「ウォーター・ホース」

「ウォーター・ホース」映画チラシ■作品基礎データ
「ウォーター・ホース」
2007年 アメリカ映画
監督:ジェイ・ラッセル
原作:ディック・キング=スミス『おふろのなかからモンスター』(講談社刊)
脚本:ロバート・ネルソン・ジェイコブス
出演:エミリー・ワトソン
               

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 いつもひとりぼっちの少年がいた。
彼の名前は、アンガス・マクマロウ(アレックス・エテル)。
時は、第二次世界大戦の真っただ中、
少年は戦地へ行ったまま音信不通の父親の帰りを、ただひたすらに待っていた。
神話と伝説が息づき、美しい森と湖に囲まれたスコットランドの村で、
母のアン(エミリー・ワトソン)と姉の3人で暮らしているアンガスだが、
大好きな父親がいない寂しさは、誰にも埋めることはできなかった。

そんなある日、アンガスはネス湖で青く光る不思議な卵を見つけて、
こっそりと持ち帰る。
そこから生まれてきたのは、今まで1度も見たことがない生き物だった。
最初は恐る恐る、アンガスは自分の手から食べ物を与える。
優しく傷の手当てをしてくれたアンガスを親だと勘違いしたのか、
すぐになつき始めた生き物に、アンガスは“クルーソー”と名付けるのだった。

ところが、マクマロウ家にやって来た珍しい客は、クルーソーだけではなかった。
イギリス軍が押し寄せ、マクマロウ家の広い屋敷を、
ハミルトン大尉(デヴィッド・モリッシー)を始めとする
将校たちの宿舎にするというのだ。
ネス湖がそそぐ海に出没するというナチの潜水艦を撃退するのが目的らしい。

アンガスは、母親はもちろん、兵士たちがクルーソーに気付かないか、
気が気でなかった。
そこへ、アンガスにとっては3番目の招かれざる客が、
クルーソーを隠している作業小屋に現れる。
ルイス・モーブリー(ベン・チャプリン)、
マクマロウ家の下働きとして雇われた男なのだが、
経歴などもよくわからず、どこかワケありの影をたたえていた。

あっという間に成長したクルーソーは屋敷の中を駆け回り、
最初は姉に次はモーブリーに見つかってしまう。
2人は「この子の友達は、僕だけなんだ」と懸命に訴えるアンガスに、
秘密を守ると約束してくれる。
しかもモーブリーは、クルーソーが何ものかを知っていた。
ケルト人の古い伝説に出てくる“ウォーター・ホース”だというのだ。
年をとると卵を産んで死ぬので、いつもこの世に一匹しか存在しない、
世界一珍しくて、世界一孤独な生き物なのだ。
アンガスとクルーソー──神様がひとりぼっちの2人を、
引き合わせてくれたのかもしれない……。

モーブリーはアンガスに、
水の中で自由に生きるウォーター・ホースは、ネス湖に放すべきだと忠告する。
最初は離れ離れになるのを嫌がっていたアンガスも、
一晩ごとに成長していくクルーソーの姿を見て、渋々承諾するのだった。

大人たちの隙を見ては、ネス湖へとクルーソーに会いにいくアンガス。
今ではクルーソーは巨大といっていい大きさだった。
ある日、クルーソーは、アンガスを背中に乗せて、湖中を自由自在に泳ぎ出す。
泳げないアンガスは、最初は怖がっていたが、
いつしか水中の魚や海藻の美しさ、難破船の宝物に胸躍らせ、
水中から空に跳び上がるクルーソーのスピードに興奮し、
父親がいなくなって以来初めて、心から楽しそうに笑うのだった。
もはやクルーソーとアンガスは、
言葉が通じなくても、信頼と深い愛情で、しっかりと結ばれていた。

しかし、ささやかな幸せが終わりを告げる時がやって来る。
クルーソーを目撃した大人たちが、伝説の生き物を捕獲しようと計画し、
宣伝のために捏造写真まで撮影したのだ。
ところが、もっと過酷な運命が二人を待っていた。
兵士がクルーソーを敵の潜水艦と勘違いし、砲撃命令を下したのだ!
砲撃に怯え、狂ったように水中を逃げ惑うクルーソーにまたがり、
大海原へ逃がそうとするアンガス。
攻撃の手をゆるめない兵士たち、
クルーソーを生け捕りにしようとする大人たち、
アンガスを助けようとするモーブリー、
クルーソーの姿に驚きながらも息子を追いかけるアン。
果たして、アンガスは、たった一人の親友を守ることが出来るのか──?


