「ヤッターマン」
■作品基礎データ 「ヤッターマン」 2008年 日本映画 監督:三池崇史 原作:竜の子プロダクション 脚本:十川 誠志 キャラクターデザイン リファイン:寺田 克也 キャラクタースーパーバイザー:柘植 伊佐夫 出演:櫻井 翔 福田沙紀 生瀬勝久 阿部サダヲ 深田恭子 |
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ガンちゃん(櫻井 翔)は高田玩具店のひとり息子。
父が開発中だった犬型の巨大ロボット・ヤッターワンを完成させ、
ガールフレンドの愛ちゃん(福田沙紀)とともに、
愛と正義のヒーロー、ヤッターマン1号・2号としてドロンボー一味と戦っている。
ドロンジョ(深田恭子)をリーダーに、
ボヤッキー(生瀬勝久)、トンズラー(ケンドーコバヤシ)の一味は、
泥棒の神様ドクロベエの手先となり、
4つ全部が集まると願いが叶うという伝説のドクロストーンを探しているのだ。
実は、考古学者の海江田博士(阿部サダヲ)は
すでにドクロストーンのひとつを手に入れていたが、
それを娘の翔子(岡本杏理)に預け、
2つ目を探すためナルウェーの森へ旅に出たまま行方不明になっていた。
ガンちゃんと愛ちゃんに出会った翔子は、父を探すのを手伝ってほしいと頼む。
博士が立ち寄ったはずのオジプトへ、
ドロンボー一味が向かったとの情報を得たガンちゃんと愛ちゃんはヤッターマンに変身。
ヤッターワンを出動させ、
翔子と小型ロボットのオモッチャマを伴ってオジプトへ急行する。
一行は砂漠の遺跡で、新たなドクロストーンを発見。
そこへ、ドロンボー一味が最新メカのバージンローダーに乗って現れる。
激しいバトルの末、何とかドクロストーンを守ったヤッターマンたち。
しかし、戦いの壮絶さに耐え切れず崩壊する遺跡。
窮地に陥ったドロンジョを抱いて救出したのは、なんとヤッターマン1号。
まるで運命の相手と出会ったときに訪れるようなマジカルな時間が二人の間に流れた。
幸福な花嫁を夢見ていたドロンジョはたちまち恋に落ち、1号も動揺を隠せずにいる。
そんな2人を皆は複雑な思いで見守る。
今やヤッターマンの基地にドクロストーンが2つ。
一方、世間では重大な異変が起きていた。
銀行から現金が消え、カレンダーから火曜日が消え、あの山も橋も消えてしまった。
この混乱はドクロストーンと関係があった。
ドクロストーンが集まると時間の流れが狂い、その影響でいろいろなものが消える。
4つ全部が集まったら地球が消えてしまうかもしれないのだ。
1号・2号、そして翔子は、
4つ目のドクロストーンがあるという南ハルプスへ向かう。
いよいよ最終決戦。
ヤッターマンは悪を倒し、地球を救うことができるのか?
敵味方全員を巻き込んだドロンジョの恋の行方は?
そして、ついに明らかになるドクロベエの驚くべき正体とは?!
「ヤッターマン」の実写映画化―
―それは多くの人間の度肝を抜くニュースでした。
1977年1月、「タイムボカン」シリーズ第2弾として放映スタート。
同シリーズ史上最長の全108話が2年間にわたって放映され、
最高視聴率28.4%を記録。
数々の流行語も生み出した国民的人気TVアニメ、
それが「ヤッターマン」です。
オチャメなヒーローのガンちゃんとガールフレンドの愛ちゃんが最強タッグを組み、
正義の味方ヤッターマンに変身。
悪役の枠を超えてキャラ立ちしたドロンボー一味、
おもちゃみたいにキュートなビックリドッキリメカ、
きっちりとパターンを踏襲した期待を裏切らないストーリー展開と
マンネリを超えたお約束の笑い。
「ヤッターマン」は放映終了後もさまざまなアイテムが商品化され、
世代を超えてファンを増やし続けました。
そして2008年にはTVアニメの新作が登場。
クールなイマドキの子どもたちに圧倒的支持を得ました。
そんな「ヤッターマン」が、
超ハイパーなエンターテインメント大作として実写映画化されるなんて
誰が想像しただろう?
