「ALWAYS 続・三丁目の夕日」

映画チラシ「ALWAYS 続・三丁目の夕日」■作品基礎データ
「ALWAYS 続・三丁目の夕日」
2007年 日本映画
監督:山崎貴
原作:西岸良平
脚本:山崎貴 古沢良太
出演:吉岡秀隆
               

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昭和34年春。
東京オリンピックの開催が決定し、
日本が高度経済成長時代に足を踏み入れることになるこの年−−。
黙って去って行ったヒロミ(小雪)を想い続けながら、
淳之介と暮らしていた茶川(吉岡秀隆)のもとに、
川渕(小日向文世)が再び淳之介を連れ戻しにやって来ます。
人並みの暮らしをさせることを条件に淳之介を預かった茶川は、
安定した生活をするため、そしてヒロミに一人前の自分を見せるために、
一度はあきらめていた“芥川賞受賞”の夢に向かって再び純文学の執筆を始めます。

一方、鈴木オートでは、六子(堀北真希)も一人前に仕事をこなせるようになり、
順調に取引先が拡大し始めていました。
そんなある日、鈴木家に新しい家族が加わります。
則文(堤真一)の親戚(平田満)が事業に失敗したため、
その娘の美加をしばらく預かることになったのです。
一平はちょっぴり反発するものの、
美加を温かく迎え入れる則文、トモエ(薬師丸ひろ子)、六子。
しかしお嬢様育ちの美加は、お手伝いさんのいない生活に少々戸惑い気味……。


2005年11月に公開され、
年末から春先にかけて多くの人々の熱い応援に支えられ異例のロングラン、
興行収入35億円、観客動員284万人を記録した『ALWAYS 三丁目の夕日』。
2005年末から翌春に発表される日本映画の各賞にも数多く輝きました。

前作より約1年の準備期間を経て『ALWAYS続・三丁目の夕日』が登場しました。
前作を超えるVFX技術により再現された昭和の町並みや、
大通り、完成した東京タワーなどに加え、緻密な時代考証に基づき、
今回は「東京駅」、「羽田空港」、「日本橋」、
また当時開通した「こだま」も登場し、
前作以上のVFX技術により更にスケールが広がった「昭和」の世界がつくりあげられます。
また、物語には当時活況を呈していた「映画館」や、
庶民の社交場であった「銭湯」など時代を象徴する風物も盛り込まれていきます。

冒頭アバンタイトルで特撮のお遊びがあって、今作もVFX技術がウリである点が
わかるようになっています。
前作では子供の模型飛行機が三丁目を飛びまわるシーンが、
メインタイトルの出るところに繋がっていましたが、
同じ路線で続編の映像を作るとなるととんでもない労力をかけないと
前作に負けてしまうことが事前に予見されたので、
「路線を変更した」と山崎貴監督がインタビューで答えています。
前作で唯一不満だったのが、
特撮がウリになっているのに活劇のなかったことですが、
この作品ではほんの5分もないシーンに映画一本分の活劇を見せているので、
満足です。
見たのは入れ替え制のシネコンではなかったので、
冒頭だけ2度見ました。笑

予告では高速道路の下になっていない銀座がVFX技術の見せ場になっていますが、
脚本上の登場場面は2度だけですので、
劇中でどんどん建設が進む東京タワーのようなインパクトはありません。
前作が「昭和」を物珍しいものとして、
テレビ、電気冷蔵庫、ちんちん電車等を見せているのに対し、
今作はぐっと控えめに、というより脚本の必然に基づいて登場しています。
東京タワーは三丁目のロングショットには足元が映りこむように設定されていて、
(つまり前の作品より東京タワー傍に三丁目があることになるのだけど)
ラストには鈴木オート一家のみんなで展望室に登りますので、
やっぱり準主役ですね。

いま脚本の必然性、と書きましたが、
それは例えば電機洗濯機の話で、
駄菓子屋の茶川さんちには洗濯機がなくて淳之介がたらいに洗濯板で洗濯を
しているのに対し、
鈴木さんちでは電機洗濯機はあっても美加は干し方を知らず、
二階のもの干し場から洗濯物を落としてしまう。
淳之介がたらいで洗ってあげるのですが、
美加が周りを見回せば、子供達は皆、家の手伝いをしている。といった按配。

“緻密な時代考証に基づき”とはいえ、逆に過剰な描写もある。
一平たちが通う小学校の外観は地方ロケによるもので、
この学校は時折他の映画でも見かけますが、
昭和30年代の小学校にしては年季が入りすぎです。笑

メインのストーリー、淳之介を取り合う話に
茶川とヒロミの恋愛が入るというのは、前作と一緒で、
それに絡む美加と一平たちの話や
六子が同郷人にだまされてしまう話等のわき筋の絡ませ方が、
脚本段階で前作以上に上手くできているので、映像以上に面白い。

興味深いのは「映画館」「銭湯」の出てくる場面で、
客席で喝采を贈る六子と友人達の姿はあっても、
スクリーンで戦っている筈の石原裕次郎が映ることは無いし、
銭湯も、銭湯の前の路地で待ち合わせる一家の姿と対話の場面があるだけで、
脱衣場や浴場が出てくるわけではない。
特急つばめやプロペラ機の旅客機等珍しいものを次々特撮で見せているようで、
実はそれはイメージとして登場するだけです。
VFXで実写パートにデジタル合成で張り込む素材は、
ミニチュアであったりCGであったりと、つまり現物ではないです。
デジタルなら、例えば当時の記録フィルムや写真等を使うという手もあるのだけど、
そのような演出は取られていない。
リアリティを追うのではなく、“心象風景としての昭和”を見せるところが、
この作品の成功の秘訣であると考えられます。

 日本の特撮も進んだものですが、ハリウッド映画になぞるなら、
いまだ「フォレスト・ガンプ」の時代のものでしょう。
少し前の良き時代をスクリーンに再現して、
“あれは誠に良き時代であった”と安全なところで懐かしんでいます。
実際には当時は当時で、グロテスクなものも無残なものも存在しましたが、
“かつて日本人はみんなボロは着てても心は錦だったんだ”と
謳いあげる方が気持ち良いのですよ。

原作はいまだ続くロングセラーなので、
幾らでも続編が作れるはずですが、
同スタッフの次回作は「怪人二十面相」だそうですね。
少年探偵団が出てくるかどうか知りませんが、
「三丁目の夕日」で開発したVFX技術のノウハウを活かして
レトロな探偵小説映画が…


以下はネタバレとなるのでこの続きはmixi独身映画ファンコミニティの
「ALWAYS 続・三丁目の夕日」
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