「築地魚河岸三代目」

「築地魚河岸三代目」映画チラシ■作品基礎データ
「築地魚河岸三代目」
2008年 日本映画
監督:松原信吾
脚本:成島出 安倍照雄
原作:はしもとみつお 鍋島雅治
出演:大沢たかお
               

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赤木旬太郎(大沢たかお)は都内の総合商社に勤務するエリート・サラリーマン。
30代半ばにして会社では人事課長に抜擢され、
恋人の明日香(田中麗奈)ともそろそろ結婚を考えている。
公私とも絵に書いた様な順風満帆の人生・・・のはずだった。
そんな旬太郎に転機が訪れる。
会社での大掛かりなリストラの陣頭指揮を任されたのだ。
その対象者リストには、かつて世話になった元上司の名前もあった。
やり場のない気持ちをかかえ悩む旬太郎は、さらに驚きの光景を目撃する。
それは夜明け前の街を自転車で走る明日香の姿だった。
しかも、Tシャツにジーパン、ゴム長靴といういつもと全く違ったいでたちで・・・。

状況を理解できないまま、明日香に導かれ向かった先は...日本の台所・築地市場。
そこは周囲の静けさが嘘のように、
魚の匂いと多くの人々が行き交う活気に満ちた場所、
まるで迷宮だった。
明日香は仲卸の名店「魚辰」の二代目店主・徳三郎(伊東四朗)の一人娘だった。
体調を崩して入院することになった父の代わりに、
夜も明けぬうちから店を手伝っていたのだ。
こうと決めたら突き進む一本気な性格の旬太郎は、
半ば強引に「魚辰」の手伝いをすることを決心する。
装飾デザイナーとしての仕事も抱え、徹夜続きの明日香の身を案じてのことだった。

ところが、はりきって店先に立ったものの、
店を訪れるプロの客たちにからかわれたり、
冷やかされたりと客に逃げられてばかり。
魚河岸は長年培われたしきたりの中で玄人同士が真剣勝負をする場所。
ど素人の旬太郎が太刀打ちできるはずもない。
10代から店に立ち、
魚の目利きは築地市場屈指といわれる「魚辰」従業員の英二(伊原剛志)を始め、
周囲の反応も冷ややかだ。
それでも、負けず嫌いの旬太郎は、自腹で魚を買い、自分の舌で味を覚えようとする。
美味しいものには目がない旬太郎は、繊細な味を見分ける優れた味覚を持っていた。
いつしか、旬太郎は、魚河岸の真剣勝負の厳しさや嘘のない優しさ、
温かさの中に、サラリーマン生活で忘れかけていた何かを感じはじめていた。

一方、会社ではついにリストラがはじまった。
恩義を感じている元上司の金谷(大杉漣)に、
人事担当者として早期退職を申し入れた旬太郎は、
やみくもに会社の意思に従う働き方に疑問を感じずにはいられなかった。
「幸せってなぁ、自分の気持ちに嘘つかないで生きることだって、
この歳になってようやくわかったよ」
穏やかな笑顔で自ら辞職願を出した金谷の言葉に、
旬太郎の気持ちは大きく動かされる。
徳三郎の退院の日。
店に戻ってきた大旦那の姿に沸き立つ「魚辰」の店先に決意を決めた旬太郎の姿があった。
「お願いします。俺をここで雇ってください。会社には辞表を出してきました!」

築地で生きていきたいという旬太郎の一大決心は、
明日香や英二ら「魚辰」従業員たち、そして初対面の徳三郎を驚かせる。
ど素人のサラリーマンが、
娘婿として築地魚河岸「魚辰」の三代目に!?
噂はあっという間に築地中に広まったが・・・!?

