てて、
チャイナシンジケートの根城の襲撃場面などが撮影されています。
さらに
サントニーニ島、ケニア、香港と転々と各国をロケして回り、
一年の製作期間を経て公開されています。
ジェームズ・ボンド映画が持っていたアクション、ファッション、観光の要素が、
トゥームレイダー・シリーズにも確実に登場しています。
一作目は、アカデミー賞女優の身体を張ったアクションに
観客は驚かされました。
二作目でもヒロインは水上バイクで空中回転をしたり、
切立った岩場をフリーフォールで垂直落下しながら銃撃戦を演ずるなど、
これでもかこれでもかとアクションを連打していますが、
大変な労力を注いでいるにもかかわらず、
意外性が無い分、途中で飽きがきてしまいます。
ヤン・デ・ボン監督は
「原作ゲームの漫画っぽい部分を極力削ってリアリティを持たせた」と
語っています。
富豪の令嬢が実は冒険家、という基本設定通り、
某英国伯爵邸でロケされています。
前作ではドレス姿のララが執事にかしづかれるという場面がありますが、
今回はなし。
助手のブライス(ノア・テイラー)はクラフト邸の敷地の中の
トレーラーハウスに暮らすパソコンおたくなのですが、
映画では書斎で端末を操作しています。
一番分からないのは、執事のヒラリー(クリスタファー・バリー)で、
前作では「お嬢様、お茶のしたくが」などといいつつマシンガンをぶっ放す
お約束ギャグが楽しかったのですが、
本作ではララの武道のトレーナーだか運転手だか、
役回りがよくわかりません。
そもそも「トゥームレイダー」が”盗掘者”の事だと言うのが、
あの話で分かるのでしょうか?
政府の情報機関の下請け、個人営業のスパイ(?)のように見えやしまいか。
前作で説明済みだからと飛ばしてしまったといえばそれまでですが、
リアリティに徹するあまり(?)キャラのファンうけしている”くすぐりどころ”
まで取っ払ってしまうのはなぁ。
バカっぽさはあります。
冒頭、海底神殿に取り残されたララは、
わざと自分の腕を切って血でサメを呼び寄せ、
大口開けて襲い掛かるジョーズを素手で殴り倒すと、
背びれを掴んで海面へ脱出。
そこにプライスとヒラリーが潜水艦で救援に駆けつける…。
これはバカと言うより、
「主人公ははじめから不死身だよ」とネタバラししているように見えてしまいます。
もちろんすべてのアクション映画の主人公は不死身なのですが、
どたまでコレを見せられちゃうと、
その先、空を飛ぼうが撃ち合いになろうが、
かすり傷ひとつ負うわけが無い、と宣言するようなもので、
つまんないと思うのですが。
いえ、本当のことを言うと一番まずいのは、
本作でウリになっているはずの”ララの恋愛”です。
無敵のヒロインに”オトコが出来る”。
どんな男とどんな風に燃え上がり、
どんな結末を迎えるのか?
「パンドラの箱」の争奪戦より、観客の興味は
そちらにあることは明白なのですが、
ヤン・デ・ボン監督は質実剛健路線を突っ走り、
チャイナマフィアだの、細菌マッドサイエンティストだのを
次々に登場させてめまぐるしくララと戦わせています。
これぢゃあ、オトコと愛を囁く暇も無い。
元恋人で今は裏切り者の傭兵である男と共同作戦を張らざるを得なくなる。
ベタですが、別段この設定そのものは悪くないですが。
ひと言で言えば2人の関係にスリルが無いのですね。
ララが落ち着き払いすぎているのと、テリーに怪しさが足りないのの
相乗効果で2人が抱き合ってキスする場面がやけに唐突。(^^ゞ
ヤン・デ・ボン監督は「ロマンシング・ストーン」とか見たこと無いんでしょうか?
?
「一年の長期製作だと、その間に考えたアイディアと同じものを誰かが
先に公開してしまうかもしれない」とヤン・デ・ボン監督は語っています。
これは怖いなぁ。
新しいアクションの鮮度を保つことに身を削る努力は、
「マトリックス リローテッド」あたりで限界が見えてしまっているのかもしれない。
「座頭市」で北野武監督が、殺陣そのものの斬新さより、
タップに身を委ねるアップテンポの世界観の新しさで、
「HERO」等が成し得なかった映画祭の受賞を勝ち取ったことは、
このことを象徴しているようにも思えます。
途中、
ララとテリーが身体にヒレのような幕をつけて高層ビルから
海へ飛んで逃げる場面があります。
CGでなく実写のスタント場面で監督自慢のシーンです。
アングルが人物の上からのみですので開放感があるといえるところまでは
行ってませんが、
あれで人物をカメラが回り込むところまで撮れたら、
セリフに頼らぬ魅力的な絵が撮れたかも知れません。
こういうのを見せられると、
まだ映像にも可能性が残っているのではないか、と言う気にさせられますね。
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