「ダ・ヴィンチ・コード/歴史暗号ミステリー映画脚本の書き方」
原作小説と映画脚本比較により脚本の書き方・成り立ちを探ります。ハリウッド脚本の極意、世界名作の秘密に迫ります。全体に「ねたばれ」の要素がありますので、要注意。

「ダ・ヴィンチ・コード」原作文庫表紙 原作
「ダ・ヴィンチ・コード」
2006年刊 角川文庫 
ダン・ブラウン 著  
越前 敏弥 訳

    
「ダ・ヴィンチ・コード」映画チラシ 映画
「ダ・ヴィンチ・コード」
2006年 アメリカ映画
監督 ロン・ハワード
脚本 アキヴァ・ゴールズマン
出演 トム・ハンクス
  本作原作文庫
  本作映画チラシ





■脚本の書き方■
原作小説と映画脚本比較レビュー・インディスク


「ジェネラル・ルージュの凱旋」
「地球が静止する日」
「デス・レース」
「ホームレス中学生」
「容疑者Xの献身」
「パコと魔法の絵本」
「西の魔女が死んだ」
「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」
原作=C.S.ルイス
「ジャンパー」原作=スティーブン・グールド
「ライラの冒険 黄金の羅針盤
原作=フィリップ・プルマン
「陰日向に咲く」原作=劇団ひとり
「ミッドナイトイーグル」原作=高嶋哲夫
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」原作=J・K・ローリング
「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」原作=リリー・フランキー
「佐賀のがばいばあちゃん」原作=島田洋七
「墨攻」原作=酒見賢一
「暗いところで待ち合わせ」原作=乙一
「プラダを着た悪魔」
原作=ローレン・ワイズバーガー
「夜のピクニック」原作=恩田陸
「ゲド戦記」原作ル=グウィン
「ダ・ヴィンチ・コード」原作ダン・ブラウン
「ナルニア国物語/第1章ライオンと魔女」原作C・S・ルイス
「博士の愛した数式」原作小川洋子
「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」原作J.K.ローリング
「亡国のイージス」原作福井晴敏
「宇宙戦争」原作H.G.ウェルズ
「四日間の奇蹟」原作浅倉卓弥
「アビエイター」原作ジョン・キーツ
「オペラ座の怪人」原作ガストン・ルルー
「ハウルの動く城」原作ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ターンレフト・ターンライト」主演:金城武「新コンテンツ」です。
「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」 主演:ダニエル・ラドクリフ
「下妻物語」原作嶽本野ばら
「世界の中心で、愛を叫ぶ」原作片山恭一
「ジョゼと虎と魚たち」原作田辺聖子
「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」原作J.R.R.トールキン
「アイデン&ティティ」原作みうらじゅん
「精霊流し」原作さだまさし
「マッチスティック・メン」監督リドリー・スコット
「コンフェッション」原作チャック・バリス
「ソラリス」監督スティーブン・ソダーバーグ
「魔界転生」原作山田風太郎
「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」原作フランク・w・アバグネイル
