「ワールド・オブ・ライズ」
■作品基礎データ 「ワールド・オブ・ライズ」 2008年 アメリカ映画 原題:Body of Lies 監督・製作:リドリー・スコット 原作:デイヴィッド・イグネイシアス 脚本:ウィリアム・モナハン 出演:レオナルド・ディカプリオ ラッセル・クロウ |
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CIA本部に勤めるエリート局員、エド・ホフマン(ラッセル・クロウ)。
彼の指令で、どんな危険な現場にも潜入する工作員、
ロジャー・フェリス(レオナルド・ディカプリオ)。
彼らの任務は、爆破テロ組織のリーダー、アル・サリームを捕まえること。
イラクで活動中のフェリスと助手のバッサームに、
自爆テロを命じられたニザールという組織の男が、情報提供を申し出る。
同志に向けて犯行計画を語るサリームの最新映像だ。
フェリスはニザールの保護を要請するが、ホフマンはあっさり却下。
ニザールを泳がして誰に殺されるか確認しろと命じる。
拉致されかけたニザールから自分の身元が漏れるのを阻止するため、
結局はフェリスが彼を殺す。
アジトに乗り込んだフェリスを待っていたのは、激しい銃撃戦だった。
資料を奪ってバッサームの車に飛び乗るフェリス、
猛スピードで追いかける組織のジープ、空から応援に急ぐ軍用ヘリ、
容赦なく発射されるミサイル砲……。
数日後、病院で瀕死の状態から目覚めたフェリスの皮膚にめり込んでいたのは、
バラバラに砕け散った相棒、バッサームの骨だった。
彼の遺族への補償を、ホフマンは冷たく却下。
フェリスにヨルダン行きを命じる。
彼が奪った資料から、アンマンにあるサリームの隠れ家が発覚したのだ。
ヨルダン情報局(GID)の責任者、ハニ・サラームに協力を仰ぐフェリス。
ハニは油断のならない超一流の工作員だが、
アラビア語に堪能で頭が切れるフェリスをひと目で気に入る。
フェリスもまた、ハニに最上級の敬意を表し、ホフマンの命令に背いて情報を提供する。
ハニとフェリスの信頼関係をブチ壊したのは、ホフマンだった。
ハニのスパイになった組織の戦士カラーミをアメリカ側で利用したいと考えたホフマンは、
フェリスに黙ってカラーミ誘拐を企てたのだ。
裏工作は失敗、せっかく掴んだ隠れ家は組織によって燃やされ、
フェリスはハニから国外退去を宣告される。
フェリスは、激怒した。
これ以上、部下をコマのひとつとしか考えない勝手な上司に従うのはゴメンだ。
現場を知らない上司の、頭だけで考えた作戦にもウンザリだ。
フェリスは自らの豊富な経験から、前代未聞の危険かつ大胆な作戦を思いつく。
それは敵を罠にかけるために、味方はもちろん、世界中の人々さえも欺く完璧な嘘だった。
フェリスの嘘、ホフマンの嘘、ハニの嘘、
それを迎え撃つサリームの嘘──果たして、最後に勝つのは、誰の嘘か?
監督は、
『グラディエーター』『エイリアン』『ブレードランナー』
『ブラック・レイン』『ハンニバル』『アメリカン・ギャングスター』
『ブラックホーク・ダウン』のリドリー・スコット。
フェリスに扮するのは、『タイタニック』『ギャング・オブ・ニューヨーク』
『ディパーテッド』のレオナルド・ディカプリオ。
ホフマンには、『グラディエーター』でアカデミー賞に輝いたラッセル・クロウ。
物語は、「ウォール・ストリート・ジャーナル」や「
ワシントン・ポスト」に執筆しているベテラン・ジャーナリスト、
デイヴィッド・イグネイシアスの小説「Body of Lies」に基づいている。
脚本は、『ディパーテッド』でアカデミー賞を獲得したウィリアム・モナハン。
2009年の年明け初の映画鑑賞が「ワールド・オブ・ライズ」でした。
「嘘が武器、(デュカプリオとクロウ)どちらの嘘が世界を救うのか?」
なんていうどーしようもない宣伝コピーが付いていたので、
およそ期待しないで見たのですが、思ったより面白かったです。
ハリウッド映画でイスラム原理主義のテロリストが悪役で登場するのが、
驚きです。
確かトム・クランシーの原作ものもネオ・ナチスなんて時代遅れの設定に
変更されて映画化されたものがあったはずだけど。
CIAとイラクのテロリストの騙し合いの戦いを描いたものですが、
「トラフィック」「シリアナ」のようなシリアス物のように見せて、
後半、大ぼら話にシフトするところが私的には好きです。
けど現実にあの作戦はありえないでしょうね。
技術的には可能でしょうが、
例えばビンラディンを誘い出すのに、
駐留米軍の信用を自ら失墜させると言うのは、
政治的な敗北になってしまいますから。
レオナルド・ディカプリオのインタビューよりメイキングに関わる部分を再録します。
Q:あなたが演じたロジャー・フェリスについて少し話しましょう。
彼をどう見ていますか?そして、このキャラクターのどこに惹かれたのですか?