小学館「ビッグコミック」にて連載中のロングセラーコミック
「築地魚河岸三代目」の映画化作品です。
東京・銀座の中心から通りを進むこと10分足らずの所にある中央卸売市場「築地市場」。
敷地面積約23万平方メートル、
東京ドームの約5倍の広さの中に、
水産・青果あわせて約900の仲卸業者が登録され、
水産部門の取扱いは世界最大級を誇る、まさに「日本の台所」です。
そこに生きる人々がこの作品の主人公達です。
主人公・赤木旬太郎を演じるのは、
『Life 天国で君に逢えたら』、『ミッドナイトイーグル』の大沢たかお。
築地魚河岸仲卸の名店「魚辰」の一人娘で、旬太郎の恋人・明日香には、
『銀色のシーズン』、『犬と私の10の約束』の田中麗奈。
他に伊原剛志、森口瑤子、柄本明、伊東四朗。
監督は、『なんとなく、クリスタル』、『青春かけおち篇』以来、
久々の劇場用映画の演出となる松原信吾。
また、『ミッドナイトイーグル』の監督を務めた成島出と
『手紙』、『やじきた道中てれすこ』の安倍照雄が共同で脚本を担当しました。
撮影は2007年9月から10月にかけて、築地市場の全面協力のもと、
早朝、実際の営業時間での緊張感に溢れた市場内と、
東宝スタジオに作られた「魚辰」のセットをメインに行われました。
「魚辰」のセット撮影では、周囲10軒程の店並みが再現され、
タイ、アジ、アワビ、伊勢エビ、イシダイなどの鮮魚・活魚を築地からトラックで直送。
監修のために来ていた仲卸業者が「ここで十分営業できる」と太鼓判を押すほど。

「ALWAYS 三丁目の夕日」と同じビックコミックスの長寿ヒット劇画が原作です。
けれど“昭和”も“CG”も出てきません。
下町人情ならぬ築地人情がウリの松竹お得意の人情喜劇です。
どちらかというと「釣りバカ」などの仲間と見たほうがよさそうです。
大沢たかお、田中麗奈が主演で、若い人に見せたいらしいですが、
試写会ではかつて無いほどシニアのお客が来ていました。
築地市場そのものが移転計画で揺れていますので、
この作品世界もいやおう無しに「ALWAYS」化してしまいそうです。

