「WALL・E/ウォーリー」
■作品基礎データ 「WALL・E ウォーリー」 2008年 アメリカ映画 監督脚本:アンドリュー・スタントン サウンド・デザイン、特殊音声、ウォーリーの声:ベン・バート 音楽:トーマス・ニューマン |
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29世紀──人類はゴミだらけになった地球を捨て、宇宙に逃れた。
荒れ果てた地球に残されたのは、ただひとり
──“地球型ゴミ処理ロボット”のWALL・E(ウォーリー)だけだった。
700年という気の遠くなるような孤独の中で、
ウォーリーはその小さな身体を使って、どんなときもコツコツとゴミを片付け続けた。
いつの日か、誰かと出会えることを信じて…。
ある日、そんなひとりぼっちのウォーリーの前に現れた、
ピカピカのロボット“イヴ”。
天使のように美しいイヴに恋をしたウォーリーは、
彼女の気を惹くために必死にアピールする。
しかし、ウォーリーが見せた“あるもの”を目にした瞬間、
イヴは突然動かなくなってしまう。
彼女には、地球の運命を左右する“重大な秘密”が、隠されていたのだ…。
宇宙船にさらわれたイヴを救うために、ウォーリーは未知なる宇宙へと旅立つ。
それは、想像をこえた壮大な冒険の始まりだった──。
世界初の長編CGアニメーション映画「トイ・ストーリー」から、
アカデミー賞を受賞した「レミーのおいしいレストラン」まで、
絶えずアニメーション界をリードしながら、
新たなテーマに挑戦し続けるディズニー/ピクサー。
その最新作は、「ファインディング・ニモ」の
アンドリュー・スタントン監督が壮大なスケールで贈るSFファンタジーでした。
面白かったです。
ピクサーの作品は、SFの題材を扱っても、決っしてSFにならないところが、
ある種の魅力でしたが、
この作品では割とオーソドックスなSFになっており、
それなりに魅力的でした。
ですから、予告編にもあるとおり、
地球にひとりぼっちのウォーリーの前に突如現れたピカピカの卵型ロボット
イヴには謎があり、
その謎を廻ってドラマが後半大きく展開しますが、
ピクサーの作品で、前と後ろが別の話になっていること自体、珍しいので、
ネタ晴らしはしないでおくのがマナーですね。
人間の俳優との実写合成以外、
技術的な進化は「ウォーリー」では、
認めがたいのですが、
しかし、ウォーリーというロボットキャラと
相手役のイヴという対照的なキャラの見せ方、
その魅力についてはダントツに素晴らしいです。
字幕版と吹替え版がそれぞれ公開されていますが、
どちらで見たって
「うぉ~り~っ」「い~う゛~」くらいしかしゃべらない主人公ふたりの
ほとんどパントマイムで話がすすむのですが、
全身のボディラングリッジの豊かさ加減はあっぱれです。
アニメートする、とはどういう意味か?
命なきものに命の息吹を与え、
生き生きと情感豊かにドラマを語らせる
その素晴らしさ加減を堪能しました。
テーマ的には環境問題とか、エコとか、いまどきのテーマで成り立っていますので、
その点は過去のピクサー作品より先を行ってます。
もっともこれには、
CO2をもっとも大量排出するアメリカの無責任映画という
こっぴどい批判の書き込みが映画の掲示板に見られたことも付記しておきます。
クールなイヴが、ウォーリーのおちゃめなしぐさ
に時々、目を細めて「うふふのふ」って感じで笑う(?)
ところがヒューマンな感じでとてもよいです。
ユーモアを理解する、というのはとても知的で、
感情……情感というのはとても高度な精神活動なのだと
感じたのですが、
深読みのしすぎでしょうか。
監督のアンドリュー・スタントンの
インタビューを再録します。(以下は複数の記事を継ぎ接ぎしています)
アンドリュー・スタントン
'65年、マサチューセッツ州生まれ。
カリフォルニア芸術大学(カルアーツ)でキャラクター・アニメーションを学ぶ。
ピクサーに9番目のメンバーとして入社。
『トイ・ストーリー』で脚本、『バグズ・ライフ』で共同監督、
『ファインディング・ニモ』で監督を担当。
『レミーのおいしいレストラン』でピクサーに
3度目のアカデミー賞長編アニメーション賞をもたらす。
「人類が地球を去るとき、
一体のロボットのスイッチを切り忘れたら、そのロボットはどうなるだろうか?