レオ:僕がこのキャラクターのどこに惹かれたかというと……。
ここに、中東でのCIA活動において非常に高いレベルで作戦をおこなっている男がいる。
彼は敵やヨルダン諜報部と関係を築こうとしながら、
この戦争が終わることを心から願っている。
彼は祖国の役に立ちたいけど、それと同時に、
自分のやり方を祖国が必ずしも理解しない、あるいは、
承認しないかもしれないことも知っている。
祖国のボスは彼の作戦をブチ壊し、彼を始終、命の危険にさらす。
だが、彼は祖国や彼のボスが望むのとは違う形の倫理観をもち、
作戦を遂行しようとしているんだ。
だから彼は、中東で人間関係を築く努力をし、現地の習慣や人々に敬意を払い、
自分の仕事において信頼がどれだけ重要かを理解している。
ストーリーの中でこのキャラクターの変化は、最後に表れる。
彼はすべてから歩き去ろうとしながら、
「いいか、俺はどの国にも属さない。どんな理想主義的な思想も、
どんな政治的信念ももたない。俺はただ、この戦争は間違っていると信じているだけだ」
と言う。
ひとりのキャラクターにとって、とても興味深い道のりだと思うよ。
Q:彼のホフマンとの関係はこの映画の鍵ですね。ラッセルとの共演はいかがでしたか?
レオ:ラッセルは現代でもっともすぐれた俳優のひとり。
彼の役の選択はいつもすばらしいし、名作に何本も出演してきた。
僕はずっと若いころに『クイック&デッド』で彼と共演した。
彼の映画作りに対する姿勢はすばらしかったよ。
一緒に何かして楽しい人だし、ユーモアのセンスも抜群なんだ。
彼も僕も、15年後の自分たちがどんな感じがちょっと懐疑的だったと思う。
でも、実際、彼は昔と同じ姿勢だったよ。
変わってなかった。こんなに時間が経ったあとでもそうだなんて、
新鮮だし、すごくよかった。
誰かと仕事をするとき、その人から何かを学びたい、
自分に何か難問をぶつけてほしいと思うものなんだ。
僕には、映画の中で自分が演じるキャラクターがどうあるべきかについて
自分なりの考え方があり、ほかの人にはまた別の考えがあるかもしれない。
それが同じ舞台に上がるわけ。だからこそ難しくてもやりがいがあるし、新鮮だし、
気分が高揚するし、とにかくいいんだ。
ラッセルと共演すると、そういうものを味わえるんだよ。
Q:しかし、彼はほとんど電話で話してばかりで、一方のあなたは、現場を走り回り、
命を危険にさらしていますよね。
レオ:うん。
Q:あなたにとって、肉体的にどうでした? それから、モロッコでの撮影はどうでした?
レオ:あれは、僕がこれまでにやった中でももっとも過酷な撮影のひとつだった。
とにかく全般的なペースが。
体を張った演技やアクション・シークエンスの中には、僕の想像を超えたものもあった。
リドリーについて前に話したように、
彼は僕がこれまで組んだどの監督とも違う集中力をもち、
複数の仕事を同時にやってのける。
だから、ああいうシークエンスは彼にとって、第二の天性みたいなものなんだ。
彼はとにかくできるんだよ。
まるで無意識に……いや、無意識じゃないけど、とにかく、
彼にはたくさんの優れたスタッフがいるので、
それぞれのチームがいつでも彼が望むとおりのものを提供できるんだ。
前も言ったけど、大がかりなアクション・シークエンスを撮影する場合、
彼はすぐにこう言う。
「よし、いいか、2ブロック先までヘリコプターを飛ばすから、
君はそこまで走って、町全体を駆け抜け、
この男に飛びつき、ナイフで刺すフリをしてくれ。
それからこっちのふたりの男を撃ち、2台の車の間を縫うように走れ。
それを10分後に撮るからな。用意はいいか?
