「ゲド戦記/ファンタジー長編アニメ映画脚本の書き方」
原作小説と映画脚本比較により脚本の書き方・成り立ちを探ります。ハリウッド脚本の極意、世界名作の秘密に迫ります。全体に「ねたばれ」の要素がありますので、要注意。

「ゲド戦記」原作表紙 原作
「ゲド戦記」
2006年刊 岩波書店 
アーシュラ・K・ル=グウィン 著  
清水真砂子 訳

    
「ゲド戦記」映画チラシ 映画
「ゲド戦記」
2006年 日本映画
監督脚本 宮崎吾郎
出演 岡田准一
  本作原作文庫
  本作映画チラシ





■脚本の書き方■
原作小説と映画脚本比較レビュー・インディスク


「西の魔女が死んだ」
「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」
原作=C.S.ルイス
「ライラの冒険 黄金の羅針盤原作=フィリップ・プルマン

「陰日向に咲く」原作=劇団ひとり
「ミッドナイトイーグル」原作=高嶋哲夫
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」原作=J・K・ローリング

「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」原作=リリー・フランキー
「墨攻」原作=酒見賢一
「暗いところで待ち合わせ」原作=乙一
「プラダを着た悪魔」
原作=ローレン・ワイズバーガー
「夜のピクニック」原作=恩田陸
「ゲド戦記」原作ル=グウィン
「ダ・ヴィンチ・コード」原作ダン・ブラウン
「ナルニア国物語/第1章ライオンと魔女」原作C・S・ルイス
「博士の愛した数式」原作小川洋子
「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」原作J.K.ローリング
「亡国のイージス」原作福井晴敏
「宇宙戦争」原作H.G.ウェルズ
「四日間の奇蹟」原作浅倉卓弥
「アビエイター」原作ジョン・キーツ
「オペラ座の怪人」原作ガストン・ルルー
「ハウルの動く城」原作ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ターンレフト・ターンライト」主演:金城武「新コンテンツ」です。
「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」 主演:ダニエル・ラドクリフ
「下妻物語」原作嶽本野ばら
「世界の中心で、愛を叫ぶ」原作片山恭一
「ジョゼと虎と魚たち」原作田辺聖子
「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」原作J.R.R.トールキン
「アイデン&ティティ」原作みうらじゅん
「精霊流し」原作さだまさし
「マッチスティック・メン」監督リドリー・スコット
「コンフェッション」原作チャック・バリス
「ソラリス」監督スティーブン・ソダーバーグ
「魔界転生」原作山田風太郎
「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」原作フランク・w・アバグネイル
「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」原作J.R.R.トールキン
「黄泉がえり」原作梶尾真治
「レッドドラゴン」原作トマス・ハリス
「マイノリティ・リポート」原作F・K・ディック
「ハリーポッターと秘密の部屋」J.K.ローリング著
「ザ・リング the ring」主演ナオミ・ワッツ
「アバウト・ア・ボーイ」原作ニック・ホーンディ
「タイムマシン」原作小説H・G・ウェルズ
「GO」脚本:宮藤官九郎
「ロード・オブ・ザ・リング」脚本ピーター・ジャクソン
「ハリー・ポッターと賢者の石」脚本スティーブ・クローブス
「PLANET OF THE APES/猿の惑星」監督ティム・バートン
「陰陽師」脚本福田靖
「ブリジット・ジョーンズの日記」脚本アンドリュー・デイヴィス
「バトル・ロワイヤル」脚本深作健太
「エクソシスト ディレクターズカット」主演リンダ・ブレア
「クロスファイア」脚本山田耕大
「ファイト・クラブ」監督デビット・フィンチャー
「共同警備区域JSA」原作小説パク サンヨン
「ナインスゲート」脚本:ジョン ブラウンジョン
「ハンニバル」脚本デビット・マメット
「ホワイトアウト」原作小説真保裕一
「リプリー」原作パトリシア・ハイスミス
「黒い家」脚本大森寿美男
「ISOLA多重人格少女」脚本水谷俊之
「シン・レッド・ライン」脚本テレンス・マリック
「魔女の宅急便」監督宮崎駿
「リング」脚本高橋洋
「コンタクト」監督:ロバート・ゼメキス
「L.A.コンフィデンシャル」脚本カーティス・ハンソン
「セブン・イヤーズ・イン・チベット」原作小説:ハインリヒ・ハラー
「さらば、わが愛 覇王別姫」監督チェン・カイコー
「バラサイト・イブ」脚本君塚良一
「アポロ13号」監督ロン・ハワード
「マディソン郡の橋」脚本リチャード ラグラベニーズ
「ショーシャンクの空に」脚本フランク・ダラボン
「フォレスト・ガンプ」脚本エリック・ロス
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」原作小説アン・ライス
「ジュラシック・パーク」原作小説マイケル・クライトン
「シンドラーのリスト」脚本スティーブン・ザイリアン
「イヤー・オブ・ザ・ガン」原作マイケル・ミューショー
「ダンス・ウィズ・ウルブズ」脚本マイケル・ブレイク
「レナードの朝」主演ロビン・ウィリアム
「トータルリコール」原作小説フィリップ・K・ディック
「レッドオクトーバーを追え!」脚本ラリー・ファーガソン
「ワイルド・アット・ハート」脚本デイヴィッド・リンチ
「ミザリー」原作小説スティーブン・キング
「ダイ・ハード」監督ジョン・マクティアナン
「仕立て屋の恋」原作小説ジョルジュ・シムノ
「時をかける少女」脚本剣持亘
「ブレード・ランナー」原作小説フィリップ・K・ディック
「惑星ソラリス」監督アンドレイ・タルコフスキー
「犬神家の一族」原作小説横溝正史
「ゴッドファーザー」監督フランシス・F・コッポラ