「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」原作J.R.R.トールキン
「黄泉がえり」原作梶尾真治
「レッドドラゴン」原作トマス・ハリス
「マイノリティ・リポート」原作F・K・ディック
「ハリーポッターと秘密の部屋」J.K.ローリング著
「ザ・リング the ring」主演ナオミ・ワッツ
「アバウト・ア・ボーイ」原作ニック・ホーンディ
「タイムマシン」原作小説H・G・ウェルズ
「GO」脚本:宮藤官九郎
「ロード・オブ・ザ・リング」脚本ピーター・ジャクソン
「ハリー・ポッターと賢者の石」脚本スティーブ・クローブス
「PLANET OF THE APES/猿の惑星」監督ティム・バートン
「陰陽師」脚本福田靖
「ブリジット・ジョーンズの日記」脚本アンドリュー・デイヴィス
「バトル・ロワイヤル」脚本深作健太
「エクソシスト ディレクターズカット」主演リンダ・ブレア
「クロスファイア」脚本山田耕大
「ファイト・クラブ」監督デビット・フィンチャー
「共同警備区域JSA」原作小説パク サンヨン
「ナインスゲート」脚本:ジョン ブラウンジョン
「ハンニバル」脚本デビット・マメット
「ホワイトアウト」原作小説真保裕一
「リプリー」原作パトリシア・ハイスミス
「黒い家」脚本大森寿美男
「ISOLA多重人格少女」脚本水谷俊之
「シン・レッド・ライン」脚本テレンス・マリック
「魔女の宅急便」監督宮崎駿
「リング」脚本高橋洋
「コンタクト」監督:ロバート・ゼメキス
「L.A.コンフィデンシャル」脚本カーティス・ハンソン
「セブン・イヤーズ・イン・チベット」原作小説:ハインリヒ・ハラー
「さらば、わが愛 覇王別姫」監督チェン・カイコー
「バラサイト・イブ」脚本君塚良一
「アポロ13号」監督ロン・ハワード
「マディソン郡の橋」脚本リチャード ラグラベニーズ
「ショーシャンクの空に」脚本フランク・ダラボン
「フォレスト・ガンプ」脚本エリック・ロス
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」原作小説アン・ライス
「ジュラシック・パーク」原作小説マイケル・クライトン
「シンドラーのリスト」脚本スティーブン・ザイリアン
「イヤー・オブ・ザ・ガン」原作マイケル・ミューショー
「ダンス・ウィズ・ウルブズ」脚本マイケル・ブレイク
「レナードの朝」主演ロビン・ウィリアム
「トータルリコール」原作小説フィリップ・K・ディック
「レッドオクトーバーを追え!」脚本ラリー・ファーガソン
「ワイルド・アット・ハート」脚本デイヴィッド・リンチ
「ミザリー」原作小説スティーブン・キング
「ダイ・ハード」監督ジョン・マクティアナン
「仕立て屋の恋」原作小説ジョルジュ・シムノ
「時をかける少女」脚本剣持亘
「ブレード・ランナー」原作小説フィリップ・K・ディック
「惑星ソラリス」監督アンドレイ・タルコフスキー
「犬神家の一族」原作小説横溝正史
「ゴッドファーザー」監督フランシス・F・コッポラ
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原作と映画はともに夜のルーヴル美術館内から始まります。
閉館後のひっそりとした展示室をひとり逃げる館長のジャック・ソニエール
(ジャン=ピエール・マリエール)と、彼を追うフードの男。
フードから覗く男の顔は異様に白い。
彼は色素欠如症のシラスという名のオプス・デイという教会の修行僧です。
ソニエールは壁の絵画をむしり下ろすと、
背後の警報装置が作動し、鉄格子がソニエールと男の間に下ります。