世界中の誰もが、1度は見たことのある1枚の写真。
スコットランドのネス湖で、
水面から長い首を突き出して悠然と泳ぐ、伝説の生き物の写真だ。
イギリスのデイリー・メール紙に掲載され、
真偽のほどが世界中で大論争となったが、
早くから何らかのトリックだという意見が優勢だった。
その後、関係者からの告白騒ぎもあり、今ではほぼニセモノ写真だと結論付けられている。
しかし、この写真がニセモノだからといって、
伝説の生き物も存在しないと言い切れるのだろうか?
 ニセモノ写真が撮られた背景には、
ホンモノの感動秘話があった──そんな大胆な発想から生まれたのが、
映画「ウォーター・ホース」である。
「ベイブ」の原作で知られる、
イギリスを代表するベストセラー作家ディック・キング=スミスの夢あふれる小説を、
「ロード・オブ・ザ・リング」でアカデミー賞に輝いたスタッフが、完全映画化。
伝説の生き物の不思議な光を放つ卵、
子供から大人になるまでの成長の過程を、最新SFXでクリエイト。
アンガス役に抜擢されたのは、
8歳の時に「ミリオンズ」で華々しい映画デビューを飾ったアレックス・エテル。
母親役には、「奇跡の海」「ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ」で
アカデミー賞にノミネートされ、
演技派として高く評価されているエミリー・ワトソン。

主役キャラクター、ウォーター・ホースのクルーソー作りを担ったのは、
『ロード・オブ・ザ・リング』三部作、
『キングコング』、『ナルニア国物語』の特殊効果を手がけた
ウェタ・デジタルとウェタ・ワークショップだ。
「作品の中心となるクリーチャーだから、
まず彼の性格を決めることから始めた」と語るのは、
アカデミー賞受賞者、ウェタ・デジタルで
視覚効果スーパーバイザーを務めるジョー・レッテリSr.である。
「一番重要なのは、彼が動物だということだった。
個性は持たせなければならなかったけれど、擬人化はしたくなかった。
また、非常に重要だったのは、
アンガスがクルーソーの中に自分自身を見られるようにすることだった」
クルーソー誕生のプロセスの第1段階は、
この神秘的な生き物をデザインすることだった。
誰もウォーター・ホースを見たことがないため、
デザイン上の制限はまったくなかった。
ラッセル監督はこう語る。
「クルーソー・コンセプチュアル・デザイナーの
マット・コッドとの最初の打ち合わせの際、
様々な動物や生き物を研究した。
伝説上の生き物の、僕たちなりのバージョンを作るわけだから、
ユニークなものが何か欲しかった。
最初のコンセプト画では、クルーソーの顔と体に約10種類の動物を使った。
最初のコンセプト画をよく見ると、目は鷲で鼻は馬だとわかる。
それに犬や恐竜、さらにはキリンの要素もある。
観客に、
「見たことがあるような気もするけど、それが何だかはっきりとはわからない」と
いった奇妙な感じを抱いてもらいたかったんだ」と、
ラッセル監督は言う。
クルーソーは数週間のうちに子供から大人になるため、
特殊効果チームは数段階にわたってその成長過程をデザインする必要があった。
今回クリーチャー・アートディレクターを務めた
ウェタ・ワークショップのシニア・プロセティックス・スーパーバイザー、
ジー・アセヴェドは、
シーンが変わっても同じ生き物を見ているんだと観客がわかるように、
いくつか特徴的な要素を持たせたと言う。
「特有の小さな模様や配色によって、
最初から最後まで流れるように成長してゆくんだ。」
それでもなお、成長と共に変化も訪れる。
「監督の望みは、子どもの頃のクルーソーの色を明るくし、
成長するに従って濃くしてゆく、ということだった」と、アセヴェドは言う。
「ティーンエージャーになったクルーソーは、
子供の頃のぽちゃっとした感じがなくなって、
筋肉がはっきりとしてくる。
大人のクルーソーは、
背中が濃い色でそこからお腹にかけてだんだん色が明るくなっていくんだ」
アセヴェドはさらにこう続ける。
「クルーソーの大きさをどうするか話し合っている時に、
ウェタ・デジタルがアンガスの模型を作って
クルーソーの背中にくっつけたんだ。
そのおかげでちょうどいい大きさが見つかるまでいろいろと試すことができた」
アセヴェドとウェタのチームは、
アザラシやプレシオサウルスの特徴や、
ごく細かなシワやディテールを付け加え、粘土彫刻で模型を作った。
その後、ウレタン製のクルーソーを作り、
それを使ってペイントスキームを練り上げた。
ペイントスキームでは、
再度現実の世界にインスピレーションを求めたとアセヴェドは言う。
「クルーソーの色をデザインするにあたっては、
彼が暮らしている環境を考慮した。
スコットランドの湖水はかなり濁っていて、海草もたくさん浮いている。
クルーソーは、そこに何百年も暮らしている魔法の生き物だ。
そのためにはうまく自分自身をカモフラージュできなければならない。
そうでなければ捕まってシーワールドに送られてしまうからね」
それをスタート地点として、
アセヴェドは雑多なパターンでペイントスキームを考え始めた。
「それと同時に、クルーソーが実在する生き物ではないため、
もう少し面白いものにするため少しだけ既成概念の枠を超えてみた」と、
アセヴェドは言う。
アセヴェドがデザインを完成させると、
作業のバトンはウェタ・デジタルに引き継がれた。
そこではウレタンで作られたクルーソーをスキャンして
コンピュータで2次元のモデルが作られた。
そしてそこからクルーソーの骨格と筋肉構造と皮膚が作られた。
最大の技術的進歩が見られるのが、クルーソーの皮膚である。
「クルーソーのために新しいスキン・テクノロジーを開発したんだ。
水に入ったり出たりする際に彼の皮膚が微妙に変化するのがわかるよ」と
レッテリは言う。