ヤッターマン1号=櫻井 翔。
〈嵐〉のメンバーにしてニュースキャスター・俳優と多才な活躍を見せる彼が
衣装をつけた瞬間、ヤッターマン1号として動き出し、新たなヒーロー像を体現する。
ヤッターマン2号には『櫻の園-さくらのその-』の福田沙紀。
ドロンジョに深田恭子。ボヤッキーの生瀬勝久はまさにハマリ役。
お笑い芸人のケンドーコバヤシが、トンズラー。
ストーリーの鍵を握る海江田博士役に阿部サダヲ。
豪華多彩なキャストからパワフルな演技を引き出したのは
“邦画界の鬼才”こと三池崇史監督。
「日本で映画監督をやる限り、『ヤッターマン』を映画化するまでは死ねない!」
と言い切る三池監督の本気ぶりは完成した映画を見れば明らか。
過去に似たような作品はないし、未来にこれを超える映画はそう簡単に現れそうもない。
「ヤッターマン」見ました。
私も「ヤッターマン」がらみのコミニティのトピは
振り返れば2007年に書いていますから、
それなりに期待してました。
…期待すると外す場合が多いので、
期待半分、恐れ半分でしたが。
で、感想ですが、
アホアホで、エッチで、アクションもそれなりで楽しゅうございました。
アニメシリーズをきちんと見ていたわけではないので、
原作に対して特に思い入れはないですけど、それでもとても楽しかったです。
今回劇場に見に行くに際して、
余りに知らないと楽しみ損なうのではないかと、
予習をかねて現在テレビで放送中のものを数話見ていきました。
映画の方が、細々と設定の解説があり
(「説明しよう」って例の名ナレーションでねえ)
テレビ番組で意味不明だったところが良くわかって、
初めて見るものにも隅々まで楽しめるよう工夫されています。
そんでもってアニメファンも納得いくよう
「ぽちっとな」「殺っておしまい」等の決めセリフから、
「天才ドロンボー一家」の唄や、
勝鬨の「ヤッター、ヤッター、ヤッターマン!」。
爆発の煙が必ず髑髏マークになるところとか、
お仕置き自転車とか、ネタがもれなく出てくるところとか、楽しかったです。
ドロンボー一家がドクロストーンの争奪以外に、
余計な悪さしてお金稼ぎをする理由が映画で分かりました。
いままでは単に、「そりゃ悪党だから」と思ってたんですが、
そうではなくて、
それはドロクベエとの関係に理由(わけ)があった。
もしかしたらこれは映画だけの設定かもしれないけど
(間違っていたら教えて下さい。)
ドロクベエという奴は
毎回、姿も見せずにドロンジョたちに、ああせいこうせいと指図する
マイクの向こうの黒幕なのだけど、
彼は泥棒の神さま、ドロンボー一家の崇拝の対象なのですね。
神と僕(しもべ)であって、上司と部下ではないわけ。
(総裁Xとベルクカッツェとは違う。)
神さまは教徒に次々に試練を与え、
教徒はありがたがって拝聴し、ご利益を信じて骨身を砕く。
軍資金、くれないんですよ、この神さま。
だからドロンボー一家は毎週、くっだらない悪事やいんちき商売をやって、
資金を稼いで、へんてこなメカをこさえては、ヤッターマンと戦っている。
負ければ「おしおきたべぇ」と天罰が下る。
ドロンジョたちは、びいびい泣いて嫌がるのだけど、
次の週にはけろりとして、悪だくみ。
「おれたちゃ不死身だ、なんともなぁい、なぁい♪」
神さまだからね、一方的な片思いみたいなもんですよ。
(総裁Xとベルクカッツェとは違う…。
あーでも、違わないかもしれない。
カッツェから見れば総裁は神だから。)
その片思いの矢印が、別の方に向いてしまうのが映画。
ドロンジョさまが、ヤッターマン1号に「初恋♡」してしまう。
ドロンジョさまというのは、
いわば“悪女”のアニメチックな雛形ですよね。
わががまで、ずるくて、強欲で、そして何より“女”。
“女王さま”というのは、“王”の前に“女”とつくのだな。
深田恭子のドロンジョさまが、
うまいこと嵌っていたのはフカキョンが、もともと“女王さま”な
タレントさんであること由来してると思うのですが、
(「富豪刑事」とか主演でしょ、この人は)
映画でドクロストーンが揃ったら、何を願う?