いいな、よし」みたいな。
(深く息を吸って)とにかく(笑い)、あのペースには慣れるしかないね。
でも、最後には楽しめるようになる。
Q:今回はアラビア語をしゃべっていますね。その地方によって違うアラビア語も。
覚えるのはどうでした?
レオ:アラビア語というのは、
別の言語を話さなきゃならないぐらいに地方ごとに違っていた。
それに、僕は"shukran"(「感謝」の意味)以外にはしゃべったこともない言葉だったから、
まったく単語も知らなかった。
それで、この映画では必要なシーンでアラビア語を教えてくれる名コーチがついたんだ。
アラビア語というだけでなく、地方ごとの言葉、
イラクの言葉とイランの言葉の違いなども教わった。
もうほんとに頭にこんがらがってくる。
でも、最初に覚えないといけないのは、ノドのどこから出すか、ということなんだ。
いったんそれに慣れると、次にいろんな言葉を覚え、あとは全力を尽くすだけだね。
でも、英語のアクセントを変えるより、20倍は大変だった。
そして相手役のラッセル・クローのインタビューです。
――エド・ホフマンのキャラクターをどのように作りあげたのですか?
「リドリーの心の中にあったイメージと、脚本と原作から僕が引き出したもの、
その集合体が映画の中にいるホフマンなんだ。
リドリーは彼を大きな男にしたがった。
膝を痛めた元フットボール選手でその表面下に優雅さが残っているというようなイメージ。
いろんな仕事を同時にやるマルチタスカーで、女性的な本能も持っている。
そしてこれが一番大事なんだが、
そういうものすべてを殻の中に包み込んで表に出さないようにしたんだ」
――ホフマンが、子供の世話をしながら片手間に冷酷な命令を下すのが強烈な印象です。
「彼は残酷で非人間的なことをやるんだけど、
<残酷で非人間的>という形容だけではリアリティがない。
リアリティは、非情な決断を下しボタンを押す人間が、
僕たちと同じ日常の中にいるというところにあるんだ。この映画で描いたようにね。
彼は僕たちと同じスーパーに行くし、子供を学校に送る。
ということは、この男は単純に人間的で、過ちも冒しやすい。
それが興味深いというか、恐ろしいよね。
生死の決断を下す者には、少なくとも集中していてもらいたいじゃないか。
でも、この男はそうじゃない」
――それがホフマンの恐ろしいところですね。
「そうだね」
――ホフマンのようなイヤなヤツを演じて気持ちが落ち込んだりしませんか?
「僕が?そんなことはまったくないよ。
演じる上で本当に必要なのは客観的であることなんだ。
僕は、脚本やリサーチしたことからキャラクターに関する知識を得て
その人生にどっぷり浸かるようにする。
でもそのキャラクターの中に消えてしまうことはない。
どのように演じているか演技しながら自覚している。
それができるのが僕のプライドなんだ。これは簡単なことじゃないよ。
幾晩か寝ずに考えて、少しずつ出来るようになっていくんだ」
――リドリー・スコットと仕事する魅力は何ですか。
「彼はその日やるべき仕事をやり終えたという気持にさせてくれる。
だから一緒にやるのが好きなんだ。
僕はリドリーから電話がかかってきたらまず『イエス』と答えて、
なぜやるかは後で考える。
彼とやると効果的で複雑な現場を体験できると分かっているからだよ。
そして、撮影スケジュールをどんどんこなしていける。それは働く男の夢だよ。
僕たちはとてもよくコミュニケートするんだ。よく話をする。
セットを一緒に出て、ホテルに戻り、廊下を歩いて部屋に着くまでずっと話している。
以前はこういうことはなかったけど、いろいろ話をすればするほど、
シンプルに仕事が進むということを学んだよ」
――(「クイック&デッド」以来となる)レオとの共演はいかがでしたか?
