「椿三十郎」

映画チラシ「椿三十郎」■作品基礎データ
「椿三十郎」
2007年 日本映画
監督:森田芳光
脚本:菊島隆三、小国英雄、黒澤明
出演:織田裕二
               

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ある夜、とある社殿の中で九人の若侍が密議をこらしていた。
上役の汚職を暴きだそうとしているのだ。
若侍の一人、井坂伊織(松山ケンイチ)によれば、
汚職の張本人、次席家老黒藤(小林稔侍)と国許用人竹林(風間杜夫)の
粛清の意見書を伯父である城代家老睦田(藤田まこと)に差し出したが
受け入れてもらえず、一方大目付菊井(西岡?馬)は快諾し、
井坂の仲間をこの社殿に集めるよう井坂に申し付けた。
意気あがる若侍たちの目の前に、
社殿の奥の間からよれよれの紋付袴の浪人(織田裕二)が現れた。
その浪人は、城代家老が本物で、
大目付の菊井が黒幕だといって若侍たちを仰天させた。
その言葉の通り、すでに社殿は大目付菊井の手の者によって取り囲まれていたのだ。
動揺する若侍たちを制して、浪人は、
九人を床下へ隠し、ひとり社殿の外に打って出た。
その時、敵方の室戸半兵衛(豊川悦司)はこの浪人が只者ではないこと知り、
寄せ手に引き上げを命じ、言葉をかけた。
「貴公なかなかできるな……仕官の望みがあるなら、おれを訪ねて来い」

浪人の前にかしこまる若待たち。
城代家老の身の危険も案じられる。
「こうなったら、生きるも死ぬも九人」と思いつめる若侍をみた浪人は、
急に怒鳴りつけた。
「十人だ!手前たちのやる事ア、危なくて見ちゃいられねぇ」
一同は、夜陰にまぎれて城代家老宅へ向かう。

しかし、城代家老は屋敷からはすでにどこかへ連れていかれた後だった。
睦田夫人(中村玉緒)と娘の千鳥(鈴木杏)は監禁されていたが、
浪人が機転を利かし二人を救い出し、
若侍の一人寺田文治(林剛史)の家にかくまった。
寺田の家は次席家老黒藤の隣家だった。
黒藤邸の庭は別名を椿屋敷と言われるくらい、椿の花が咲き乱れていた。
睦田夫人が浪人に語りかける。
「ところで、あなたのお名前は」
浪人は庭を見やりながら
「……椿……三十郎……もっとも、もうすぐ四十郎ですが」と名乗った。

三十郎と若侍たちは必死に城代家老の居場所を探すがいっこうに行方がつかめない。
黒藤か菊井か竹林の家のどこかに監禁されているはずだ。
一方、室戸や菊井たちも、
姿を現さない敵に苛立ちながらも様々な策略をはりめぐらせる。
三十郎を味方につけようとする室戸。
さらに三十郎をめぐる若侍たちの不和が自らを窮地に追い込む。
はたして、城代家老を探し出すことは出来るのか。

黒澤明監督と三船敏郎コンビの不朽の名作『椿三十郎』(1962年)の
45年ぶりのリメイクです。
角川春樹が製作総指揮を務め、
森田芳光監督がメガホンを執り、織田裕二が椿三十郎を演じています。
日本映画界での黒澤監督作品のリメイクは、今作が初めての試みです。
昨年5月、黒澤監督の代表作『椿三十郎』と『用心棒』の
リメイク権を取得した角川春樹氏に森田監督が
「三十郎役を織田裕二でぜひ撮りたい」と提案、この夢の組み合わせが実現しました。
織田の時代劇主演はもちろん初めてで、
森田監督自身も本格時代劇の演出は初となります。

織田裕二。森田監督は
「尊敬する黒澤監督作品のリメイクに身のひきしまる思い」
「今回リメイクに当たって、僕にとっては“三十郎”は
織田裕二君しか考えられませんでした。
時代によってヒーロー像は変わるという意味でも期待して頂きたいです」と語る。

