| 陰陽師が語る恋愛の奥義 |
| 安倍清明 「「(夜空の)月を指差してこう言えばいい。 愛しい人よ、あなたにあの月をあげよう」 |
作品基礎データ■東宝映画版 2001年 滝口洋二郎監督 脚本 福田靖 夢枕獏 江良至 出演 野村萬斎 伊藤英明 今井絵里子 小泉今日子 萩原聖人 真田広之 |
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夢枕版の陰陽師については、安倍清明(野村萬斎)と源博雅(伊藤英明)の友情関係を軸に ドラマが展開するのは皆さんご存知の通りです。 博雅は笛の名手で、堀川で月をめでながら笛を吹くとそれを聞きに来る牛車の貴人がいます。 武辺者の博雅はこの名も知らぬ女性を「望月の君」と呼んで 恋をしてしまいます。 清明の家で酒を酌み交わすうちに、 博雅は思いに留める姫がいることを清明に言い当てられてしまいます。 清明は、からかうとも励ますともどちらとも取れるような口調で博雅相手に 陰陽道風に恋愛の講釈をします。 安倍清明 「男が女を愛しいと想う。女が男を愛しいと想う。 その心に名を付けて縛れば、それが”恋”だ」 例によって、”呪(しゅ)”の話を持ち出します。 万物は名によって呪縛されるというのが陰陽道の理念です。 1番短いのが氏名。人は名を持つことによってその人ならしめる、というのです。 荒俣宏原作の「帝都物語」に「敵に本名を知られると敗北する」という話が出てきますが、 これも陰陽道のことで、実は「安倍清明」という名も俗称であって彼の本名ではありません。 清明「博雅、”呪(しゅ)”によって惚れた娘に天の月をくれてやることも出来るぞ」 博雅「月を? どうやって?」 清明「(夜空の)月を指差してこう言えばいい。 ”愛しい人よ、あなたにあの月をあげよう。”そして女が”はい”というば、 月はその娘のものさ」 博雅「ばか、そんな恥ずかしいことがいえるか」 清明「言えぬのか?」 脇に控えていた式神の蜜虫(今井絵里子)までもが面白がって 「言えぬのか?」と言い募ると、博雅はふくれっ面になります。 が、博雅は早速次の晩、笛を聞きに来た姫を口説くのでした。 博雅「あなたが元気になられるよう、この博雅、あの美しい月をあなたに差し上げましょう」 ところが姫は意外な反応。博雅の言葉にはらはらと涙を流すのでした。 望月の君「博雅さま、あなたさまにはもっと早くお会いしとうございました」 これは「なまなり」というエピソードの導入部分です。 望月の君の正体は、祐姫(夏川結衣)という女御なのですが、彼女は帝と いいかわした仲で、最近、帝の心が彼女から離れてしまったとこに傷ついています。 帝の御子、敦平に呪(しゅ)が掛けられますが、 呪っているのは女御、祐姫の生霊。 頭に二本の蝋燭を立てて丑三つの刻にわら人形に釘を打つという 古典的な呪です。 博雅は相手が愛しい祐姫と知ってなんとか事を穏便に収めようとしますが、 呪っている最中の姿を博雅、清明、そして帝当人に目撃され、 祐姫は呪の失敗と羞恥心から本物の鬼女「なまなり」に 変身してしまう、という話です。 |
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