ってんで、ドロンボー一家の三人が妄想するシーンがあります。
ボヤッキー(生瀬勝久)の妄想「全国の女子高生のみなさま」を実写で見せちゃう
そのあほらしさ。
セーラー服の人間ピラミッドにもなぜかドロンジョ様が。
で、そのドロンジョ様の妄想というのが、
“お豆腐買う妊婦の団地妻”なのだな。
夕陽を背にして帰ってくるサラリーマンの夫、
というのが二度出てきて、
二度目はスーツにマスクした1号、というのは悲鳴を上げるほど可笑しい。
だったら悪いことしてたら、
団地妻からどんどん遠ざかるばかりだと思うのだが、
その矛盾に気づかぬところが、ドロンジョ様のドロンジョ様たる由縁か?
フカキョンは、インタビューで
「これまでのご褒美みたいな楽しいお仕事」と映画を持ち上げていましたが、
劇中では、花嫁さんから回転寿司屋の店員までコスプレてんこ盛りだし、
悪いことし放題、ワガガマ言い放題でやってて楽しかったでしょうね。
善と悪の対立を描くドラマすべてで、
悪が成立しにくくなっているいま、
ヤッターマンのような切り取り方、というのは妙に新鮮で、
新しい可能性を垣間見たと書いたら、持ち上げすぎでしょうか?
それだけに…
ネタバレ改行です。
揃ったドクロストーンが開けた時空の間に
ドクロベエが墜落して「悪が滅び」、
ドロンジョ様が、マスクを自ら投げ捨て
ボヤッキーとトンズラーに「お別れだよ」とスーツケースを
手にして去っていく幕切れは、
夢が覚めてしまうような寂しさを感じました。
夜が明けるのに、なぜか虚しい。
そうなると、馬鹿な悪党を続けるということは、
モラトリアムで居続けるということにどこか通じるものがありますね。
で、終わったと思ったらエンドロールのあとで
「さて次週は?」と次回の予告編が入って観客に背負い投げというのは、
三池監督も人が悪いなぁと。
映画の掲示板に「これは実写映画化、であると同時に完結編である」
と書き込みがありました。
終わらない夢、というのがアニメシリーズを支える精神であったことを
ファンは感じているのですね。
そのことをお話として決着を付ける事で
逆にシンボリティックに示している。
そのことで映画は独自の立脚点を確立している訳です。
公開当時、フカキョンはあらゆるテレビ番組に映画の宣伝で
でまくってますが、某番組で
「part2やりたい?」「やりたい、でもお仕置きが激しくなりそうで」
と身をよじって笑顔で嫌がってました。
深田恭子、生瀬勝久、ケンドーコバヤシのインタビューよりメイキングに関する部分を
再録します。
Q:「ヤッターマン」にまつわる思い出を教えてください。
ケンドー: ちょうど僕が幼稚園から小学校低学年くらいのときだったと思うんですが、
「ヤッターマン」はもちろんタツノコプロの「タイムボカン」シリーズは
ほとんど全部リアルタイムで観ているんで。
今回、その実写版に出ていることはやっぱり感慨深いですよ。
深田: わたしが観ていたのは再放送だったんですよね。
子どもながらにドロンジョの胸がはだけて「キャー」って叫ぶシーンは衝撃的でした。
まさかそのドロンジョを自分が演じることになるとは思っていませんでしたね(笑)。
生瀬: あれって1970年代後半くらい? 1979年とか……そのころは僕、浪人生でしたね。
だからあんまりテレビ観ている場合じゃない時期だったんで。
でも深田さんが言っているドロンジョ様の「キャー」に関しては覚えていますね。
印象深いですよ。
Q:今回の出演で、特に印象に残っているシーンはどこですか?
