「地球が静止する日/警告SF脚本の書き方」
原作小説と映画脚本比較により脚本の書き方・成り立ちを探ります。ハリウッド脚本の極意、世界名作の秘密に迫ります。全体に「ねたばれ」の要素がありますので、要注意。
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■原作 「地球の静止する日」※ 2008年 角川文庫刊 作:ハリー・ベイツ 訳:南山宏 ※「主人への告別」(Farewell to the Master)が正しい原作名だが、 訳本では旧作映画の公開タイトルをなぞって「地球の静止する日」と タイトルが付けられている。”Farewell to the Master”の アメリカ本国での発表は1940年。 |
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■作品基礎データ 「地球の静止する日」 原題 ” The Day the Earth Stood Still” 1951年 アメリカ映画 監督;ロバート・ワイズ 脚本;エドムンド・H・ノース 出演:マイケル・レニー パトリシア・ニール |
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■作品基礎データ 「地球が静止する日」 2008年 アメリカ映画 監督:スコット・デリクソン 脚本;ライン・ダグラス・ピアソン デヴィッド・スカルパ 出演:キアヌ・リーブス |
| 本作原作文庫 本作映画チラシ ■脚本の書き方■ 原作小説と映画脚本比較レビュー・インディスク 「デス・レース」 「ホームレス中学生」 「容疑者Xの献身」 「パコと魔法の絵本」 「西の魔女が死んだ」 「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」原作=C.S.ルイス 「ライラの冒険 黄金の羅針盤」原作=フィリップ・プルマン 「陰日向に咲く」原作=劇団ひとり 「ミッドナイトイーグル」原作=高嶋哲夫 「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」原作=J・K・ローリング 「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」原作=リリー・フランキー 「墨攻」原作=酒見賢一 「暗いところで待ち合わせ」原作=乙一 「プラダを着た悪魔」原作=ローレン・ワイズバーガー 「夜のピクニック」原作=恩田陸 「ゲド戦記」原作ル=グウィン 「ダ・ヴィンチ・コード」原作ダン・ブラウン 「ナルニア国物語/第1章ライオンと魔女」原作C・S・ルイス 「博士の愛した数式」原作小川洋子 「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」原作J.K.ローリング 「亡国のイージス」原作福井晴敏 「宇宙戦争」原作H.G.ウェルズ 「四日間の奇蹟」原作浅倉卓弥 「アビエイター」原作ジョン・キーツ 「オペラ座の怪人」原作ガストン・ルルー 「ハウルの動く城」原作ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 「ターンレフト・ターンライト」主演:金城武 「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」 主演:ダニエル・ラドクリフ 「下妻物語」原作嶽本野ばら 「世界の中心で、愛を叫ぶ」原作片山恭一 「ジョゼと虎と魚たち」原作田辺聖子 「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」原作J.R.R.トールキン 「アイデン&ティティ」原作みうらじゅん 「精霊流し」原作さだまさし 「マッチスティック・メン」監督リドリー・スコット 「コンフェッション」原作チャック・バリス 「ソラリス」監督スティーブン・ソダーバーグ 「魔界転生」原作山田風太郎 「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」原作フランク・w・アバグネイル 「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」原作J.R.R.トールキン 「黄泉がえり」原作梶尾真治 「レッドドラゴン」原作トマス・ハリス 「マイノリティ・リポート」原作F・K・ディック 「ハリーポッターと秘密の部屋」J.K.