「前に一緒に仕事したのはレオがとても若い時で、僕たちはすごくウマがあったんだ。
それから15年経って、彼の人生にも僕の人生にもたくさんのことが起こった。
実を言うと2人とも再会を少し恐れていた。
僕の友だちはまだいるのかな、変わってしまっていたらどうしようって。
でも昔のエピソードで笑い転げるまでに2分とかからなかった。
レオは今でもスイートなヤツだ。素晴らしい心と直感を持った素晴らしい役者だ。
そしてどう笑うか分かっている。すべてが宝物だよ」
最後は勿論、リドリー・スコット監督のインタビューです。
――なぜこの映画を作ろうと思ったのですか。
今世界で起きていることと通じるところがあるからですか?
「そういう質問にはわざと答えないようにしている(笑)。
確かにこの映画で描いていることは中東での戦争のどんな局面にも当てはまる。
ということは、特定の出来事、事件じゃないってことだ。
それよりも、この映画はとても良いスパイ映画だと僕はいいたいね。
今の観客は知らないかもしれないけど、昔は良いスパイ映画がたくさんあった。
『国際諜報局』とか『パーマーの危機脱出』は本物だ。何度も見ている。
弟(トニー・スコット)の『スパイ・ゲーム』も見たよ(笑)」
――政治的なメッセージを感じましたが……。
「そんなものはないよ。観客はこの映画を楽しんでくれればいい。
僕は、今の政治情勢に関係ない映画を作ろうと決めたんだ。
キャラクターにポイントを置いて、
大物テロリストを追いかけたらどうなるかを描くってね。
スパイが仕掛ける誘惑や、有りもしない組織をデッチ上げる手品の様な手腕を描いたんだ。
CIAはそうやって敵に不安を与えてミスを引き出す。
彼らがミスをすると、最新のテクノロジーでキャッチできるってわけさ」
――この映画に出てくるテクノロジーはどこまでリアルなんですか。
「完全にリアルだよ。僕が知っている限り、
イラクには350以上のプレデター(無人偵察機)がある。
多分イランにもね。それらは大体4時間から6時間、
上空にいてどんなところまでも追跡して生活の中に入り込んでくる。
ポケットに入っている小銭の音までキャッチできる。
そしてそのレポートをラスベガスの近くにある軍事施設に送ってくるんだ」
――常々、どの映画にも自分の美学を見つけると話していますが、
今回ビジュアルでこだわった点を教えてください。
「喋りのシーンだね。この映画はラッセルとレオが電話で話しているシーンが多い。
こういうシーンは腹の底にこたえるような感じじゃないと、退屈になってしまう。
それをカバーするには勢いがあって常に動いていないといけない。
喋りのシーンでビジュアルを面白くする。それが今回のチャレンジだったと言えるよ」
――ラッセルとはこれで4度目ですが、どこがそんなに好きなんですか。
「ラッセルは彼の世代でベストの俳優の1人だ。
彼のようにどんなことでも出来るというのは本当に珍しい。
コメディさえ一緒にトライしたし、
この後2人で『ノッティンガム』をやることになっている。
もちろんラッセルがロビン・フッドをやるんだ。
彼なら今でも『グラディエーター』が演じられるよ」
――今回は50ポンド(約23キロ)体重を増やせと言ったそうですね。
「うん、そう言ったら、彼は『誰みたいに?』って聞くんだ。
だから、『インサイダー』のジェフリー・ワイガンドみたいにと言った。
この作品はキャラクター重視でいくからねって。
そしたら彼は『OK、OK、何を言いたいか分かるよ』って言って
すぐに仕事に没頭し始めた。
俳優はキャラクターに成りきるためにペルソナを作り直すのが好きだけど、
ラッセルは人一倍そういう仕事に没頭するみたいだね」
――ホフマンを傲慢な男に描写しているところに、
イギリス人としてのあなたのアメリカ批判を感じたのですけど……。
「まったくないよ。僕にそういうことを言わせようとしても…
以下はネタバレとなるのでmixi独身映画ファンコミュニティ
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にて『ワールド・オブ・ライズ』の頁をご覧下さい。
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