14年前のあるランチタイムに、そんなアイデアがふと浮かんで以来、
それが頭から離れなかった」
『ウォーリー』の物語が生まれたきっかけを
監督/脚本/原案のアンドリュー・スタントンに尋ねるとこんな答えが返ってきた。
換言するなら“14年もの間、ずーっと温めてきた”ことになる。
「『ファインディング・ニモ』を完成させたことで、
この話を1本の長編映画に仕上げる自信がついた」
スタントンは、4年をかけてやっと『ウォーリー』を完成させたのだ。
長編アニメは1年に1本。1本の製作におよそ4、5年を費やす。
「製作中は観客のことを考えない。
僕たちはいつも、自分たちが観たい映画を作っているからだよ」
と言うのはスタントン。
14年間、諦めることなくこだわり続けられたワケはここにもある。
マーケティングが命の昨今の映画業界で、この立場を守ることは大変な事。
『ウォーリー』は2部構成。
ゴミだらけの地球でウォーリーとイヴが出会う前半。
ふたりが宇宙へ飛び出し人類の宇宙ステーションで大冒険する後半。
前半は無声映画、
後半は驚きの宇宙SFと、
異なるふたつの世界が違和感なく同居している。
「ふたつの世界を正確かつ説得力あるものに描きたくて、
前半はチャップリンの無声映画的なものを目指した。
優れた無声映画の場合、観客は主人公たちの考えや感情を一生懸命想像する。
それは彼らと映画に特別な関係をもたらすと思ったんだ」
「絵だけで物語を伝えるのは僕たちアニメーターの目指すところでもある。
だからサイレントに魅せられたんだよ。宇宙SFに関しては僕の趣味かな(笑)。
SF映画をたくさん観直したんだけど、そこでわかったことがあった。
僕が好きなSF映画は60&70年代に作られたものばかりで、
そういうタイプは今はもう作られていない。
で、僕はこう思ったわけさ。じゃあ自分で作ろう!ってね」
ゴミのヤマを黙々と片付け続けるウォーリーの姿が印象的だったが、
作品の背景に、米国を中心とした大量消費社会への批判があるのでしょうか?
「実は僕の発想はまったく逆で、
まずストーリーとして主人公が取り残されたロボットを設定した。
地球上に人類が誰もいなくなった状況として、
人間が住めないほどゴミがたまってしまった背景にしよう、と考えた。
ゴミの山を作ることで、ロボットが一生懸命人類の尻拭いをしている面も描けるし、
ゴミの山からどんな人類がいたかを想像していくシーンも描けるからだ。
結果的にゴミのヤマにしたということで、
消費し過ぎた物質社会・消費社会を連想させることになったと思う。
ただ、結果的にいまの我々の消費社会のあり方を考えさせることになったとは思うが、
最初に頭にあったのは、ロボットとゴミの山だった。」
ウォーリーの充電完了音はMacの起動音ですね?
「スティーブ・ジョブズは僕たちのオーナーだし(笑)、
700年後もまだあの音は生きているんのです。」
ウォーリーがお気に入りの映画を見る場面では、iPodも出てきますが、
ウォーリーが取り出すのはビデオテープですね。
「僕はビデオテープの時代に育ちだから。
もっとオタクっぽいことをいうと、あれはVHSじゃなくてベータマックスだ。
技術はどんどん新しくなっていくが、
ウォーリーはどんな時代のものでも対応できるってことをしめしたかった。」
ウォーリーの動きはとてもコミカルでかわいいのですが、参考にしたものはありますか?