シラスは倒れたソニエールに拳銃を突きつけ、
「答えろ」と冷たく言い放つ。
原作のおなじ出だしでは、このあとのソニエールが何と答えたかが出てきませんが、
映画でははっきりローズ・ラインとわかるようにしゃべっています。
“薔薇の印の下にキー・ストーンが横たわる”という暗号の解読をシラスは迫るのですが、
“薔薇の印”というのは、
グリニッジ日付変更線が制定される前の日付変更線、
パリ市内のサン・シュルピス教会を基点とするローズ・ラインのことを
指しているのだと知ります。

場面が切り替わって、講演会のためパリを訪れていた
ハーヴァード大学の教授ロバート・ラングドン(トム・ハンクス)の
講演の様子が登場します。
原作ではホテルのベッドで眠っているラングドンがフロントからの電話で、
無理やり起こされるところからで、そのあと
ラングドンの回想で講演の場面が出てきます。
これはどちらでもいいのですが、注目すべきはこの講演の内容です。

原作では女性司会者がウケを狙ってラングドンを
「ハリス・ツイードのハリソン・フォード」等と
四十代の美男子教授であるあたりから教授の紹介が始まっています。
原作者によれば、ラングドンは俳優ハリソン・フォードをイメージして
創作したといいます。
ですからこの描写はおかしくはないのですが、
映画では作品のテーマに関わる、宗教と象徴について話が出てきます。
フランス市民には、KKK団の服装のように見える白い目だしフードは、
スペインでは僧衣のシンボルであり、悪魔の三叉の鉾は海神ポセイドンの鉾です。
ナチのカギ十字は、ブッタのシンボルです。
宗教と象徴がテーマといいながら、講演では、
現代社会で悪魔信仰と考えられているものが、古い異教徒のシンボルであった事例が
スライドで投影されることに注意して置いてください。
同じ主旨の議論が原作では、ラングドンとファーシュ警部の対面場面に出てきています。

銃で撃たれるソニエールが出てきて、
今度は書店でサイン会に出ているラングドン。
コレ警部補はホテルではなくて、このサイン会の会場にやってきます。
寝込みをたたき起こすより、絵になるような変更がされているわけですが、
ここでラングドンがサインしている本はあとでも出てきますので、覚えておいてください。
原作ではこの著作はまだ草稿段階で、
草案を編集者がラングドンに無断でソニエールに送っています。
それがのちのちソニエールとラングドンの接点であるという風に
警察に誤解されてしまいます。

コレ警部補に車でルーヴル美術館に連れてこられたラングドンは、
ガラスのピラミッドの前で
フランス司法警察のベズ・ファーシュ警部(ジャン・レノ)と顔を合わせます。
フランス司法警察はアメリカのFBIに匹敵する機関です。
ラングドンは、ファーシュ警部に促されてエレベーターで事件現場に向かいますが、
エレベーターに乗ることを嫌がります。
原作では、過去のトラウマというだけで、具体的に何があったか、
最後まで語られることはありませんが、
映画ではきちんと子供時代の回想場面が登場し、
何を信じるか、といったダ・ヴィンチ・コードのもうひとつのテーマを語る
とっかかりとなっています。
ラングドン教授の冒険譚は原作ではシリーズ化されています。
シリーズ第2弾として発表されているので、
1作目にそれが何なのかが描かれているのかもしれないです。

ラングドン教授については、もうひとつ、針の曲がったプレミアもののミッキーマウスの
腕時計をしている、という描写が出てきます。
こちらは映画では出てきませんね。
人に問い詰められて「話せば長くなる」と教授は顔をしかめているので、
相応の理由があるようですが。

展示室で倒れているソニエールの他殺体は全裸です。
映画ではファーシュ警部が
レオナルド・ダ・ヴィンチの「ウィトルウィウス的人体図」を
模した形であることをすぐ指摘しますが、
原作では胸の上の血染めの星印しかわからなくて、
あとで死体の外側にブラックライトに浮かぶ円周が照らされ
ダ・ヴィンチの「ウィトルウィウス的人体図」であることがわかります。
さらに死体の脇に謎の数字とメッセージがあります。
『13−3−2−21−1−1−8−5
 おお、ドラゴンのごとき悪魔め!
 おお、役に立たぬ聖人め!』

ソニエールを襲ったシラスは
オプス・デイ教会の宿舎に密かに戻り、
襲撃の成果を“導師”と呼ばれる男に電話で連絡します。
その電話の会話より、シラスは他にも3人のシオン修道会の最高幹部を襲い、
全員からおなじ答えを得ていることを告げます。
シラスは聖杯のありかを示したキー・ストーンの隠し場所に出かける前に
身を清める為、自らの身体に鞭打ちます。


ファーシュ警部は、ラングドンの専門知識を駆使して捜査に協力してほしいと
求めてきたのですが、実はラングドンは第一容疑者でした。
ラングドンはその夜、ソニエールと面会の約束をしていてすっぽかされています。
ファーシュ警部が巧みな誘導尋問で、
ラングドンから証拠となる発言を引き出そうとしていた時、
暗号解読官のソフィー・ヌヴー(オドレイ・トトゥ)が現れます。…


本作品の原作比較レビューの続きは
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