撮影の大半はニュージーランドだったが、
スコットランドでなければならないロケーションが1箇所あると、
監督は撮影開始前から決めていた。
それはアンガスが母と姉と一緒に暮らす館の外観で、
田園地帯に建つ築100年以上の館、アードキングラス・ハウスで撮影された。
美術監督のトニー・バローは言う。
「あの土地には何百年も前から家が建っていたけれど、
どれも火事で焼けてしまった。
今建っている家は1910年に建てられたものだが、
中世風の狭間胸壁や塔のある重厚な館に似せた設計となっているため、
もっと古い建物に見える。
巨大ではないものの、昔の建築様式の面影がある。
家に入ると、壁には、
火事で焼けた美しいジョージ王朝風の館の写真が飾られているんだ」
この土地は1世紀前から同じ家族が所有しており、
不動産貸し、高地農業、林業といった昔からの事業に加え、
育苗、ガーデンセンター、甲殻類の養殖場、オイスターバー、
採石場、鮭の養殖といった多用な事業を行っている。
スコットランド滞在中、バローはニュージーランドでの撮影に備え、
映画の他のシーンのインスピレーションとなるような場所をリサーチして歩いた。
「ネス湖や近くの村々を訪ねて現在の状況を見ると同時に、
2世代前にはどのような生活が営まれていたかを調べてきたんだ」と、彼は言う。

ニュージーランドが理想的な撮影場所となった理由は、
いかなる規模の映画撮影をも受け入れられる
一流の映画コミュニティがあることを証明してきた国であるだけでなく、
多様な風景のおかげで、バラエティに富んだロケ地が確保できるからでもあった。
また、言うまでもなく、このエフェクツ満載の作品のキープレーヤーである、
ウェタ・ワークショップとウェタ・デジタルの本拠地が
ウェリントンにあるからだった。
美術監督のバローは言う。
「上空から撮った映像を何時間かにわたって見せてもらったところ、
クイーンズタウンの映像に目がとまった。
そしてヘリコプターで飛んでみて、ここならうまくいくって思った。
湖に沿って小道があるのを見たときには、
ここだって確信した。
ヘリコプターから降りたら、
ハリエニシダ(スコットランドでよく見られる植物)がいっぱい生えていた。
最初に思ったのは、
「これはスコットランド以上にスコットランドだ」ってことだった。 」

プロデューサーのバリー・M・オズボーンは
「ワカティプ湖の向こう側に4万頭の羊がいる牧場があって、
そこが最適な場所だった。
だからそこで撮影することに決めたんだが、決して楽な選択ではなかった」
問題のひとつは、
映画コミュニティがあるウェリントンは北島の南端にあり、
クイーンズタウンの近くにあるワカティプ湖は、
そこから400マイル以上離れた南島の真ん中にあることだった。
「クイーンズタウンを拠点としている映画クルーはほとんどないんだ。
だから、
ウェリントンからクイーンズタウンまで大勢のクルーを
連れていかなければならなかった。
さらには、牧場の道はすべて農道で、舗装された道はひとつもなかった。
そのため何本かの農道を我々の車両が通れるように手を入れた。
また、崩れ落ちる危険性のあった橋も直した。
そしてクルーを連れて毎日湖を行ったり来たりしなければならなかったから、
スケジュールを組むのがかなり大変だった。」