深田: 一番印象に残っているのは、3人で自転車をこぐシーンですね。
あのシーンはアニメでも特に記憶に残っていました。
撮影に使った自転車は実際に動く仕組みではなかったので、
バランスを保つのが結構大変でした。
ケンドー: あのシーンは、どうしても僕だけタイミングが合わなくて、
ちょっと心苦しかったですよ。
ちなみに僕自身は、夢の中のシーンですね。
実は結構、昔から試合を観ていたあこがれの方と試合ができたんで、
これは興奮しましたね。撮影日は僕一人だけテンションおかしかったですもん。
生瀬: ボヤッキーは、ドロンジョ様のお色気シーンにたびたび遭遇するんで、
観ている方は「いい役だ」って思うかもしれませんが、
実際はクレーンでつり下げられて何時間も待機するという……ものすごく大変でしたね。
お色気シーンの陰でつらい思いをしていました(笑)。
Q:ドロンボー一味を実写として演じる上で、こだわった点を教えてください。
深田: やっぱりドロンジョ様って声がすごく特徴ありますよね。
そういう強いイメージがある部分に少しでも近づけたらと思いました。
例えば「スカポンタン」というせりふ一つ取っても、普通に言うのはちょっと違うし、
最初はどんなテンションがいいのか戸惑いましたけど、そこは勢いで(笑)。
Q:衣装もゴージャスですね。
深田: 本当に細かいところまできちんと作り込まれているし、
あの髪型やマスクを付けると自然と役柄に入り込むことができました。
Q:そんな深田さん演じるドロンジョについて、男性陣からぜひ感想を。
ケンドー: いやぁ~そりゃいいですよねー(満面の笑み)。
生瀬: いや本当にかわいかったです。アニメのほうはちょっとヒステリックな印象も
あったんですけど、今回のドロンジョ様はかわいいんで、あこがれました。
Q:ちなみにボヤッキーがドロンジョに対して抱く感情ってちょっと不思議ですよね。
愛情というよりは……。
生瀬 うーん、やっぱり彼にとってドロンジョ様ってすべての行動規範というか。
世界はドロンジョ様を中心に回っているという風に考えていると思います。
三池監督ともそういう話し合いをして、おのずと今回の演技になりました。
Q:皆さん、今回が三池監督と初めてのお仕事でしたが、ズバリどんな監督なのですか?
ケンドー: いやー、見た目がね、すっごく怖い人じゃないですか(笑)。
僕なんかが現場に行ったら、しばかれるんちゃうかって。
でもお会いすると、すっごくマイルドな人柄で安心しました。
生瀬: 現場でパパパッと考えられたせりふをその場で「これでお願いします」って
渡されることもありましたね。初めはこちらとしては「えぇー」って感じでしたけど(笑)。
でも、その場その場でフレキシブルに演出してくれたんで、楽しかったですね。
深田: 本当に自由に演じさせていただきました。三池監督はカットごとに
「今のはOKその1。次はこういう感じでもう一回お願いします」とはっきりNGを
出すことはないんです。すべてを受け止めてくださる感じなんです。
監督の「OKその1」って言い方、好きでした。
Q:「ヤッターマン」といえば「ブタもおだてりゃ木に登る」という名ぜりふがありますが、
皆さんはおだてられた方が、パワーを発揮するタイプですか?