そしてオリジナルでは仲代達矢が演じた、ライバル・室戸半兵衛には、豊川悦司。
「丹下左膳・百万両の壺」以来の時代劇出演。
当時、加山雄三が演じた井坂伊織役に松山ケンイチ。
また、若侍衆8名は、全員オーデションで選ばれ、
2ヶ月に及ぶ武芸特訓を経て撮影に望んでいます。

城代家老の娘・千鳥役には、鈴木杏。
時代劇映画初出演です。
城代家老睦田夫人を演じるのは、中村玉緒。
さらに若侍に囚われの身となる木村役に、佐々木蔵之介。
森田監督の前作「間宮兄弟」に引き続きの出演となります。
その他、風間杜夫、小林稔侍。藤田まこと。
原作は、山本周五郎作「日日平安」(ハルキ文庫刊)。
脚本は、菊島隆三、小国英雄、黒澤明。オリジナル脚本で映画化しています。

オリジナル版は昭和37年1月1日公開されました。
当初、黒澤が書いた【日日平安】の脚本には、殺陣がなく、
東宝側に受けが悪かった為、脚本を大改変、
我々の知る「椿三十郎」のストーリーに至ったそうです。

黒澤作品は、
毎回あまりに撮影に時間が掛かり、予算オーバーするので、
東宝としては黒澤側に独立プロとして共同制作し経費も念頭に入れさせるという
リスクを負わせます。こうして黒澤プロは誕生します。
良くある出世した芸能人がプロダクションを飛び出すのとは逆パターン。
黒澤プロの第1作目「悪い奴ほどよく眠る」が、
思ったより当たらず、
2作目に『とにかく面白いものを!』とプロダクションの存亡が係ります。
かくして 西部劇ティストを盛り込んだ娯楽作、「用心棒」は生まれます。
「用心棒」は大ヒット。
当然続編が求められ、
続編は、さらにエンターテイメント性を高めた。
「椿三十郎」とあいなります。
その特徴は、キャラクター性を極限まで高めた事。
(【日日平安】の侍イメージは、木村(佐々木蔵之介)に残っている)
そして、制作費を抑える為、室内劇が多い事です。
その分、殺陣シーンのスピード感を高め、
当事物議をかもし、今日では当然の演出となっている“惨殺音”と“血しぶき”が
はじめて時代劇に登場します
円熟期の三船敏郎が、この作品を演じたことも功を奏しました。
「椿三十郎」はその年の興行成績1位に輝きます。(【用心棒】は、前年3位)

新作は旧作の脚本をそのまま使用している為、
配役の妙と見せ方に工夫を凝らしています。

最後の室戸と椿の居合い対決。
黒澤は“どう切った”にこだわらず、
“どっちが切られたか”を究極の演出で見せています。
当時の仲代達矢(室戸役)によれば、
あのシーンは、リハーサルなしのぶっつけ本番だったらしい。
互いに、相手の動きも教えられなかったといいますからぶっそうなことです。
(擬闘とはいえ、殺陣は本来危険なものです。)
三船は、かの“逆抜き斬り”をこっそりと練習、
本番で、斬られた仲代は己の心臓から飛び出す血を“体感”し、
真に気が遠くなったと云います。
森田監督は“どっちが切られたか”は観客は承知の上と解釈し、
逆に“どう切った”にこだわり、
そこから転じて“どうして切られねばならぬのか、それは何を意味するのか”と
無言の僅か十数秒のシーンで見せています。

期待の松山ケンイチの出来は“中の上”といったレベルですが、
佐々木の絶妙の“間”は面白かったし、
玉緒さんは、“さすが役者やのう”と。
大島ミチルのダン!ダン!といった感じの
女性とは思えない力強さのある音楽も心地良かった。

織田ちゃんとトヨエツの芝居を点数評価するのは難しいですね。
三船と仲代が同じカメラのフレームに入ったときの“違和感”は
両者の凄みある存在感によるもので、
新作のふたりはなぜか互いの顔をなめあうほど近づき会話し、
ひとつのボールを打ち合う
どこかスポーツの対決のような雰囲気があり…

以下はネタバレとなるのでこの続きはmixi独身映画ファンコミニティの
「椿三十郎」
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=26812875&comm_id=1299114をご覧下さい。


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