田中麗奈は、インタビューで築地にはどんなイメージを持っていたか?
実際にロケに入ってギャップを感じたか?と問われて次のように答えています。
「私は福岡出身なので、築地といわれてもあまりイメージがわかなかったんです。
朝が早いとか、お寿司とか…。
でも撮影が始まって実際に築地に入ってからは、
そこにいる人たちの活気や緊張感あふれる現場に驚きました。
そういえば映画の中に「千秋」っていうお店が出てくるんですけど、
実際にあるお店を貸してもらっているんです。
そこのご主人が、「これ持ってっていいよ」ってお魚をくれたりするんです!
今も仲良くさせていただいてます。 」
「築地の社会」と「普通の社会」の違いはなんなのでしょうか?
「昔からの歴史やルールですね、
やっぱり。人と人の絆が全然違うと思います。
例えば人との触れ合い方とか距離感がダイレクトで近いです。
本気でぶつかって、怒って、本気で笑っているんですよ。
築地って本当に新鮮なものを扱っている市場じゃないですか。
だからとても責任感のいるお仕事だと思うんです。
そういう真剣な態度が、築地で働く人たちの人間性を作ってるんじゃないかと思います。」
監督は、築地の魅力は?と問われて
「魚って、見ているだけでとても楽しいんですよ。
食べたらおいしいですしね。私は、最後の晩餐は肉より魚って決めているんです。
築地には、いろんな種類の魚・貝・干物などたくさんの魚介類が集まります。
見て歩いているだけで、改めて魚っていいなって思いました。 」
荒川良々さんと大沢さんの共演シーンは絶妙なやり取りでしたね。
松原監督「良々くんとのシーンで、
気をつけてみていると本気で大沢君が吹き出してしまっているシーンもあるんです。
本当はNGなんですが、あまりに面白かったので使っています。
大沢「:監督は、なんでこんなに面白い事を思いつくんだろう?っていうくらい
面白いことを良々くんに言わせたりするんです。
その面白さに耐えられなくって、つい吹き出してしまいました。
松原監督:「人間って、一生懸命だからこそおかしいっていうことがあります。
伊原くんがプロポーズするシーンですが、一生懸命すぎて滑稽に映っています。
敢えて、滑ったり転んだりというベタなシーンはないんですが、
こういった人間のおかしみを表現できたらいいなと思います。
原作を読んだ感想を教えてください。
どの要素に一番惹かれて映画化を決めましたか?
松原監督「一番大きなポイントはこの物語が群像劇だったからです。
映画を作り始めた時点で、原作は14巻まで出ていたんですが、
登場人物の多さゆえエピソードが豊富で、素材に困らないなという印象を受けました。
それと、グルメの話や薀蓄(うんちく)の話って、サラリーマンが好きでしょ。
こういった要素をちりばめて映画を作るのは面白いだろうなと思いました。 」
松原監督からみた大沢さんは?
松原監督「大沢くんはすごく真面目なんですよ。
私は彼のファンだったので、以前から一緒に映画を作りたいと思っていました。
彼が出演した「Life 天国で君に逢えたら」でのまっすぐな演技に胸を打たれましたね。
ただし、大沢くんは声がでかい(笑)。(録音機材の)針がふりきれちゃうんだから!
大沢さんからみた松原監督は?
大沢「特に映画は、登場人物が多いと、主役以外の描写がおろそかになったりします。
しかし、松原監督の演出によって、見事にキャラクターから血の通った人間になっていくんです。
この部分の演出が素晴らしい。
映画の仕事をずっとやっていますが、改めて気持ちを引き締めなおす機会になり、
松原監督と出会えて本当によかったと思っています。 」
大沢たかおに「食通という設定に慣れるため、お料理の勉強はされたのか?」と問うと
「魚のおろし方は教えていただいてどんどん練習しました。
おろした刺身を、
隣で待ち構えている助監督さんたちにガツガツ食べてもらっていました(笑)。」
出演された動機を問うと
大沢「映画は文化ですから、大人がちゃんとのっかってこない状態では、
映画がダメになってしまう気がして。30代、40代、50代、60代、70代……って、
人々も楽しめる作品を作らなければいけないと思うんです。
例えば『男はつらいよ』シリーズもそうだけど、伊丹(十三)監督の映画って、
大人が観ても子供が観ても面白い! 幅広い世代が楽しめる映画。
『築地魚河岸三代目』がそういう作品になれれば、と願っています。」
演じられた旬太郎の魅力は、やはり熱いところでしょうか。
「どうでしょうか。旬太郎が熱いと言うより、むしろ傾向として、
皆が冷たすぎる気がします。
マンションなど集合住宅のエレベーターで一緒になっても挨拶ひとつしない。
それは普通? 僕は東京で生まれ育ち、
子供の頃はご近所の人に挨拶をしないと叱られました。
今ってそういうことが少なくなった。
だから冷たい世の中になったな、ずいぶん変わったなと思うわけです。
希薄になりつつある人間関係を怖いな~って。もちろん全てがそうだとは言いませんよ。」
希薄な人間関係に対する警鐘として映画化する意義があると?
「僕のイメージの中で現代人って無臭なんです。ニオイがあっていいんですよ、
それが生きている証だから。魚河岸には、ちゃんとニオイがある。
そういうところが映画にする意味だと解釈しました。
撮影前に魚河岸を歩いてみて感じたことがあって、それが「核」。
魚河岸では人も場所も熱かった! 
それを「古き良き」にしちゃいけないな、と思った。
僕は人間関係って挨拶から始まると思っていて、
自分の方から声(=挨拶)をやたらとかけるんです(笑)。
挨拶をなおざりにする世の中だからこそ、いま映画化する意義があったと思う。」
隅田川に放り投げられたり、ビショビショになったり、過酷ですね。
「映画を観るなら勢いがあったり、楽しいほうがいいでしょう? 
隅田川っていってもすぐ海。放り投げられる場面は入念にリハーサルをしたので、
実際に落ちたのは1回だけ。水も温かったので大丈夫です(笑)。」
出演を機に魚に対する見方など何か変わりましたか? 
「父方の祖父母が魚河岸で働いていたこともあってか、僕自身は元々魚好き! 
釣りもしていましたから。僕は川釣り、兄貴は海釣り。
先日も兄貴が鯛(タイ)を釣ってきて、自分で捌(さば)いていました。
それから、今ちょうどキャンペーンで全国の魚河岸にお邪魔していて、
昨日は福岡に行きました。
それで福岡の鮮魚市場の理事長さんがおっしゃっていた「魚離れが深刻」って言葉が
心に残っていて。
なので「魚離れを阻止!」とまで大仰に言えないですけれど(笑)、
魚河岸だとか魚の魅力が映画を機に広まって欲しいと思っている…


以下はネタバレとなるのでmixi独身映画ファンコミュニティ
http://mixi.jp/view_community.pl?id=1299114
にて「築地魚河岸三代目」の頁をご覧下さい。


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