撮影初日、キャストとクルーは湖に突き出した突堤の上に集まり、
マオリ族の伝統的な祈りに参加した。
地元のマオリ族の長老たちが儀式を執り行い、
ラッセル監督やエミリー・ワトソン、アレックス・エテル、
ベン・チャップリン、デヴィッド・モリッシーに、
不運から身を守る伝統的な緑の石を贈った。
撮影開始直後の3週間は、クイーンズタウンの対岸で撮影が行われた。
そのため、200人のキャストとクルーが毎日ボートでセットに通うことになった。
クイーンズタウンではちょうど冬の始まりを迎えたところで、
山頂には初雪が積もっているのが見えた。
この季節に珍しいことに、湖はほとんどずっと静かに凪いでいた。
昼は息を飲むような
素晴らしい景色を見ながら、そして夜は満天の星空を見ながら一行は湖を渡った。
「撮影は夜だった」と、アレックスは言う。
「すごく寒くて、湖のそばにいた上に、
降雨機から氷のように冷たい雨が土砂降りのように降ってきた。
衣装係の人たちは本当にプロで、
できる限り僕が暖かくいられるようにしてくれたんだ」

クイーンズタウンでの作業を終えた一行は、
チャーター機でウェリントンに飛び、
ストーン・ストリート・スタジオで撮影を再開した。
スタジでは、美術監督トニー・バローが設計した見事なセットで撮影が行われた。
中でも特に際立っていたのは、
彼らが作った貯水量420万リットル以上の世界最大級の屋外撮影用水槽だった。
「深さ2.4メートルあって、大きさはフットボール場の四分の三くらいもあった」と、
オズボーンは言う。
およそ70メートルx100メートルの水槽は、
3方をブルースクリーンで囲まれていた。

アレックスは、撮影開始の時点では、ほとんど泳げなかった。
スタントマンに頼らず、すべてのシーンを自分でこなすために、
アレックスは何週間にもわたって、
スタント・コーディネーターのオージー・デイヴィスと共に水泳の練習に励んだ。
デイヴィスはこう言う。
「アレックスが出演する約20の水中ショットがあり、
各ショットで20秒ずつくらい息を止めていなければならなかった。
彼の周りには、スペアのタンクを持ったダイバーたちがいて、
アレックスが空気を吸う必要があったらいつでも吸えるようになっていた。
アレックスはとても水が好きになり、
ダイビング・インストラクターと一緒に長時間トレーニングして、
大体45秒息を止めていられるようになった。
これまでこうした環境で育ってこなかった子供にしては実に見事だ」

スコットランドから何千マイルも離れたニュージーランドの
サウンドステージに作られたキリン・ロッジの室内セットに関しては、
美術監督のトニー・バローはかなり自由にデザインをすることができたと言う。
「イギリスの田園地帯にあるマナーハウスや
スコットランドの大きな狩猟用ロッジなど、様々な資料にあたった。
最終的には、それら異なるイメージすべてを合わせた家を作った。
ある家の素晴らしい暖炉、他の家の見事な階段やドアの飾りといった具合にね。
家に歴史を与えると同時に、
建物の外観に合うように室内をデザインしなければならなかった。
エリザベス女王やジェームズ1世時代の要素や、
中世の石細工などを取り入れたビクトリア朝の家にした。
まさにビクトリア女王時代の建築士と同じことをやったんだ。
彼らは様々な時代の様式を盗み、
それぞれのディテールやデザインを誇張したんだ」


予告編が泣かせる出来で、-というか、
あれじゃオチまで判ってしまうじゃないかと思うのですが-
とはいえ、少年と怪獣の対比とネス湖の美しい風景に惹かれて
なかなかに楽しみにして出かけました。

予告編の出来が良すぎて、
本編は脚本の脇の甘さが気になりましたが、
映像美と世界観の美しさは満足できました。
「遠い海から来たCOO」を実写で撮るとこんな感じ、といったら判りやすいかな?
しかし第二次世界大戦をバックにしたこの作品の方が、
世界観に味わいがあります。
人類の文明で最たる悪が戦争です。
それと怪物がぶつかるというのはあるようで無いアイディアです。
クルーソーと名づけられた怪物が少年を背に乗せ、
ネス湖の湖上を
水中を自在に泳ぎまわるシーンの美しさは惚れ惚れする出来で、
(でも主人公の少年が窒息死しないのが不思議ではあるけど)
ファンタジーファンを自負するなら…

以下はネタバレとなるのでこの続きはmixi独身映画ファンコミニティの
「ウォーター・ホース」
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=27523602&comm_id=1299114をご覧下さい。

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