メイキング「ゾディアック」
■作品基礎データ 「ゾディアック」 2006年 アメリカ映画 監督:デビッド・フィンチャー 原作:ロバート・グレイスミス 脚本:ジェームズ・ヴァンダービルト 出演:ジェイク・ギレンホール |
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監督は『セブン』「ファイトクラブ」のデビッド・フィンチャー。
アメリカ犯罪史上初の劇場型連続殺人事件と言われる“ゾディアック・キラー”を
題材にした話題作。
ゾディアックに関わり、人生を狂わされた4人の男たちの姿を描く。
『ブロークバック・マウンテン』のジェイク・ギレンホールが、
事件の謎を追い続ける風刺漫画家を演じる。
※
公開初日に見ました。
体調不良でところどころ寝てしまい、2度見ました。
二時間半を超える作品です。2度見て劇場を出ると表は真っ暗。
この映画、予告編からして出来が良く、
デビッド・フィンチャーが実在の劇場型連続殺人事件を暴く、
その期待で劇場に出かけました。
が、映画は迷宮事件の真相解明ではなく、
事件を追う関係者の労苦を描いています。
映画のコピーは「追えば嵌(はま)る」とあり、
嵌って人生を崩壊させた刑事と風刺漫画家の話なので宣伝に偽りなし、です。
R−12指定です。グロなシーンは「ファイトクラブ」等と比べればよほど少ないですが、
撮影編集が上手いので恐々と盛り上げています。
事件は69年に起き、2002年まで追いかけるのですから大変なものです。
予告でも印象的に登場する暗号文章は劇中では2度目の登場であっけなく、
解読されます。
演出の狙いは怪文章には無く、第2、第3の殺人が矢継ぎ早に起き、
「ゾディアック」がテレビの生番組に電話をかけてくる、くだりにテンポ良く走り込みます。
ミステリーにしては状況の説明が乱暴だなぁ、と漠然と感じていたのですが、
そこから後、捜査は泥沼に嵌まり込み、捜査陣やマスコミは無駄に右往左往し始めます。
犯人は正体不明のままで、追いかける主人公も四人、
場所も時間も次々飛ぶので付いていくのがしんどくなり、
1時間を越えるあたりで睡魔が…。
真相を追う側に脱落者が現れ、どんどん登場人物が減って行き、
最後までがんばり続ける風刺漫画家(ジェイク・ギレンホール)が際立ってきます。
「エイリアン」でリプリィが主人公であるのがだんだん明らかになるのと
似ています。
最初の1時間は情報が過多で煙に巻かれてしまいますが、
実のところ、何も具体的な証拠は無いのだ、と後半の一時間半に入って
観客も思い知らされる仕組みです。
容疑者は2500名にのぼり、どこから手をつけていいのか分からなくなってしまう。
デビッド・フィンチャーは前作「パニックルーム」で、それ以前のトリッキーな脚本、
演出を控え、正攻法のサスペンスを描こうとしていました。
どんでん返しにこだわりつづけると、シャマラン監督のように苦しい展開の作品
作りに嵌まり込んでいきそうです。
デビッド・フィンチャーはそうした轍に嵌まり込むのを避けようとして
模索しているように感じます。
「ゾディアック」ではいよいよ人間ドラマに取り組んでいるわけですが、
そこはデビッド・フィンチャー。
事件を追いかけ、熱中のあまり生活や人生そのものを壊してしまう
男達にスポットを当てている。
独創的というほどのアイディアではありませんが、
製作にあたりリサーチにのめり込んだフィンチャー組そのものがモデルのようにも見え、
自分たちなりのスタンツで作品作りに取り組んでいる様子が伺え好感が持てます。
中盤で有力容疑者が登場しますが、証拠不十分で追い詰め切れません。
犯人はそう知的な人物ではなく、猟奇趣味のいかがわしい男のようで、
初期捜査のまずさや、不幸な偶然により必要な証拠を押さえ損ねた感が後半出てきます。
そうした捜査側のくじけ方がリアルで別の意味で怖いですね。
目の前で変質者がせせら笑っているのに逮捕できない。
そうした後味の悪さが作品の持ち味になっているので、
なかなか水準の高い作品であるにもかかわらず…
以下はネタバレとなるのでこの続きはmixi独身映画ファンコミニティの
「ゾディアック」
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