ケンドー: そうですね。僕もおだてられると何でもやっちゃうタイプですね。
逆におだてられなければ、一切動かないくらいで(笑)。
深田: わたしも褒められて伸びる子です。
生瀬: 僕は褒められると逆に疑っちゃいますね。「こいつはおれのことを褒めて、
一体何を考えているんだろう」って。いやもちろん、おだてられるのはうれしいですけど
ね(笑)。
今回、深田さんが演じたドロンジョはアニメ版と少し違った、
かわいらしさがありましたね。
深田恭子(以下、深田):コスチュームがすごく細かいところまできちんと作ってあったし、
すんなり役柄に入り込むことができました。最初はどんなテンションでいったらいいのか
少し戸惑いましたけど、三池(崇史)監督が自由に演じさせてくれました。
── ドロンジョが櫻井翔ふんする、ヤッターマン1号(高田ガン)に
恋しちゃう展開にも驚きました。
深田:でもガンちゃんの優柔不断なところにビックリしましたけどね。
「えぇー、そこで迷う?」みたいな。でも普通、ヒーローって完全じゃないですか。
でもガンちゃんはその辺が未熟というか不完全で、そこがまた魅力だと思います。
ケンドーさんにとっては、今回が本格的な俳優デビューとなったわけですが、
いかがでしたか?
ケンドーコバヤシ(以下、ケンドー):今まではどちらかといえば、チョイ役でしたからね。
でも登場シーンの長さに比べて、せりふのボリュームはそれほどないので。
何というかコストパフォーマンスがいい、お得な役柄でしたけどね(笑)。
まぁ、最初は三池監督ということで、しばかれるんちゃうかとビビってましたけど(笑)。
見た目がね、とても怖いんで。でもお会いしたら、とても優しい方でした。
── 肉じゅばんを付けた衣装で動くのは大変だったのではないでしょうか?
ケンドー:確かに常に体が縛り上げられているような感覚はありましたね。
でも寒い日なんかは、ポカポカして暖かいんですよ。でも、お二人(深田と生瀬)とも
薄着じゃないですか。あんまり寒い寒いって言うもんで、僕も申し訳なくなって
「あっ、寒いですよね」って話を合わせていました。
── 撮影中にアニメ版でトンズラーの声を演じている声優、たてかべ和也さんに会った
そうですね。
ケンドー:えぇ、トンズラーのせりふ回しって「東北人が使う関西弁」って感じで
ちょっと複雑なんですよ。でも、たてかべさん本人から「普通に関西弁でいってくれ」と
アドバイスをいただきまして。かなり気は楽になりましたね。
── 撮影中、何か印象に残っているエピソードはありますか?
ケンドー:生瀬さんの見通しが甘くて、テンションが下がることは多かったですねー(笑)。
撮影中、生瀬さんが「今日はこの調子なら午後5時には終わるぞ」って言うときに限って、
てっぺん(深夜12時)くらいまで延びたりして。
生瀬:僕はこの仕事が長いから、事前にいただいた絵コンテを見れば
「だいたいこれくらいで終わるだろう」っていう目測がつく……と思ってたんですけど、
当たった試しがなくて(笑)。
ケンドー:撮影も後半になると、深田さんと「どうせ生瀬さんの目測、間違えているから、
聞き流しておこう」って。そこからはもう振り回されることもなくなりましたね(笑)。
深田:ドロンジョがお風呂に入るシーンは、セットもすっごくかわいくて楽しかったです。
三池監督のインタビューも再録します。
――オリジナルの「ヤッターマン」はもともと好きだったそうですが、
オファーが来た時の気持ちは?
「最初は『えっ! 本当ですか?』って(笑)。なんと言うか、
『ヤッターマン』を実写化できるなら、何でも実写化できてしまうんじゃないかと(笑)。
何をやってもいいと言うか、自分たちも解放される気分ですね。
30年前の(オリジナルアニメを)見ていたリアルな記憶が残っていて、
もちろん自分の中でアレンジされているとは思うのですが、それらを引っ張り出して、
子供の頃にテレビの前で見ていたものを映画化して暮らせるなんて、
素敵なことじゃないかと思いました。
映画を作るのはそんなに悲惨なことじゃないんだということを、
自分たちで証明していくために(『ヤッターマン』実写化は)必要だったと思います」
――その30年前の記憶を確かめるため、オリジナルのアニメを見直したりは?