ローリング著 「ザ・リング the ring」主演ナオミ・ワッツ 「アバウト・ア・ボーイ」原作ニック・ホーンディ 「タイムマシン」原作小説H・G・ウェルズ 「GO」脚本:宮藤官九郎 「ロード・オブ・ザ・リング」脚本ピーター・ジャクソン 「ハリー・ポッターと賢者の石」脚本スティーブ・クローブス 「PLANET OF THE APES/猿の惑星」監督ティム・バートン 「陰陽師」脚本福田靖 「ブリジット・ジョーンズの日記」脚本アンドリュー・デイヴィス 「バトル・ロワイヤル」脚本深作健太 「エクソシスト ディレクターズカット」主演リンダ・ブレア 「クロスファイア」脚本山田耕大 「ファイト・クラブ」監督デビット・フィンチャー 「共同警備区域JSA」原作小説パク サンヨン 「ナインスゲート」脚本:ジョン ブラウンジョン 「ハンニバル」脚本デビット・マメット 「ホワイトアウト」原作小説真保裕一 「リプリー」原作パトリシア・ハイスミス 「黒い家」脚本大森寿美男 「ISOLA多重人格少女」脚本水谷俊之 「シン・レッド・ライン」脚本テレンス・マリック 「魔女の宅急便」監督宮崎駿 「リング」脚本高橋洋 「コンタクト」監督:ロバート・ゼメキス 「L.A.コンフィデンシャル」脚本カーティス・ハンソン 「セブン・イヤーズ・イン・チベット」原作小説:ハインリヒ・ハラー 「さらば、わが愛 覇王別姫」監督チェン・カイコー 「バラサイト・イブ」脚本君塚良一 「アポロ13号」監督ロン・ハワード 「マディソン郡の橋」脚本リチャード ラグラベニーズ 「ショーシャンクの空に」脚本フランク・ダラボン 「フォレスト・ガンプ」脚本エリック・ロス 「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」原作小説アン・ライス 「ジュラシック・パーク」原作小説マイケル・クライトン 「シンドラーのリスト」脚本スティーブン・ザイリアン 「イヤー・オブ・ザ・ガン」原作マイケル・ミューショー 「ダンス・ウィズ・ウルブズ」脚本マイケル・ブレイク 「レナードの朝」主演ロビン・ウィリアム 「トータルリコール」原作小説フィリップ・K・ディック 「レッドオクトーバーを追え!」脚本ラリー・ファーガソン 「ワイルド・アット・ハート」脚本デイヴィッド・リンチ 「ミザリー」原作小説スティーブン・キング 「ダイ・ハード」監督ジョン・マクティアナン 「仕立て屋の恋」原作小説ジョルジュ・シムノ 「時をかける少女」脚本剣持亘 「ブレード・ランナー」原作小説フィリップ・K・ディック 「惑星ソラリス」監督アンドレイ・タルコフスキー 「犬神家の一族」原作小説横溝正史 「ゴッドファーザー」監督フランシス・F・コッポラ |
mixi(ミクシー)「独身社会人映画ファンコミュニティ」に入ろう! ■┐━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ └■┐ 小説と「地球の静止する日」「地球が静止する日」の時代背景 ━└■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 原作者ハリー・ベイツ(1900〜1981)は、 訳者の紹介によると、アメリカ生まれの作家、編集者、俳優だったそうです。 若い頃には黎明期の映画産業に従事していたようですが 1930年代に雑誌の編集の傍ら、複数のペンネームで、 スペースオペラものの執筆をしており、 1940年SF雑誌「アスタウンディン」の10月号に 「主人への告別」(Farewell to the Master)という短編小説を発表しています。 これが1951年にロバート・ワイズ監督により「地球の静止する日」 ” The Day the Earth Stood Still”というタイトルで映画化されました。 1950年代は、ハリウッドでもSF映画ブームでしたが、 「空想科学映画」は子供向けのお伽話であり、 異星人は敵対するモンスターとして描かれ、 スペクタクルが優先されるジャンルの映画と思われていました。 その風潮の中で、「地球の静止する日」は ストーリーを重視して高い知性と友好的な異星人像を提示し、 人類と異星人のファースト・コンタクトとそれに対する人類の動向を 描いた本格SF映画の先駆的な作品です。 プロデューサーのジュリアン・ブロースタインは冷戦時代の国家対立を危惧し、 なんらかの形で世界情勢を表す映画を作ろうと考えたようです。 「主人への告別」のテーマである「人が見知らぬものにどのように反応するか」が 気に入り原作として採用したと言われます。 1951年版には冷戦や核戦争といった時代的背景が示されていましたが、 2008年のリメイクにおいては環境破壊という視点も加えられていますね。 ■┐━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ └■┐ UFO飛来 ━└■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 小説、2本の映画のいずれもファースト・コンタクトもの。 