mixi(ミクシー)「独身社会人映画ファンコミュニティ」に入ろう!


アーシュラ・K・ル=グウィン作「ゲド戦記」が宮崎吾郎監督の元、
スタジオ・ジプリの長編映画として製作されました。

物語の舞台は、多島海世界”アースシー“。
映画は荒れる海の中をローリングしてくる一隻の帆船の甲板上から始まります。
船長は
風の司に海を鎮めるよう命じるのですが、
司は、どうしても海と風の真の名を思い出すことができません。
そして、突如、暗雲の中から二匹の竜が現れます。
二匹は共食いをはじめます。
西の果てに棲む竜が、人間の世界である東海域に現れ、
さらに食い合うなどあってはならぬことでした。
世界の均衡が崩れつつあったのです。

多島海世界というのは、原作小説では“アーキペラゴ”というルビが振られていますね。
これまで映画化された大作ファンタジー小説は、
「指輪物語」「ナルニア国物語」にせよ、ひとつの大陸が唯一の舞台で、
主人公は徒歩で移動し、軍勢が動く時に騎馬が出てくるものでしたが、
この作品については島々が舞台で移動手段は船です。
魔法使い達が高い社会地位を持っているのは一緒ですが、
「ゲド戦記」にきわめて特徴的なのはこの魔法使いの魔法のありようです。

ゲドというのは、主人公の真実の名前です。
彼にはハイタカという呼び名があります。
ここでいう呼び名というのは、普段使われている名ですが、
あだ名やニックネームといった、軽い意味での通称ではなくて、
通常、本名として通用する名の事で、
ゲドという真実の名は、生涯においてそう幾たびも呼ばれる事の無い、
秘密の本名です。
ゲドは幼い頃、ダニーという幼名があり、
いずれ真実の名が名づけられる事となっており、
かれに大魔法使いの素質を見出した恩師オジオンより命名された名前です。
この小説世界では、
真実の名を知れば、その名を通じて相手を支配する事が出来ると設定されていて、
魔法使いとは、多くの真実の名を知る人、
魔術というのは真実の名で相手に語りかける事という風に定義付けられています。
ですから、映画の冒頭で風の司、と呼ばれる魔法使いが、
風の真実の名を忘れてしまったがために術を掛けられないという展開になっています。

「陰陽師」「帝都物語」等では同様の設定があり、
安部清明や怪人・加藤は己の真実の名を隠して、
如何にして相手の名を知るかで攻防戦を繰り広げています。
陰陽道の思想は東洋のものとばかり思っていたのですが、
それがアメリカ人作家の原作者によって長編小説の基本設定に採用されるとは
不思議です。