「プロデューサーたちから『これで勉強してください』とDVDボックスを渡されて
見ましたが、イメージはブレてませんでした。
昔見たのと同じように面白かった。あまりないんですよね、そういうの。
例えば、『燃えよドラゴン』はすごく好きな映画ですが、
いま見返してみると思っていたほどでもなかったりする。
それは映画をたくさん見て目が肥えたこということではなく、
ブルース・リーの本当の魅力を見抜く力が退化したということなんです。
子供の頃は見えていたものが、見えなくなってきてしまっている。
『ヤッターマン』は、それが大人になっても見える。何かを刺激するんです。
その違いはなんだと考えて、“実写版『ヤッターマン』はこうです”という、
実写版ならではの本当の意味でのオリジナリティというのは必要ないと思ったんです。
“『ヤッターマン』を生真面目に映画化する”ということに最高のオリジナリティがあると」
――お約束事も満載でしたね。アニメの有名なアイテムやセリフ、
場面はほとんど入っていました。
「リスペクトする側としては、それらのお約束を守るのはすごく楽しいから(笑)。
いまテレビで放送している新シリーズのアニメにはないものもあるらしいですが……。
例えば、昔のアニメではドロンボーダンスというのが毎週ありましたが、
いまは情報量を押し込み、グッズを売ることも含めた告知も必要だったりするから、
時間を無駄にできない。僕らは、そうしたことから解放されている頃だった。
逆に、ビデオもなく録画すらできなかったから、
その時テレビの前にいないと見られない。
映像に対して貴重な体験ができた世代かなと思います。
番組が終わるときにはすごく切ないんですよ。また1週間見られないのかって。
その時の感触を映画にしただけなんです」
――映画化が発表されてから「ドロンジョを誰がやるんだ」という反響の大きさに
驚いたのですが、そうした反応は予想されてましたか?
「そこまで(反響が)大きいのかと、予想以上のところはありましたが、
どちらにしても演じる人は大変だなと思いました。
その人が演じるドロンジョとして成立していないといけないから。
生身の自分の年齢と感覚でドロンジョを演じるというか、
ドロンジョのふりをして自分を出さないといけない。
でも、深田さんのドロンジョは、多くの人に受け入れられるキャラクターだと思います。
誰よりも深田さんがドロンジョを楽しんでいるから。たとえ文句を言われたとしても、
『でも自分は楽しかったから』という迫力がある。
現場ではスタッフ全員がドロンジョを見ていたから、
深田さんには見られることの快感とプレッシャーとがあったと思いますが、
それらを跳ね返す瞬発力と、独特の大物感があった。
熱演したり、セリフで何かを伝えたりというのとは違って、
淡々とドロンジョを演じているしかないんですけど、すごくいいお仕事というか、
いい表現を女優としてやってくれたなと思ってます。
大変だったと思いますけど、もしドロンジョ本人が存在したら、
『まあ、いいんじゃない?』って言ってくれると思います(笑)」
――アンジェリーナ・ジョリーもドロンジョ役の候補だったという話がありますが……。
「(ドロンジョは)体型からして日本人じゃないよねというのが始まりでした。
あと、この業界って何年かやっていると、
その世界の常識の中でしか考えられなくなってしまう。
タレント名鑑を見て、いま人気があるのは誰だというところから映画作りが始まる。
人気のある小説はなんだ、原作はなんだ、番組はどれだとか。そこからして夢がない。
映画が驚異になる時代ではなくなってしまった。
でも、それは映画を作ってきた人たちが自ら作り上げてしまった現状だと思うので、
そういうのを現場から崩さなければという思いがありました。
だから、まずはアンジェリーナ・ジョリーに声をかけてみようと。
プロデューサーは笑っていましたが(笑)。
まあ、結果的に本人に行き着く前に挫折したと思うんですけど(笑)。
でも、そうしたいろいろなことがあった中で、
結果として深田恭子という女優と出会えた。
ドロンジョをやってもらって、現場で毎日あの生ドロンジョを見られて、
楽しかったですね…
以下はネタバレとなるのでmixi独身映画ファンコミュニティ
http://mixi.jp/view_community.pl?id=1299114
にて『ヤッターマン』の頁をご覧下さい。
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