「ピストンや水圧計、ギアなど、あらゆる機械の動きを研究して、
動物に例えたらどういう筋肉になるんだろうと考えた。
また、1年ぐらいかけてバスター・キートン、チャーリー・チャップリンの映画も
研究した。彼らは台詞なしでいろんなことを表現する巨匠だから。」
『スター・ウォーズ』のR2-D2の音などを手がけたベン・バート氏が
サウンド・デザインを担当されていますが。
「この映画をほかの人に説明するときに、
「まさにR2-D2が主人公の映画にしたもんだよ」って言っていた。
そうしたらプロデューサーが
「じゃあ、いっそのことR2-D2をやったベン・バート氏を雇っちゃおうよ」って。
音だけで表現をするということをベンは30年間かけてマスターしているので、
この仕事は彼以外の人ではできなかったと思っている。」
コンピューターの声がシガニー・ウィーバーってところがすごいですね。
「SF映画はコンピューターの声は女性だ。
『エイリアン』にもコンピューター・マザーが出てくるが、
今回はリプリーがコンピューター・マザーになってしまうわけ。
ある意味、シガニー・ウィーバーってSF界では女王様だし。
初めからプロデューサーに
「シガニー・ウィーバーを雇えるぐらいのお金を取っておいてね」と頼んでいた。
1日あれば声のレコーディングはできるから、
4年くらい待って、最後の録音の段階で彼女に頼もうって言っていた。
幸運にも彼女が引き受けてくれて、
レコーディング前日に彼女と食事をしたときにその話をしたら、
「ピクサーは大好きだから、初めに頼んだってやったわよ」って言ってくれた。
宇宙空間や広大な廃墟になった地球を3DCGで描く上で苦労した点などありますか?
「あれだけの広大さを出すにはいろんなトリックがあるのだけど、
ILMに『スター・ウォーズ』などの特殊効を手がけている
デニス・ミューレンという専門家がいて、
地球が地平線までずっと見えるような風景をどうやって描けばいいのか、
彼からいろんなアドバイスを受けた。」
言葉のほとんどないロボットたちの感情表現を描くために気にかけた点はありますか?
「ロボットたちには口もなければ鼻もない。目だけある。
それをいかに使うかでちょっとした表情が生まれる。
ロボットは口もないからキスもできない。
だから手をつなぐことが重要な意味をもってくる。
どこかで読んだんだけど、
どの国でも手をつなぐっていう動作は
お互いが好意をもっていることをしめすいちばん明らかな普遍的な行為だって
書いてあった。
『ハロー・ドーリー!』であのシーンを見たときに
「I LOVE YOU」って言葉で発せないときに、
それを明確に表わすのは手と手を握る行為だと思いついた。」
監督はいつごろからエコロジーについて興味があったのでしょうか。
「環境問題やエコロジーについては、「ファインディング・ニモ」については海を、
今回の「ウォーリー」では地球を描いたが、
社会的メッセージ性を考えて描いたわけではない。
実は私は地球も大好きだし、環境を残すことも大事だと思うが、
もっと大きなメッセージがある。それは人類にとって一番大事なこと「愛」だ。
その愛を無くしたらどうなるか、その中には環境問題も含まれるが、
人類が失ってはいけないものとしての愛をウォーリーが知り、学んでいく過程を描いた。」
今後どのような作品に取り組みたいと考えていますか?
「『WALL・E/ウォーリー』って作品は僕が'70年代に大好きで、
いっぱい見ていたSF映画に対するラブレターなんだ。
1968年の『2001年宇宙の旅』から、『スター・ウォーズ』('77)、
『未知との遭遇』('77)、『エイリアン』('80)、『ブレードランナー』('82)まで、
黄金期だったと思う。
僕としてはこれから先、大好きだったそういう作品、
僕が受けた感動をみんなにも与えられるような作品に取り組んでいきたいと思っている。」
「『ファインディング・ニモ』は大きな作品の中に僕がアートハウス映画で
感じていたような気持ちを込めたつもりだ。
『ファインディング・ニモ』が非常に成功したおかげで、
今回の『WALL・E/ウォーリー』ではもっともっと自分のテイストを盛り込んでいる。
今まで観た中で大好きな映画が2本あって、
ひとつは『ニュー・シネマ・パラダイス』('89)で、
もうひとつが日本の『Shall we ダンス?』('96)。
この2本は…
以下はネタバレとなるのでmixi独身映画ファンコミュニティ
http://mixi.jp/view_community.pl?id=1299114
にて『WALL・E/ウォーリー』の頁をご覧下さい。
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