また竜の位置づけは重要ですね。
「指輪物語」「ナルニア国物語」に出てくる様々なモンスターたちとは、
決定的に違っています。
最初筆者はもっと大きな力とカリスマ性を持った
ナウシカのオームのごとき存在ではないかと考えたのですが、
映画のこのあと、竜同士の共食いが報告されたエンラッド国の王宮で、
国王(小林薫)が述べている通り、
かつて人と竜はひとつのものであり、
自由を求めた竜は、空と火を手にいれ、
安定と所有を求めた人は海と大地を所有し、
それぞれの領域に立ち入らぬようになって行った、という伝承が信じられています。
竜は力と古代魔術の象徴として大いに人間に恐れられていますが、
もとは同一のものであり、古代の神聖語により人と対話が可能ということになっています。

国王と側近達は王宮で、世界の秩序に異変が生じつつあることを報告しあい、
国王は情報収集と原因究明を命じ、席を立ちます。
女官達が国王を取り囲んで、
王子が、昨夜から姿が見えないと訴えます。
現れた王妃(夏川結衣)は、王を煩わせるのではない、と女官達を追い払ってしまいます。
王妃と女官達が去り、ひとりとなった国王は物陰に潜んでいた若者に短剣で刺されます。
その若者こそ、王子アレン(岡田准一)でした。

アレンは馬でエンラッドから逃げ出し、
砂漠で狼の群れに囲まれます。
アランは腰の剣に手を掛けて、なぜかその手を離します。
「お前が私の死か」
アランは捨てばちにつぶやくのでした。

ハイタカ(真の名:ゲド 菅原文太)は、
世界に災いをもたらすその源を探る旅の途上にありました。
かつて、血気にはやる傲慢な山羊飼いの少年だったハイタカもいまや壮年となり、
世界でもっとも偉大な魔法使い、「大賢人」と呼ばれています。

旅の途中、ハイタカは砂漠で狼の群れに襲われていたアレンを
助けます。
父王を刺し国を出た少年は、”影“に追われていました。
世界の均衡を崩し、人の頭を変にする災いの力はアレンの身にも及んでいたのです。
影から逃げ惑い、心の闇と向き合うことのできない
アレンの姿は、まるで若き日のハイタカのようでした。

谷を下り、山をめぐり、農民が土地を捨てたいくつもの廃
嘘を抜け、二人は、人々が崩れかけた遺跡に巣くうように暮らす都城、
ホート・タウンにたどり着きます。

原作「ゲド戦記」は本編5巻と外伝1巻からなり、
映画はその3巻目「さいはての島へ」を中心に作られています。
映画冒頭の竜の共食いは原作ではハイタカとアレンが旅に出て、
小説も中盤以降になってからふたりが目撃するエピソードです。

原作「さいはての島へ」はアレンが国王の使いで、
ゲドの居る賢人の島ロークにお召し船でやってくるところから始まります。
父親を斬りつけ祖国を出奔したというのは丸ごと映画のオリジナルです。
ロークにはよき魔法の伝承を行う学院があり、
九人の魔法使いの長達が教師となり、
学長である大賢人のもと、全海域よりやってきた若者達を
よき魔法使いに育て上げる寮生教育が行われています。
はりぽたもそこのけの話ですが、「ゲド戦記」の方が遙に古いです。

アレンがゲドに持ち込んだ話は、国王が王宮で臣下達と相談している内容と同じで、
各地の凶作、疫病、魔法使い達が魔法を使えなくなったという不穏な知らせです。
アレンは大賢人に異変の正体と、解決の道を教わるよう使わされたのです。…


本作品の原作比較レビューの続きは
まぐまぐプレミアム「映画VS原作本 映画脚本のヒ・ミ・ツ」で発表します。サイトの維持、コンテンツの充実にご理解、ご協力をお願いいたします。
講読お申し込みはまず、まぐまぐプレミアムで
会員登録(http://premium.mag2.com/begin.html)をしてから、マガジンの購読を申し込んでください。購読は下記をクリック。


まぐプレバナー


トップページ(小説と脚本の比較レビュー)に戻る