アメリカの大都会にある日突然、UFOが飛来し、 クラトゥと名乗るヒューマン・タイプの異星人が現れる、というものです。 アプローチの仕方が異なりますね。 小説は、UFOが現れたあと、数ヵ月後から、 回想で事件の発端を語っています。 場所はワシントン.D.C 正確な年代は書かれていませんが、 地球側の人物がクラトゥに向かって小型の光線銃を撃っていますが、 社会情勢等は現代アメリカのそれと変わりないので、 近未来と考えてよいようです。 宇宙船は、空を飛んで来たのではなく、 テレポーションでもしたかのごとく、ぱっと姿を現します。 その場に居合わせた一般人はパニックを起こして逃げ、 駆けつけた警察と軍隊が宇宙船を包囲します。 丸2日間、宇宙船は微動だにしませんでしたが、 次第に野次馬の数は増え、数万人が宇宙船を取り囲みました。 そして遂に船壁に開口部が開き、なかから宇宙人の男がロボットを従えて 現れます。 // // ☆ ☆ 「地球の静止する日」では、UFOの視点から見た宇宙の姿から始まっています。 宇宙の果てから地球に飛来し、海を越えて ワシントン.D.C.に着地します。 事前に軍関係者が異常な高速で接近する飛行物体をレーダーで捕らえ、 ミサイルと誤解しますが、 早すぎで撃墜の手立てが打てません。 報道がミサイル接近を報じますが、 ワシントン.D.C.に警報が発令されるのは UFOの着地した後です。 一般市民の野次馬、警察、軍隊が見守る中で 空飛ぶ円盤の UFOから銀色の宇宙服を着た宇宙人が姿を見せます。 // // ☆ ☆ 「地球が静止する日」では、 発端が1928年のカラコルム山脈の雪山、 ということになっていて、 登山者(キアヌ・リーブの二役)が謎の球体を山で見つけ、 ピッケルで突っつくと中から光がほとばしり、気絶。 意識が戻ると、手に円形の痕が残され、 (細胞のサンプルを採取した?) 球体は消えうせている、という場面があって、 現代のアメリカへ。 医学博士で生物学者のヘレン(ジェニファー・コネリー)が ニューヨーク市内の大学のゼミで学生達を指導している様子が描かれ、 帰宅した彼女が義理の息子ジェイコブ(ジェイデン・スミス)の為に 夕飯の支度をしていると、 政府の情報機関の男が逮捕同然に彼女を連れ出し、 陸軍の仕官学校内にかき集められたあらゆる分野の専門家とともに、 アステロイドベルトで偶然発見された未確認物体が 78分後にマンハッタンに衝突するという説明を受けます。 災害対策用にかき集められた彼女らですが、 衛星迎撃ミサイルでさえ撃ち落せない超高速で接近する未確認物体による 地上の災害を防ぎようもなく、 二次災害に備えるため、 宇宙服のような防護服を着てヘリでマンハッタンへ向かいます。 地上に激突するはずの未確認物体は急に減速し、 セントラルパークに着地します。 それは巨大な球体、というより小さな惑星のようにも見え、 雲とも虹ともつかぬ不思議な光に包まれていました。 パニックを起こして逃げ惑う一般市民、 殺到する警察と軍隊。 ヘリごとセントラルパークに着地したヘレンは、 謎の球体の光に魅せられるように見上げます。 すると光の中から近づいてくる人影が。 // // ☆ ☆ ――といった次第で、 小説、「地球の静止する日」「地球が静止する日」と発表の あとの作品ほど状況説明が細かくなっています。 「地球の」では空飛ぶ円盤は白昼堂々と着陸し、 「地球が」では、夜、他にいくつもの光る球体を引き連れて 地球にやってきます。 他の球体たちは世界各地に散らばり、 全世界の人々に動揺と混乱を与えます。 あらためて文章に書き出すと、「地球が」の 地球衝突直前に専門家をかき集めたところで どうなるものでもなく、 かなり無理無理な進行ですね。 けれどスクリーンで見ていた最中は、 陳腐さは目に付かず、 一見堅固に見える人間社会も、 実はいざとなると無力さ、 はかなさがさらけ出てしまうという無力感が、 迫力ある映像とともに伝わってきました。 新作がとても危機感を煽る描かれ方をしているのは、 単に演出のテンポを上げる、スリリングに見せるというだけの 理由ではありません。 時代はよりグローバルになり、 同時により多くの矛盾と混乱を抱え込む世界になってしまっています。 そのことをドラマの前提として分かりよく描きこむとともに、 クラトゥのキャラクターと目的も変わってきていますので、 それに相応しい世界観を事前に提示しておいてあるのですね。 それと「地球が」では、 後にヒロインとなるヘレンが異星人クラトゥより先に 登場するのが特徴…
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